湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

「湿」の詩パート11

2015-05-29 10:11:10 | オリジナル
噴井の滝@葉山しおさい公園
落差3mの滝は、横に広がりながら水が落下する「布落ち」と、壁面を伝うように水が落ちる「伝い落ち」の複合水流からなり、美しい段瀑の姿をしています。
(現地案内板より)

ということで、今月の共通テーマ「湿」でAが滝について書いた詩を投稿します。

うらみの径

滝壺から昇る水の粒で径は常に濡れている
背後の壁も濡れている
その壁を鑑賞する者はいない
このトンネルのような径では
滝の裏が表 壁が裏ということになる

滝はただ勢いよく流れていく
もの欲し気に後ろから
自分を覗く人間がいるなんて
考える暇もなく
自分に表と裏があるなどとは
全く考える暇もなく

飛沫に濡れながらさんざめく笑顔が表 
隠し持つ恨みが裏という 誰もいわない定理とか
「裏見の滝」(径の入口の看板に書いてある)の見物客より
自分の方がよほどカラッとしていることなど
全く考える暇もなく ただ勢いよく流れていく


 花火の台船来ました~
コメント
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