わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

素朴な疑問 265 市販されている粘土類(カラー粘土)

2016-12-01 17:02:03 | 素朴な疑問
5) カラー粘土: 自然界にはほとんど存在しない綺麗な色の粘土です。

  市販されている練り込み用の顔料(絵の具)や手持ちの呉須(コバルト類)や鬼板、酸化銅、

  弁柄などの下絵付け様の絵の具を添加し、御自分の好みの色の粘土を作る事も可能です。但し

  顔料の混合割合によっては、鮮やかな色に成る事は少ない様です。綺麗で彩度のある粘土を得る

  には、市販のカラー粘土を使う事が手っ取り速いです。近年は色数も豊富に存在しますので、

  気に入ったカラー粘土を得る事ができます。尚、カラー粘土は彩粘土とも呼ばれる事もあります

  但し価格が高いのが欠点です。

 ① 本焼き程度の高い温度で、酸化焼成の場合に、鮮明でしっかりした色が出現します。

  還元焼成では、所定の色が出難く、場合によっては全く色彩が出ない場合もあります。

  市販のカラー粘土であれば、焼成前でも色の確認が出来ますが、顔料や絵の具を添加してご自分

  で作ったカラー粘土では、生の状態では見分けが付かない場合も多いですので、複種類の色違い

  の土を作る際には、間違わない様にする必要があります。

 ② 色化粧土とカラー粘土は同じ様な材料ですが、若干違いがあります。

  白っぽい粘土に顔料を適度に加えて、望みの色彩の色土を作る事が出来ます。

  但し、化粧土は作品の表面のみに作用させますが、カラー粘土は作品の素地全体に作用します。

  即ち作品が壊れてもその断面全体が同じ色になります。

 ③  市販されているカラー粘土。

   1kg単位で市販されている物と、5kg、10kg単位の物があります。

   焼成温度はSk6a(1200℃)~8(1250℃)で、酸化焼成が基本です。 

  以下 (有)ヤマニファーストセラミイクのカタログを参考にしました。

  ⅰ) 彩粘土。

   ・ ホワイト: 白色 ・ ピンク: 桃色 ・ イエロー: 濃い目の山吹色

   ・ トルコブルー: 空色 ・ ブルー: コバルトブルー ・ グリーン:濃い緑

   ・ ライトブラウン: 黄土色 ・ ダークブラウン: 焦げ茶 ・ ブラック: 黒色

   ・ グレー: 濃い目の灰色 ・ 朱泥: 赤茶色

  ⅱ) 目で見て楽しむカラー粘土。

   ・ コスモス粘土: 淡いピンク色  ・ サクラ粘土: 白い斑点のある淡いピンク色

   ・ ミカン粘土: 蜜柑色 ・ よもぎ粘土: 蓬(よもぎ)の葉の様な緑色

   ・ 浅みどり粘土: 乳白掛かった淡い緑色で、白い斑点が出ます。

   ・ 白雪粘土: 雪の様な白色 ・ 墨粘土: 墨汁の様な黒色

   ・ レモン粘土: レモンイエローの明るい黄色 ・ ねずみ粘土: 薄めのねずみ色

   ・ 桔梗(ききょう)粘土: 濃い目の青色

  ⅲ) 和染: 日本の伝統的な色です。

    練り上げ手や小物などにワンポイントで使用すると良いでしょう。

   ・ 薄青染め: 淡い水色 ・ 浅葱(あさぎ)染め: 濃い水色

   ・ 瑠璃(るり)染め: 濃い青色 ・ 若草染め: 淡いエメラルドグリーン

   ・ 松葉染め: 明度が低いが温か味のある緑色 ・山吹染め: 温か味のある黄色

   ・ 胡桃(くるみ)染め: 肌色に近い淡いオレンジ ・ 藤さくら染め: 淡い紫

   ・ 藤紫染め: 綺麗な紫 ・ 栗染め: 栗の皮色の濃い茶色 ・ 白水染: 純白

   ・ 鴇羽(ときわ)染め ・青丹(あおに)染め: 黒に近い濃い緑 ・ 墨黒: 漆黒

 ④ 市販されている練り込み用の顔料。(100g又は500g単位)

