湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

「折る」の詩パート11&逗子海岸映画祭

2015-05-02 14:47:24 | オリジナル
初夏のような海岸で青空バックにスケートボード。逗子海岸映画祭会場に設置されているスケートランプです。


今日はフランスデー。今夜上映される映画はジャック・タチ「プレイタイム」です。

では、シネマのワンシーンをイメージしたEの詩を。

赤いハイヒールの女

真昼のペーブメント
ハイヒールの音をたて女が走り出す
やがて
坂の途中で足を止め息を吐く
涙を一杯ためた目には
小石がボワーンと歪んで見える

男の運転する車は路地を曲がり
もう見えない
激しい気性の女のひとことが
真実の針となって
不真面目な男の心を貫き怒らせた
というシーンが
観客のいない空間に
一瞬写しだされ そして消えてゆく

赤いハイヒールのカカトが折れて
くちびるを嚙む女
海からの風は頬をたたき
コッツン コッツンと
ひしゃげた音を残し
女は歩いてゆく――坂道を


そういえば「白いドレスの女」という映画がありましたね。
コメント
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