わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

素朴な疑問 270 市販されている粘土類(ブレンド用4)

2017-01-11 16:23:20 | 素朴な疑問
8) 機械的強度と熱的強度

 ① 機械的強度。

  焼き上がった作品でも、何らかの原因で、使用中や食器洗い、運搬途中で亀裂が入ったり、

  縁が欠ける事も起こります。「焼き物は壊物」とも言いますので、壊れるのは宿命かも知れま

  せん。しかし強い力が掛かった訳でも無いのに、壊れる事もあります。同じ衝撃であっても、

  破損する物と、無事な物があります。その違いは機械的強度に左右されます。多くの場合、

  焼きの甘さに関係する事が多いのですが、素地に問題がある場合もあります。

  ⅰ) 焼きの甘さに関係する。

   焼成温度が高い程、土は強く焼き締まり密度も増しますので、機械的強度が増す事になります

   施釉した作品であれば、釉がしっかり熔け硬質なガラス質になりますので、更に強度増ます。

  ⅱ) 素地の焼き締まりは温度以外に、素地の構成成分によっても異なります。

   それ故、素地の構成成分を変える事で、機械的強度を増す事ができます。

   一般に細目の土よりも、粒子の粗い土の方が、焼き締まりが弱く、衝撃に弱い傾向にあります

   但し、微粉末された石英を多く含む素地では、焼成で強い内部応力が掛り易いですので、

   何らかの原因で、突然「ひび」や「割れ」が入る場合がありです。

   更に、制作時に土を良く叩き締め、密度を増す事も大切な作業です。仕上げで縁を皮などで

   拭き締めると、一層縁の割れを防ぐ事が出来ます。

  ⅲ) 釉が熔け不足の場合も、機械的強度は弱くなります。

   釉は完全に熔け切った状態で、釉の内部まで均一なガラス状態になります。熔け切ていない

   場合、表面は強いガラス質ですが、内部では化学的に不安定なガラス質になり、強度も弱く

   なります。場合によっては、ガラスの材料が粒子状態で残っている場合もあります。多くの

   場合熔け切っていない釉はマット状に成る事が多いですので、光沢のでる釉がマット状に焼き

   上がる場合には、釉の熔け不足と思って間違いありません。

 ② 熱的強度。

  土鍋など特殊な用途の物以外では、陶磁器は急激な温度変化に耐えられない場合があります。

  特に煮沸する容器や、直火に掛ける物や電子レンジなどでは、注意が必要です。

  素地その物に原因がある物と、作品の形状に起因する場合があります。

  ⅰ) 素地その物に原因がある場合。

   a) 石灰成分の多い素地では、急激な温度変化で作品が割れる恐れが大きいです。

    骨灰を多く含む素地(骨灰磁器など)では、急激な温度変化に弱い物です。

   b) 熱膨張率が大きな素地では、危険が増大します。

    素地が膨張収縮する事で、作品にストレスが繰り返しかかる事で、熱破壊が生じます。

    熱膨張率を小さくするには、ペタライト等リチウム鉱物を含む素地を用いる事です。

    例えば粘土60%に、ペタライト40%の素地を使うと良い結果が得られます。土鍋用の素地

    にはペタライトが入っている物が多いです。又土鍋用の釉にもペタライトが混入されてい

    ます。

   c) 石灰成分を含まない、粘土質で多孔性のある素地(素地の密度が小さい)は熱的変化に

    強いです。

  ⅱ) 作品の形状に起因する場合。

   a) 熱が部分的に集中しない形にすれば、急激な熱変化に強くなります。

    火(炎)の当たる底部に角張った部分があると、熱はその一点に集中し易くなり、熱破壊が

    起こり易くなります。即ち、土鍋などは底全体に熱が均一に伝導する緩やかなカーブを設

    ける事です。

   b) 熱伝導が悪い素地の場合も、急激な熱変化に弱いです。

    熱伝導は、作品の形状と素地の両方に関係します。即ち、緻密な焼き固まった素地では、

    熱伝導が悪く、急激な熱変化で簡単に破壊される事が多いです。

以上で「市販されている粘土類」の話を終わります。
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素朴な疑問 269 市販されている粘土類(ブレンド用3)