  顔料の種類によって、練り込む元の粘土に、3~20%程度(一般的には10%以下)添加する

  ・ 黒、 黄色、 ピンク、 コバルト青、 コバルト青、 緑、 茶、 紫  

  ・ 瑠璃色、空色、焦げ茶、薄緑、淡緑、渋緑、ひまわり色、 セピア色

  ・ 下絵付けに使う以下の絵の具を添加して色土を作る事も出来ます。

    呉須類(古代、青、紫、墨、焼貫)、酸化鉄類(弁柄、黄土、鬼板、赤土)、酸化銅、

    酸化クロム、トルコ青、コバルト青(酸化コバルト)、陶試紅(とうしこう)、二酸化

    マンガン(又は炭酸マンガン)、酸化ルチール、赤茶などが使えます。混ぜる量によって

    濃い目から薄目の色にする事ができます。呉須類は少量でも発色します。

  ⑤ カラー粘土は他の色と混ぜて新しい色を作りだす事もできます。但し混ぜれる色数を増せば

   増すほど、彩度(鮮やかさ)が低くなります。(色が灰色から黒色へと変化します。)

以下次回に続きます。  
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素朴な疑問 264 市販されている粘土類(赤土2)

2016-11-25 14:59:47 | 素朴な疑問
4) 我が国には、白い土は比較的少なく、殆どの粘土類は鉄分を含む赤土です。

 ① 赤土の特徴。

 ② 代表的な赤土。 (以上までが前回の話です。)

  ⅷ) 赤1,3,5,7,9号土: 産地や混入成分は不明です。(カタログ上に記載なし)

   a) 赤1号土: 酸化で薄茶色、還元で茶黒の斑(まだら)文様が出ます。

   b) 赤3号土: 酸化で薄茶色、還元で赤黒くなります。

   c) 赤5号土: 粒子の細かい赤土で、濃赤又は黒く発色します。

   d) 赤7号土: 粒子の細かい赤土で、薄茶色に発色します。

   e) 赤9号土: 水簸(すいひ)された赤土で、薄茶色に発色します。

  ⅸ) 薪窯用赤土:高温で焼成できる赤土です。

   a) 7号薪窯赤荒目土:薪窯による焼締陶器に向いた荒目の赤土です。

   b) 9号薪窯赤細目土:薪窯による焼締陶器に向いた細目の赤土です。

  ⅹ) その他の赤土

   a) 並漉(こし)赤土: 耐火度のある細目の赤土で、還元で黒く焼き上がります。

     ロクロ赤粘土: ロクロがし易い水簸(すいひ)粘土で、1200℃以下で焼成します。

   b) 赤御影(みかげ)土: 赤土に6号珪砂とマイカ(雲母)が入っています。

     黄御影土: 石ハゼ古信楽土に、黄土とマイカを混ぜた粘土です。

   c) 朱泥土: 蛙目粘土に弁柄(酸化第二鉄)を混入した赤土です。

     常滑の急須が有名です。

   d) 南蛮土: 還元焼成で、褐色の南蛮風に発色します。

    ・ 南蛮焼締土C: 鉄分が多く窯変が出易い土です。

   e) 急熱急冷黄土: 少し荒目の赤土で、楽焼にも使用できます。

    ・ 耐急熱急冷赤土: 少し荒目の赤土で、楽焼に使用します。

    ・ 大物黄土: 耐火度が高く、大物作品向きの土で還元焼成で趣ある色が出ます。

    ・ 黄土: 他の土との混合用として使います。

   f) 赤鍋土: 1,180℃で焼成する土鍋用の土です。

    ・ 耐火耐熱鍋赤土: ペタライトを50%含む赤土で、セラミック鍋用の粘土です。

   g) 赤茶ワン土、赤茶ワン土細目:茶ワン土に赤土を混ぜた抹茶々茶用の粘土です。

     轆轤挽や手捻りで使えます。

    ・ 赤楽粘土: そのままで赤楽になります。又黒楽用の粘土にもなります。

    ・ 手捻り赤楽焼土: 赤楽用の粘土です。手捻り赤楽は「ザングリ」した土味

      が出ます。

    h) 赤還元土: 酸化では赤味が少なく、還元で赤く発色します。

    i) 粉引フレット土: 細目で軟らかい赤色に仕上がります。粉引用で1230℃で焼成できます

    ・ 粉引黄土原土: 耐火度のある粉引に使える粘土で、黒っぽく焼き上がります。

    j) クラフト赤粘土: 土に粘りがあり、使い易い土です。1230℃で使用可。

    k) 野焼き用粘土: 土器や埴輪などを作る際に使用すると良く、赤又は褐色になります。

     ・ テラコッタ: 水簸土に黄土を添加した粘土です。

     ・ 野焼き粘土: 素焼きをしてから野焼きをした方が安全です。焼締陶器にも利用可。

    l) 陶板土: 肉厚の作品向きの粘土で、鉄分を少々含みますので、薄い茶色になります。


 以前にもお話しましたが、同じ名前の粘土であっても、メーカーによって粘土の混合具合が異なり

 ますので、好みの色が発色する粘土を見付けて下さい。又は御自分で土や鉄分を調合する事です。

以下次回に続きます。
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素朴な疑問 263 市販されている粘土類(赤土1)

