わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

素朴な疑問 294 陶芸の手順とは11(施釉作業の手順2)。

2017-07-20 12:03:26 | 素朴な疑問
陶芸に限らず、何事にも手順があります。手順を忘れたり、手順前後の誤りにより、思いも拠らない

結果を招く事は多いです。

2) 施釉の手順。

 ① 作品の選別。

  素焼き終了時に「割れやひび」の入った作品は、施釉せず廃棄処分になります。

 ② 削り滓(かす)や、小さな傷は紙やすりで削り取ります。

 ③ 作品の上に載っている埃(ほこり)や、「紙やすり」から出た粉を取り除く。

 ④ 下絵付けをするかどうかを選択する。

 ⑤ 釉の種類を選択する。

  ⅰ) 作品の用途によっても色が限定される場合もあります。

  ⅱ) 釉は色だけでは無く他の要素も考慮する必要があります。(以上が前回までの話です。) 

 ⑥ 施釉の方法を選択する。

  施釉には大きく分けて、漬け(浸し)掛け、流し(柄杓)掛け、吹き(スプレー)掛け、スポイト

  掛け(イッチン)、筆(刷毛)塗り等があります。特殊な方法として釉の粉末を振掛ける方法も

  あります(主に各種灰を掛ける事が多い)。各々長所もあれば欠点もあります。それらを考慮

  して適する方法を決めます。

  ⅰ) 作品の大きさで決る場合もあります。

   小さな作品であれば、どの方法を選択しても良いのですが、作品が大きくなるに従い選択も

   限定されてきます。例えば、大皿の場合は流し掛けが無難(一般的)な方法です。

   又大きく背の高い作品の場合では、漬け(浸し)掛けでは釉を入れる容器が大きくなり釉の量

   も多量になりますので、難しくなり、他の方法を選択する場合が多いです。

  ⅱ) 釉の量によって決る場合もあります。

   手持ちの釉の量が多い場合には、どの方法をとっても良いのですが、手持ち量が少ない時には

   吹き(スプレー)掛けやイッチン、筆塗りなどの方法を取ると釉が少量ですみます。

  ⅲ) 細かく釉を塗り分ける場合にも、吹き(スプレー)掛けやイッチン、筆塗りなどの方法

   を取ります。吹き掛けの場合は、マスキングの技法を取る事が出来、細かい塗り分けが可能

   です。細い線で模様を描く際には、イッチンが適します。

  ⅳ) 釉を一様の厚みに掛けるに適した方法は、漬け(浸し)掛けです。又、表面が凸凹した

   作品にも漬け(浸し)掛けが適します。他の方法では、釉の厚みに斑(むら)が出来やすく

   成りますが、この色斑が良いと感じる方もいますので、決して悪い訳ではありません。

   但し、筆(刷毛)塗りの場合、釉の厚みが薄くなり易いですので、濃い目の釉を使うか、数回

   重ね塗りする事をお勧めします。

  ⅴ) 同一作品に二色以上の釉を使う場合、複数の施釉方法を取る場合もあります。

   例えば、全体を漬け掛け瀬釉し、その上から流し掛けで施釉する方法です。又、イッチンは他の

   施釉方法と併用するのが一般的です。又、器の内外で色を変えたい場合、内側は流し掛け、

   外側は漬け掛けで行う事も多いです。

  ⅵ) 釉の種類が多くなるに従い、置き場所に苦労しますので、保管場所が少なくて済む方法を

   選ぶ場合もあります。又施釉の場所で施釉方法が限定される場合もあります。例えばスプレー

   掛けでは、釉の飛沫が四方に広がりますので、出来るだけ屋外で作業したいです。

  ⅶ) 施釉の仕方によって、使用する用具も異なります。

   例えば、浸し掛けであれば作品に応じて、各形の大きな容器が必要になります。

   又、釉鋏(ゆばさみ)と言う専用の用具を使う事で、指跡を残さない方法もあります。

   流し掛けであれば柄杓が必要です。スプレー掛けであればスプレー(霧吹き)が、イッチンで

   あればスポイトが、筆描き成らば、数種類の筆や刷毛が必要な用具に成ります。

  ⑦ 施釉を行う。

   施釉作業は基本的には一発勝負です。

以下次回に続きます。
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素朴な疑問 293 陶芸の手順とは10(施釉作業の手順1)。

2017-07-13 13:54:39 | 素朴な疑問
陶芸に限らず、何事にも手順があります。手順を忘れたり、手順前後の誤りにより、思いも拠らない

結果を招く事は多いです。

1) 全体の手順 (前回の続きです。)