2017-01-04 22:45:42 | 素朴な疑問
6) 水漏れ(透水性)に付いて、及びその予防と対策。

 花瓶等の様に、長い期間水を蓄えている器の場合、底又は胴体部分より水が漏れてくる場合が

 あります。胴体部分からの水漏れは、表面より水が蒸発してしまいますので、水が漏れても気が付

 く事が少ないのですが、底から水が漏れてくる場合には、置き台の表面に花瓶の底と同じ形状で

 濡れた跡が残ります。勿論」「ボタボタ」漏るようですと、水を入れた瞬間に気が付きますが、

 徐々に滲み出す程度ですと、数日後に花瓶を移動した後に気が付きます。

 ① 水漏れの原因は、

  ⅰ) 素地が「しっかり」焼き締まっていない為です。

   焼き締まりが弱いのは、焼成温度が低い為、又は素地の粒子が粗い為です。

   前者の場合には、焼成温度を上げるか、寝らし時間を長くする事です。後者の場合には、

   素地を改良する必要があります。即ち素地を粉砕し肌理を細かくすると良くなります。

   又は肌理が細かく、良く焼き締まる粘土を添加します。

  ⅱ) 釉に貫入などの小さな亀裂が入っている為です。

   亀裂が釉の内側にまで達している場合には、素地の中に水が浸透し水漏れを起こします。

   特に片面のみに施釉した場合に顕著です。対策としては、釉に亀裂が入らない様にします。

   即ち、貫入は素地と釉との縮みに差が出る為に起こります。素地より釉の方が縮み率が大きい

   時に起こります。特に低温度で熔ける釉には貫入が入り易いです。

   尚、貫入に付いては、釉のトラブルの項で説明しましたので、ここでは省略します。

  ⅲ) 無釉の場合や、釉のガラス質が薄い為です。

   焼き締陶器以外は施釉するのが一般的です。施釉する事で作品の表面をガラス質でコーテング

   し、水を透さなくなりますが、ガラス質が薄い場合や、しっかり熔けきっていない場合に

   水を透す事もあります。釉が薄いと感じるのは、釉の発色状態でも確認できます。

   備前焼など無釉の焼締陶器が水漏れを起こさない理由は、土がしっかり焼締まる性質がある為

   です。即ち通常の土の収縮率は12~14%程度ですが、焼締用の土は20%以上あるから

   です。

  ⅳ) 市販されている一般用の粘土では、高い温度で焼成しても、完全に水漏れを起こさない

   事は保障できません。特に近年短時間での焼成が一般的に成っている為、焼き締まりが弱く

   なっています。その為何らかの対策を取る必要があります。昔であれば焼き上がった器の

   中に、米の研ぎ汁などを入れ、数日放置し乾燥させる事で、米の澱粉質を乾燥させ、素地の

   隙間に固着させ、隙間を埋める方法が取られていましたが、現在では水漏れ防止用の液体が

   市販されています。又、食器用にも使用可能ですので、底の畳付き部分にも塗って置く事で、

   高台内の黴(カビ)の発生を抑える事ができます。

7)  素地土に含まれる不純物と有害物質。

 ① 水簸(すいひ)しても取り除けない不純物に、細かな鉄分(酸化鉄)があります。

  赤錆と呼ばれる弁柄等の酸化第二鉄は、素地に茶褐色の斑点を発生させます。

  特に硫化鉄の入った素地は、高温で分解し硫黄と酸化第一鉄に分解します。酸化第一鉄は黒色の

  斑点と成って、釉を汚す事になります。それ故この様な粘土は使う事ができません。但し非常に

  良い粘土である場合には、長期間大気中に放置し、空気の酸化作用で硫化鉄を水に溶ける硫酸鉄

  に変化させ、水簸する事で取り除く事が出来ます。尚、素地に含まれる砂鉄などは、磁石に

  よって取り除く事が出来る場合もあります。

 ② 石膏型を用いた作品では、石膏が混入する場合があります。

  石膏は高い温度で乾燥させると、微粉末になり取り除く事が困難になります。この様な場合には、

  素地を泥々に溶かし、篩を通すと取り除きます。石膏型を濡らした状態で、長期間放置して置く

  と表面に石膏の結晶が出来ます。この結晶が作品に混入する恐れもありますので、石膏型は時々

  天日干して使用する必要があります。

 ③ 硫酸石灰と石膏の結晶は釉飛の原因になります。

  石灰と硫酸鉄が混在する素地では、長い間風雨に晒されると、石灰は硫酸石灰に鉄は水酸化鉄に

  変化します。可溶性の硫酸石灰は、乾燥すると薄い層となり、作品の角(端)部分に多く集まり

  ます。その為端部分が釉飛を起こし易いです。

  これら硫酸塩を取り除くには、土練の際、炭酸バリウムを0.25~0.5%程添加します。

 ④ 各種塩類による「ブク」の発生に付いて。

  硫酸塩ほどではないが、ソーダ(ナトリウム)、カリ、マグネシウム等の塩類も、素地に含まれ

  ると、有害物質になります。これらを多く含む素地を高温で焼くと、「ブク」を発生させる恐れ

  があります。又これらの結晶がある素焼きの作品では、気泡の中に固着し取れなくなります。

  この現象を「スカミング」と呼びます。これら塩類を除去するには、水簸(すいひ)を行う事

  です。 

以下次回に続きます。
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素朴な疑問 268 市販されている粘土類(ブレンド用2)