2016-11-23 16:23:44 | 素朴な疑問
4) 我が国には、白い土は比較的少なく、殆どの粘土類は鉄分を含む赤土です。

 但し、生の状態の赤土は、赤味を帯びた土です。ですが1,000℃前後以下の温度で焼成すれば、

 赤味のある色に仕上がりますが、高温に成るに従い褐色から濃い褐色、黒に近い褐色へと変化しま

 す。鉄分は母岩に含まれている場合も有りますが、多くは雨風で粉砕し微粒化し、流されていく

 過程で、周囲に存在する鉄分(酸化鉄=赤錆)が混ざり合って赤土になります。粘土が産出する

 場所ならば、必ずと言っても良い程に赤土も存在します。関東ローム層は富士山噴火の際の火山灰

 が堆積した地層と言われ、鉄分を多く含みますので、関東地方には色の白い土は少なくなっています

 又、植木鉢でお馴染みの「テラッコタ」は、粘土に黄土を添加した物です。黄土には微量の鉄分が

 含まれています。鉄分の少ない土は薄茶や黄色味を帯びますが、含有量が増えるに従い、色は濃く

 なります。その為、ご自分で酸化鉄(弁柄、鬼板など)を混入させて、発色程度を調整する事も

 可能です。

 ① 赤土の特徴。

  ⅰ) 白い土より幾分低い温度で焼締る粘土が多いです。

   その為、単独で焼成する場合は、焼成温度を幾分低くすれば良いのですが、他の白い粘土の

   作品と同時に焼成する場合、白い土を適度に混入する必要があります。

   若し、単味で白い土と同じ温度で焼成すると、作品が熱で軟らかく成り、歪み易くなる事が

   多いです。特に平たい皿には注意が必要です。又、鳴海織部の様に、赤土と白土を貼り合わせ

   た様な作品では、同じ白土に鉄分を加えて赤土を作って貼り合わせた方が失敗は少なくなります

  ⅱ) 収縮率も若干大きくなります。

   白い粘土の作品より、収縮率が若干大きくなります。(即ち焼き縮みが大きくなります。)