 ⑤ 底削り後の作業。

  底削りで完成の作品もありますが、作品によってはその後に行う、組み立てや装飾作業等もあり

  ます。ここからは主に手捻り(手)作業になります。即ち作品がある程度乾燥し、機械的強度が

  出た後に行います。

  ⅰ) 組み立て作業。

   急須の様に個々の部品を轆轤挽きした後、適度に形を成型してから接着して形を作ります。

   同様に取っ手の付いたコーヒーカップなども、持ち手を接着します。

   背の高い作品では、上下に分けて作った部品を繋ぎ合わせて、作品に仕上げる事もあります。

  ⅱ) 装飾作業。

   化粧掛けや掻き落とし、透かし彫り、レリ-フ(浮き彫り、貼り付け)模様等の装飾作業は、

   底削り後で素地が変形しない程度に乾燥させた後にを行います。

   但し、作品を変形させたい場合や、「へら目」の様に素地が軟らかい方が、しっかり浮き出

   せる場合には、底削り前に行います。

  ⅲ) 作品が完成したら素焼き作業に入ります。

   素焼きを行う為には、十分乾燥させておかなければ成りません。不十分な乾燥ですと、窯の中

   で水蒸気爆発を起こし、作品がバラバラに壊れる事もあります。

   素焼きの終わった作品は、次に施釉するのが一般的です。勿論、焼き締め陶器の様に、施釉

   しない作品もあります。

2) 施釉の手順。

 ① 作品の選別。

  素焼き終了時に「割れやひび」の入った作品は、施釉せず廃棄処分になります。

  素焼きではほんの小さな「割れやひび」であっても、本焼きするとその傷は大きく広がります。

  その為、特別な作品以外は、この段階で廃棄処分にするのが正解です。勿論素焼きした後の土は

  元の粘土には戻れません。但し時間を掛けて作った作品や、二度と同じ様には出来ない作品の

  場合には、傷や割れ目を補修してから、施釉を行います。尚、素焼きした作品を補修する場合も

  あります。その為の補修剤も市販されています。

 ② 削り滓(かす)や、小さな傷は紙やすりで削り取ります。

  乾燥の甘い作品の底削りでは、削り滓が作品に「こびり付き」のを気付くかずに、素焼きをして

  しまう場合もあります。又爪跡等の小さな傷がある場合にも、出来るだけ目立た無い様に「紙

  やすり」等で修正します。サインを入れる場合、手書きですとサイン周辺が毛羽立ち(バリと

  も言います)易いです。手指で触れる位置にある場合、バリが引っ掛かり手指を傷つける場合も

  ありますので、丁寧に取り除く事です。

 ③ 作品の上に載っている埃(ほこり)や、「紙やすり」から出た粉を取り除く。

  埃などは、釉を弾き釉禿(ゆはげ)の原因になります。「ハタキ」を掛けたり、水拭くしたり、

  水洗いして取り除きます。

 ④ 下絵付けをするかどうかを選択する。

  下絵の具は伝統的「呉須」や「鬼板」、「酸化銅」などの他、現代では赤など華やいだ絵の具も

  登場しています。

 ⑤ 釉の種類を選択する。

  一番悩む処です。施釉する事は作品に着物を着せる事と同じです。即ち馬子にも衣装と言う様に

  作品の形云々よりも、釉の色で作品の価値が上がる事が多いです。勿論色は「焼き」によっても

  大きく変化しますので、釉の色=「焼き」の良し悪しとも言えます。

  作品を作る前から、この様な色に仕上げたいと考えて作品作りに取り掛かる場合もありますが、

  多くの人は素焼きが出来上がった後に考える事も多いはずです。

  ⅰ) 作品の用途によっても色が限定される場合もあります。

   a) 特に食器類であれば、器に盛る料理を引き立て、美味しく見せる色で無ければなりません。

    必ずしも器の色が華やかではなく、やや控えめの色が長く使って貰える器である場合が多い

    です。又湯呑み茶碗の様に、お茶の濃度を気に掛ける場合には、お茶の色が判別できる

    白っぽい色が好まれます。

   b) 花瓶などの場合には、花を引き立たせる色にする場合が多いです。

    器はあくまでも脇役であり、主役でる花の前に出て、主役を食っては成りません。

    但し、控えめと言っても、完全に器の存在を消して仕舞うと、存在意義が無くなりますので

    ある程度の存在感のある色に仕上げる必要があります。

   c) 壷などの置物の様に、作品単体で飾る場合には、自己主張する色に仕上げる必要があり

    ます。但し飾る場所も考慮する必要もあります。ご自分で使用する分には、飾る場所を考慮

    して、色付けを行う事も出来ますが、作品として販売する際には、どの様な方がどの様な使い

    方をするかは不明です。(但し、注文品は除く)それ故ご自分の判断で決める事に成ります。

  ⅱ) 釉は色だけでは無く他の要素も考慮する必要があります。

以下次回に続きます。
   
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素朴な疑問 292 陶芸の手順とは9(轆轤作業の手順9)。

2017-06-28 10:35:49 | 素朴な疑問
陶芸に限らず、何事にも手順があります。手順を忘れたり、手順前後の誤りにより、思いも拠らない

結果を招く事は多いです。

1) 全体の手順

 ④ 底削りの手順

  ⅴ) 底削りの仕方。

   イ) 高台の種類。

   ロ) 削りの実際。

   ・ 削り出す前に、出来れば、削る周辺の肉厚を把握しておく事が大切です。

   ・ 高台の種類と大きさ(高台の外形)を決めます。

   ・ 逆さに伏せた底面を平らに削ります。

   ・ 底の中心を少し凹ませます。

   ・ 高台の外形を針等で丸く描きます。

   ・ カンナの刃の動かせ方に決りは有りません。

   ・ 一番削りかす(滓)が出る位置でカンナを使う事。 以上迄が前回の話です。

   ・ 轆轤の回転速度は、最初は遅く綺麗な円が出たらスピードアップする。

    削り出す作品の底周辺は、凹凸が有るのが普通です(中心が出ていない事も一つの原因です)

