わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

続 電動轤上達法(力を有効に使う2)

2011-02-28 21:49:31 | 轆轤の上達方法
大きな作品などは、体力勝負の面がありますが、単に自分の力のみでなく、轆轤の遠心力を、有効に利用

出来れば、自分の力は、さほど必要としません。

実際、轆轤の上級者は、大きな力を入れずに、作品を作っています。

8) 電動轆轤の、回転エネルギーを、有効に使う

   轆轤上で、土が回転していると、必ず遠心力が働きます。

 ① 遠心力の大きさ(強さ)は、角速度(回転速度)の二乗に、比例します。

   即ち、速度が二倍になると、遠心力は四倍に、なる事になります。

 ② 轆轤は、ただ回転し、綺麗な形を作る為だけに、使用している訳では、ないのです。

   回転による遠心力を、上手に使う事によって、作り手のエネルギーを、少なくしてくれています。

 ③ 回転を速くすれば、遠心力はどんどん、大きくなりますが、この力を有効に、使えなければ、

   遠心力と回転スピードに負けて、作品が「振れ」る等の、弊害が起こります。

 ④ 遠心力を上方の力に、変換するのが、外側の手(右回転では、左手)です。

   それ故、この遠心力を、「がっちり」受け止め、径が大きくならない様にする、必要があります。

   (この事に付いては、何度も、お話していますので、「耳にタコ」かも知れませんが、悪しからず)

 ⑤ 初心者は、自分の力だけに、頼ろうとし勝ちです。又、回転が速くなる事に、恐怖感を持っています。

   それ故、かえって不用意な力が、入り易く、作業も「ぎこちなく」なります。

 ⑥ 遠心力を、上手にコントロールする方法は、手と土の速度を一定にする様に、回転速度を制御する事

   です。即ち、回転速度が、一定であれば、外径が大い程、土のスピードは、速くなり、逆に径が

   小さいほど、土のスピードは遅くなります。

   手と土のスピードを、一定にするとは、即ち、径が大きくなったら、回転を落しなさい、径が細く

   成ったら、回転を上げなさいと、言う事です。

   こうする事によって、手と土とが、安定的な関係になり、指の力も安定して、使える様になります。

 ⑦ 轆轤で使う土は、滑らかの物とは、限るません。「はぜ石」の入った、粗目の土を使う事もあります。

   その際、素手で作業をすると、指の皮を傷つける場合があります。(特に女性は敬遠しがちです。)

   その為、回転を落し気味に、して仕舞い勝ちになります。

   大きな作品は、目の細かい土よりも、やや粗目の土のほうが、軽く丈夫に作れる、利点があります。

   恐々(おそる、おそる)しながらの、轆轤作業では、上手く行くはずはありません。

   この場合、手や指に、布切れや、皮などを巻き付けて作業すると、手が傷つかないと伴に、水切れを

   防ぐ効果もあります。回転も速くできます。

・ 轆轤作業で、特に力が必要なのは、土を薄く上に伸ばす時です。

  この際には、回転スピードを、速くします。 形作りに入ると、少しの力で変形しますので、回転は若干

  遅くした方が、作業し易いです。

以上にて、「力の有効な使い方」の話を終わります。

以下次回に続きます。
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続 電動轤上達法(力を有効に使う1)

2011-02-27 21:33:28 | 轆轤の上達方法
電動轆轤は、通常椅子に腰掛けて、作業をしますが、背の高い作品では、立って作業する事があります。

即ち、背の高い作品の場合、内側の手(右回転では右手)を、垂直にして使う為には、立って作業するしか

有りません。その為、左右の手が固定しにくく成ります。

更に、背が高いほど、「ゆれ」が起こり易くもなり、一段と、作業が難しくなります。

前置きが長くなりましたが、本日のテーマを、お話します。

6) 轆轤作業に於ける、力の入れ方

  轆轤作業は、体力勝負的な面もありますと、お話しましたが、力を有効利用できれば、小さな力でも、

  大きな作品を作る事が出来ます。 これが、「技」と言えるものかも、知れません。

  前回、力の入れ方について、簡単に述べましたが、もう少し詳しくお話いたします。

 ① 同じ力であれば、面より線、線より点に、力を集中できれば、より強い力になります。

   それ故、手(指)や「こて」は、線状や点状に使うと効果的です。

  ・ 「こて」は、やや斜め手前に倒し、線状の場所を使います。「柄こて」は、凸上の部分を、壁に

    向けて、点状に使います。

 ② 指を使う場合でも、指の付け根より、指先までの距離を、短くした方が、指も安定し、力も入ります。

   即ち、指を「ぴん」と伸ばした状態ではなく、やや内側に丸め、半円形にして使います。

 ③ 更に力を有効に使うには、人差し指を完全に丸め込み、指の第一又は、第二関節を使います。

   こうする事により、力が点に集中し、強い力となります。(内外とも同じ形で使う)

