わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

盆器(盆栽鉢) 17(終わりに一言)

2011-09-29 21:40:04 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
盆栽の人気は高いと言っても、実際は年配の男性が中心に成っている様に思われます。

皐月(さつき)の様に花物等は、まだしも若者に人気がありますが、樹木の盆栽はやはり年配者の趣味と

見なされています。 盆栽鉢もそれに合わせて、年配者層に需要があると思います。

焼き物は、それ自身独立して存在価値を表す事は稀で、食器では料理を引き立たせる脇役であり、

花瓶(花生)は花を引き立てる役目を担っています。

盆器も本質的には、盆栽を引き立たせる為の器であり、目立ち過ぎてもいけない物といえます。

又、盆栽に悪影響を与える鉢は論外です。

1) 盆栽鉢には「ピンからキリまで」あります。

 ① 陶芸の趣味や興味の有る方は、ご自分で作る事も可能です。

   当然、本人の技量によって、作品の良し悪しも左右されますが・・

   但し、自分で窯を持っていない場合には、焼成してくれる所を、先に見つけておかなければ

   なりません。

 ② 鉢は購入するのが一般的と思われます。

   作家の作品から、園芸店やホームセンターや、インターネットでも買える鉢まで様々あります。

   現在は、幅広く流通しており、希望の大きさ、形、色、価格等が選べる様になりました。

   当然、鉢に負けない盆栽でなければ、作家の作品を買い求めても、余り意味がありません。

2) 盆栽は趣味として、これからもっと流行(はや)るかも知れません。

 ① 陶芸で作る食器類や花瓶などは、どこの家庭でも満杯の状態です。更に、人口の減少と共に、

  結婚する人口も減り、新生活をスタートする人数も減る傾向にあります。

  それ故、新たな需要は多くは望めません。

 ② 一方団塊の世代が続々引退し、余暇を持った男性達が、盆栽の世界に流入しつつある様です。

  新たに盆栽を始める人も、多いと思われます。これに合わせて、鉢の需要も増えると予想されます。

  但し、最初から高価な鉢を購入するとは、思われませんが・・

3) 世界的な盆栽の広がり
 
  今日では、盆栽が世界各国で、楽しまれる様になりました。

 ① 1989年に埼玉県大宮市で、「世界盆栽大会」が開催された時には、世界32ヶ国から1200人余りの

   人達が集まりました。 この大会を機に「世界盆栽友好連盟」が設立され、盆栽の国際的な普及と

   発展に大きく貢献しています。

  「世界盆栽大会」はその後、2002年にドイツのミュンヘンで、更に4年毎に、アメリカ(フロリダ州)、

  韓国(ソウル市)で開催されています。

  但し、盆栽鉢については、世界的にどの様に取り扱わられているかは、不明です。

 ②  世界的に「BONSAI(盆栽)」の評価はたいへん高く、アメリカ、スペイン、フランスには数万部を

  発行する専門誌があり、更にイタリアには、盆栽の大学や美術館まであるそうです。

4) 盆栽に付属する物

  盆栽を演出する道具は、盆栽鉢以外に、卓(置き台)や置く場所などを考慮する必要があります。

  演出により、自然と一体感を持つ景色を創り出す事ができます。

  卓と樹の形の組み合わせに、気を配るだけで、その景色が全く変わってきます。

 ① 盆栽向けの卓の種類には、高卓、 中卓、 平卓、 地板があります。

  中品盆栽の飾りに中卓がよく使われていますね。 卓と樹の形の組み合わせ例として

  高卓… 懸崖、 半懸崖

  中卓… 半懸崖、 播幹、 吹き流し、 根上がり

  平卓… 模様木、 直幹、 斜幹、 寄せ植え、 吹き流し、 根上がり

  地板… 文人、 寄せ植え、 吹き流し

  の組み合わせが、向いています。 

② 苔(こけ)の付いた盆栽は、一段と風情があります。

  苔の貼り方は、他の場所の苔をピンセットで剥がし、貼りたい場所に置くだけで、しばらくすると

  貼り付きます。苔を陰干しして乾燥苔を作り、もみほぐし細かい化粧土に混ぜて、表土にまく方法も

  あります。苔は表土が荒れるのを防ぎ、乾燥を抑える効果があります。


以上にて盆器(盆栽鉢)の話を終わります。

次回から別のテーマで、お話する予定です。
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盆器(盆栽鉢) 16(盆器の作家3)

2011-09-28 21:53:14 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
戦前及び戦後を通じて、多数の銘鉢を世に供給し続けたのが、「陶翠園」です。