    この段階で回転を早くすると、カンナの刃が出っ張った部分に強く食い込み、作品を大きく

    傷付けたり、最悪作品を轆轤上から転落させたりしてしまいます。そこで回転を遅くし少し

    ずつ削り、底周辺が綺麗な円に成ってから、スピードアップすると安全です。

   ・ 綺麗な円が出たら、大胆に削ります。

    底周辺は思っている以上に肉厚の場合が多いです(特に初心者の場合)。その為慎重に少し

    づつ削ると時間が掛過ぎますので、削り始めは大胆に削り、肉厚が薄くなるに従い、削り量

    を少なくして行きます。即ち、仕上げで少しづつ削る事になります。

    高台の外径の罫書(けがき)線まで削ったら、高台の種類によって削る方法が異なります。

   ・ 輪高台の場合には、高台脇を削り凸状態に削り出します。

    削り出す量は最低でも5mm程度が必要です。この値は高台を持って施釉する為に必要な数値

    です。削った後高台が指で掴める事を確認します。又高台脇が斜め状の場合には、指が滑って

    しまいますので、出来れば垂直に又は高台付け根が狭い(撥=ばち)様に削ります。

    外側が削り終えたら、高台の内側を削ります。高台の内側の壁は垂直よりも根元部分が広い

    台形状が望ましいです。これは汚れが内側角に溜まった際、洗浄し易くする為です。

    高台内を水平に削る場合と、中央をやや高く削る場合があります。後者を兜 巾(ときん)と

    呼び、抹茶々碗に多く見られる削り方です。

    一般的には高台の縁は均等に削りますが、三日月高台の様に、一方が幅広、一方が巾狭と

    不均一に削る場合あります。即ち、外側とは異なる位置に移動し中心をづらす事により削り

    出せます。尚、割り高台や切高台は輪高台を完成した後、ナイフやカンナで高台の一部を

    切り取ります。切る数も好みに応じて、1~5箇所位です。

   ・ 碁笥底高台の場合は、高台内側のみを削る事に成り、外側に段差を設けません。

    尚、外側を削る事で形を整えたり、作品を軽くする事が出来ます。

    削り方は上記輪高台の場合と同じです。

   ・ ベタ高台の場合には、ここで削り作業を終えます。 但し、底の角部分は面取りし作品の

    割れ(ヒビ)を防ぎ、更には作品を床から少し浮き上がらせ、軽見せる効果もありますので

    やや大きく面取りする場合もあります。

   ・ 作品の高さ方向は、どの位まで削れば良いか。

    背の低い作品は多くは削れませんが、背の高い作品は比較的高くまで削れます。但し、

    削ると言う事は径が細くなる事で、形もどんどん変化します。又、轆轤目なども削り取る

    事になりますので、残したい場合には、削る範囲も限定されます。

   ・ 削る事は作品の表面に「ザラルキ」を与える事(肌を荒らす事)になります。

    特に目の粗い土を使うと顕著です。この事は男性的で力強さを演出しますので、好む方も

    多いですが、嫌う場合には同じ土のドベ(泥)を塗りこ込むと、表面の「ザラツキ」を少なく

    する効果があります。

   ・ 肉の厚みは表面を指で弾いて、その音の高さで判断できます。(但し初心者では音を聞き

    分け難いです。)人差し指又は中指の爪側で作品の表面を弾き、「コツコツ」と高い音の

    場合には肉厚です。「ベタベタ」と低い音の場合には、肉厚が薄くなっています。但し高台

    内、高台内、胴体部分によっても、音色に差が出ます。何度も聞いて耳を鍛える事が大切

    です。

   ・ 最後は確認作業です。

    確認は轆轤上にある間に行います。一度轆轤上より移動してしまうと、再度同じ位置に作品

    をセットするのが難しくなります。取り上げると必ず移動しますので同心円状に削れなく

    なります。確認作業は、主に作品表面の傷や全体の形です。爪跡やカンナの傷跡が有る場合

    には削り取る事が基本ですが、あえてカンナの傷跡を残す場合もあります。全体の形とは

    作品側面のカーブです。目で確認するよりも、轆轤を回転させ作品の表面を、指や掌で撫ぜ

    ると形が判ります。

   ・ 止め土を取り除いて作品を轆轤上より取り除く。

    止め土部分三箇所(二箇所でも良い)を針で上下に切断します。作品側に張り付いた止め土

    (上側)を取り除きます。下側は轆轤やシッタに張り付いたままです。

    注意点は、針で切断する際、作品を傷つけない事です。その為に作品よりやや離した場所を

    切断します。作品側に止め土が残っている場合には、「竹へら」等で取り除きます。

以下次回に続きます。   
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素朴な疑問 291 陶芸の手順とは8(轆轤作業の手順8)。

2017-06-25 15:46:08 | 素朴な疑問
陶芸に限らず、何事にも手順があります。手順を忘れたり、手順前後の誤りにより、思いも拠らない

結果を招く事は多いです。

1) 全体の手順

 ④ 底削りの手順

  ⅰ) 削りに掛かる前に用具を揃える。

  ⅱ) 作品を伏せて轆轤の中心に据える方法は、以下の方法があります。

  ⅲ) 作品を轆轤の中心に据える。     

  ⅳ) 作品を轆轤上又は湿台(シッタ)に固定する。 以上までが前回の話です。

  ⅴ) 底削りの仕方。

   轆轤作業では、作品が例えベタ高台であっても、底又は高台脇は削り取るのが一般的です。

   轆轤挽きし易い軟らかい粘土では、高さを出しそれを保持する為には、高台脇を肉厚にしな

   ければ成りません。この肉厚部分を削り取る事が作品を軽くする為に是非とも必要な作業に

   なります。

   イ) 高台の種類。

   ・ 輪高台: 一般的な高台で、ドーナツ状の形状です。尚、輪高台には撥(ばち)高台、

    三日月高台、切高台、割高台なども含まれます。底周辺の外形に段差が出来ます。

   ・ 碁笥底(ごけぞこ)高台: 底周辺の外形に段差が出来ず、底まで連続したカーブが続き

    ます。尚、碁笥とは碁石を入れる蓋付きの器の事です。欠点として、作品がやや重くなる事

    と、施釉の際掴む処が無く、施釉がし難い事で指跡が残り易いです。

   ・ ベタ高台: 底にフラットで凹凸が無有りません。

    欠点として、原則底面に釉が塗れません。釉が内側のみで、花瓶など常に水が入った器では

    水漏れを起こし易くなります。

   ロ) 削りの実際。以下の記事は、私のやり方ですので、参考程度にして頂ければ幸いです。

    尚、異なる方法で削り作業を行っている方も多いです。

    用意する用具は、数種類のカンナや掻きベラ等の他、底に円を描く針(剣先)です。

    削る場所や作品の形に合わせて、数種類のカンナ類を用意します。

   ・ 削り出す前に、出来れば、削る周辺の肉厚を把握しておく事が大切です。作品が重たく

    感じる時は肉厚ですので、どの部分が肉厚かを、指等で挟んで(摘んで)おくと削る場所と

    削り量が予想できます。

   ・ 高台の種類と大きさ(高台の外形)を決めます。高台の種類や大きさによって作品の

    雰囲気が大きく変わります。大きな高台は安定感がありますが、鈍重な感じを与えます。

    径の小さな高台は底周辺が丸くなり、可愛い感じになりますが、不安定感が出ます。

   ・ 逆さに伏せた底面を平らに削ります。

    切糸で粘土から切離された作品の底面は、切口が平らとは限りません。そこで底全体が平坦

    になる様にカンナで平坦にします。(口と底を平行にする。)