 ④ 外側の手(左手)は、一般に、肘を太もも等に、固定して使いますが、この固定する位置を、手首の

   方に移動する事により、手の位置がしっかり固定され、更に力も入ります。

   即ち、肉厚の厚い部分は、強い力が必要ですが、土も強い力で押し返してきます。その為、手の

   位置が、外側に押し出され易いです。この土の力に、打ち勝つ為にも、腕の長さを短くし、更には

   指の長さを、短くして使う事で、力が有効に使えます。

7) 力を有効に使う為には、轆轤作業をする場所も、大きく関係します。

   即ち、円周上のどの位置で、作業すれば良いかと言う事です。

 ① 右回転の場合では、時計の針で、7~8時の位置で、作業する事です。

  ) 9~10時の位置になると、体が伸びてしまいます。手による、外側からの力は、常に中心方向

    に、向いています。 その為、この場合には、真横又は、手前側に力が、入る事になります。

    一般に、手前に引く力より、押す方が、強い力が伝わります。

    7~8時の位置は、中心への力は、押し出す力となりますので、力を有効に使う事になります。

  ) 6時の位置で作業する人を、書籍などで、見かける事があります。

     外側の手のひらを、裏返して、土に当てる方法です。

     何度も言う様に、轆轤技術には、標準はありません。6時の位置で、作業しても、作品が作れる

     ならば、問題有りませんが、私の見た所、力が入っていない様に、見受けられます。

 ② 内側の手の位置は、基本的には、外側の手と、向かい合わせで使いますが、若干上下差を、付けた

   方が良いでしょう。

 ③ 土を上に薄く延ばす際には、内側を上に、外側を下にします。そうする事により、径が太くなるのを

   防ぎ、土を上に押し上げる事が出来ます。

 以下次回に続きます。

力を有効に使う
  
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続 電動轤上達法(姿勢2)

2011-02-26 21:58:37 | 轆轤の上達方法
昔は、轆轤作業は、男の仕事でした。電気のない時代では、自分の手足で轆轤を、回転する必要があり

ますし、轆轤自体も、直ぐに回転が止まらない様に、又なるべく、スピード変化が、少なくなる様に、

あえて重く出来ていました。その為、持続して強い力が必要でした。

・ 現在では、電動轆轤が一般的になり、轆轤を回転させる力は、皆無になりました。

  その為、現在では、女性でも容易に、轆轤作業が出来ます。

  但し、土を操作(意のままに)する力は、電動轆轤だからと言って、軽減された訳では、ありません。

・ 湯呑みや茶碗、中皿程度の作品では、さほど力は必要としませんが、高さが30cm以上となったり、

  40~50cmの大皿になると、体力勝負になりますので、女性では、力不足となる、恐れもあります。

・ 当然、なるべく無駄な力は、使いたくありません。その為にも、轆轤作業時の姿勢が、大事になります。

前置きが長くなりましたが、本日のテーマについて、お話します。

5) 轆轤作業では、手の位置の固定化が、重要の要素です。

 ① 轆轤作業とは、土の塊を、力(又は技)で変形させ、自分の思っている形に、仕上げる作業です。

   その為には、力を入れる所には、力を入れ、力を抜く所には、力を抜くなど、臨機応変に、力加減を

   コントロール(制御)する必要があります。

 ② 力を制御するには、手の位置を、必要に応じて、固定化出来るかどうかが、重要になります。

   回転力に負けて、手が「ぶれ」てしまっては、思う形には出来ません。

   少ない土の量ならば、この「ぶれ」は、比較的解消する事も出来ますが、量が多くなるに従い、

   土は扱い難くなります。

 ③ 今までも何回も、お話していますが、両手が繋がる場合には、必ず両手を繋げる様にします。

   出来れば、親指だけでなく、人差し指同士も、がっちり組み合わせてください。

   両肘は必ずしも、太ももに固定する必要はありませんが、外側の手(右回転では、左手)の肘は、

   体の一部に付けて、固定する様にします。

   片手で出来る作業であっても、必ず別の手を添える、習慣が必要です。

   一番安定し、強固な形は、三角形です。それ故、両手と体で、三角形になる様にすると、手の位置が

   安定し、固定化できます。

 ④ 全ての指を総動員して、必要な指を補佐する事です。

   主に中指や人差し指が、主役になる場合が多いですが、他の指も一体と成って、主役を支えます。

   即ち、親指以外の4本の指は、しっかり連結します。その事により、主役にも、力が入る様に、

   なります。

 ⑤ 力を有効に使うには、面より線状に、更には、点に力を入れると、より強い力を出す事が出来ます。

   怖いからと言って、広い範囲を、面で押さえてしまい勝ちですが、これでは力が分散され、必要な

   場所に、十分力が、伝わりません。(特に、初心者に多く見られる現象です。)