  ⅲ) 白化粧土を施す際には、赤土が効果的です。白い土に白化粧を施しても、色が映えません

   が、赤土ならば化粧効果が引き立ちます。特に「粉引き」向きの赤土を使うと失敗は少なく

   なります。

  ⅳ) 赤土は鉄分等の不純物のせいか、砂気のある物が多い様に思われます。

   鉋(カンナ)等による底削りなどは、表面に「ざらつき」が出易いです。勿論、産地や篩目の

   細かさによって、滑らかな手触りの物も存在します。

 ② 代表的な赤土。

  ⅰ) 赤信楽水簸(すいひ)粘土: 一般的に使われる赤土です。

  ⅱ) 信楽赤水簸粘土: 細目の粘土で、轆轤挽きでは腰があり使い易い土です。

  ⅲ) 特赤信楽(細目、荒目): 手捻りや轆轤成形で使用可能で、還元焼成で趣のある変化が

    現れます。

   ・ 古信楽赤土: 石ハゼ混入の古信楽土に赤土を添加した土です。

  ⅳ) 信楽水簸黄土粘土: 酸化でも還元焼成でも黒っぽく焼き上がります。耐火性があります

  ⅴ) 濃赤土: 鉄分を大変多く含み、鉄(錆)色に焼き上がります。

  ⅵ) 特上赤土水簸土: 水簸粘土に鉄分を多く添加した粘土で黒色に仕上がります。

  ⅶ) 萩、唐津、志野、石見(いわみ)、丹波、伊賀、笠間、備前、その他の産地の赤土。

   a) 赤萩土: 萩土に見島土を混入させた土です。

    ・ 特上萩土: 萩土にピンクの原土を混入させた水簸粘土です。

    ・ 鬼萩土: 荒々しい萩焼作品に使います。

   b) 唐津赤土: 唐津周辺の岸岳、大川などに産する鉄分を含む唐津焼用の粘土です。

     1230℃程度焼成すると良い様です。

    ・ 唐津荒赤土: 唐津赤土に荒目の砂が混入した土で、古唐津焼風に仕上がります。

   c) 志野赤土: 志野の蛙目粘土に黄土が含まれた土です。

     艾(もぐさ)赤土: もぐさ土に少量の鉄分を含んだ粘土です。

   d) 石見赤土: 島根県石見地方に産出する赤土で、小物用として使われる事が多いです。

     石見特赤土: 肌理が細かく鉄分の多い土です。耐火度もあり粉引き用に適します。

   e) 丹波土: 鉄分を多く含む粘土で、黒い斑点が出ます。

   g) 備前土: 伊部の田畑の下から産出した土で、黒色に近い褐色に焼き上がります。

      焼締陶器の備前焼の代表的な粘土です。焼き縮みが大きいのが特徴です。

   f) 笠間土: 作陶し易い鉄分のある粘土で、焼締焼成で窯変が出易いです。

  ⅷ) 赤1,3,5,7,9号土:

以下次回に続きます。

   
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素朴な疑問 262 市販されている粘土類(白い土2、黒土)

2016-11-18 17:22:59 | 素朴な疑問
2) 白い粘土類。

  白色と表示されている粘土は、多く存在しますが、多くの場合磁土や半磁土よりも、白さで劣り

  ます。当然自然物ですので、産地によって青味や赤味、黄味、グレー掛かった白色の土が多い

  様です。市販されている殆ど(ほとんど)の粘土は、作り易い様に色々の土がブレンドされてい

  るのが普通です。その為、同じ名前の粘土でも、メーカーによって色や手触り、轆轤の挽き易さ

  等に違いが出ますので、気に入った粘土であれば、同じメーカーの土を使い続ける事が大切です。

  但し、同じメーカーであっても、ロットによって若干の違いがありますので、常に一定の白さが

  保障されている訳ではありません。又、土によっては、酸化と還元焼成で焼き上がりの色が異な

  る場合があります。還元焼成の方が色が付き易い傾向があります。

  注: メーカーのカタログには品番が付いています。この品番は他のメーカーと一致する場合も

   有りますが、メーカー独自の品番と見た方が良いでしょう。又、詳しいカタログであれば、

   粘土の色も記号で表示されています。更に、陶芸材料店(粘土屋)に行けば、色見本を見る事

   も出来ます。

 ① 白い土と言えば、古信楽が挙げられます。

  石ハゼの入った荒目や細目の他、石ハゼの入っていない細目もあります。

  特に、白信楽土(荒目、細目)と称する粘土は、上記粘土よりも、白さに勝ります。

  信楽蛙目粘土、きのせ原土、信楽ロット土も白色に焼き上がる粘土です。

  信楽の A-1(急熱急冷白粘土)、水簸(すいひ)粘土(特、並漉し)は純白よりもややグレー

  掛かる傾向にあります。

 ② 志野土も白い粘土です。五斗蒔(ごとまき)や志野土は純白もありますが、やや黄色味に焼き

  上がる傾向にあります。モグサ(艾)土は薄茶色に焼き上がります。但し、モグサ白原土は白色

  に焼き上がります。(この原土は練土では無く、塊土として市販されています。)

 ③ 伊賀水簸(すいひ)粘土、古伊賀土、伊賀原土(塊土)、白備前土、石見白土も白く焼き上

   がる土です。

 ④ 白絵土、白化粧土: 粉末状で市販されている純白な粘土です。但しこの粘土で作陶する事は

  ほとんどありません。粉引、刷毛目、三島など作品の表面のみを白く仕上げる為に使用します。

  又、練込用の顔料(黒、黄色、茶色、ブルー、トルコ青、ピンク等)を加えて各種の色化粧土を

  作る際に用いられます。

  注: 粉引(こびき)は、作品を白い泥の中に漬けて表面を白くする技法です。一般の土を使う

   と粉引のタイミング(乾燥度合いによる)が難しく、作品本体を破壊する事が多いです。

   但し、粉引を安全に作業できる粘土も存在します。粉引粘土、粉引赤原土、石見特赤土、

    粉引黄土原土、粉引フレット土等があります。

 ⑤ 萩土類、唐津土類、土鍋土(白)、益子土、笠間土等は程度の差は有りますが、淡黄色、

  グレー、薄茶、褐色などの色が付いているのが一般的です。

3) 黒土類: 焼き上がりが黒くなる土です。(必ずしも、生で黒色とは限りません)

