扇子と手拭い

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

好きな落語で大往生(落語2―57)

2011-10-02 00:17:34 | 日記
▼花伝亭笑龍を偲ぶ集い
 花伝亭笑龍を偲ぶ集いと銘打った「第5回文七迷人会」は、9月30日午後6時30分から東京・浅草の「茶や あさくさ文七」で行われた。盛況の中、落語会は8時30過ぎ、お開きとなった。会場は終始、笑顔に包まれ、落語をこよなく愛した笑龍さんにふさわしい集いとなった。

 前日までとは打って変わり、この日は真夏の暑さ。午前10時過ぎには気温が29度を超えた。長袖のシャツに汗がにじむ。午前中に八千代市内での落語会に出演。午後、いったん自宅に戻りシャワーを浴び、着替えたのち、浅草に向かった。

▼そりゃあいい、喜ぶよ
 会場に着いた途端、席亭が「笑龍さん、さぞかし残念だったろうね」と慰めの言葉をかけてくれた。「文七迷人会」への出演を、誰よりも笑龍さんが楽しみにしていたことを承知しているからである。「今夜は偲ぶ会にした」と言うと、「そりゃあいい。(笑龍さんが)喜ぶよ」と返してくれた。

 開演間近になって、次々に客がやって来た。2分遅れの開演の冒頭に、「落語好きの笑龍さんにふさわしく、みんなで明るく送ろう。いつもより3倍元気にやろう」と挨拶した。景気のいい出囃子に乗って開口一番は、この日がお初の登場となった大室亭絶好調さんが「動物園」を熱演。客席の空気をあっためてくれた。

▼次々に得意ネタ披露
 2番手は、笑龍さんの持ちネタを急きょ、稽古したというぼて助さんが「目黒のさんま」に代え、「短命」を披露。お次が、あたくしの「百川」。何しろネタおろしとあって、皆目自信がなく、しくじった場合を考えて、ぼて助さんにプロンプター役をお願いした。手を煩わすことなく、何とかおしまいまでたどり着いたが、出来は冷や汗もの。大阪から来てくれた友人が「言葉の間、(百べえはもっと)おどけた調子で」とダメ出し。辛口なコメントは友ゆえである。

 3人終えたところでお仲入り。約10分の休憩。後半戦は噺上手な木凛さんが得意の持ちネタである「つる」を、次いでローリーさんが「金髪の美人が登場すると思ったら、こんなオヤジが出て来て、どうもすみません。タンクローリーの運転をしています」と、笑いを取った。この日のトリは万福さん。貫録十分にオハコの「初天神」をやってのけた。

▼好きな落語で大往生
 偲ぶ会と聞いて笑龍さんの母校、福島高校の同級生の方が4人来て下さった。笑龍さんの長兄で東北の名刹、医王寺の住職ご夫妻が福島から来場。他に出演者それぞれのご贔屓様が多数、お越し下さったおかげで客席は熱気であふれた。

「笑龍は好きな落語で送ってもらって大往生だ。いい集いだった」と同級生。ひょっとして、あの笑龍さんのことだから、こっそりやって来て、どこか会場の隅で聴いていたのではないか。そして、こう言っていたかも。「みんな、オレにも一席やらせろ」。

コメントを投稿