植松長太郎(1899~1959年)は、東京の盆栽鉢を販売する、屋号山長(やまちょう)を父親長次郎より、

引き継ぎます。彼は地方の窯元に盆器の注文を出し、落款に「陶翠園印」を捺させ、販売を行います。

取引先の一つに、瀬戸の品野にある窯元「春松陶苑」がありました。この陶苑に資金援助する事により、

専属窯の様にします。その窯主の植松春松の弟、正雄の技量に惚れ込み、長太郎は盆器の意匠や制作を

指導する事になります。

8) 植松陶翠(うえまつとうすい): 本名 水野正雄

 長太郎の指導のもと、「春松」「陶翠」「陶翠造」「陶翠園印」の落款で、盆器を世に送りだします。

 この頃の作品には、傑作が多く「植松陶翠」と呼びます。

 戦後には、独立し水野陶翠を名乗りますが、落款は変えませんでした。

・ 昭和39年還暦と共に、「緑寿庵陶翠」と改名し、落款の上に「緑寿庵」を釘書きします。

  早蕨陶翠 : 長太郎は戦時中に疎開した先で、当地の職人に、一時「早蕨陶翠」と呼ぶ盆器を

  作らせますが、量的には少ない様です。

9) 浅井茶山(ちゃざん): 本名 浅井要四郎 1904~1992年

 陶翠鉢に、彫刻や絵付けを行った人物です。磁器の上絵付けが主で、着物の下絵、食器の絵付等の他、

 絵画、南画、茶道、俳句などの造詣が深い様です。

10) 月之輪湧泉(つきのわゆうせん): 本名 加藤護一 1908~1998年

 湧泉以前より、染付や絵付などの小鉢は作られて居ました。しかしこれらは量も少なく、美術的価値に

 重きをおき、一般的ではなく、「用の美」追求した湧泉の作品は、小品絵鉢として高い評価を得ます。

 ① 盆器は50歳頃に、自家用に制作したのが始めです。赤絵や染付けを施した盆器は、盆栽仲間で

   評判になり、本格的に盆器を作る様になります。

 ② ほぼ全ての作品は磁器の作品です。

   器形は角物は、タタラ作りや掘抜き(削り出し)で、丸物は轆轤を使っています。

   絵付け後、清水焼の窯元や個人の窯に依頼していた様です。

 ③ 湧泉の絵は、優美で繊細で独特の魅力があり、絵の内容も深く考えられている様です。

   特に、山水画は数多く描かれ、文人的世界への憧景が伺えます。

11) 月之輪春石(つきのわしゅんせき): 本名 加藤俊輔 1931~2006年

 湧泉の嫡男。清水焼の轆轤師で、湧泉鉢の丸物を作る。(それ故、湧泉鉢は両者の合作とも言えます。)

 春石も絵筆を取りますが、数が少なく100枚程度とされています。(落款は春石)

 「月之輪春石」銘の作品は、湧泉死後に使いますが、20枚程度と言われています。

12) 月之輪正泉(つきのわしょうせん): 本名 加藤正樹 1960~

 春石の子で湧泉の孫にあたります。小盆栽鉢の注目の作家です。

 近代盆栽(2006年9月号)に掲載され、大反響をよびます。

 湧泉と春石の両方を兼ね備えた才能を持ち、両者を凌ぐのも時間の問題と評されている逸材です。

 盆器を作る作家は多数います。しかし趣味で作っている方は、更に多いと思われます。

 作家に付いて更に述べたい処ですが、この程度で終わりにします。

◎ 作品の写真などを見たい方は、「盆器大図鑑 (上、中、下巻)(株)近代出版」を御覧下さい。

以下次回に続きます。
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盆器(盆栽鉢) 15(盆器の作家2)

2011-09-27 21:54:57 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
日本の盆器の中で、小盆栽愛好家に人気があり、評価の高い作家に、前回紹介した、平安東福寺が

います。その東福寺周辺には、同じ様な陶号を持つ、作家が幾人(いくにん)かいます。

即ち、平安香草、平安(稚松)愛草、平安万草、平安香山、永田健次郎、長友蓮葉、西口杉庵達で、

後世に伝わる、優れた鉢を作っている作家達です。

これらの人達は、河合蔦蔵と言う関西の老舗盆栽業者が主催する、盆栽鉢を作る「拈陶会(ねんとうかい)」

のメンバーです。昭和13年頃に始まります。東六香艸の箱書のある鉢は、河合が取り扱ったメンバーの

作品である事の、証明になります。

2) 河合蔦蔵(かわいつたぞう)1886~1962年

  香艸園初代園主である河合蔦蔵氏は、東本願寺大谷家と繋がりを持ち、22世法主の大谷光瑩

 (こうえい)師の、遺愛の盆栽管理に当っていました。当時、小盆栽用の鉢が少なかった為、自分達で

 作ろうとしました。 更に、作品が売れず苦境にあった会員達の作品を、東京などの盆栽愛好家への

 紹介や作品買取手として、経済的な援助をしています。又、形や意匠なども指導やアドバイスなども

 行っています。

3) 平安香草(こうそう)