  炭化黒粘土: 酸化でも還元でも黒く焼き上がります。

  黒備前土: 備前土に黒土を混入させた土です。

  黒陶土(細目、荒目): 陶土にコバルトを含んだ粘土で、真黒に焼き上がります。

  黒御影土: 珪長石とマイカ(雲母)、黒色顔料を含んだ粘土です。

  南蛮土: やや茶色気味の黒く焼き上がる粘土です。(東南アジアの南蛮焼き風になります)

  注: 炭化焼き: 炭で燻して黒くする方法で黒い土でなくても、焼き上がりを黒くする事が

   出来ます。

以下次回に続きます。
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素朴な疑問 261 市販されている粘土類(白い土1)

2016-11-11 15:57:47 | 素朴な疑問
陶芸材料店やメーカーのカタログ類から、粘土類を選択する際、産地に拘る(こだわる)場合もあり

ますが、肌理の細かさ荒さで選ぶ場合もあります。その他、素地の焼き上がりの色で選ぶ場合もあり

ます。色の中でも白色の粘土は人気のある粘土です。白色は、下絵を付ける際や、釉掛けの際に

色も鮮やかになり、明るい作品に仕上げる事が出来ます。更に顔料を加え好みの色土を作る際や、

化粧土を作る際にも、無くては成らない土となっています。

但し、我が国では鉄分を含む赤土など色の付いた土は比較的多く産出しますが、白い色の土はある

特定な場所で産出するのがほとんどです。その為、白化粧の技法で表面だけでも白く見せる様な方法

が、取り入れられる様になります。尚、当然ですが、色の付いた土を好んで使う方もいます。

1) 白い素地の代表的な物は磁土です。

白色の元は「カオリン」と言われています。「カオリナイト」と呼ばれる物質が主成分です。

「カオリン」中国揚子江沿岸に産出する白色粘土で中国陶磁器の代表的な原料です。現在では世界

各地で産出される白色粘土を「カオリン」と呼んでいます。

「カオリン」は加熱と共に、「メタカオリン」、「ムライト」と言う成分結晶構造に変化します。

純粋な「カオリン」は1785℃で熔けますが、不純物を含む場合が多い為融点はかなり低くなります。

 ① 「カオリン」を含む粘土類。

  ⅰ) 木節粘土: 微細な「カオリン」鉱物が主成分です。

   漂積粘土の為、有機物や腐食物を含み、白色ではなく黒褐色又は灰色をしています。

   一見木の節の様に見える為、この名前があります。但し焼成すれば白色になります。

   耐火度合が高く、可塑性も大きく、他の粘土と混ぜ合わせると、成形し易い粘土になります。

  ⅱ) 蛙目粘土: 粗粒の石英を含む「カオリン」質の粘土です。

   石英が蛙の目玉に光って見える事からこの名前が付いた様です。焼き上がりは白色で木節粘土

   同様に可塑性があり、焼き物に適した土です。

 ② 陶石: 白色の陶石は有田焼きなどの、我が国の磁器(磁土)の主な主原料です。

  泉山陶石、天草陶石などが代表的な物です。

  「セリサイト」30:「珪石」70位の割合で混ざり合っています。可塑性は「セリサイト」の含有

   量に影響され、割合が大きい程可塑性が増します。

   注: 「セリサイト」(絹雲母)は岩石の分解途中の物で、十分粘土化していない、微細な

    白色物質を含んでいす。

 ③ 磁器土(特上、上): 磁器用の土で陶石などを粉砕して、粘土状にした物です。

  ⅰ) 磁器土はカオリン、珪石、長石を混ぜ合わせ磁土です。

  ⅱ) 特上磁器土: 天草陶石を「スタンパー」で粉砕した純白の磁土です。

  ⅲ) 上磁器土: 天草陶石を「トロンミル」で仕上げた磁土です。

  ⅳ) その他の磁土: 天草白磁器土、青白磁土、手捻り白磁器土(一般に、磁器土は手捻りで

    作る事は困難です。手捻り用に開発された土です。)