    その際高い部分のみを削り、低い部分は空振りする様にします。全体にカンナの刃が当た

    れば、平坦になった事になります。但しこの作業意外と難しいです。即ち、カンナの刃の

    高さを、しっかり保持させながら削ら無ければなりません。

    刃の位置が不安定ですと、全体を平坦に削る事が出来ません。即ち片手(右手)にカンアを

    持ち、他の手(左手)の親指をカンナの刃の近くに当てます。その他の左手の指を作品の外

    側に沿わせます。カンナの刃と名左手の指は対角(反対側)線上にある様にし、カンナの

    圧力を緩和します。

   ・ 底の中心を少し凹ませる。

    高台は外径から削り出します。その際、左手の中指は底の中心に置く為、擂鉢状に凹ませ

    ます。これは、内シッタ等で作品を止め土で固定しない場合の、作品の浮き上がりの防止で

    あり、浮き上がった場合、直ぐに轆轤の回転を止める為の感知器になります。

    カンナの端を中心に当て、刃をやや外開きにすると容易に擂鉢状の凹みができます。

   ・ 高台の外形を針で丸く描きます。(罫書き線と言います)カンナの刃を利用して線を描く

    事も可能です。罫書き線はやや大きめに描き、仕上げで線を消し、高台の外径を決定します。

   ・ カンナの刃の動かせ方に決りは有りません。

    上から下へ移動させるのが一般的ですが、下から上、上から下へと交互に削る事も可能です。

    カンナの傾け方やカンナの動く速度によって、削り跡も違いが出ます。丸みを帯びる削り方

    や角張った形など、カンナの使い方で作品の表情も刻々変化します。

   ・ 一番削りかす(滓)が出る位置でカンナを使う事。

    カンナは刃物ですので、刃を立てなければ削れません。刃の立てる角度は削りかすが一番

    多く出る位置です。削りかすが少ない様でしたら、刃の傾け具合を調整する必要があります。

 
以下次回に続きます。   
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素朴な疑問  290 陶芸の手順とは7(轆轤作業の手順7)。