 河合蔦蔵の別号で、戦前に制作された、陶器の小鉢や豆鉢に傑作が多いです。

 現在は3代目(河合稔夫氏)で、染付けや磁器へ変わり、清水焼の窯元、瑞光窯で制作されています。

 新作物も、「平安香草」ブランドで、人気を博しているとの事です。

4) 平安(稚松)愛草、

  稚松愛草(わかまつあいそう):河合蔦蔵の別号です。

  東本願寺近くの、稚松小学校付近に住む、鍋倉某氏に型、寸法、意匠を指定して作らせ、

  稚松愛草の落款銘で、全て香草園に納めさせ、販売された様です。

  作風は端正で、瑠璃釉や辰砂釉に優れた物が多く、登窯の高温焼成の為、やや歪みの有る物が

  多いのも愛草鉢の特徴です。 愛草の代表作品として「瑠璃釉外縁長方鉢」があります。

  作品は昔から、熱狂的な愛好家の間で、評価されていましたが、今日では小品盆栽界でその存在が、

  広く知られる様になりました。

 ・ 平安東福寺、平安香山などにも、制作依頼し、出来の良かった物を「稚松愛草」の落款を、

   使用したとも言われています。

5) 平安万草(まんそう): 本名 宮崎芳太郎 (宮崎万草園園主)

  「拈陶会」に入る前から、小盆栽、小鉢を作っていた様です。後に盆栽商に転進します。

  東福寺も最初はこの店で、作品を買い取って貰っていました。 
  
  作風は、粗い赤土に似た胎土で、鶏血釉が多く、形は正方形が多い様です。

  「平安万草」の落款の有る物は少なく、ほとんど無銘です。

6) 平安香山(こうざん): 本名 小池一雄 1905~1990年 

   平安東福寺と並び称される作家です。(東福寺とは親交がありました。)

   小鉢のみならず、中鉢や水盤も手掛けています。

   制作方法は、主にタタラ作りと紐作りの為、手間隙が掛り、作品点数も、東福寺よりも、

   格段に少ないです(40年間で約1万点以下)。轆轤は使わなかったそうです。

   反りや歪みの無い、端正な器形が特徴で、泥もの(紫泥、朱泥、白泥、黒泥、梨皮泥など)の他、

   辰砂釉、鶏血釉、緑釉、白釉、黄釉、瑠璃釉、蕎麦釉などや、染付、色絵、金銀彩も手掛け、

   更に、浮彫や透彫など、幅広い作品を作っています。

   戦前は登窯で、昭和39年以降は電気窯で焼成しました。

   昭和48年に二代香炉山に譲り、香翁を名乗ります。

7) 永田健太郎: 祇園町の御茶屋の主人、生没年不詳

  趣味(アマチュア)として、「拈陶会」に熱心に参加していた様です。

  残された作品は、少ないですが、形も多種類で変化に富み、瑠璃釉や蕎麦釉が主で、腕達者と

  言われています。

以下次回に続きます。


 参考資料 盆器大図鑑 (上、中、下巻) (株)近代出版
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盆器(盆栽鉢) 14(盆器の作家1)

2011-09-26 22:59:28 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
盆器は、江戸後期から、明治にかけて各地の窯場で、焼かれています。

 例えば、古常滑、万古焼、尾張焼、瀬戸焼、信楽焼、備前焼、京焼、九谷焼、湖東焼、赤膚焼、渋草焼、

 丹波焼、薩摩焼、唐津焼、高取焼。相馬焼、などです。

・ 今の形の盆器(盆栽鉢)は、昭和初期頃より製造される様になります。

  常滑、四日市、備前、瀬戸、信楽などが有名です。

この様な量産の作品の他に、個人が作り落款を入れた作品も多いです。

1) 著名な陶芸作家も作品を作っています。

  例えば、仁阿弥道八(京焼)、永楽善五郎(京焼)、清水六兵衛(京焼)、柿右衛門、尾形乾山、

  諏訪蘇山、徳田八十吉、河井寛次郎、加守田章二、島岡達三など錚錚(そうそう)たる人物達です。

2) 陶芸家としては無名ですが、盆器作りの世界では、有名人も多いです。

 ① 平安東福寺(へいあんとうふくじ)本名:水野喜三郎 (京都) 1890~1970年

  現代の名高い名鉢に「東福寺鉢」があります。 盆栽鉢の最高峰とも言われています。

  京都東山山麓の名刹東福寺の境内で、盆栽鉢を焼いていた為、この名前を付けたといいます。

 a) 経歴

  34歳頃より、盆栽に興味を覚え、趣味として盆栽鉢を作り始めます。

  40歳の頃から、盆栽鉢を本業として作り始めたと言われています。

  貧乏な為、自前の窯が持てず、56歳頃迄、主に東山の柳屋窯(月輪製陶所)の登り窯を借りて、

  制作していた様です。その後も、昭和40年頃迄、各地の窯(山科北花山服部窯、井野祝峯窯、

  岩淵窯)を借りて焼成しています。

  昭和41年(66歳)以降、電気窯、ガス窯で焼成を行う様になります。

  盆器作りは約40年間続けられていました。

 b) 特徴

  盆栽鉢の形の種類も大小豊富で、大鉢や豆鉢、更には水盤もあります。

  独創的で幅広い作品を作っています。(珍鉢などもあります。)

  泥ものも製作していますが、釉薬の使い方も上手で、多彩な色のものも多いです。

  「盆栽を植えて良く映える」と同時に、鉢単体でも味わいがあります。

 ・ 緑釉は東福寺鉢を代表する釉薬です。

   織部風、青銅マット風、青磁風、結晶風と色の変化も大きいです。

   緑釉は銅釉ですので、元々変化が大きいのですが、借り窯の為、自分の思う様な一定の色に

   仕上がらない結果だとも、言われています。

 ・ その他の釉は、瑠璃釉、均釉、蕎麦釉、桃花釉、珊瑚釉、黄釉、窯変等があります。

 ・ 絵鉢について、東福寺鉢には、絵付けがされた物もありますが、絵付師に描かせたものと

   言われています。(本体は東福寺が作っています。)

 c) 落款に付いて:

