575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

地中より沸くごと雪の乱舞して  亜子

2024年03月08日 | Weblog

今日はお手本のような写生句をご紹介します。

言葉の選び方によって映像が鮮やかに浮かび、作者の心情まで勝手に想像させられてしまう。そんな二句です。

いただいたコメントです。

竹葉さん:雪の 下からも横からも乱舞する様を「地中より沸くごと」とは奇抜ではなくぴったりな表現で感心しました。

晴代さん:「地中より沸く」が雪の激しく降る様をうかがわせます。

能登さん:まさしく、ある時、雪は地中より沸くのです。

雪が地中から沸くようだという表現に皆、「やられました」というところですね。

作者はマンションの 9階にお住まいです。雪の降る様子をベランダから見下ろすと、下から湧き上がってくるように見えるのだそうです。

私は乱舞する雪に激しい情熱と心乱れるほどの寂しさを重ねてしまいました。

 

もう一句。こちらも鮮やかに景が浮かびます。

  雪嶺や白増す魔力光さす  竹葉

泉さん:今の季節は晴れた日は名古屋からでも御嶽、乗鞍などきれいに見える 

  「白増す魔力光さす」

声にしてみてもとても清々しく響きます。まぶしさを通り越した力強さと 春の近づきで確実に明るい方へむかっていく幸福感を感じました。

遅足さん、佐保子さんもこの二句に揃って票を入れています。

(作者の言)先月始め群馬の北の方の温泉に行きその後新潟の苗場まで行ってきました。車から雪を被った山が見えると大騒ぎして、苗場ではスキーはしなくとも、真っ白の雪を見て子どものように心躍らせて、雪を踏んで楽しんできました。描きたい景色や詠みたい心はどうしても説明になってしまい、俳句とはなんだっけ、と振り出しに戻って考えるばかりでした。まだまだというか全く進歩せず悲しくなるばかりです。

  

作者の真摯な俳句のとりくみをおもい私は反省しきりです。もう一度学び直しです。  郁子

コメント (1)
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