   又、面で押さえる事は、土との抵抗も、増える事になりますので、拠れや「振れ」など、不測の

   事態を、引き起こす事さえあります。

以下次回に続きます。
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続 電動轤上達法(姿勢1)

2011-02-25 21:45:51 | 轆轤の上達方法
電動轆轤では、作品を上手に作る為や、怪我等の予防には、姿勢が重要になります。

1) 電動轆轤の作業は、腰を痛め易い、姿勢となり勝ちです。

  それ故、腰痛の持病のある方は、特に注意が必要です。

 ① 轆轤作業では、極端な前屈み姿勢になります。その為、長い時間同じ姿勢を、続けていると、

   腰痛の持病のない方でも、確実に腰を痛め易いです。

 ② 予防の為には、ある一定の時間が来たら、椅子から立ち上がり、しばし、腰を伸ばす事です。

   夢中に成って作業を続けると、思っている以上に、時間が経っている物です。

   たとえ、一分間でも、腰を伸ばす事は、腰痛の予防になります。

 ③ 極端な前屈みを防ぐには、出来るだけ、轆轤の近くに座る事です。

   椅子を轆轤の、近くに置く事です。そうする事により、姿勢が立ってきます。

2) 姿勢は、左右対称の形が、理想です。

  ① ペダルの操作で、轆轤のスピードをコントロール機械では、右側にある、ペダルを踏む事により、

    右足は左足より、高く成り、その為、体が左側に倒れます。その為、左足に8~10cmの踏み

    台(角材など)を、置く事により、左右の足の膝の高さが、揃います。

  ② 土殺しの際、両手の肘を、太ももに固定しますが、足の高さが同じの方が、作業がし易い事は、

    明らかです。

  ③ 我が国では、轆轤の回転は、右(時計方向)回転が多いです。

    その場合、手と指の位置は、左側になり、どうしても、左側に体が、倒れ易くなります。

    又、手の近辺を見る機会が多くなり、更に左側に、倒れ易くなります。

    (左に倒れるとは、左の肩が右肩より、下がる形となります。)

3) 轆轤を挽く時は、全身で作業する様にする。

   一見すると、手や腕の力で、土を挽き上げている様に、見えますが、轆轤に慣れた方は、全身で、

   轆轤作業をしています。

  ① 確かに、左右の手や指で、締め付ける事により、土を挽き上げる訳ですが、その際、手が上に

    上るに従い、背筋を伸ばし、体を立てる様にします。

  ② 初心者は、土が上に伸びてきても、体に変化がない場合が、多いです。

    即ち、土と目の距離が、どんどん縮まってきます。慣れた方は、土と目の距離を、一定に保つ様に

    します。その為には、背筋を伸ばす必要があります。

4) 轆轤作業で、怪我をする事があります。

 ① 多い事故は、轆轤上に、カンナや竹へら、剣先、弓、トンボなどを、置いたまま、轆轤を回転して

   しまう事です。使った用具を、不用意に、轆轤上に置き忘れ、勢い良く回転させた為、遠心力で、

   用具類が外に、弾き飛ばされ、顔などに、当たる事があります。

 ② 又、ドベ受けの前面に、物差しや柄の付いたスポンジ(容器の内側の水を吸い出す物)等を、置いて

   おくと、轆轤の振動で動き出し、轆轤面や作品に触れて、弾き飛ばされる事です。

   轆轤は急に止まりませんので、思わぬ事故や、作品を傷つける事も多いです。

  それ故、用具類は、轆轤上や轆轤近辺に、置かない様に、習慣つけて下さい。

  又、姿勢を正して、常に轆轤上や、全体の様子を見る、習慣も大切です。

5) 轆轤作業では、手の位置の固定化が、重要の要素です。

以下次回に続きます。

轆轤作業の姿勢
    
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続 電動轤上達法(作品の振れ13)