   角形篆書体「平安東福寺」、楓落款「東福寺」、円枠丸ゴシック体「東福寺」、釘書「東福寺」、

   明朝体「東福寺」、楕円枠行書体「東福寺」。更にこれらの複数個を入れた物も多いです。

 「東福寺鉢」は人気のある作品で、今でも多数の作品が流通しています。

  (偽者も多く流通している様ですので、くれぐれも注意して下さい。)

 尚、「二代平安東福寺」も存在していますが、二代と落款が添えてあります。

以下次回に続きます。

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盆器(盆栽鉢) 13(盆器を作る8)

2011-09-25 21:54:13 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
10) 焼成

  作った作品は本焼きする事によって、完成となります。

 ① 燃料として薪(明治初期頃まで)、次いで石炭へ、更にガスや重油(昭和40年代)に変換していき

   現在では、電気が多く使われる様になります。

 ② 窯の構造も、大量に生産する場合は、登り窯から現在は、トンネル窯へと変化しています。

   但し、自分で作った盆器は、もっと小規模な個人の窯で、焼成する場合がほとんどです。

 ③ 窯積めの注意点。

   前にもお話した様に、土は高温に成ると、若干軟らかく成ります。その為、細長く高さの低い作品は、

   底の中央がブリッジ状になり易いです。高温ではこのブリッジ部分が、垂れ下がります。

   それを防ぐ為に、ブリッジを下から支える「目」等が必要になります。

 ④ 焼成温度と焼き方(酸化と還元)

   泥ものと施釉ものとは、焼成温度に差をもたせる必要があります。

  ) 泥もの(無釉)は、焼く温度が低い方が、良い色になる傾向にあります。

    1,000~1150℃程度で、綺麗な色が出る場合が多く、温度範囲は、意外に狭く20~50℃程度です。

    勿論、土の種類に拠って差が出ます。それ故どの位の温度で焼成すべきかを、予めテストしておく

    必要があります。当然温度が高くなるに従い、強度は増しますが、吸水性は悪化します。

  ) 施釉もの(化粧鉢)は、釉薬を熔かす為に、1,200℃以上の高温が必要です。

     磁器の場合は、更に高く1,250~1,280℃程度に成ります。

  ) 泥ものや施釉ものであっても、酸化焼成と還元焼成では、色に差が出るものが多いです。

     それ故、焼成する直前までには、焼く方法を決めておく必要があります。

   ・ 尚、土の焼き締り具合は、還元焼成の方が酸化焼成よりも、若干締まると言われています。

  ) 泥ものと施釉ものを、一緒に焼成できるかの問題です。

     焼成する最高温度が同じであれば、問題無い様ですが、注意する事があります。

     即ち、施釉したものは素焼が済んでいますが、泥ものは素焼をしていない場合が、問題に

     なります。素焼が終わっている物は、焚き始めから、急な温度上昇が可能ですが、素焼前の

     作品は急上昇は、厳禁です。さもないと、水蒸気爆発で、作品がバラバラに成ってしまいます。

     それ故、一緒に焼成したい場合には、素焼同様にユックリ温度上昇させるか、又は泥ものでも、

     素焼をして置く必要があります。

 ・  窯出しは、いつも不安と期待が同居した感じです。中々思う色に仕上がらないのが、普通かも

    しれません。窯を自分で焼成する方よりも、他の人の窯に入れて貰う人も多い事と思います。

    その様な人は自分で思うように行かない事に、歯がゆいかとも思いますが、自分の窯だからと

    言って満足に焼き上がらないものです。そこが焼き物の面白さかも知れませんが・・・


 以上にて「盆器の作り方」の話を終わります。

次回より、盆器の作家などを紹介したいと思います。
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盆器(盆栽鉢) 12(盆器を作る7)

2011-09-24 22:32:54 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
7) 豆鉢(ミニ鉢)について

  掌にスッポリ収まる程度の大きさから、親指の指先程度の大きさまで、色々な大きさの鉢があります。

  江戸時代より、小盆栽は有りましたが、近代的な小品盆栽は、松平頼壽伯爵が先駆者に成り

  発展します。その盆栽に使用されたのが、豆鉢です。

  注: 松平 壽(まつだいら よりなが)、1874年~1944年 高松・松平家十二代目

     小品盆栽とは、樹高はおおむね20センチ以下ですが、松などの樹木の他、雑木は実もの、

     花もの、草ものなど千差万別で、一般の盆栽と同じです。

  ① 形も一般の盆器とほぼ同じです。

    丸、方形、長方形、下方、六角(亀甲型)、八角などで、縁は切立、外縁が多いです。

    当然穴がありますが、ほとんどは鉢の中央になります。

  ② ほとんどの鉢は、絵付けや施釉がしてあり、落款(らっかん)もあります。

  ③ 小さいからと言って、簡単には出来ません。むしろ小さい為に、作業がやり難い事が多く、

    手間隙も大きい物と、さほど差はありません。

    丸形では轆轤作業が出来ますが、他の形では意外と難しく、くり抜きの技法を使う事もあります。

    穴は中央に1個あるのが普通です。

8) 落款(らっかん)について

  作品には、作者のサイン、即ち落款が捺してあるのが普通です。

  (落款の無い作品も、当然あります。)

