湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

テクはあるけど心がない

2015-05-26 02:02:51 | 
5月の合評会で、Aの詩「青年」について話し合ったことをまとめます。 

 青年
きみの回路はちぎれている
しかし細くつながっている
つながっている部分に激情が通うと汽笛が鳴る
情動から言語への回路は途切れているから
何に腹を立てたのかきいても答えてくれない
「ごめん……説明できない」と身もだえ口ごもる姿が
裸のダビデみたいにセクシーだね
翼を再び大きく広げるために折り畳んでいくような
曲がっているのでも切れているのでもない
関節の角度 その折れ具合
天上の光景のよう
筋肉がスローモーションをつかさどり
掌の礫を包み隠して


:作者の弁 :評者の弁
出だしの4行はレトリックが効いていて詩のテクニックとしてすばらしいんだけど、後半は失速している感じがします。
出だしは彼が珍しく腹を立てた様子だから新鮮味があったんだけど、後半は彼に関して常にもっている固定的で肯定的なイメージでしかないからですね、きっと。
血を流さずにさらさらっと書いちゃったんですよ。
慢心して楽な方に行かずもっと意表を突く表現を、血を流して考えます!
コメント
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