2016-12-30 14:06:34 | 素朴な疑問
3) 焼成収縮率が大き過ぎる際のブレンド土。

  土を高温で焼くと、大なり小なり縮みます。縮む事で素地が緻密に焼き締まり、機械的強度を

  増し、使用に耐える作品になります。それ故収縮率を極端に小さくする事は出来ません。

  更に、極端に縮むと作品が小さくなるだけでなく、部分的な変形を引き起こす恐れもあります。

  ① 素地に熔剤となる原料が多過ぎる場合に、収縮率は大きくなります。

   即ち、長石、雲母、石灰石、酸化化合物などが多く含まれた素地です。これらの物質の粒子が

   細かい程、収縮率は大きくなります。

   収縮を小さくするには、アルミナや石英などの耐火物質を加えます。カオリン等の耐火性の

   ある素地を適量添加するか、シャモット(焼き粉)を加える事でも改善されます。

  ② 粘土粒子及び混在する不純物の粒子が細かい程、収縮率が大きくなりまう。

   粒子が細かい程、表面積が増え個々の粒子間の化学的、物理的な相互作用が大きくなる為と

   思われています。それ故、粒子の粗い粘土類を適量添加する事で、縮み率が改善されます。

  ③ 焼成温度が高くなるに従い収縮率は大きくなります。

   但し、混在物質の中の、多量のガラズ質を発生させる成分を多く含む素地は、逆に収縮率は

   低くなります。これは、ガラス成分の比重が粘土粒子より小さく、その分容積が大きくなる

   からです。高い温度で焼成する利点も考慮して、最高焼成温度を決めるます。

  ④ 温度上昇を時間を掛けてゆっくりする程、収縮率は大きくなります。又「寝らし」時に一定

   温度を長く保持すればする程、収縮率は大きくなります。即ち、低い焼成温度であっても

   長時間焚き続ける事で、素地は焼き締まる事になります。

4) 焼成による変形対応方法。

  窯出しで作品が変形している事は珍しい事ではありません。特に平たい皿等に多く見られます。

 ① 主な原因は、焼き固まり(焼固)と素地の温度範囲が狭い事です。

  即ちこの範囲が、100℃以内の場合に起こり易いです。特に赤土など鉄化合物を多く含む素地の

  場合要注意です。

 ② 変形し易い素地の場合、焼成温度を下げる事です。

  又、寝らし時間を長く取る事も得策ではありません。即ち、最終温度で長時間焼かない事と、

  温度上昇をゆっくりさせない事も有効です。

 ③ 素地を改良するには、微細な珪砂やカオリン又は耐火粘土を10~20%程度添加します。

  尚、1100℃以下で変形を起こす素地の改良は困難です。

 ④ 本焼きの窯詰め時に注意する事で、変形の危険を回避できます。

  ⅰ) 作品に荷重が掛からない様にする。

   左右対称でない場合、片側に荷重が掛かる場合があります。例えば片方に取っ手のある作品で

   あれば、取っ手側に荷重が多く掛かります。特に制作時に取っ手を肉抜きして軽く作る事も

   大切ですが、重そうな取っ手の場合は、取っ手の下側に貝などで、支えると良いでしょう。

  ⅱ) タタラで作った板皿に、脚を付けると変形し易いです。

   平たい板皿であればある程、脚の付ける位置が問題になります。中央寄りに付けると、皿の

   縁が下に垂れ変形します。逆に縁側に付けると、皿の中央が下がる(又は上がる)場合が

   あります。いずれの場合にも、下から支えて変形を回避する事が大切です。

  ⅲ) 作品が部分的に強く加熱された場合にも、変形が起こります。

   これは、強く加熱された部分が他より大きく縮む為です。これを予防するには、火盾などで、

   直接炎が作品に当たらない様にする事です。又、大きな作品の前に小さな作品を置き、炎を

   分散させる方法もあります。

5) 焼成中の剥離と切れ。

 ① 肉厚の作品の場合、焼成中に表面の層が剥離する事があります。

  制作時に層状に制作した物は勿論、層状の作品でない物も起こります。特に可塑性の大きな素地

  で作った陶板の作品に、多く見受けられる現象です。

  素焼きの際の急激な温度上昇で起こり易いです。これは、肉厚の素地では結晶水や素地中の

  遊離水が水蒸気と成って素地を通過し難く、水蒸気爆発を起こすからです。

  これを防止するには、作品を十分乾燥させる事です。又珪砂やシャモットなどを加え素地の粒子

  をやや荒くする事です。

 ② 焼成中の亀裂と、冷め割れ(窯の冷却時に亀裂が発生する事)。

  作品を見ればこの差は区別できます。即ち焼成中の亀裂は、幅広で角が「ギザギザ」で亀裂の

  断面が表面と同じ色をしています。即ち熔けた釉が縁部分に付いています。

  冷め割れの場合は、磁器を割った様に鋭く直線状になります。更に急冷の場合には一点を中心

  として、枝状の割れになる場合もあります。石灰の多い素地では急冷に注意です。

  容積の小さい窯や、窯の壁が薄い場合、作品の数が少ない時には、急激に冷えますので、直ぐに

  火を止めるのではなく、窯を焚きながら温度を下げる事も考えて下さい。

6) 水漏れ(透水性)に付いて、及びその予防と対策。

以下次回に続きます。 
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素朴な疑問 267 市販されている粘土類(ブレンド用1)