2017-06-15 15:55:33 | 素朴な疑問
陶芸に限らず、何事にも手順があります。手順を忘れたり、手順前後の誤りにより、思いも拠らない

結果を招く事は多いです。

1) 全体の手順

 ④ 底削りの手順

  ⅰ) 削りに掛かる前に用具を揃える。

  ⅱ) 作品を伏せて轆轤の中心に据える方法は、以下の方法があります。

  ⅲ) 作品を轆轤の中心に据える。      以上までが前回の話です。

  ⅳ) 作品を轆轤上又は湿台(シッタ)に固定する。

   回転する轆轤上の作品は、遠心力や横又は斜め方向からの鉋(かんな)の力に対し、不安定

   です。特に注意する事は、作品が移動し轆轤上から転げ落ち、作品を壊したり大きな傷を負う

   事です。ドベ受けがある場合には、轆轤とドベ受けの間に落ち、作品が台無しにしてしまう事

   が多いです。その為、作品を轆轤又はシッタに、しっかり固定する必要があります。

   イ) 止め土を用いて作品を固定する。

    止め土はなるべく作品と同じ土を使います。止め土は作品に付着(密着)させますので、

    多少なりとも作品にこびり付きます。特に白い素地の場合、色の付いた止め土を使うと、

    その色が目立ちます。勿論、止め土を直ぐに取り除いたり、素焼き後に紙やすり等で削り取

    る事も可能ですが、なるべくその手間を省く目的で、作品と同じ土を使った方が無難です。

    但し、止め土は容易に変形する程度に、柔らく無ければ成りません。

   ロ) 作品は三点を止めで土で固定します。

    背の低い作品であれば、伏せた作品の口縁周辺(根元)を、口縁に合わせた湾曲した紐状に

    した止め土で固定します。背の高い作品であれば、根元と作品の胴体部分の両方を止めます

    止める箇所は六点になります。胴体部分の止め土は太くて長めの土を使い、斜め下方向から

    支えます。出来れば根元の止め土の中間位置にして下さい。

   ハ) 口縁周辺の止め方。

    紐状にした止め土を三方向に置いていきます。その際作品の底を左(又は右)手で下に軽く

    押さえ込み、作品が動かない様にします。紐の両端のみを轆轤面に押し付けます。同様に

    して三点に止め土を置いていきます。次に上記紐状の土の径の外側半分程を轆轤面に親指で

    強く押し付け密着させます。残り半分を作品側に人差し指で軽く寄せます。同様にして他の

    二点も止めます。注意する事は、一箇所ずつ止め無いことです。先に一箇所のみ行うと、

    作品が移動してしま恐れがあり、折角轆轤の中心に載せた意味がなくなりますので、三点置

    いた後で一箇所ずつ止めて行く事です。尚、作品が乾燥不十分な場合、止め土を強く作品に

    押し付けると、作品の口縁が変形してしまいますので、作品に力が加わらない様にする事

    です。

   ニ) 胴体部分の支え方。

    作品を斜め下方向から止め土で支えます。止め土の一端を轆轤面に押し付け固定します。

    他端はやや平面に延ばし作品の形に添う様にし、軽く押し付けます。取り付け角度は60度

    程度が良いでしょう。

   ホ) シッタを使う場合。素焼きのシッタは水で濡らして置く事です。

    シッタを轆轤の中心に据え、三点を止め土で止めます。止め方は上記の方法と同じです。

   ・ 外シッタの場合: 鶴首の様に口縁が細い場合に使用します。

    ドーナツ状の止め土を、シッタの真上に載せ軽く叩いてシッタに密着させます。真上を水平

    にし、内側は「切へら」等で真円を出します。当然ですが、円の大きさは鶴首より大きく、

    作品の肩の径より小さくなければ成りません。真円の角は45度程度で面取りします。

    真円の中に鶴首を差込み作品がシッタの中心に載る様にします。作品が中央に載ると作品の

    底面は水平になりますので、一つの目安になりきます。中心を出す為、作品全体をやや斜め

    にし調整します。作品をシッタに固定するには、5mm程度の細い止め土を三個用意し、

    作品とシッタの合わせ目に等間隔で置いていきます。三点置いたら、上記ドーナツ状の外側

    の土を細い止め土を巻き込みながら、作品まで上に撫ぜあ上げ固定します。

   ・ 内シッタの場合: 轆轤面よりも大きな口径の作品や、口縁に凹凸のある作品等に使用

    します。即ちシッタは作品の内側で使います。作品は止め土では止める難く、その為作品を

    直接シッタ上に被せる様にして使います。

    シッタ上の止め土で作ったドーナツ状の上面を水平に削り取り、ドーナツの外周を真円にし

    上部角部分を面取りします。作品はこの角部で支える事になります。削りたい周辺が綺麗な

    円で回転する様に、取り付け位置を微調整します。作品の底面が水平であれば、概ね中心に

    載った事になります。

   ⅴ) 底削りの仕方。

以下次回に続きます。
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素朴な疑問  289 陶芸の手順とは6(轆轤作業の手順6)。

2017-06-08 20:10:15 | 素朴な疑問
陶芸に限らず、何事にも手順があります。手順を忘れたり、手順前後の誤りにより、思いも拠らない

結果を招く事は多いです。

1) 全体の手順

 ① 陶芸の作業の手順。

 ② 轆轤作業は特に手順を大切にしますので、轆轤を例にとって述べます。

 ③ 成形の手順  

 ④ 底削りの手順

  ⅰ) 削りに掛かる前に用具を揃える。

  ⅱ) 作品を伏せて轆轤の中心に据える方法は、以下の方法があります。

   a) 直接轆轤上に作品を据える。

   b) 轆轤上に止め土用の粘土を薄く敷く方法。

   c) 湿台(シッタ)を使う方法。

   d)  湿台(シッタ)の固定方法。 以上が前回までの話です。

  ⅲ) 作品を轆轤の中心に据える。

   中心が出ていないと、片側のみが薄く削られる所謂(いわゆる)片削りとなり、最悪側面や

   高台脇に穴が開きます。

   轆轤の中心に据える事は轆轤の初心者には、大変難しい作業でもあります。

   a) 中心が出ているかを判断する位置は、高台の脇で作品の底面より約1~2cm程度の位置

    です。ここが振れずに綺麗な円を描ければ、良いとみなします。当然作品全体を見れば、

    口縁や胴部分は綺麗な円を描かないこもしれません。尚、基本的には削りたい部分周辺が、

    轆轤の中心に有れば良い事です。

   b) 中心が出ている事を確認する方法。

    轆轤の回転がやや速い場合には、目で見てもある程度狂いを確認できますが、ゆっくり回転

    させると、狂いは確認でき難いです。この点が難しい一因です。

    イ) 定位置からの作品までの隙間が一定である事が基本です。定位置とは、左手の人差し

     指で有ったり(右回転の場合)、轆轤の傍に置かれた固定した物の事です。実際には

     作品の表面は、カンナ類の刃から等位置にある事になります。即ち轆轤をゆっくり回転

     させた際、作品に触れる指が常に触れた状態であれば、中心に据えられたと見なします。

     但しこの指が作品に合わせて動いてしまっては意味がありませんので、しっかり固定され

     ている事が大切です。

    ロ) 轆轤をゆっくり回転させ、指が作品から離れた場所で、轆轤を瞬時にストップさせ、

     指と作品の隙間の半分程を、指のある方向に両手で移動します。轆轤の回転が速いと瞬時

     にストップが掛かりません。確実に止める為には、片手は轆轤の縁の傍に置いておく必要

     があります。

    ハ) 良く見る光景は、作品の胴の部分を横から軽く叩きながら、中心を出す方法です。

     この方法はかなり轆轤に慣れた方では可能ですが、初心者ではほとんど不可能です。

     作品の大きさにより、叩く力も加減する必要があり、更に作品が叩かれた場合わずかに

     移動する必要があるからです。慣れないと叩く度に狂いが増す事も珍しくありません。

    ニ) 芯出し機械も市販されています。必ずしも芯出しが出来る訳ではありません。

     轆轤上にセットしてつかいます。三方向から作品を挟み込み、轆轤の中心にセットする

     方法ですが、三点を抑える部分は、轆轤上又は数センチ上の部分です。

     前者は伏せた作品の口縁を押さえる事になります。この場合作品の背が低い事と、歪みが

     少ない事が条件になります。轆轤上即ち口縁は中心が出ますが、伏せた作品の上部に行く

     程、狂いが大きくなります。その為、一番削りたい部分が大きく狂う事になります。

     後者はやや背の高い作品に使います。即ち作品の胴体付近を押さえる事になります。

    ホ) 何れの方法であっても、かなりの練習が必要です。

     初心者は指導者等の他の人に作品が、中心に据えられているかを確認してもらう事を

     お勧めします。

   ⅳ) 作品を轆轤上又は湿台(シッタ)に固定する。

以下次回に続きます。
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素朴な疑問  288 陶芸の手順とは5(轆轤作業の手順5)。