  ⅴ) 磁土で作り1300℃近くで焼成した磁器は、「石物」と呼ばれ、粘土類で作った焼き物は

    「土物」と呼ぶ場合があります。

  ⅵ) 磁土は扱い難い土です。勿論轆轤挽きも可能ですが、粘土類に比べ粘りに乏しく轆轤挽き

    には、熟練を要します。多くの場合、鋳込みの技法を取る事が多いです。

    更に焼締まり温度も高く、白磁では表面の汚れを嫌いますので、作陶環境にも注意が必要に

    なります。その為、磁土を取り扱う人は、比較的少ない様です。

 ④ 半磁器土(上、並): 陶器質に焼き上がる粘土です。磁土と他の白色粘土を混ぜ合わせ、

  作り易く、焼成温度も下げる事が出来る粘土です。酸化焼成でも白く焼き上がる土です。

2) 白い粘土類。

  白色と表示されている粘土は、多く存在しますが、多くの場合磁土や半磁土よりも、白さで劣り

  ます。青味や赤味、黄味、グレー掛かった白色の土が多いです。

以下次回に続きます。
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素朴な疑問 260 市販されている粘土類(萩、唐津)

2016-11-04 16:11:38 | 素朴な疑問
萩は文禄二年(1593年)毛利輝元が朝鮮より、李勺光、李敬の兄弟を連れ帰り、萩城下に窯を築いた

のが最初とされ、主に茶陶を作っていました。現在では日常用器、茶器、観賞用陶が主な作品です。

主な産地は山口県萩市、長門市、山口市などにあり数十軒の窯元と、百数十軒の販売店があります。

萩焼土は、主に防府市の大道(だいどう)付近で採れる「大道土」が使われます。

大道土は、花崗岩が風化した砂土で、「パサツキ」感のある軟らかい土です。その為か、焼き締りが

弱く、汚れ易いとも言われています。「萩の七化け」と呼ばれるのも、使用するに従い、色や艶が

変化する事から付けられた言葉です。又、ほのかに赤味を持ち、時には青味、黄味を帯た柔らかく

温か味のある器に成っており、人気のあえる焼き物です。

1) 萩の土。

 ⅰ) 大道土: 大道産で、ピンク色が出易い土です。

 ⅱ) 萩土: 萩地方で産出する粘土です。

 ⅲ) 赤萩土: 萩土に見島土を混入させた粘土です。

  見島土とは: 山口県萩の沖に ある見島で採れる、鉄分の多い土。

 ⅳ) 鬼萩粘土: 荒々しい粘土です。

 ⅴ) 萩原土: 大道土の原土で、砂成分が多く含まれています。

 ⅵ) 萩ピンク原土: 御本手が出易い粘土です。御本手とは、ピンク掛かった5~10mm程度の

  丸味のある斑点が、器の表面に表れる現象です。

 ⅶ) 萩金峰(みたけ)土: 萩焼の土の耐火度を高める土です。

 ⅷ) 萩茶ワン土: 抹茶々碗向きの萩土の荒目粘土で、珪長石を含みます。

 ⅸ) 鹿の子斑(まだら)粘土: 1180℃まで還元焼成し、その後酸化焼成すると良い。

   御本手が出易い粘土です。

2) 唐津の土。

  唐津焼きは、桃山時代の文禄、慶長の役の際、肥前の唐津に朝鮮の陶工を連れて帰った時を紀元

  とする陶器の焼き物です。その際、蹴轆轤(蹴り轆轤)と呼ばれる作陶の技法と連房式の登窯

  が伝えられ、制作スピードがあがり、一度に大量な作品が焼ける様になります。その為、茶器の

  他日用雑器等の焼き物を作る九州の一大産地になります。

  又、焼き物の呼び名も、関東では「瀬戸物」と呼ばれ、関西以西では「唐津物」と呼ばれいます。

  江戸元禄時代には、三百余軒の窯業戸数がありましたが、現在では、五十数軒の窯元が存在する

  そうです。

 ① 唐津土の特徴は砂目の土だと言われています。唐津の土は一箇所から大量に産出する事は少

  なく方々から少しずつ産出するために、一定の品質に成らないとも言われてきました。

  それ故、古唐津の土と現在の土は同じ物ではありません。焼き上がりにも違いが出来ます。

  市販されている土も、唐津風にブレンドされた土と思われます。又、砂味がある為「ヒビ」

 (貫入)が入り易い傾向があります。

 ⅰ) 唐津土(細、中、荒目): 鉄分が比較的少なく、白く焼き上がる土です。

    蹴轆轤用に適します。又、絵唐津の様に絵を描くと、絵柄が冴えます。  

 ⅱ) 唐津赤土: 唐津土で鉄分を多く含み、赤味掛かった灰色風に焼き上がる土です。

 ⅲ) 唐津荒土白: 肌理の粗い「ざっくり」感のある土で、山から掘り出してきた土を、ほとん

   ど手を加えずに使う場合もあります。やや轆轤挽きが難しい場合には、手捻りで使う人もい

   ます。例: 唐津の叩き壷など。

 ⅳ) 唐津荒土赤: 上記の土に赤土が混入した土です。

以下次回に続きます。

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素朴な疑問 259 市販されている粘土類(美濃)