2016-12-22 22:27:33 | 素朴な疑問
市販されている粘土類には、そのままで直ぐに使用する物と、粘土の性質を変える為にブレンドして

使う粘土類があります。市販の幾種類かの粘土をブレンドする方法は、粘土の性質に拘る人では、

一般に行われています。その他、特別な粘土類をブレンドする必要に迫られる人もいます。

特にご自分で採取した粘土類を、耐火度を上げたり、粘りを出したい場合、更には滑らかな素地に

したい場合、乾燥による「ヒビ割れ」を少なくしたい、濃い赤土の色を薄めたいなど人により目的が

異なる事も多いです。市販品の中には、その目的を叶える為の粘土や土石類もあります。これらの

粘土類や土石に付いて述べたいと思います。

1) 乾燥時にトラブルになる粘土類の改良の為のブレンド。

 ①  成形した作品が、乾燥中に捩れ(ねじれ)や歪(ひずみ=変形)む事があります。原因は

  ⅰ) 可塑性が大きく、土の締り具合が弱い事です。

   対策としては、珪砂、長石、シャモット(焼粉)、セルベン(同じ素地を高温で焼いた粉)等

   の非可塑性物質を、適宜加える事です。又、可塑性の少ない粘土類を加えるのも効果的です。

   特にシャモットは成形の際、素地の水分を吸収し粘土粒子と良く付着しますので、珪砂よりも

   乾燥強度が増し、衝撃にも強くなります。尚、これらの物質は粒子の細かさに関係しますので

   適度の荒さの物を選ぶ必要があります。市販品として粉末状態のシャモットには、細粒と砂状

   の荒目があり、珪砂3~6号(数が増すほど細目になる)があります。最小単位1kgより。

  ⅱ) 乾燥収縮が多き過ぎる事も原因です。

   可塑性の大きな粘土類は乾燥収縮も大きくなりますので、上記物質をブレンドする事で解消

   されます。可塑性の少ない場合には、木節粘土(主成分は細かいカオリン)をブレンドします

 ② 乾燥時の切れの発生を抑えるブレンド。

  ⅰ) 素地の切れは可塑性が大き過ぎても、少な過ぎても起こります。

   粘土を再生すると可塑性は少なくなります。この場合、市販の信楽粉末土を添加すると良い。

  ⅱ) 素地中の水分分布が均一でない為、乾燥速度が部分的に異なり、切れが発生します。

   尚、制作途中でも、部分的に水を付け過ぎたり、水分を残さない事です。特に底割れと言われ

   る現象は、轆轤作業終了時の底の内側の水分除去が、不十分な場合に起こり易いです。

  ⅲ) 素地に粘着性が弱い場合には、成形時に部分的に強い力が掛り、その為切れが発生する

   事もあります。粘りの強い土に市販の「もち土」があります。適量添加し粘着性を調整する

   事ができます。 尚、磁土の粘性を増す物質に絹雲母があります。

  ⅳ) 粘土を十分練る事で、土の粘りを増し、更に土中の水分を均一にする事が出来ます。

    空気を抜く事も大切です。気泡がある場合には、そこから亀裂が入る事もあるからです。

  ⅴ) 昔より「土を寝かせる」事で切れ等のトラブルを解消してきました。粘土粒子の結合力が

   十分に発揮でき、成形し易いくトラブルの解消に成っています。大切な作品には数年寝かせる

   とも言われています。数週間から数ヶ月であっても、ある程度の効果があると言われています

2) 素地の耐火度を調節する。

 一般に赤土と呼ばれる粘土は焼成温度(耐火度)も低く、焼成収縮率も大きい事が多いです。

 又、市販品の粘土でも、耐火度の低い物では最高温度が1180~1200℃程度の物もあります。

 一窯を同じ素地で焼成する場合には、指定の温度で焼成しますので、ほとんど問題には成りません

 但し、異なる素地を同時に焼成する場合には、耐火度を調整する必要があります。

 耐火度が高い事は、高い温度で焼く事で、土が強く焼き締まり、機械的強度が増す事になります。

 又、焼成温度幅を広げる事にもなりますので、窯焚きでは優位にる事が多いです。

 ① 耐火度のある粘土をブレンドする。

  蛙目粘土、童仙傍(白、黒)、信楽牧山粉末土、萩みたけ土(萩焼の耐火度をあげる)、亜炭

  粉末土(焼成時ほとんど収縮しない土)等があります。尚、道具土と呼ばれる土や、匣鉢(さや)

  用の粘土も耐火度が高いですので、利用する事が出来ます。

  一般に白い粘土は耐火度があると思われています。それ故、市販の粘土が手元に無い場合に利用

  しても良いでしょう。

 ② 耐火度を下げる事は、ほとんど行う事はありません。

  但し、低い温度で焼き締まる様に調整する事もあります。特に楽焼では低い温度で焼成します

  ので、低い温度でも焼き締まる必要があり、楽焼用の土があります。

以下次回に続きます。
     
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素朴な疑問 266 市販されている粘土類(カラー化粧土)

2016-12-13 17:55:57 | 素朴な疑問
化粧土は制作した作品の表面に施す事で、表面を綺麗にお化粧する場合に使います。

元々は、赤土など色の付いた土の悪さを隠す為に、真っ白な化粧土が使われていました。白い土が

良い土だと認識されていた訳で、その為、表面だけでも白くしたのです。

現在では、化粧するだけでなく、化粧土を使った色々な技法が開発され、人気を博しています。

その為白だけでなく色々の化粧土が市販されています。勿論、ご自分で顔料を用いて好みの色化粧土

を作る事も可能です。その為の顔料(練り込み用)も市販されています。

化粧土の原料はカオリン等の白色粘土です。多くの場合白絵土として市販されているのを使います。

各地のカオリンを白化粧用に調合した物と思われます。

1) 生化粧と素焼化粧。

 ① 一般に制作完了直後の生地が生の状態の際に、化粧土を施す事が基本でした。

  即ち、成形、化粧掛け、素焼、釉掛、本焼きの手順を踏みます。この工程で作業するのは、

  乾燥前の素地と化粧土との相性が良く密着し、剥がれ等のトラブルが少なくなる為です。但し

  技法によっては、化粧土を施す際、素地の乾燥具合を考慮して行わないと、問題を起こし易い為

  施すタイミングが難しい場合があります。それは作品全体に化粧土を施す「粉引(こひき)」の際

  で、素地の種類によっては素地そのものが、崩壊する恐れさえあります。更に、釉との相性も

  生掛け用の方が良くなります。これは素地と化粧土及び釉の収縮率及が近い為です。

 ② 素焼き後に化粧土を施す。

  生化粧掛けと異なり、素焼き後の作品に化粧掛けする事で、作品の崩壊を防ぐ事が出来ます。

  この技法を「南蛮掛け」と呼ぶ事もあります。当然ですが、化粧土の熱収縮率は、生掛け用が

  大きく、素焼用は小さくなる様に調節されています。

  但し、生掛けとは若干異なる作業が必要に成ります。即ち、素焼き後の作品は水の吸い込みが、

  生に比べ強いですので、一度水で濡らして置く必要があります。そのまま直に掛けると化粧土に

  「ひび」が入ったり、剥げ落ちてしまう事もあります。作品の表面の水分が引いたら直ぐに

  化粧土を掛けます。施釉する際には化粧掛け直後に行います。時間を置くと失敗する事が多い

  様です。

 ③ 酸化と還元焼成では、同じ化粧土でも発色に差がでます。一般に酸化焼成の方が綺麗な色が

  出易いです。勿論、素地が白い程明るい色に焼き上がります。

2) 市販されている化粧土は粉末の場合が多いですが、液体に成った物も有ります。

  液体の物はそのままで使う事が出来ますが、粉末の場合には、適度の容器を用意し、1Kgの粉末

  に対し水1,000~1,100ccを加え良く攪拌し、「だま」が出来ない様にします。又CMCを

  添加する事で、液体も滑らかになり、筆で塗る際に作業がし易くなります。

3) 市販されている色化粧土

 ① 生掛け用の液体化粧土泥(最小単位は1ℓ)

   白、紺、黒、ピンク、グレー、グリーン、黄色、コバルトブルー、スカイブルー、刷毛目用、

   粉引、鉄、ねずみ志野用などがあります。

 ② 生掛け用の粉末化粧土。(最小単位は1kg)

   ホワイト、ピンク、ブルー、トルコブルー、グリーン、ブラック、パープル(紫)、レッド、

   イエロー、ブラック、グレー、ブラウン、呉須類、粉引、鉄、萩などがあります。

 ③ 素焼化粧土粉末(最小単位は1kg)

