575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

初句会  麗

2020年01月23日 | Weblog
令和2年の初句会が昨日10名の参加で賑やかに行われました。
今年は暖冬で雪もなく「寒夜」を実感するには多少想像力が必要だったかも知れません。
それでもやはり寒い夜。いろんな寒夜が詠まれました。では恒例の一言講評です。

題詠「寒夜」

①人肌の 風ぞ彷徨う 寒夜かな

暖冬で生暖かい風。猫の写真とともに投句。「ぞ」の使い方はどんな感じでしょうか?

②車椅子毛布に巻かれゆく寒夜

高齢社会。状況が目に浮かびます。寒夜の移動なので緊急性を感じます。なんとか暖かくして運びたいという慈愛のこもった句。

③憧るる 紅き囲炉裡<いろり>の寒夜かな

「紅き」にもう一工夫という声がありました。囲炉裏のある暮らしも少なくなりました。

④夫の息聞いて安堵の寒夜かな

そのままの状況を詠まれましたが、共感を呼んだ一句。思わず確かめてほっと。

⑤被災地にそそぐ月光寒夜かな

阪神大震災から25年。あの夜は満月だったと聞き、月の句を詠みましたが、「月光」は秋の季語でまだまだ勉強が必要です。ちなみに「寒月光」ならよいそうです。

⑥警策の肩に予感の寒夜かな

警策の寸前、
いよいよ来るという緊張感。心に警策を受けたという方も。

⑦終活の話題の尽きぬ卓寒夜

終活の話題はご時世でしょうか?淋しい句かと思いきや、なんと忘年会で盛り上がった話題だったそうです。話題が尽きないというのがほほえましくも切ないですね。

⑧胃カメラの画像じっくり寒夜半

精密検査を受けられ、ご自分の胃の中を初めて画像で見たそうです。写真にして持って帰りしみじみと。幸い結果は異状なしでした!!よかった!!

⑨寒夜20ワットに揺れる天井

揺れる20ワットの電球は御不浄でしょうか?お化けがいるようなちょっと怖い感じも。

⑩雨戸繰る音八方へ寒夜かな

雨戸のあのガタガタときしむ音が懐かしいです。その音が寒夜に、四方ではなく八方に響くとされたところがいいですね。

⑪寒夜なりカーテンよせて星二つ

カーテンの隙間から覗く星が二つ。シンプルですっきりとした一句。

⑫自画像の瞳のなかの寒夜の灯

青木繁か岸田劉生の自画像か?とこの句を詠みとった方。まさに岸田劉生の自画像でぴったしカンカン!瞳の中のエネルギーを感じられました。

⑬足裏に老いしのびよる寒夜かな

「老いは足元から」といわれますが、足裏が冷えて夜中にトイレに行く時も辛いそうです。血行障害を嘆く声も。身に沁みる共感の一句。

⑭澄みわたる寒夜の明かり月のみぞ

しんしんと冷える寒夜。月明かりが美しいです。まさに寒の月。

⑮気掛かりは灯油の残り寒夜かな

原油供給の国際情勢と取った方もおられましたが、やはり、ご自分のストーブやヒーターの灯油の残量が気になります。

⑯万物の動きひそめる寒夜かな

何もかも眠りについたひっそりとした寒夜です。

⑰寒夜明け枯れシモバシラ小滝立つ

季重なりが気になりましたが、「シモバシラ」という植物があるそうです。「小滝立つ」にもう一工夫ほしいという声あり。

いかがでしたでしょうか?新年初めての句会。力作がそろいました。今年も皆元気で賑やかに開催されますように。
来月は、2月19日(水)午後1時20分 愛知芸術文化センター
題詠は「春隣」です。春の兆しを詠んでくださいね。麗子


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