2011-02-24 21:50:39 | 轆轤の上達方法
本日で、作品の「振れ」に付いての話の、最終回と致します。

 ⑬ その他 限界を見つける(見極める)事

  限界には、土が上部の重さを、支える為の物理的限界と、その人が持つ、轆轤作業の、技術的限界が

  有ります。轆轤技術の向上を、目指すならば、自分の技術レベルを、知っておく必要が有ります。

  その技術レベルを、乗り越える事により、より上達した事が、判るからです。

 ) 物理的限界

    土の種類、土の硬さ、使う水の量等の条件によって、又、作業者の技術的レベルによって、限界は、

    変化しますが、おおむね以下の様な事が言えます。

   a) 底が狭く、大きく張り出した皿や、極端な下膨れの作品では、上部の土の重さで、「振れ」や

     「潰れる」(腰が落ちる)場合があります。

   b) どの位張り出せば、危険なのか、どの位膨らませると、潰れるのかは、ある程度、経験から、

     割り出せます。即ち、「限界点を知っているか」と言う事です。

     この限界点は、経験によってのみ、知る事が出来ます。

   c) 限界点を知るには、当然、何回も失敗を重ねて、初めて体で覚える事になります。

     失敗を恐れていては、何時になっても、この限界を知る事は、出来ません。

   d) 指導者が見ている場合には、それ以上張り出したり、膨らませれば、「そこが限界だよ」と

     指摘して貰えるかも、知れませんが、一人で作業している場合は、ご自分で「この辺が限界かな」

     と判断する必要が有ります。

 ) 技術的レベル

   自分の技術的レベルを、常に意識している事が、上達の近道です。

  a) 土練が出来るか、土殺しが一人で出来るか、必要な土取りが出来るか、土を振れずに薄く延ば

    せるか、(1Kgの土を、どの位高く上げられるか)、轆轤の回転スピードを、適宜調整できるか、

    思い通りの形が作れるか、同じ形の物が作れるか、轆轤作業はスピーディーに行われるか、

    「振れ」が起きたとき、対処できるか、「こて」が自由に使えるか、指導者がいなくても、一人で

    全ての轆轤作業が出来るか、大きな作品を、作れるか、等々技術のレベルは、色々考えられます。

     どの時点で、技術的に停滞しているのかを、自覚する事です。

  b) 技術的レベルを見る、もう一つの方法は、形を見る目と、寸法感覚が、身に付いているかを見れば

    判ります。

  ・ 即ち、形作りの作業に入ると、刻々形が変化します。ほんの少しの形の違いでも、作品の表情は、

    劇的に変化する物です。物差しや、コンパスで測れる所は、スケールを当てる事で、違いが直ぐに

    判りますが、寸法では測れない、カーブの部分は、所定の形かどうか、判断する事は、特に難しく

    慣れない内は、轆轤から離れて見る必要があります。

  ・ 技術レベルが上がると、轆轤より離れなくても、形の違いを読み取る事が出来ますし、簡単に

    修正出来る様にもなります。

    同様に、物差しや「トンボ」等で、寸法を測定しなくても、身に付いた感覚で、間違いない寸法に

    仕上げる事が、出来る様になります。

    (先日、急須作りの名人が、急須の蓋の大きさを、測らずに、本体とぴったり作っていました。)

  ・ 余談ですが、人間の目には、縦横同じ寸法ならば、横より縦の寸法の方が、大きく感じらる物です。

    即ち、完全な球でであれば、やや縦長に見えるそうです。

  ・ 作る作品を、方眼紙(セクションペーパー)に、実物大で、設計しその通り作る場合があります。

    しかし、出来上がった作品は、設計した形と、大幅に異なる形になる事も、稀ではありません。

    勿論、紙に書いた平面と、現物の立方体では、受ける印象も異なるのは、最もな事ですが、

    それ以外に、人間の寸法に対する、特有の何かがあるからだと、思われます。

   この様な、感覚を身についているかも、技術レベルの一つの、目安になります。

少々、話が横道にそれましたが、「振れ」に付いての、話を終わります。

次回、轆轤の上達法の中で、別のテーマでお話します。
 
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続 電動轤上達法(作品の振れ12)