   色の種類は生掛け用の粉末化粧土と同じです。

尚、メーカーによって色彩に若干の違いが有りますので、好みの色を選ぶ事です。

添加する顔料に付いては、すでに述べた色土を作る際に使用する物と同じです。

以下次回に続きます。
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質問28 備前焼の工夫に付いて。

2016-12-07 18:51:03 | 質問、問い合わせ、相談事
hiroshi.ma様より以下のご質問を頂ました。

共同陶芸で電気窯30KWで備前土で鉢など作品を作っていますが酸化では何も変化がないし還元でも

わら、炭を使わずになにか変化をつけたいとおもいます。食塩水で加飾することを聞いたように思い

ますがよくわかりません。また食塩水でよければ簡単にクリスタリン・塩化マグネシュウムでも何か

できるのではないかと思いますが。簡単にできるような方法があえば教えてください。


明窓窯より

◎ 食塩水を使う事は、命に関わる非常に危険な行為ですので、決して行ってはいけません。

特に、電気窯の場合、屋内で窯を焚く事になりますので、窯で発生した塩素ガスを吸い込む事になり

ます。ご存知かと思いますが、塩素ガスは毒ガスで、兵器としても使用される有毒ガスです。

1) 食塩を使う釉の方法は昔から行われている技法ですが、危険の他、窯自体を痛める結果になり

 ます。

 ① 危険な理由。食塩(水)の主成分は塩化ナトリウムです。高温の窯の中で分解し、猛毒な

  塩素ガスを発生させます。屋外であれば、空気中で拡散し少しは薄まりますが、屋内ではまとも

  に吸い込み事になります。例え換気扇が回っていたとしても、絶対行ってはなりません。

 ② 窯を痛める理由。

  食塩が分解すると、塩素とナトリウムになります。このナトリウムが釉の成分となる訳ですが、

  ナトリウムは気体と成って窯の中に充満します。その為、作品以外の窯の壁や棚板、電熱線にも

  こびり付く事になります。これは容易に取り除く事は出来ません。結果的に窯の寿命を縮める

  事になります。尚今回は食塩水ですので、食塩を振り掛けるよりは被害が少ないと思われますが

  窯を痛める事は確実です。一般に塩釉を使う場合は窯を駄目にする覚悟で行う事が多いですので

  真似をしない事が肝銘です。

2) 備前焼で変化を出したい場合の方法。

 ① 弁柄を水に溶いて上から流し掛け、又は漬け掛けする。

  酸化鉄である弁柄は高温で黒色に変化します。備前土とは若干色合いが異なりますので、

  斑(まだら)模様にしたり、弁柄の一部をスポンジ等で拭き取たり濃淡を付ける事で色の変化

  を付ける事ができます。尚、弁柄以外に酸化クロムやコバルト(呉須)、黄土等を混入させると

  より変化のある色になります。又釉を少量混ぜる事で、素地との間に密着度を上げる事が出来

  ます。釉の色はほとんど問題ありません。但し釉の量が増えると、光沢が出易くなります。

  混ぜる物を色々工夫して下さい。

 ② 灰を振り掛ける。

  備前焼は薪窯で焚くのが正式な方法です。薪の場合燃料の灰が作品に降り掛かります。この灰の

  状態も備前焼の見所と成っています。電気窯では無理ですので、人為的に灰を振り掛ける事で

  備前焼風に焼き上げる事ができます。灰であれば、天然の物でも合成の物でもかまいません。

  但し、灰は種類によって発色に違いが出ますので、色々試して下さい。

  ⅰ) 灰を掛ける方法。

   a) 作品に霧吹きで水(またはCMC液)を掛ける。

    作品に灰を定着する為に行います。灰を着けたい場所近辺に霧を吹く。

    流れ出すほど掛ける必要はありません。

   b) 茶漉しを使うと自然な降灰になります。

    スプーンに灰を取り、茶漉しを振る様に掛けます。但し、作品が濡れている状態で行う事が

    大切です。一度で行う必要は無く、何度でも振り掛ける事が出来ます。当然灰の厚みが増し

    厚く掛けた灰は、窯の中で熔けて流れ落ちる場合もあります。又は熔け切らずに灰状態で

    残る場合もあります。熔け切らない場合でも、窯出し後に、灰の表面を紙ヤスリ等で擦ると

    そこも景色になる事があります。

    荒れた豪快な状態にするには、灰を投げ付ける方法もあります。

   c) 灰は作品を持ち運ぶ際や、斜めにした場合、落ちる事もありますので、若干多目する必要

    があります。更に、灰を掛けた箇所は指で触らない事です。灰が剥がれ指跡が付きます。

    その為、灰を掛ける前に、作品の底に酸化アルミナ等を塗り直ぐに窯に入れられる状態に

    して置く事です。

   d) 電気窯ですので、基本的には酸化焼成です。酸化の場合、灰は黄色味を帯びた色に成り

    ます。松灰は若干緑色になると言われていますが、はっきりとした違いは出ません。
    

以上 不明な点がありましたら再度お問い合わせ下さい。
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質問 27 織部釉の変色に付いて。

