結晶釉は、釉の表面などに出来た結晶が、肉眼で確認できる釉の、総称です。
結晶とは、焼成後、窯が冷え、液体から固体に変化する途中で、核(種=たね)を中心として、
金属などが寄り集まり、段々大きく成長した物で、その周囲の釉とは、違う文様を呈する物です。
それ故 以下の事が重要な、事柄に成ります。
・ 核に成る「種」の材料
・ 「種」を植えつける方法
・ 結晶釉に適する基礎釉
・ 窯を冷やす速度や、結晶の成長する温度範囲
大きな結晶を作る核に成る、一般的な酸化物は、亜鉛、チタン、酸化マンガン、鉄です。
その他、酸化タングステン、酸化ビスマス、酸化リチウムなどが有ります。
1) 亜鉛結晶釉に付いて
① 亜鉛は亜鉛華(ZnO)を、添加すると、大きな扇状の珪酸亜鉛と言う、結晶が出来ます。
調合例 (亜鉛結晶釉の基礎釉)
a) 長石:50、 藁灰:20、 天草陶石:15、 いす灰:20、 亜鉛華:5
b) 長石:30、 藁灰:40、 いす灰:30
上の基礎釉に、亜鉛華:50を配合します。
② アルカリ成分に、亜鉛華にソーダ(KaO+Na2O)を加えると、より美しい結晶釉に成ります。
調合例 0.3~0.6 ZnO、 0.7~0.4 KNaO
(注: KNaO は K2O と Na2O の混合物です。)
③ 硼珪酸(硼酸+珪酸)に亜鉛華を加えても、結晶釉に成ります。
④ 釉は、生釉又は亜鉛華をフリットに入れる、方法が有ります。
結晶の出方に、大きな違いは有りません。
・ 又、高温で焼いた亜鉛華を粉砕し、その小さな粒子を、施釉した表面に植え付ける
事によって、結晶文様を大きく、成長させる方法も有ります。
⑤ 徐冷却で、結晶が発達する、温度範囲は、SK-8(1250℃)の釉で、
1,050℃~750℃の範囲です。
尚、焼成温度が高過ぎると、結晶の発達は少なくなります。
又、低く過ぎると(Sk-6a以下)、結晶が群生し、滑らかな、艶消し釉に成ります。
2) 釉の性質について
① 結晶が成長する為には、釉の粘度が小さい(流動性が大きい)方が良いです。
② 一般にアルミナ(Al2O3)成分と、シリカ(SiO2)成分が少なく、亜鉛が多い組成の所に
結晶が生成されます。
アルミナ成分 は、結晶化を妨害しますので、なるべく少量にします。
調合例
{0.2 KnaO, 0.6 ZnO, 0.1MgO, 0.1 CaO}:0.25 Al2O3 :2.0 SiO2
③ 釉のアルカリ成分では、Na2O、K2O、MgO、MnO、FeO、ZnO が適し、BaO、PbO は
適しません。
④ 釉の材料が変化すれば、当然結晶が発達する、温度範囲も変化します。
冷却が速過ぎると、艶消し状になり、遅過ぎると、粗い結晶に成ります。
陶芸の釉薬について
結晶とは、焼成後、窯が冷え、液体から固体に変化する途中で、核(種=たね)を中心として、
金属などが寄り集まり、段々大きく成長した物で、その周囲の釉とは、違う文様を呈する物です。
それ故 以下の事が重要な、事柄に成ります。
・ 核に成る「種」の材料
・ 「種」を植えつける方法
・ 結晶釉に適する基礎釉
・ 窯を冷やす速度や、結晶の成長する温度範囲
大きな結晶を作る核に成る、一般的な酸化物は、亜鉛、チタン、酸化マンガン、鉄です。
その他、酸化タングステン、酸化ビスマス、酸化リチウムなどが有ります。
1) 亜鉛結晶釉に付いて
① 亜鉛は亜鉛華(ZnO)を、添加すると、大きな扇状の珪酸亜鉛と言う、結晶が出来ます。
調合例 (亜鉛結晶釉の基礎釉)
a) 長石:50、 藁灰:20、 天草陶石:15、 いす灰:20、 亜鉛華:5
b) 長石:30、 藁灰:40、 いす灰:30
上の基礎釉に、亜鉛華:50を配合します。
② アルカリ成分に、亜鉛華にソーダ(KaO+Na2O)を加えると、より美しい結晶釉に成ります。
調合例 0.3~0.6 ZnO、 0.7~0.4 KNaO
(注: KNaO は K2O と Na2O の混合物です。)
③ 硼珪酸(硼酸+珪酸)に亜鉛華を加えても、結晶釉に成ります。
④ 釉は、生釉又は亜鉛華をフリットに入れる、方法が有ります。
結晶の出方に、大きな違いは有りません。
・ 又、高温で焼いた亜鉛華を粉砕し、その小さな粒子を、施釉した表面に植え付ける
事によって、結晶文様を大きく、成長させる方法も有ります。
⑤ 徐冷却で、結晶が発達する、温度範囲は、SK-8(1250℃)の釉で、
1,050℃~750℃の範囲です。
尚、焼成温度が高過ぎると、結晶の発達は少なくなります。
又、低く過ぎると(Sk-6a以下)、結晶が群生し、滑らかな、艶消し釉に成ります。
2) 釉の性質について
① 結晶が成長する為には、釉の粘度が小さい(流動性が大きい)方が良いです。
② 一般にアルミナ(Al2O3)成分と、シリカ(SiO2)成分が少なく、亜鉛が多い組成の所に
結晶が生成されます。
アルミナ成分 は、結晶化を妨害しますので、なるべく少量にします。
調合例
{0.2 KnaO, 0.6 ZnO, 0.1MgO, 0.1 CaO}:0.25 Al2O3 :2.0 SiO2
③ 釉のアルカリ成分では、Na2O、K2O、MgO、MnO、FeO、ZnO が適し、BaO、PbO は
適しません。
④ 釉の材料が変化すれば、当然結晶が発達する、温度範囲も変化します。
冷却が速過ぎると、艶消し状になり、遅過ぎると、粗い結晶に成ります。
陶芸の釉薬について