2011-02-23 21:26:19 | 轆轤の上達方法
轆轤で作品が「振れ」た時の、対処する方法について、お話します。

 ⑫ 振れが発生した時の、対応(対策)の問題

  轆轤作業中に、完全に「振れ」を、起こさずに、作業する事は、熟練者であっても、難しい事です。

  但し、「振れ」が発生しても、その振れを解消できれば、恐れる事はありません。

 ) 「ゆれ」(振れ)が、起きたら、なるべく早く、「振れ」を止めます。

    この事は、当然の事なのですが、初心者では、現に「振れ」ている事を、認識出来ずに、作業を続 

    ける人が、たびたび見受けられます。即ち、手元のみに、関心が向き、全体の形や、動きを把握

    出来ない為です。 「ゆれ」が大きくなって、初めて気が付く事が、多い様です。

    大きな「ゆれ」を直す事は、小さな「ゆれ」を直す事より、難しくなります。

 ) 「ゆれ」は、背が高くなるに従い、又径が大きくなるに従い。「振れ」が大きくなります。

    「ゆれ」の原因は、背の低い時に芽生え、高くなるに従い、大きく成ると、考えられます。

 ) 「ゆれ」を止めるには、径を細める様に、両手で抱え込み、下から上に手を挙げていきます。

    その際、両手の肘は、しっかり「太もも」に、固定し、手が「ぶれ」ない様にします。

    轆轤で土を挽き上げると、土の表面の泥も、剥ぎ取る様になります。その為、水切れに成ります。

    次の作業の為に、 表面に水を付ける、必要があります。

    両手に水を付け、表面を濡らすと同時に、「ゆれ」を直す作業も行います。

    手の位置が、いかに固定できるかが、「ゆれ」の発生を防ぎ、「振れ」を取る為の、大事な要素

    です。 一度挽き上げたら、必ずこの作業を行います。

    (振れが発生していなくとも、行いたいです。)

 ) 表面に水を付ける際には、力は必要としません。「ゆれ」を直すにも、強い力は要りません。

    力を入れて、強く径を細くすると、拠れが発生したり、口縁部が、内側に折れ曲がる事があります。

 ) 「ゆれ」は、轆轤の中心からの距離が、部分的に、違っている事です。

    それ故、中心から遠い部分を、内側に押し込むか、中心から近い部分を、外側に押し出す、必要が

    有ります。どちらが容易かと言えば、後者の方法です。轆轤には、常に遠心力が働く為、外に、

    押し出す事は、容易になります。

 ) 回転の時にも、話した様に、回転がゆっくり過ぎても、振れを止める事は、出来ません。

    遅いと、「ゆれ」の動きに、手が追従してしまう為で、ある程度の、回転スピードが必要です。

 ) 「ゆれ」は、口周辺だけに見えても、実は、かなり下の方から、「ゆれ」ている事が、多いです。

    それ故、「ゆれ」が出始めている所から、直す必要があります。

    初心者は、何処から、「ゆれ」ているかは、作品から離れて、観察する必要があります。

    指導者がいる場合には、指導者に指摘してもらえれば、気が付く事が出来ます。

以上の様に、振れ(ゆれ)は、色々な場面で、発生します。

一度「ゆれ」が発生すると、初心者は、直すのが難しくなります。例えその場では、直った様に見える場合

でも、乾燥したり、焼成すると、作品が歪む場合があります。

その歪みの原因が、全て「振れ」が原因とは、限りませんが、大いに関係している可能性もあります。

以下次回に続きます。
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続 電動轤上達法(作品の振れ11)

