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575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

天皇の白髪にこそ夏の月   宇多喜代子

2009年12月23日 | Weblog
今日は天皇誕生日。
天皇を詠った句は、これしか知りません。
しかし、どうも良く分からない句です。

天皇は過っては太陽神の子孫。
それに月が配されています。
ここに現代の天皇の姿が
イメージされているのでしょうか?

さらに白髪。
平成天皇も白髪。
私は昭和天皇ではなく、平成天皇と読みました。
平成天皇と、ほぼ同時代を生きた作者が
自分の白髪をかさねているのかも知れません。
(宇多さんも白髪だったと思います。)

また月といえば秋のもの。
なぜ夏の月なのか?
花鳥風月という伝統から少しずれたところに
夏の月はあるようです。
しかし伝統から切り離されてはいない。

そういう微妙な存在としての戦後を
天皇の白髪に象徴させた句でしょうか?

天皇の白髪にこそ、と切れていますから、
このあとに○○○と、何かが省略されています。
それをどう埋めるのかは読者にまかされています。

みなさんは、どう読みます?



 天皇に白の剥落かぎりなし  遅足





コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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こんな句もありました。 (遅足)
2009-12-23 10:50:11
天皇誕生日その恋も亦語らるる  林翔

天皇の日の納豆を溶いてをり   加藤冬人

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Unknown (俳愚人)
2010-01-30 22:24:08
こういう句は意味を説明したりすると佳さが消失してしまいますね。

舌頭百回吟じて味わう句だと思います。笑
返信する

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