2017-05-28 17:37:29 | 素朴な疑問
陶芸に限らず、何事にも手順があります。手順を忘れたり、手順前後の誤りにより、思いも拠らない

結果を招く事は多いです。

1) 全体の手順

 ① 陶芸の作業の手順。

 ② 轆轤作業は特に手順を大切にしますので、轆轤を例にとって述べます。

 ③ 成形の手順  以上が前回までの話です。

 ④ 底削りの手順

  底削りは、作品を伏せたまま轆轤上に固定し、轆轤を回転させながらカンナ類で削ります。

  轆轤の回転方向は、成形時と異なりる場合もあります。即ち成形では右(時計方向)回転で、

  削りは左回転の人もいます。ご自分で削り易い方向に回転する事です。

  底削りは、鉋(カンナ)類が使用できる程度に、素地が乾燥させた後に行います。

  乾燥が甘いとカンナの刃で作品の表面を削る事はできませんし、作品を伏せた時形が崩れる恐れ

  も発生します。逆に乾燥が進み過ぎると、素地が固過ぎて削る事が困難になります。その判断は

  削り滓(カス)がカンナの刃から紐状に伸びる状態で、刃にくっ付いたり粉々に成らない状態が

  理想的で、効率良く削る事が出来ます。又、作品を手に持った際、形が崩れない事は勿論ですが

  少々の力では変形しない事が必要です。乾燥し過ぎの場合には、作品の表面が白く変色した状態

  になります。この様な場合には、水を含ませたスポンジ等で表面を拭きます。又表面は削れます

  が、削ると白い部分が表出する状態の場合は、濡れたスポンジで拭きながら削る事もあります。

  尚、白く乾いた作品を一瞬水に浸しても形が壊れる事はありません。但し長く水に漬けると、

  表面が溶けてきまうので、一瞬で終わらせる事です。

  ⅰ) 削りに掛かる前に用具を揃える。

   使う用具は、「カンナ又は掻きベラ」を使う事が多いです。高台の大きさを描く針も必要です

   更に、作品を固定する為の止め土、及び作品の形状によっては、たシッタ(湿台)が必要に

   なります。尚カンナ類は刃物ですので、切れる状態で使いたいです。砥石やヤスリで切れる

   状態にしておく事が大切です。

  ⅱ) 作品を伏せて轆轤の中心に据える方法は、以下の方法があります。

   a) 直接轆轤上に作品を据える。

    作品が上手に仕上がっている場合や、背の低い皿類等には有効な方法です。

    即ち、口縁の高さに凹凸が無く、轆轤を回転させた時、作品が振れずに綺麗な円を描く場合

    です。背の低い作品は、口縁と底の円が一致し易い(振れが少ない)作品になり、狂いが無

    いか少ない場合です。轆轤面上に鉛筆で作品の口縁径よりやや大きい円を描き、その円に

    合わせる方法も有力です。

   b) 轆轤上に止め土用の軟らかい粘土を薄く敷く方法。

    口縁の高さが凹凸がある場合には、そのまま直に作品を轆轤に据えると、底の高さが口縁と

    平行に成りません。その為、底が振れ削り難くなります。そこで轆轤上に止め土を2~3cm

    の厚みに薄く敷き、その上面をカンナ(又は竹へら)で水平削り出し、その上に作品を伏せて

    載せます。凸凹の口の一部を軟らかい止め土に潜り込ませ、底面を水平にします。

   c) 湿台(シッタ)を使う方法。

    湿台とは、粘土をドーナツ状にし、素焼きした削り用の用具です。繰り返し使用できます。

    水を十分吸わせてか使用します。乾燥したままだと、止め土がくっつきません。口縁が細い

    鶴首など、作品を作品を伏せると自立できない場合は外湿台を、口縁を浮かせて削りたい

    場合には、内湿台を使います。即ち作品が湿台の内側に入り込む外湿台、作品が湿台から

    外にはみ出す内湿台があります。

   d) 湿台(シッタ)は、轆轤に直接載せ、おおよそ中心に載っている事を確認し、裾野のの三

    点を止め土で轆轤に固定します。シッタの上部にドーナツ状の止め土を載せ、シッタに押し

    込む様にして、上記土を止めます。轆轤を回転させながら、ドーナツの最上部をカンナ等で

    水平に削ります。外シッタの場合には、ドーナツの内側を綺麗な円に成る様に、針や竹ベラ

    (切べラ)で切り取ります。更に内側の角を45度程度の角度を付けて面取りします。

    尚、当然ですが円の内側に作品の頭と首及び肩の部分が入る必要があります。

    内シッタの場合には、ドーナツ状の土の外側と、肩の部分を綺麗な円に成る様に整形します

    作品の内側がこのドーナツ状の土の上に載る事になります。

  ⅲ) 作品を轆轤の中心に据える。

以下次回に続きます。

 
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素朴な疑問  287 陶芸の手順とは4(轆轤作業の手順4)。

2017-05-24 16:41:55 | 素朴な疑問
陶芸に限らず、何事にも手順があります。手順を忘れたり、手順前後の誤りにより、思いも拠らない

結果を招く事は多いです。

1) 全体の手順

 ① 陶芸の作業の手順。

 ② 轆轤作業は特に手順を大切にしますので、轆轤を例にとって述べます。

 ③ 成形の手順

  ⅰ) 轆轤上の中央に、土を据え密着させる為、土を強く両手で叩く。

  ⅱ) 土殺しを行う。(センター出し)

  ⅲ) 作品の底を作る。  

  ⅳ) 土を上に伸ばす。  

  ⅴ) 形を作る。        以上が前回までの話です。

  ⅵ) 形を作った後に行う作業。 

   イ) ご自分の希望した形や寸法になったら、確認作業に入ります。

    口縁が凸凹に成っていないか? (勿論抹茶々碗の様にあえて凸凹にする場合を除きます。)

    一般には、底面と平行で均一の高さに成った作品が多いです。狂いが有る場合には、弓や

    細い針で切り取り高さを揃えます。振れが有る場合には、出来るだけ振れを止めます。

    尚、轆轤に慣れていない方は、轆轤上にある作品は座った状態で、斜め上から見る事と轆轤

    に近過ぎる為、正確な形を認識し難ですので、轆轤を回転させた状態で、なるべく遠くから

    見る事をお勧めします。

   ロ) 口縁を濡らした「なまめし皮」で拭きます。

    親指と人差し指の間に「皮」を入れ、摘む様にして使用します。摘む時間は、轆轤の回転を

    やや早くし、ニ回転する程度で終わらせます。

    口縁を滑らかにする以外に、土を締める目的もあります。皮の使い方によって、縁が太く

    成ったり、薄く成ったりします。即ち、摘む力を強くすれば、薄くなり力を弱め、他方の手

    の人差し指で縁の真上を押せば、肉厚の縁になります。磁器の場合には口縁が薄い事は賞賛

    されますが、陶器の場合には、薄い口縁は割れ易く、貧弱に見えます。

    更に、摘んだ指に捻りを加えると、端反りに成ったり、内側に入り込みます。

   ハ) 「竹へら」を使い、糸で切り離す位置を固定します。 

    切り離す際、底抜けに成らない様にする必要があります。それ故、内側の底との厚み(距離)