2011-02-22 20:57:35 | 轆轤の上達方法
轆轤作業中に、作品が振れる事は、「悪い事」との前提で、お話して来ましたが、ある部分では、「振れ」

即ち、歪み(ゆがみ)を、歓迎する作品もあります。特に茶道の抹茶々碗は、歪みが大切な要素(見所)と

なります。茶碗だけでなく、花生けや、水指なども、歪みが珍重されます。

昔の轆轤は、電動轆轤の様に、ボールベアリングを、使用せず、動きも重く、スムーズに回転し難い物で

作品も、自然に歪む傾向にありました。その事が、幸いしたとも、言われています。

・ 電動轆轤は、回転が滑らかな為、綺麗に出来すぎる、嫌いが有ります。

  その為、わざと歪ませる為に、横から軽く叩いて、「振れ」を起こさせる事もありますし、口縁に

  凹凸(山道)をつける為、部分的に、切り取ったりもします。

前置きが長くなりましたが、本日のテーマに付いてお話します。

 ⑪ 径を狭める時の問題 

   轆轤は、背を高くする事と、直径を広げる事、そして狭める事で、作品を形作る道具です。

  ) 径を狭めるには、外側から、中心に向かって、力を入れます。

     但し、ある程度の、理屈を理解しないと、径を細く出来ませんし、「振れ」も発生します。

   ・ 垂直の壁に水平方向から、中心に向かい、力を加える事で、最も力を有効に、使う事が出来ます。

     それ故、細くしたい場合には、径をやや太くしてでも、土を垂直にすると、良いでしょう。

  ) 径を細くする場所は、口縁の近辺、高さの中ほど(胴の部分)、底の周辺などが、あります。

  ) 口縁の周辺を、細めるとは、首や口作りの場合です。

   a) ここで、注意する事は、細くしようとする部分の、肉厚をある程度、厚くしておく、必要がある

     事です。肉が厚ければ、厚いほど、外側の力で、容易に細く出来ます。

     肉厚が薄く「ぺらぺら」の場合は、いくら力を加えても、径を細く出来ません。

   b) 径を細くすると、肉厚が厚く成ります。この状態で、更に細くしようとすると、拠れが発生

     します。 一度薄く延ばしてから、再度径を細める作業を、繰り返しながら、徐々に細めます。

   c) 径を細める時の、もう一つの大事な事は、細める部分の土に、逃げ場を作らない事です。

     両手で輪が出来る程度の径の場合、土が完全な円になる様に、細めます。

    ・ 初心者に多い現象は、細めるべき土が、外に逃げ、土が楕円系になる事です。

      即ち、楕円の長径方向に、土が逃げ、中々径を細くする事が、出来ません。

    ・ 径が細くなるに従い、指との抵抗を少なくする為、6本指、4本指と指の本数を、少なくして

      行きますが、その場合でも、各々の指の間隔を、一定にする事で、確実に細める事が、出来

      ます。間隔に広い狭いが有ると、広い部分に、土が逃げます。

   d) 鶴首の様に、細長い首を作る場合にも、「振れ」が発生し易いです。

     台形型の首ならば、さほど問題になりませんが、同じ太さの長い首になると、一度にこの形に

     すると、「振れ」が発生します。まずは、台形型にしてから、徐々に細めて行きます。

     b)でも述べた様に、細くする時は、肉を薄くしながら、細めて下さい。その結果、首はどんどん

     長くなります。中に指が入らない場合は、細い「柄こて」を使います。

 ) 胴の部分を細くするのは、さほど難しく、ありません。

    但し、極端に細い場合には、上下別々に作って、乾燥後接着した方が、安全です。

 ) 下部の径を細くする事は、「振れ」が発生しやすく、なるべく行わない様にすべきです。

    底削りの際、余分な土を、削り取る事で、径を細く出来ますので、あえて冒険は、しないほうが

    良いでしょう。

 ⑫ 振れが発生した時の、対応(対策)の問題

以下次回に続きます。
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続 電動轤上達法(作品の振れ10)