  この落款を手掛かりに、作られた時代を特定する手段と成っています。

 ① 落款には、陶印や、細い棒での手書きのサイン、更には下絵付けの呉須(ゴス)で筆書きしています。 

 ② 陶印の形も正方形、縦長形、小判形、葉(イチョウ、楓など)形、不定形など様々です。

   印の枠が無く、文字のみのサインも多いです。

   印影には、凸状の文字(又は紋様)と、凹状の文字があります。

 ③ 落款の位置は、底の裏側で足の近くが多い様です。

   陶印や土に掘り込むサインの場合には、作品が完成直後の、土が軟らかい内に行います。

   下絵付けでのサインは、素焼後施釉する前に書き込みます。

9) 施釉(釉薬を掛ける事)する

   泥もの場合には、釉を掛けずに土の色で特色を出しますが、釉を掛ける場合には、素焼後に

   掛ける事に成ります。

 ① 素焼の温度。一般の陶芸作品と同じ700~800℃の範囲で焼成しまます。

   尚、素焼鉢として使用するには、800~900℃程度にし、若干強度を持たせます。

   (温度は高い程、強度は増しますが、吸水性が悪く成ります。)

 ② 施釉薬の仕方。

  ) 一般には漬け掛けが多いです。他にガン吹き(霧吹き)の方法も見受けられます。

    下絵付けをする場合は、施釉する前に終わらあせておきます。

  ) 釉を掛ける範囲は、外側は足の先端を残し、全てに掛けます。縁は勿論ですが、内側の上部

    1~2cm程度釉を掛けます。

  ) 他の陶磁器類と違う点は、底に穴が開いている事です。その為、一工夫する必要があります。

     一般に、器の内側は上部を除いて、施釉しません。植物にとって悪い影響を与える為です。

    a) 指が入る程度の穴2個以外は、テープを貼ったり、詰め物(粘土や紙)をして穴を閉じます。

      上記穴2個に指を差込、逆さの状態(縁が下向き)で静かに釉の入った容器に足まで沈めます。

     ・ 注意点は、指の間から空気を逃がさない事と、盆器を水平にして「ボコン」と泡を

       出さない事です。空気が逃げたり泡が出ると、必要以上に釉が内側に掛ります。

    b) 穴を塞がずに、逆さの状態で内側の必要の寸法まで塗ります。外側と内側の塗れる深さは

      同じです。次に全ての穴を塞ぎます。縁を上に向けて、釉の容器に沈め最初に塗った場所と、

      若干重なる様にします。焼成時棚板に接する部分は、釉を剥がします。

   c) 一色の場合は、割合容易ですが、複数の色を塗り分けるには、それなりの方法を考え

      なければなりません。例えば、蝋抜き、マスキング、などの方法です。

 ③ 釉の調合: 独自の色を出す為には、釉の研究も大切です。

   基礎的な事は会得しておく必要があります。

   尚、釉の種類としては、青磁、織部、瑠璃、黄色、蕎麦、金茶、海鼠釉、均釉、紫紅釉、

   桃花釉、天目釉、辰砂釉、交趾(こうち)など多彩です。

以下次回に続きます。
 
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盆器(盆栽鉢) 11(盆器を作る6)

2011-09-23 22:19:14 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
4) 狂いや歪みの無い作品を作る。

  ④ 鋳込み成形: 磁器は手捻り(紐作り)や、タタラで作る事は、困難です。

   轆轤作業か、鋳込み成形で行います。(ほとんどは、鋳込み成形です。)