2016-12-05 21:57:38 | 質問、問い合わせ、相談事
高橋圭太郎様 より以下の御質問を頂ました。

小生、タイルメーカー勤務の52歳です。昨年末頃に、兵庫県西宮市の臨海部に銅を使用した

織部釉の陶板タイルを納入いたしました。その陶板を今年の秋に成って確認したところ瑠璃色

とも云える様な綺麗な青色に変色していました。変色は雨の当たる箇所で多く見られ、あまり

雨の当たらない部位は元のままです。焼成は最高温度1320度中性炎で焼成している製品です

が、やはり酸性雨の影響でしょうか? 何か考えられる原因が思いつけば教えてください。


明窓窯より。

当方では、織部釉が綺麗な瑠璃色とも云える綺麗な青色に変色した経験は有りませんが、原因を

ある程度推測できますので、参考までに述べます。

1) 銅釉は窯の中又は焼成後にも変化がで易い釉です。

 御存じの様に、酸化雰囲気の窯では緑色の織部色になります。但しこの織部は青織部と呼ばれる色

 ですので、青味掛かる緑色に成る場合もあります。還元焼成では、真っ赤な辰砂(しんしゃ)色

 に発色する場合も有りますが、赤紫又は青紫に出る事も多いです。高橋様が最初納品されたタイル

 がどの様な色彩であったかは不明ですが、多分青織部であったと思われます。

 即ち、窯から出し役1年後に色が変化した事になります。

2) 当方で気になる所は、中性炎で1320℃で焼成した点です。

 上記の様に酸化でも還元でもない中性炎であれば、色彩的に不安定な状態です。更に1320℃は、

 銅釉としては高過ぎる様に思われます。即ち、銅は揮発し易い金属ですので、一般には1300℃

 (SK-10)以下で使う様に云われおり、高温では銅が揮発しまい、銅の効果が半減してしまいます

  勿論揮発を防ぐ様に何らかの処理(透明釉などを上に重ね掛けるなど)をしていれば良いので

  すが、その場合には上掛けした釉が何らかの作用を施している可能性もあります。

3) 銅釉は作品の表面に薄い膜を作る事が知られています。

  その為、この幕を希塩酸などの酸で洗い流す事で、鮮明な色が表出します。高橋様の場合この

  処置が施されているのでしょうか。もし未処理であれば、1年間の間に、日光(紫外線)、

  雨(水)、潮風(塩分)等の影響でこの幕が少しづつ剥がれ、下層の綺麗な色が表出したとも

  考えられます。

  又、高橋様のご指摘の様に、酸性雨や潮風が釉の表面(幕ではない)に直接作用した事も考えら

  れます。即ち化学変化を起こした事になります。

  上記2)述べた様に、銅は揮発し易い金属ですので、銅成分は釉中より表面に集まり易くなり

  ます。高い温度で更に揮発が促進した結果、表面の銅成分も薄くなっているはずです。

  薄い銅成分は外気の諸条件(上記以外に空気中の酸素も加る)の影響を受け易くなるとも考え

  られます。

4)その他

 ご使用された釉の成分が判別できませんが、一般に透明釉(基礎釉)に5~10%程度の酸化銅を

 添加して調合します。7%前後が多い様です。手元にあるカタログの中の青織部と表示された釉

 にも数種類の釉が存在します。即ち酸化銅以外に微量な金属類(マンガン等)などが混ざっている

 事になります。若し微量な金属類が含まれている場合には、その影響と外気との相乗効果で、

 化学変化を起こす事も考えられます。特に酸化コバルト少量でも強力な青色(又は瑠璃色)を呈し

 ます。若し使われている釉の成分を知る事が可能ならば、調べてみる価値があります。

以上が当方の見解ですが、決め手になる理由を見出す事が出来ませんでした。


◎ 尚、当ブログを見ている方で、この件に関して、考え(見解)やヒント、情報をお持ちの方は、

 コメント欄に情報をお寄せ下さい。宜しくお願い致します。
  

以上 明窓窯 

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素朴な疑問 265 市販されている粘土類(カラー粘土)