2011-02-21 21:33:25 | 轆轤の上達方法
引き続き、轆轤作業で起きる、作品の「振れ」について、お話します。

 ⑩ 形を作る際の問題

  作品の形を作る際、土を、出来るだけ、薄く延ばしてから、形作りに入る方法と、土を薄く延ばし

  ながら、形を作る方法があります。後者は、比較的小さな、茶碗や鉢、皿等を作る際、取る方法です。

  土を斜め上方に、延ばす事になるので、技術的にも、やや難しく、十分土が、薄くならない、恐れも

  ありますが、慣れれば、簡単に対処できます。

 ) 小さな力で、形は変わります。

    形を作る際、土の厚みは、薄くなっているはずです。それ故、弱い力で、変形出来ます。

    径を大きくするには、当然、内側の手(右回転=時計方向では、右手)の力が、外側より強く

    なければなりません。急に強い力を加えると、その部分のみが、外側に飛び出します。

 ) 内側から押されたら、外側の手は、土に触れながら、外に逃げます。

    初心者に多い現象ですが、外側の手は、しっかり固定しなさいと、指導している為か、外に逃げず、

    その位置を保持しようとします。こうなると、径を大きくする事は、出来ません。

    押された分だけ、外側に逃げる必要があります。

 ) 形作りで、「振れ」が発生するのは、以下の場合です。

  a) 極端な下膨れの形状の時。

    底の外径に対して、急に外に張り出す場合には、上の土を保持出来ずに、土が潰れます。

    同様な事は、瓢(ひさご)型で、胴のくびれが、極端に細くした場合にも、くびれの上が、「振れ」

    ます。

   ・ どうしても、この様な形にしたい場合には、底の径を、広げるか、下膨れや胴のくびれの形を、

     作品が出来上がる、直前に行う事です。要は、不安定な状態で、長く置かない事です。

 b) 形を作る順序

   作品の形は、必ずしも、下、中、上の順序で作るとは、限りません。

   中、上、下の順や、上、中、下の順、又は上、下、中の順など、作品の形状に合わせて、選択します。

  ・ 口径の比較的大きな、容器(ご飯茶碗、鉢類)は、口即ち上部から形作ります。

    口径を所定の寸法まで、「逆ハの字」型に開きます。その後、この傾斜部に、丸みを持たせ、

    最後に、内側の底周辺の形を、整えます。

    下、中と形を付けて行くと、口の土が、内側に折れ下がります。

  ・ 袋物と呼ばれる、徳利、一輪挿し、壷などは、口径は手の入る程度とし、胴の一番膨らんだ位置

    まで、下から徐々に、形を作ります。下部は、上の土を支える為、やや直線的にして置きます。

    その後、胴から口に掛けて、形を整えます。ここで注意する事は、極端に、肩を張らない事です。

    強く肩が張ると、口の部分の土が、中心に向かって、落ち込みます。

    肩が張るとは、首の径と、肩の径の差が大きく、且つ、両方の高さにも、差が少ない状態です。

  ・ 上記は、ほんの一例です。作品の形に応じて、形作る順序を、変える事により、「振れ」を発生

    させずに、形を作る事も、可能ですので、臨機応変に形を、作って下さい。

  ・ 底が極端に狭く、口径の大きな作品などは、上下逆に作る事により、解決する場合があります。

    どうすれば、「振れ」を起こさない様に、形を作れるかを、常に考えて置くと、良いでしょう。

 ) 「こて」の使用について。

  ・ 「こて」は、形作る際、広い範囲を、手や指に代わり、確実に押さえ込む事が出来る、道具です。

  ・ 「柄こて」は、口径の狭い、袋物の形を作る際、手が中に入らない為、手の代用に使います。

  いずれの「こて」を使う時は、「こて」をしっかり握り、「ぶれ」ない様にします。

  ・ 「こて類」は、初心者は、なるべく使わない方が、良いでしょう。

    轆轤作業では、手や指の感覚が、大切です。「こて」は間接的に、土に触る事になりますので、

    ある程度の、技術を習得後に、使う事を薦めます。

以下次回に続きます。
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続 電動轤上達法(作品の振れ9)

2011-02-20 21:35:04 | 轆轤の上達方法
引き続き、轆轤作業で起きる、作品の「振れ」について、お話します。

 ⑧ 肉厚のバラツキの問題、

 ) 円周上の一部に、肉厚の差が、発生する場合

    前回、高さに差が出る原因は、土を挽き上げる際、最初から、壁の肉厚に差が有る為と、お話し

    しましたが、その他の原因に、空気や異物の混入、更に土の硬さの「むら」が挙げられます。

    この様な場所では、土が十分に薄くならず、高さが低くなります。

    更に、土に拠れが、出た場合にも、高さに差が出ます。

    この場合の対策は、前に述べましたので、省略します。

 ⑨ 土を挽き上げる際の問題

  ) 土を挽き上げる際、注意して頂きたいのは、常に肉厚を感じながら、両手を上に移動する事です。

    即ち、土を挟んで、向かい合わせた、両手の指の間隔を、常に意識して、作業する事です。

    慣れないと、この感覚が判り難いですが、意識する事により、感覚が磨かれます。

  a) 当然、基準になる外側の手(右回転の場合)の肘は、太ももに、固定します。土が高くなっても、

    肘は浮かせない事です。肘を支点として、円弧運動させれば、肘は浮きません。

    内側の手の肘は、固定しませんが、両手が繋がる高さならば、必ず両手を繋げます。

  b)  手の位置を、しっかり固定出来なければ、高さが増すほど、「振れ」が発生し易いです。

  ) 両手の間隔が狂えば、肉厚に差が出てきます。それ故、固定されていない、内側の手が、「ぶれ」

    ない様に、注意します。

  ) 挽き上げる際の、力の入れ方も、重要になります。

  a)  一本調子で、挽き上げるのではなく、裾野の様に、肉が厚い所では、両方から強く締め付け、

     段々薄くなる、上部に行くに従い、力を抜いていきます。

  b)  そして、土の最上部まで、手を持って行く事です。途中で、手を離してしまうと、必ず「振れ」

     が発生します。最上部では、一呼吸入れてから、手を離します。

  c)  手を離す方法は、真上に手を抜く方法と、外(外形方向)に逃げる方法があります。

    急に真上に抜くと、縁の一部の肉厚が、薄く成りがちです。外に逃げる方法も、会得すると上手く

    行く事が、多いです。(特に初心者向きです。)