   この製法では、量産が可能で安価な類似品も多い為、好まない人もいます。

   尚、型が抜き易い様に、外縁がほとんどです。手作りのものは、内縁が多い様です。

5) 足と装飾品を付ける。

  ① 足(高台に相当する部分)の形状にも色々ありますので、器に合った足を作ります。

   取り付ける位置は、基本的には四隅(方形、長方形)に付けるか、三点(丸型)を等間隔で付けます。 

  足の種類には、以下の形があります。

   切足(きりあし)、段足(だんあし)、雲足(くもあし)、富士足(ふじあし)、

   鬼面足(きめんあし)等の種類があります。

  ・ 切足: 段差の無い一重の形です。 段足: 二段の足で先端に行くほど幅が狭くなります。

  ・ 雲足: 雲型をあしらった足です。複数個の雲を持つものもあります。

  ・ 富士足: 富士山を逆さにした様な形をしています。

  ・ 鬼面足: 般若(はんにゃ)面の様な物や、鬼の面を模(かたどる)った形の物もあります。

  ② 装飾品を付ける。

    盆器の側面には、釉薬のみの物もありますが、色々な飾りが付いている物も多いです。

    胴紐、胴紐竹節、胴帯、糸目、額縁、窓、浮彫(陽刻彫文)、陰刻彫文、透彫(すかしぼり)、

    鋲打(びょううち)、耳付、凌(しのぎ)文、櫛目文、泥絵、貼花、印花、刻文などです。

6) 穴を開ける。

  盆器には、必ず底に穴がありますが、普通水盤には穴はありません。

  穴を開ける目的は、勿論(もちろん)水抜きの為です。余分な水を排泄し、水捌けをよくします。

  もう一つの目的は、器の内側の上部に釉を掛ける際、任意の深さまで施釉する為です。

  即ち、底に穴が開いていると、器を逆さにして、釉の容器に漬けると、内外の同じ深さまで、

  施釉が出来ます。それ故、施釉する際穴に指を差し込み、空気の逃げ道を塞いでしまうのは最悪です。

 ① 穴を開けるタイミング。

  ) 底に穴を開けるには、ある程度、器が乾燥していると作業し易いです。乾燥不足では、

    綺麗な形にならず、乾燥し過ぎると、亀裂が入ります。

  ) 足を付ける前に穴を開ける: 穴を開けるには、穴の大きさにもよりますが、かなりの力が、

     底に掛かります。取り付けた足では保持出来ないでしょう。

     それ故、足の無い状態で底を板の上に置いて力を加えて、あなを開ければ、問題ありません。

     勿論、足に負担が掛らない状態で、穴を開けるのであれば、問題ありません。

 ② 穴の数と大きさ

   ) 穴の数は作品の大きさにもよりますが1~4個程度が多く、多くても8個以下が良いかも

     知れません。丸い器や方形の器には、中央に一箇所の場合が多いです。長方形の場合には

     四隅近辺に4箇所、六角形では3~4箇所(一つ置きに角周辺に1個づつで3個、中央に

     1個計4個)、八角形では4~5箇所(角に4個中央に1個)と成ります。勿論決まりは

     ありません。自分で好きなように、穴を開けて宜しいですが、全体にバランスよく穴を開けます。

     尚、穴の面積が多く成るに従い、鉢(盆栽の根)の乾燥は速く成ります。

   ) 穴の大きさには、決まりがありません。小さめの穴を数多くする場合や、大きめを一つと言う

      場合もあります。

 ③ 穴の形状は、円が多いですが、その他好みの形の穴もあります。円が多いのは、加工し易い為です。

   穴を開ける用具にも決まりは有りません。電動轆轤を回転させながら、中央部に剣先で穴を

   開ける事も可能です。ポンス」と言う穴あけ器もありますが、他にも利用出来る物も多いです。

   小さな穴ならば、「ドリルの刃」を使う事も可能です。

以下次回に続きます。
 
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盆器(盆栽鉢) 10(盆器を作る5)

2011-09-22 21:30:54 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
4) 狂いや歪みの無い作品を作る。

  ③ タタラによる型作り

   前回②で述べた面倒な作業を減らし、作業の効率を良くしたのが、型を使う方法です。

  ) 型の内側にタタラを押し込み(絞り加工と言う)、型に沿わせます。

    角ばった部分では、土が引っ張られ、若干肉厚が薄くなりますが、なるべく肉厚が均等に

    成る様にします。

  ) 複雑な形の場合には、複数個に割る「割り型」を使います。

     又、背の高い(深い)作品では、ドーナツ型のタタラを作り、周囲の形を作ります。

     その後に、底に成るタタラを「ドベ」で貼り付けます。内縁の場合も、型が抜けませんから、

     後付けと成ります。

  ) 反り形の盆器を作るには、この型を使う方法は有力です。綺麗に左右対称にする事が、
    
     他の方法では、難しいからです。

  ) 但し、この型を作るのは、意外と面倒です。一度型が出来れば、同じ形の物を量産できます。

    (勿論、本職の木型屋さんに、頼む方法もありますが、意外と高価な場合が多いです。)

 ④ 紐作り: あらゆる大きさや形に、対応可能な作り方ですが、時間が掛かるのが難点です。

   更に、紐作りで「狂い」や「歪み」も無い作品を作るのは、かなり難しい作業です。

   肉厚に差が出易いる事と、土を薄く展ばす時に、土の締め具合に、バラつきが出る為に、例え均一に

   削っても、焼成時に歪みが出るのです。前置きが長くなりましたが、作り方を説明します。

   作品を仕上げる迄には、幾つかの工程が必要です。

  ) 底に成る部分を作る。 紐から底を作る方法もありますが、しっかり土を叩き締めないと、

    底割れを起こし易いです。一般には、タタラで作った方が、肉厚も一定し、安全です。

  ) 紐を作る。 紐の作り方にも、幾つかの方法があります。

   ・ 空中で両手の手のひらで、土を挟み回転させながら、揉む(もむ)様にして下方に細く長く

     垂らしていく方法。
   
   ・ 台(机)の上で両手で、土を転がしながら細く長くします。台を予めスポンジ等で濡らして

     おくと、土(紐)の乾燥を防ぎます。

    いずれの方法でも、紐の太さは、なるべく均一にすると、後々作業が楽です。

    慣れないと、意外に難しい作業です。

    (紐が丸くならず平たくなり、筋が入り易くなります、断面が円に成る様に作る事です。)