2016-12-01 17:02:03 | 素朴な疑問
5) カラー粘土: 自然界にはほとんど存在しない綺麗な色の粘土です。

  市販されている練り込み用の顔料(絵の具)や手持ちの呉須(コバルト類)や鬼板、酸化銅、

  弁柄などの下絵付け様の絵の具を添加し、御自分の好みの色の粘土を作る事も可能です。但し

  顔料の混合割合によっては、鮮やかな色に成る事は少ない様です。綺麗で彩度のある粘土を得る

  には、市販のカラー粘土を使う事が手っ取り速いです。近年は色数も豊富に存在しますので、

  気に入ったカラー粘土を得る事ができます。尚、カラー粘土は彩粘土とも呼ばれる事もあります

  但し価格が高いのが欠点です。

 ① 本焼き程度の高い温度で、酸化焼成の場合に、鮮明でしっかりした色が出現します。

  還元焼成では、所定の色が出難く、場合によっては全く色彩が出ない場合もあります。

  市販のカラー粘土であれば、焼成前でも色の確認が出来ますが、顔料や絵の具を添加してご自分

  で作ったカラー粘土では、生の状態では見分けが付かない場合も多いですので、複種類の色違い

  の土を作る際には、間違わない様にする必要があります。

 ② 色化粧土とカラー粘土は同じ様な材料ですが、若干違いがあります。

  白っぽい粘土に顔料を適度に加えて、望みの色彩の色土を作る事が出来ます。

  但し、化粧土は作品の表面のみに作用させますが、カラー粘土は作品の素地全体に作用します。

  即ち作品が壊れてもその断面全体が同じ色になります。

 ③  市販されているカラー粘土。

   1kg単位で市販されている物と、5kg、10kg単位の物があります。

   焼成温度はSk6a(1200℃)~8(1250℃)で、酸化焼成が基本です。 

  以下 (有)ヤマニファーストセラミイクのカタログを参考にしました。

  ⅰ) 彩粘土。

   ・ ホワイト: 白色 ・ ピンク: 桃色 ・ イエロー: 濃い目の山吹色

   ・ トルコブルー: 空色 ・ ブルー: コバルトブルー ・ グリーン:濃い緑

   ・ ライトブラウン: 黄土色 ・ ダークブラウン: 焦げ茶 ・ ブラック: 黒色

   ・ グレー: 濃い目の灰色 ・ 朱泥: 赤茶色

  ⅱ) 目で見て楽しむカラー粘土。

   ・ コスモス粘土: 淡いピンク色  ・ サクラ粘土: 白い斑点のある淡いピンク色

   ・ ミカン粘土: 蜜柑色 ・ よもぎ粘土: 蓬(よもぎ)の葉の様な緑色

   ・ 浅みどり粘土: 乳白掛かった淡い緑色で、白い斑点が出ます。

   ・ 白雪粘土: 雪の様な白色 ・ 墨粘土: 墨汁の様な黒色

   ・ レモン粘土: レモンイエローの明るい黄色 ・ ねずみ粘土: 薄めのねずみ色

   ・ 桔梗(ききょう)粘土: 濃い目の青色

  ⅲ) 和染: 日本の伝統的な色です。

    練り上げ手や小物などにワンポイントで使用すると良いでしょう。

   ・ 薄青染め: 淡い水色 ・ 浅葱(あさぎ)染め: 濃い水色

   ・ 瑠璃(るり)染め: 濃い青色 ・ 若草染め: 淡いエメラルドグリーン

   ・ 松葉染め: 明度が低いが温か味のある緑色 ・山吹染め: 温か味のある黄色

   ・ 胡桃(くるみ)染め: 肌色に近い淡いオレンジ ・ 藤さくら染め: 淡い紫

   ・ 藤紫染め: 綺麗な紫 ・ 栗染め: 栗の皮色の濃い茶色 ・ 白水染: 純白

   ・ 鴇羽(ときわ)染め ・青丹(あおに)染め: 黒に近い濃い緑 ・ 墨黒: 漆黒

 ④ 市販されている練り込み用の顔料。(100g又は500g単位)

  顔料の種類によって、練り込む元の粘土に、3~20%程度(一般的には10%以下)添加する

  ・ 黒、 黄色、 ピンク、 コバルト青、 コバルト青、 緑、 茶、 紫  

  ・ 瑠璃色、空色、焦げ茶、薄緑、淡緑、渋緑、ひまわり色、 セピア色

  ・ 下絵付けに使う以下の絵の具を添加して色土を作る事も出来ます。

    呉須類(古代、青、紫、墨、焼貫)、酸化鉄類(弁柄、黄土、鬼板、赤土)、酸化銅、

    酸化クロム、トルコ青、コバルト青(酸化コバルト)、陶試紅(とうしこう)、二酸化

    マンガン(又は炭酸マンガン)、酸化ルチール、赤茶などが使えます。混ぜる量によって

    濃い目から薄目の色にする事ができます。呉須類は少量でも発色します。

  ⑤ カラー粘土は他の色と混ぜて新しい色を作りだす事もできます。但し混ぜれる色数を増せば

   増すほど、彩度(鮮やかさ)が低くなります。(色が灰色から黒色へと変化します。)

以下次回に続きます。  
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素朴な疑問 264 市販されている粘土類(赤土2)

2016-11-25 14:59:47 | 素朴な疑問
4) 我が国には、白い土は比較的少なく、殆どの粘土類は鉄分を含む赤土です。

 ① 赤土の特徴。

 ② 代表的な赤土。 (以上までが前回の話です。)

  ⅷ) 赤1,3,5,7,9号土: 産地や混入成分は不明です。(カタログ上に記載なし)

   a) 赤1号土: 酸化で薄茶色、還元で茶黒の斑(まだら)文様が出ます。

   b) 赤3号土: 酸化で薄茶色、還元で赤黒くなります。

   c) 赤5号土: 粒子の細かい赤土で、濃赤又は黒く発色します。

   d) 赤7号土: 粒子の細かい赤土で、薄茶色に発色します。

   e) 赤9号土: 水簸(すいひ)された赤土で、薄茶色に発色します。

  ⅸ) 薪窯用赤土:高温で焼成できる赤土です。

   a) 7号薪窯赤荒目土:薪窯による焼締陶器に向いた荒目の赤土です。

   b) 9号薪窯赤細目土:薪窯による焼締陶器に向いた細目の赤土です。

  ⅹ) その他の赤土

   a) 並漉(こし)赤土: 耐火度のある細目の赤土で、還元で黒く焼き上がります。

     ロクロ赤粘土: ロクロがし易い水簸(すいひ)粘土で、1200℃以下で焼成します。

   b) 赤御影(みかげ)土: 赤土に6号珪砂とマイカ(雲母)が入っています。

     黄御影土: 石ハゼ古信楽土に、黄土とマイカを混ぜた粘土です。

   c) 朱泥土: 蛙目粘土に弁柄(酸化第二鉄)を混入した赤土です。

     常滑の急須が有名です。

   d) 南蛮土: 還元焼成で、褐色の南蛮風に発色します。

    ・ 南蛮焼締土C: 鉄分が多く窯変が出易い土です。

   e) 急熱急冷黄土: 少し荒目の赤土で、楽焼にも使用できます。

    ・ 耐急熱急冷赤土: 少し荒目の赤土で、楽焼に使用します。

    ・ 大物黄土: 耐火度が高く、大物作品向きの土で還元焼成で趣ある色が出ます。

    ・ 黄土: 他の土との混合用として使います。

   f) 赤鍋土: 1,180℃で焼成する土鍋用の土です。

    ・ 耐火耐熱鍋赤土: ペタライトを50%含む赤土で、セラミック鍋用の粘土です。

   g) 赤茶ワン土、赤茶ワン土細目:茶ワン土に赤土を混ぜた抹茶々茶用の粘土です。

     轆轤挽や手捻りで使えます。

    ・ 赤楽粘土: そのままで赤楽になります。又黒楽用の粘土にもなります。

    ・ 手捻り赤楽焼土: 赤楽用の粘土です。手捻り赤楽は「ザングリ」した土味

      が出ます。

    h) 赤還元土: 酸化では赤味が少なく、還元で赤く発色します。

    i) 粉引フレット土: 細目で軟らかい赤色に仕上がります。粉引用で1230℃で焼成できます

    ・ 粉引黄土原土: 耐火度のある粉引に使える粘土で、黒っぽく焼き上がります。

    j) クラフト赤粘土: 土に粘りがあり、使い易い土です。1230℃で使用可。

    k) 野焼き用粘土: 土器や埴輪などを作る際に使用すると良く、赤又は褐色になります。

     ・ テラコッタ: 水簸土に黄土を添加した粘土です。

     ・ 野焼き粘土: 素焼きをしてから野焼きをした方が安全です。焼締陶器にも利用可。

    l) 陶板土: 肉厚の作品向きの粘土で、鉄分を少々含みますので、薄い茶色になります。


 以前にもお話しましたが、同じ名前の粘土であっても、メーカーによって粘土の混合具合が異なり

 ますので、好みの色が発色する粘土を見付けて下さい。又は御自分で土や鉄分を調合する事です。

以下次回に続きます。
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素朴な疑問 263 市販されている粘土類(赤土1)