2016-10-26 17:53:14 | 素朴な疑問
美濃は岐阜県多治見市から土岐(とき)市一帯が焼き物の産地です。現在では高田、市之倉、笠原、

瀧呂などにも窯元があります。

美濃の焼き物には、志野、織部、瀬戸黒、黄瀬戸の四種類があります。

桃山から江戸時代は主に、抹茶々碗、向付け、皿、小鉢などの懐石料理用の茶器が作られている

のが特徴です。尚、志野、織部、瀬戸黒、黄瀬戸の名前は主に釉の名前に由来します。

1)志野の土。

  志野は我が国で最初に作られた白い焼き物と言われています。白い素地の上に長石系の白い釉

  が掛かった焼き物です。

 ⅰ) 志野土(荒目、細目): 真っ白な粘土で、耐火性が高く、土味の良い土です。

  a) 荒目の土は、やや粘りが欠けた感じのする土です。焼き上がると表面に「ザラザラ感」が

   残ります。即ち、素地中の気泡が表面に出、釉の表面に小さなボツボツがある、いわゆる

   「柚子肌」が特徴です。又、収縮率が低い(焼き締りが弱い)為か、食器類の口縁が欠け易い

    傾向にあります。但し作品は比較的軽く出来上がります。

  b) 細目の土は、志野独特の粘りのある、純白に焼きあがる土です。

  c) 志野土の特徴は、幾ら長い時間焼いても、形が崩れない事とです。又、施釉の際生掛けが

   可能な事です。志野特有の厚い釉をドップリ付ける行為もある程度安心して行う事があ出来

   ます。

 ⅱ) 志野赤土: 赤土が混じっていますので、白さは少なくなりますが、素地の色の関係で、

  釉が赤っぽい色や、鼠色になる場合があります。

 ⅲ) 五斗蒔(ごとまき)土:土岐市泉町の五斗蒔に産出する、耐火性が高く、土味の良い土です。

   五斗蒔陶土は、主に石英分とカオリン質粘土と長石です。それぞれの、粒子が粗いものと

   細かいものが自然的に粒度配合がなされています。水簸はしますが、粉砕加工はせず、自然の

   ままで使用する事で、五斗蒔土特有の土味が出る様に調整されているとの事です。

   現在では、産出量が少なく、各種鉱物を調合し合成された土が使われているとの事です。

   白色と黄色(赤土)があります。

 ⅳ) もぐさ土、もぐさ白粘土、もぎさ白原土、もぐさ赤土: 白色でカオリン成分が多く耐火度

   が高い粘土です。お灸に使う「もぐさ(艾)」の様にモコモコした珪砂の混じった蛙目質で、

   若干粘りに欠けたの土です。焼き上がりは白く、土味はザックリしていて、抹茶々碗や大物に

   適しています。 もぐさ土100%では、成形難しく他の土20%程度混入させると使い勝手も良く

   なります。赤土には少量の鉄分が含まれています。現在ではほぼ取り尽くし、市販されてい土

   は、他の志野土と混ぜ、もぐさ土風に仕上げています。

  ・ 本場(本物)の「もぐさ土」は、入手困難との事です。

 ⅴ) 志野織部土: 美濃の蛙目で作られた粘土です。志野や織部に使われ、織部の発色も良い

   土です。

2) 織部焼きに適した土。織部とは、主に釉を指す事が多く、織部釉を掛けた作品は、土の種類に

  寄らず、織部焼きと呼ぶ事が多いです。

 ① 織部粘土: 白い粘土で織部色の発色が良いです。

  織部焼きには、一般的な青織部(酸化銅を酸化焼成した物)の他、黒織部、鳴海織部などの技法

  がります。鳴海織部は白い土と赤土を適度に、貼り合わせて土の色の違いと、釉の面白さを加味

  した技法で、主に手捻りで作ります。

 ② 伊賀土(水簸、原土): 粘りの強い土です。

3) 黄瀬戸に適する土。黄瀬戸焼きと呼ぶとき、織部焼きと同様に黄色い釉が掛かった作品を呼ぶ

  事が多いです。

 ① 黄瀬戸粘土: 黄瀬戸の発色の良い土です。