    が重要に成ります。特に数挽きの際には、一塊の土から順々に作品を切出しますので、

    轆轤に慣れない方は、厚みの判断が難しくなります。一本挽きの場合には、底に針を差込み

    厚が確認できます。位置が決れば、竹へらで楔形の切り口を作ります。楔形は切糸のガイド

    になりますので、轆轤を回転させ3mm程度内側に押し込みます。これは底面の裾野を面取

    りした事にもなります。面取りする事で乾燥時に底の中心に向かう亀裂を防ぐ事ができます

   ニ) 器の内側の水を取り除く。

    轆轤挽きすると、内部(特に底)に水が溜まります。この水を抜かないと、底割れが発生

    します。即ち、周囲は乾燥が速く、濡れた部分は乾燥が遅くなります。乾燥とは周囲の土を

    引っ張り合いながら、自身も縮む現象ですので、濡れた弱い部分は「又裂き」状態になり、

    亀裂が入る事になります。

   ホ) 作品を糸で切り離します。

    慣れた方なら、轆轤を回転させた状態で、切り口に糸を巻きつけ一回転半程度で水平に糸を

    引き、切り取ります。慣れない方は、轆轤を回転させずに止めたまま糸で切り取ります。

   へ) 作品を轆轤上より取り除く。

    作品によっては、轆轤上より取り除き難い形の物もあります。例えば平たい皿類や、寸胴形

    の物です。前者は直径が大きい為、持ち上げると変形してしまいます。この場合には亀板上

    で制作すると、亀板ごと移動が可能となります。又後者の場合、持ち上げる指の引っ掛かり

    が無い為、指が滑って持ち上げる事が出来ません。それ故、持ち上げる部分に出来るだけ

    竹へらで段差を設けておくと、持ち上げ易くなります。輪高台の場合は、これで良いのですが

    碁笥底高台の場合、なるべく段差は付けたくないですので、二重切で切る方法があります。

    即ち、高台部分を上下二段に切り分けます。上段が本来の切り取り位置で、下段が取り上げ

    る為の土です。下段は取り上げ易い形状にする事が出来ます。

    尚、轆轤上より作品を取り除く方法は、両手の人差し指と中指で「チョキ」を作り、指を

    上向きにして、両手の「チョキ」で作品を挟み、手前に傾ける様にして持ち上げます。

  ④ 底削りの手順。

以下次回に続きます。
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素朴な疑問  286 陶芸の手順とは3(轆轤作業の手順3)。

2017-05-19 17:06:35 | 素朴な疑問
陶芸に限らず、何事にも手順があります。手順を忘れたり、手順前後の誤りにより、思いも拠らない

結果を招く事は多いです。

1) 全体の手順

 ① 陶芸の作業の手順。

 ② 轆轤作業は特に手順を大切にしますので、轆轤を例にとって述べます。

 ③ 成形の手順

  ⅰ) 轆轤上の中央に、土を据え密着させる為、土を強く両手で叩く。

  ⅱ) 土殺しを行う。(センター出し)

  ⅲ) 作品の底を作る。  

  ⅳ) 土を上に伸ばす。  以上が前回の話です。

  ⅴ) 形を作る。 

   私し流は土を可能な限り薄く伸ばしてから、形作りを行う方法です。

   形を作る以前に当然「どの様な作品にしたい」かは、頭に無ければなりません。 出来れば

   紙に描いて見るとより形がハッキリします。 湯吞みの様に、単純な形も有れば、急須など

   の様に、やや複雑な形もあります。複雑な形の場合には、図を描く事を薦めます。

   尚、轆轤で出来る事は、背を高くする事、直径を大きくする事と、小さくする事のみです。

   イ) 作品の形にする為には、土が十分伸び、必要な高さ以上に成っていなければ成りません。

    但し、直径を細した作品を作る際には、成形途中で細くするに従い、背が高く成りますが、

    径を大きくする場合事には、成形途中で背が低くなります。それ故十分の高さが必要です。

    轆轤に慣れた方では、斜め方向に土を伸ばす事も可能ですが、形を崩さずに十分薄く伸ばす

    事は難しいです。

   ロ) どの部分から形を作り出せば良いのか?

