湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

「湿」の詩パート4

2015-05-15 01:00:38 | オリジナル
共通テーマ「湿」でTが書いた詩を投稿します。
 神武寺隧道
のぞみ

街の喧騒が遠くに聞こえる
はじき出されて気付けば
湿地帯に立っていて
全てがゆがんで見える

街は健やかで前向きに生きている人達だけのもの
真実も未来を確信している人達のものだ

周りには病になりかかっている人 過去のみを眺めている人
他人に敏感な人達ばかりがいる
快晴で爽やか色の風さえ吹いているのに
足元は動かすたびにズボッズボッと地面に沈む
湿り気は下から這い上がって心身に浸み込み
思考も停止寸前だ
歩みを止めてしまったら朽ちて果てるだけだ

湿地帯だけは抜け出したい
力を振り絞って 
できることなら健やかさを装い
街で暮らしたい
私だけの真実をかざして 
コメント
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