  d)  手の上昇スピードも、状況に応じて、加減します。

    轆轤目をつけたい時には、回転をやや早めにして、上昇スピードを上げます。

    但し、口縁近辺では、スピードを遅くします。

    勿論、綺麗に回転している時に、轆轤目の作業をする必要があります。

  e)  手の上昇スピードは、一定の速度で行います。ある場所だけに、時間をとられると

    (遅くなると)その部分のみが、肉が薄くなります。

 ) 土の高さに差が有ると、土の径を細くした場合に、その差が増幅されます。

   又、皿の様に、径を大きくすると、綺麗な円にならないだけでなく、高い部分の土が、他の部分より

   重い為、「振れ」が出たり、一部が落ちる現象が起きます。

 ) 高さの差は、高い部分を切り取る事で、又、切断面の肉厚差は、厚い部分のみを、針で切り取る

   事で対処出来ます。それ故、最終的には、肉厚の差を、感じさせない事も出来ます。

   但し、何度も切り取る事は、土を無駄にする事になり、作品が、所定の大きさに成らなくなります。

   それ故、少々の高低差なら、最終段階で切り取り、土を無駄にしない方法も、ありますが、

   初心者向きでは、ありません。

) 土を挽き上げる際に、他の重要な事は、口縁の径を、大きくしない事です。

   内側に入る手(右手)が、入る程の径で、十分です。径が大きくなると、「振れ」が発生し易い
   
   ですので、極力細くします。

 尚、轆轤の技法は、標準と呼ばれる物は、ありません。各自の技法が有りますので、上記の技法は、

 あくまでも、私なりの方法ですので、参考程度として頂ければ、有り難いです。 

 ⑩ 形を作る際の問題

 以下次回に続きます。

 
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続 電動轤上達法(作品の振れ8)

2011-02-19 21:37:03 | 轆轤の上達方法
引き続き、轆轤作業で起きる、作品の振れについて、お話します。

 ⑧ 肉厚のバラツキの問題

 ) 円周上の一部に、肉厚の差が、発生する場合

   円周に、肉の厚いと所と、薄い所があると、土を挽き上げ際、口縁に高低差が、出てきます。

   即ち、肉厚の所が、高くなり、薄い所が、低くなります。

  a) 口縁に高低差があると、土が綺麗に、回転していない様に見えます。

    実際には、綺麗に回転している場合が、多いのですが、目の錯覚によって、振れている様にも、

    見えます。

  b) 一般に、この状態ですと、轆轤作業が難しいので、弓や針を使って、水平に切り取ります。

    切り取った断面を見ると、肉厚に差がある事が、見て取れます。

    即ち、この様に、水平の断面を見ない限り、なかなか、肉厚の差を感じる事は、出来ません。

  c) 口を水平に、したにもかかわらず、再度土を挽き上げると、またまた、口に高低差が、現れます。

    何度も切って、高さを揃えても、土を挽き上げる度に、高低差が出て来ます。

  d) これは、肉厚の差が、口縁付近にのみ、存在するのでは無く、裾野から口縁までの、全の高さに

    存在している事を、示しています。

    (一度思い切って、胴の部分を、水平に切断すると、その肉厚差を見る事が、出来ます。)

  e) この高さが狂う現象は、陶芸の初心者には、余り見られない様です。

    ある程度、土を薄く延ばす事が、出来る様になった方に、良く見られます。

    (当然、熟練者には、少ない現象です。)

   ・ 初心者にとって、土を薄く高く、挽き上げる事は難しく、どうしても、全体が肉厚に、なり易い

     為と、手の位置が、しっかり固定で出来ていない事で、肉厚の差に、手が追従してしまい、

     結果的に、肉厚の差が、口縁まで影響を、与える事が、少ない為と、思われます。

   ・ 轆轤が上達するに従い、手の使い方、力の入れ方など、少しずつ「コツ」を会得する様に成り、

     そのような方に、この現象が現れ始めます。

     逆に言うと、轆轤上達の途中で、どうしても、通る試練かも知れません。

     (私も、この高さの差については、大変苦労した経験がありますが、いつしか、自然と出なく

      なりました。)

    ・ 現在この問題で、苦労している方も、多い事と、思いますので、原因と対策を、お話します。

  f) 円周上の肉厚の差は、土を挽き上げる前に、すでに発生していると、思われます。

    ・ 即ち、土の中心に、穴を掘り込む際、中心から「ズレ」が発生している、可能性があります。

      中心が「ぶれ」ない様に、しっかり固定すると共に、外側の土をしっかり支え、余り外側へ、

      広がらない様にします。(水切れに注意)

    ・ 同様に、底を作る際にも、口縁だけでなく、外側全体を、しっかり固定して、肉厚の差が、

      出ない様にします。

    ・ 土を挽き上げる直前には、周囲の肉を均一にする作業を、必ず行います。

      作業とは、土の内側、外側、上の三方向を、両手で、しっかり押さえ込む事です。

      手の場合には、内側は親指を、外側は、他の指を、上は、親指と人差し指の付け根を使い、

      口径が狭まる様に、押さえ付けます。特に内外に力を入れ、壁の厚みを、均一にします。

      手以外でも、布などを使い、厚みを調整します。大皿の様に、大きな円の場合に、有効です。

   g) 土を挽き上げる前に、この作業を加える事で、高さに差が出る問題は、ある程度解決される

     はずです。但し、原因は、これ以外にもありますので、次回に述べたいと、思います。

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