    底の広い皿類は、十分底の広さが必要です。後から底を広くする事は、限界があります。

    始めに底径を十分大きく取ります。大き過ぎる場合には、成形途中で狭く出来ますが、

    手順を誤り、狭い底を無理に広げると、上部に載る土の重みで作品の側面が下に落ち、

    傘が「おちょこ」の様な姿になって仕舞ます。

    口縁が広い作品では、口縁を所定の寸法に広げてから、胴、腰、底と上から順番に形作ると

    土も安定した状態で形になります。

   ハ) 径を広げる事と狭める事。

    直径は内外の力の強弱(バランス)によって変化します。即ち、内側が強いと外に広がり、

    外側が強いと径は狭まります。常に壁の内外の手指が向かい合った状態で、一方を強くする

    事は、他方は力を弱くしなければなりません。広げる場所が口縁の場合、内側の壁に掌を

    当て、外側に倒す様にすれば口径を自然に広げる事ができます。胴体や腰の部分を広げる

    には、外側の指をやや高めにし、内側の指を若干低くし段差を付け、内側の指で少しずつ

    外側に押し出す様にします。慣れない方は、押し出す回数を増やして対処します。

    一度に強く出すと、作品の形が破れたり崩れます。回転速度も関係しますので、遅すぎない

    様、早過ぎない様にバランスをとる必要があります。

   ニ) 径を広げる事は容易ですが、狭める事はやや難しくなります。

    轆轤は回転していますので、常に遠心力(外に向く力)が働きます。それ故、さほど苦労す

    る事も無く、径を広げる事ができます。逆に径を細める事は、遠心力以上の力で内側に押す

    必要があります。押す力は形に従いますので、常に一定である事は少ないです。当然径を

    急激に細くする場合は強く 押す必要があります。但し、急激に細くすると、上部が落ち

    込む事になります。慣れない方は良く起こす事例です。

   ホ) 径を変化させる事による肉厚の変化。

    一見径を広げると、肉厚が薄くなる感じがしますが、径を広げても、肉厚はほとんど変化し

    ません。但し背の高さは確実に低くなります。一方径を細くする場合には、肉厚の変化を

    伴います。即ち、肉厚になります。そのまま続けると側面に拠れ(よれ)が発生し、形も

    歪みますので、薄く伸ばしてから径を細くする必要があります。それ故、背の高さは次第に

    高くなります。

  ⅵ) 形を作った後に行う作業。

以下次回に続きます。
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素朴な疑問  285 陶芸の手順とは2(轆轤作業の手順2)。

2017-05-12 14:20:44 | 素朴な疑問
陶芸に限らず、何事にも手順があります。手順を忘れたり、手順前後の誤りにより、思いも拠らない

結果を招く事は多いです。

1) 全体の手順

 ① 陶芸の作業の手順。

 ② 轆轤作業は特に手順を大切にしますので、轆轤を例にとって述べます。

 ③ 成形の手順

  ⅰ) 轆轤上の中央に、土を据え密着させる為、土を強く両手で叩く。

  ⅱ) 土殺しを行う。(センター出し)

  ⅲ) 作品の底を作る。  以上が前回の話です。

  ⅳ) 土を上に伸ばす。

   轆轤で出来える事は、土を薄く上に伸ばす事と、直径を大きくしたり、小さくする事のみです。

   この組み合わせで作品を形造ります。

   尚、紐土を巻き上げてから、轆轤作業を行う方法については後で述べます。

   a) 土を薄く伸ばす前に、周囲の肉厚が一定である事、高さに狂いが無いかを確認します。

    即ち、現状は底が成形された背の低い円筒形に成っています。筒の内側に両手の親指を当て

    筒の外側には、他の四本の指を当て、更に筒の口縁には、親指と人差し指の付け根で押さえ

    込みます。同時に外側に力を入れ、直径を小さくするのがコツです。内外上を押さえ込み

    肉厚と高さを補正します。但し、口縁を極端に肉厚にしない事です。

   b) 出来るだけ肉を薄くする為には、土を垂直方向又はやや鼓(つづみ)型に伸ばす事です。

    鼓とは中央がやや細くなった状態で、中央が膨らむ太鼓型にすると土は薄く伸びません。

    即ち、土を薄くするには、その上の土を保持する形が必要があるからです。

    作者によっては、形を作りながら肉薄にする人もいます。轆轤に慣れた方には容易な方法

    ですが、慣れない方の場合、全体に肉厚に成り易いです。

   c) 土は上部より薄くする。

    下部から薄く伸ばすと、頭(上部)が肉厚になり、上部の重みを支え難くなる為、振れの

    原因となる他、全体が潰れる恐れも出てきます。その為、全体を薄くする事が出来ません。

   d)  背の高い作品の場合、土の量も多くなります。その場合、上部、中部、下部と三段階に

    分けて、順次肉薄にしていく方法があります。各段を肉薄にすると、どうしても境目(段差)

    が出ますので、段差を消して滑らかにし、指に当たる力を極端に変化させない様にします。

   e) 土を薄く伸ばす「コツ」は、

    イ) 左右の指同士を同じ高さで向かい合わせ、やや外側に力を加え、径が広がらない様に

     下から上へと両手の指を挙げていきます。即ち、左手(轆轤が右回転の場合)が主役に

     成りますので、左手の肘(ひじ)は太ももに付け、しっかり固定します。

     尚、両手の指の位置を内外で若干の差を設けて、薄く伸ばす方法もあります。

    ロ) 左右の親指が繋がる高さ(深さ)であれば、しっかり組み合わせます。

    ハ) 左右の指の位置は、時計の針で、7~9時の範囲内にある事です。(右回転の場合)

     10,11時と成るに従い、体が伸び力が入りません。

    ニ) 必ず口縁まで両手の指を上げる事です。途中で手が止まり、手(指)を離すと、

     必ず作品は振れます。表面を撫ぜるだけでも良いので、心掛けてください。

     土から手指を離す際には、一呼吸置いてから実行して下さい。「振れ」の原因になります

    ホ) 力を有効に使う為に、向かい合わせた両指は、点又は線状に使う事です。掌など

     面状に使うと、力が土に伝わらず、中々土は伸びません。

    ヘ) 一度口縁まで手指を挙げると、土の表面の泥を剥ぎ取り、水不足になりますので、

     次には水で濡らした両手で土の表面を撫ぜ、表面を濡らします。

    ト) 土を薄く伸ばすのは、単に腕力だけではありません。勿論腕力があれば、肉薄にでき

     ますが、それよりも轆轤の遠心力を利用した方が、より少ない力で土を薄く出来ます。

     即ち、外に向く遠心力を外側の手(左手)で阻止し、上向きの力に変換させます。

     その為、轆轤の回転をやや速くし、遠心力を強くします。但し、口縁近辺では回転速度を

     若干落さないと、「ふらつき」ます。

    チ) 指の使い方には、各自その人なりの方法があります。統一した基準はありません。

   例えば、両手の人差し指を折り曲げ、爪の部分を親指で押さえ、指の第一、第二関節を

     壁の内外に当て、締め上げる様にして土を伸ばしん¥ます。

     又、コテや牛ベラを利用して土を薄く伸ばす人もいます。要は自分に合った方法を会得

     する事です。

    リ) 轆轤に慣れた方は、土上げの回数が少なく、目標の高さまで伸ばす事ができます。

     何度も試みると、土は水分を吸い過ぎ、土の腰がなくなりますので、素早く作業を終わる

     様にします。大きな作品は、固めの土を使うと、水を使い過ぎても、腰が残ります。

  ⅴ) 形を作る。     

以下次回に続きます。
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