2016-11-23 16:23:44 | 素朴な疑問
4) 我が国には、白い土は比較的少なく、殆どの粘土類は鉄分を含む赤土です。

 但し、生の状態の赤土は、赤味を帯びた土です。ですが1,000℃前後以下の温度で焼成すれば、

 赤味のある色に仕上がりますが、高温に成るに従い褐色から濃い褐色、黒に近い褐色へと変化しま

 す。鉄分は母岩に含まれている場合も有りますが、多くは雨風で粉砕し微粒化し、流されていく

 過程で、周囲に存在する鉄分(酸化鉄=赤錆)が混ざり合って赤土になります。粘土が産出する

 場所ならば、必ずと言っても良い程に赤土も存在します。関東ローム層は富士山噴火の際の火山灰

 が堆積した地層と言われ、鉄分を多く含みますので、関東地方には色の白い土は少なくなっています

 又、植木鉢でお馴染みの「テラッコタ」は、粘土に黄土を添加した物です。黄土には微量の鉄分が

 含まれています。鉄分の少ない土は薄茶や黄色味を帯びますが、含有量が増えるに従い、色は濃く

 なります。その為、ご自分で酸化鉄(弁柄、鬼板など)を混入させて、発色程度を調整する事も

 可能です。

 ① 赤土の特徴。

  ⅰ) 白い土より幾分低い温度で焼締る粘土が多いです。

   その為、単独で焼成する場合は、焼成温度を幾分低くすれば良いのですが、他の白い粘土の

   作品と同時に焼成する場合、白い土を適度に混入する必要があります。

   若し、単味で白い土と同じ温度で焼成すると、作品が熱で軟らかく成り、歪み易くなる事が

   多いです。特に平たい皿には注意が必要です。又、鳴海織部の様に、赤土と白土を貼り合わせ

   た様な作品では、同じ白土に鉄分を加えて赤土を作って貼り合わせた方が失敗は少なくなります

  ⅱ) 収縮率も若干大きくなります。

   白い粘土の作品より、収縮率が若干大きくなります。(即ち焼き縮みが大きくなります。)

  ⅲ) 白化粧土を施す際には、赤土が効果的です。白い土に白化粧を施しても、色が映えません

   が、赤土ならば化粧効果が引き立ちます。特に「粉引き」向きの赤土を使うと失敗は少なく

   なります。

  ⅳ) 赤土は鉄分等の不純物のせいか、砂気のある物が多い様に思われます。

   鉋(カンナ)等による底削りなどは、表面に「ざらつき」が出易いです。勿論、産地や篩目の

   細かさによって、滑らかな手触りの物も存在します。

 ② 代表的な赤土。

  ⅰ) 赤信楽水簸(すいひ)粘土: 一般的に使われる赤土です。

  ⅱ) 信楽赤水簸粘土: 細目の粘土で、轆轤挽きでは腰があり使い易い土です。

  ⅲ) 特赤信楽(細目、荒目): 手捻りや轆轤成形で使用可能で、還元焼成で趣のある変化が

    現れます。

   ・ 古信楽赤土: 石ハゼ混入の古信楽土に赤土を添加した土です。

  ⅳ) 信楽水簸黄土粘土: 酸化でも還元焼成でも黒っぽく焼き上がります。耐火性があります

  ⅴ) 濃赤土: 鉄分を大変多く含み、鉄(錆)色に焼き上がります。

  ⅵ) 特上赤土水簸土: 水簸粘土に鉄分を多く添加した粘土で黒色に仕上がります。

  ⅶ) 萩、唐津、志野、石見(いわみ)、丹波、伊賀、笠間、備前、その他の産地の赤土。

   a) 赤萩土: 萩土に見島土を混入させた土です。

    ・ 特上萩土: 萩土にピンクの原土を混入させた水簸粘土です。

    ・ 鬼萩土: 荒々しい萩焼作品に使います。

   b) 唐津赤土: 唐津周辺の岸岳、大川などに産する鉄分を含む唐津焼用の粘土です。

     1230℃程度焼成すると良い様です。

    ・ 唐津荒赤土: 唐津赤土に荒目の砂が混入した土で、古唐津焼風に仕上がります。

   c) 志野赤土: 志野の蛙目粘土に黄土が含まれた土です。

     艾(もぐさ)赤土: もぐさ土に少量の鉄分を含んだ粘土です。

   d) 石見赤土: 島根県石見地方に産出する赤土で、小物用として使われる事が多いです。

     石見特赤土: 肌理が細かく鉄分の多い土です。耐火度もあり粉引き用に適します。

   e) 丹波土: 鉄分を多く含む粘土で、黒い斑点が出ます。

   g) 備前土: 伊部の田畑の下から産出した土で、黒色に近い褐色に焼き上がります。

      焼締陶器の備前焼の代表的な粘土です。焼き縮みが大きいのが特徴です。

   f) 笠間土: 作陶し易い鉄分のある粘土で、焼締焼成で窯変が出易いです。

  ⅷ) 赤1,3,5,7,9号土:

以下次回に続きます。

   
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