    最初の1段目の紐は、やや太くしておきます。

  ) 紐を積み上げる。紐を積む方法には、巻き上げ式と、輪積み式の方法があります。

   ・ 巻き上げ式: 蛇が「とぐろ」を巻く様に、ぐるぐると巻き上げる方法です。

   ・ 輪積み式: 土を輪にして一段一段積み上げる方法で、丁寧な作り方です。

   底に成る部分の上面の周囲に、筆や刷毛で水を付けます。この上に太目の土を置いてゆき

   底と紐を密着させます。2段目からは必ずしも水を付ける必要はありません。

   積める段数は、紐の太さにもよりますが、3~4段程度が目安です。上が広がらない様に注意。

   (尚、水盤の様に、浅い器であれば、一段で終了の場合も有ります。)

   前段との間に、隙間が出来ない様に、しっかり上から押さえます。
   
  ) 繋ぎ目消す。 器の内外に、横方向の繋ぎ目が有りますから、これを、手又は竹へらを使い

   消します。消す方法は、繋ぎ目の上下の土を繋ぎ目と直角方向に移動させて、なだらかにします。

   土の移動は、肉の厚の方から薄い方向に、土を伸ばします。上下に肉厚の差が無い場合には、

   下から上へ、上から下へと、交互に土を移動させます。

 ・ 最下段のやや太めの紐は、内側の角が丸くなる様に、指で擦りつけます。外側は、

   底の周囲の土を、縦方向に移動させて、繋ぎ目を消すします。

  ) 土を薄く展ばす。紐の太さは作品の肉厚よりも、太いはずです。そこで、両手の指で摘み

    土を薄くします。指痕が付きますが、若干乾燥後に削り取ります。

  ) 必要に応じて、更に土を積み上げます。高さが十分あれば、上部の高さを綺麗に切り揃えます。

  ) 仕上作業。 表面をなるたけ凸凹の無い、綺麗な面に仕上げます。

    カンナ等を使い、削り取ります。外側の角くばった処に、肉を盛る必要があるかも知れません。

  ) 穴を開けてから足をつけます。

以下次回に続きます。
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盆器(盆栽鉢) 9(盆器を作る4)

2011-09-21 21:50:55 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
 盆器大図鑑(近代出版)を見ていると、狂いや歪みの無い作品は、高い評価を受けている様です。

 特に釉の掛かっていない、裸の状態の泥ものは、一目瞭然にその良し悪しが解かってしまいます。

 当然、狂いや歪みの無い盆器の製作には、高度の技術が要求されるのですが、単に技術的な問題

 だけでは無く、土の性質を、理解していなければなりません。

 作品が歪む原因は、乾燥する事により土が縮む事と、焼成時に土が軟らかく成る事が、原因です。

 尚、主な直な原因は以下の場合です。

 ① タタラ(板状の粘土)は乾燥時に反りが発生します。

  ) タタラ単体では、空気に触れる面積の大きい方に反ります。

  ) タタラで作った箱状の器は、内々に反ります。即ち側面は内側に、底部は上方向に反ります。

    直線的な縁も、反ると弓なりになります。

  ) 長手方向に長いもの程、反る量は大きくなります。

     (尚、厚みに関しては、余り関係しません。)

  ) 乾燥の仕方によっても、大きく反り返るります。

     全体を均等に、乾燥させる事と、乾燥を遅くする事によって、予防できます。

  ) タタラの作り方によっても、反る方向が決ります。

     ローラーなどで薄く展ばすと、ロール目と直角方向に反ります。

     それを防ぐ為には、一方向ではなく、四方八方に展ばす必要があります。

  ) 土の記憶性も関係します。大きな一枚のタタラから、各部分を切り出す際に、同じ方向に

     展ばした板を使いたいです。方向がバラバラですと、各々の反りが合わず、繋ぎ目等に、

     「割れ」や「ひび」が入り易いです。

 ②  肉厚の差によっても、狂いや歪みが発生します。

  ) 肉厚部は肉薄部分より、縮もうとする力が強く働きます。それ故、肉薄部が引き裂かれる様に

    成り、歪みや「ひび」が入り易いです。

  ) 紐作りの様に、製作時に肉厚に差が出る作り方では、削り作業で均一に削る必要があります。

 ③  土が焼き締まる程度に高温になると、土が若干軟らかくなります。

  ) 横長の作品で、背の低い物は、四隅の足だけでは持ちこたえられず、中央が垂れてきます。

    それ故焼成時には、「め」を立てて、下から支える必要があります。

    又、足の付け方が悪い(細すぎる、高さの狂い、足に均等の重みが掛かっていない等)と、

    乾燥時や焼成時に、歪みが発生します。

  ) 土の耐火度(強弱)によっても、変形の割合が違います。作品を焼成する前に、

    使用している土が、何度まで持ち応えられるかを、確認しておく必要があります。

 前置きが長くなりましたが、本日のテーマの「盆器を作る」の話を続けます。

4) 狂いや歪みの無い作品を作る。

 ① 電動轆轤で作る。(昔ながらの手回し轆轤や、蹴轆轤でも同じです。)

  ) 轆轤作業に馴れた方は、轆轤作業で比較的容易に、作品を作る事が出来ます。

    作る時間も、短時間ですので、同時に何個でも作れます。

  ) 基本的には、形は円形に成りますが、小さな物から大きな物まで、綺麗な形に作る事ができます。

   更に、肉厚も均等に作れますので、乾燥や焼成の際の狂いや歪みが出る恐れは、少ないです。

   ・ 注意する事は、轆轤挽き後、手板に作品を取り上げる時に、歪みが出易い事です。特に初心者は

   折角綺麗に轆轤挽きが出来たのに、手板に採る際に歪み易いです。歪みは作品の腰で直します。

  ) 轆轤挽きした作品は、若干乾燥後に、「カンナ」で不要な部分を削り取ります。

     又、底の中央に穴を開ける事や、足を削り出す事も容易な作業です。

 ② タタラの貼り合わせによる方法

  )貼り合わせでは、繋ぎ目が重要な場所です。この処理が上手く出来ると、狂いや歪みの

   少ない作品を作る事が出来ます。 

  ) 貼り合わせの角度も、四角で直角(90度)、六角(120度)、八角(135度)と

     成ります。90度以外の角度で貼り合わせるのは、かなりの熟練を要するか、冶具(じぐ)が

     必要に成ります。各角(かど)の角度が一定でないと、作品は歪んで見えます。

  ) 両方の貼り合わせ部に、しっかり傷(あやめ紋の傷=刻み)を付け、糊の役目の「どべ」を付け

     両方を押し付けて接着します。接着部が弱いとこの部分が剥れたり、「ひび」が入り易いです。

  ) 仕上げ作業。どの様な作品でも、仕上げ作業に手を抜くと、良い作品はできまっせん。

     貼り合わせの部分が綺麗に成るように、削ったり土を足して補正し、綺麗な角を出します。

 ③ タタラによる型作り。


以下次回に続きます。
   
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盆器(盆栽鉢) 8(盆器を作る3)

2011-09-20 22:14:25 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
3) 作品の構想が決ったら、いよいよ製作に取り掛かります。

 ① 盆器の素地に成る土を選ぶ。

  ) 陶器の場合は、粘土類を、磁器の場合に、磁土又は半磁器土を使います。

  ) 陶器の場合、泥ものにするか、施釉ものにするかによって、土の種類を選びます。

    特に泥ものと呼ばれる盆器は、土そのものの色が見所ですので、土を選んだり、調合するなりして、

    望む色が出る土を作る必要があります。

   ・ 泥もの専用用の土は、陶芸材料店では、販売されていないと思われます。

     (インターネットで検索しても、該当するものは、見つかりませんでした。)

     又、中国で作られた盆器に使われている土は、ほとんど入手が出来ないと思われます。

   ・ 陶芸で使われている、赤土やテラコッタ、又は備前焼の土、朱泥土(常滑など)、古萬古赤

     等の色の付いた土を、そのまま使用する事も可能ですが、特定の色しか出せません。

     注意: ご存知の事でしょうが、焼成前の土の色と、焼成後の土の色は必ずしも、一致しません。

      例えば、焼成前に黒い土であったものが、焼成後に、白くなったり、黒く成ったり、灰色に

      成る場合もあります。それ故、ご自分で採取した土は、試し焼きをする必要があります。

   ・ 好みの色を出す為には、色々の土を調合する必要があります。但しそれらの土を見い出せない

     場合が多いと思います。

   ・ 土に着色材を添加して色土を作る。(この方法は、邪道と言う人が居るかもしれません。)

     土に練り込む着色材(顔料)は陶芸材料店で、色々の種類が市販されています。

     添加する量で、濃淡を付ける事も可能です。尚、添加する事により、作業がしにくく成る事は

     ありません。 又、顔料同士を混ぜ合わせて、独自の色を作る事もできます。

     又、鉄や銅、マンガン、クロムなどの酸化金属を、添加し着色する場合もあります。

   ・ 燻し(いぶし)の様に、還元焼成で黒く仕上げる場合では、特に土の種類に囚われなくても、

     黒くする事が出来ますが、更に表面を磨く「ミガキ」の泥ものでは、肌理が細かくやや粘りの

     ある土が向いています。

   ・ 尚、盆器の製作を教えてくれる処もあります。そのような教室などでは、独自の入手方法が

     あると思われます。

  ) 施釉ものの土も、釉の種類によって選ばなければ成りません。

   a) 釉の色は土の色を反映します。土の色が違うと、焼き上がりの色に違いがでます。

     絵を描く様な場合は、明るい(白っぽい)土を使うと、絵が映えます。

   b) 土の粒子の細かさも重要です。一般に大きな作品は、粒子の粗い物を使います。

     大きな作品は、縮み量が大きいので、「割れ」や「ひび」入り易いので、縮み率を少なく

     する為に粗い物を使います。場合によっては、素地にシャモットを入れる場合もあります。

     又、梨皮(りひ)の感じを出す為に、粗い土を使う場合もあります。

以下次回に続きます。

     
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