 ② 赤津粘土: 黄瀬戸の産地のある赤津地方に産する土です。

4) 瀬戸黒に適する土。

  水冷や空冷(窯から引き出したらそのまま放置)などで、急冷する事で漆黒になると言われて

  います。その為、急冷出来る土が必要です。又、黒釉を掛けますので、土の色は余り拘る必要は

  ありません。一般に急冷に適した土は、粒子が荒目の場合が多いです。

  尚、楽焼に使える土であれば、瀬戸黒にも利用できます。

以下次回に続きます。
 
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素朴な疑問 258 市販されている粘土類(信楽粘土2)

2016-10-20 14:10:28 | 素朴な疑問
6) 実際に市販されている土を検討してみます。

 ① 轆轤作業に向いた土。

  ⅰ) 信楽水簸(すいひ)粘土: 以上が前回の話です。

  ⅱ) 薪窯用信楽水簸(すいひ)粘土。

   窖窯(あながま)は無釉の焼き締め陶を薪を使って焼く方法です。その為、良く焼き締まる土

   であり、且つ緋(火)色や窯変が出易い土が選ばれます。自然の土もありますが、それ様に

   合された土が市販されています。薪窯には登窯がありますが、近年ではほとんど使う人もいなく

   成っていますが、それ用の土もあります。

   a) 3号薪窖窯荒目土: 薪による焼成で緋(火)色が出易い土です。

   b) 4号薪窖窯細目土: 薪による焼成で緋(火)色が出易い土です。

   c) 6号薪窖窯荒目土: 薪による焼成で緋(火)色が出易い土です。

   d) 信楽炎色粘土。 古信楽炎色粘土。大物炎粘土。

   e) 並黄瀬(きのせ)粘土。黄瀬原土。黄瀬古信楽土

    以上の粘土類が、緋色や火襷(たすき)などが、華やかに出易い土となります。

   f) 7号薪窖窯赤荒目土:高温で焼成できる赤土です。

   g) 8号薪窖窯赤細目土:高温で焼成できる赤土です。 

    h) 古信楽登窯用粘土:細かい石ハゼのある土で、薪で焼成するのが良いです。

    上記の粘土が、渋い色に胡麻(ごま)や焦げなどの窯変が起こり易い粘土です。 

  ⅲ) 粉末状の粘土及び原土。

   上記の粘土類は、「練り土」と呼ばれる水分を含み、直ぐにも使用できる状態で、市販されて

   いる粘土です。粉末状の土や原土の中には、御自分で適度の水を加えてから、練って使える

   粘土にする必要があります。又、他の土に混入し好みの土を作る時にも使います。

   a) 信楽粉末土。信楽牧山粉末土。

    天日干しした土を石臼で粉砕した土を、篩に通した物で、他の土に30%程度混ぜる事で、

    粘りや腰のある、轆轤挽きし易い土を作る事が出来ます。又、再生土や水分の多い軟らかい

    土に混ぜると、即使える土にする事が出来る便利な土でもあります。

    ・ 信楽牧山粉末土は、耐火度が大変高く、冴えた土です。

   b) 木節粉末土。本山木節粉末土。蛙目粉末土。

   c) 童仙傍(どうぜんぼう)土(黒)。童仙傍白土。

    信楽原土の中で最も耐火度のある、小砂混じりの土です。石臼で粉砕し、水を加えて練って

    使います。単味では焼き締まり難い特徴があり、他の土に50%程度混入して使うと良いと

    言われています。又、窯道具(目、トチ、敷台など)や、窯の補修にも使います。

   ・ 尚、一般的には窯道具用には道具土として、市販されている土を使います。

   d) 轆轤(ロクロ)白粘土。轆轤赤粘土: 水簸(すいひ)粘土で轆轤挽きし易い土に調合

    してある土です。

   e) 信楽石ハゼ原土。黄瀬原土。

  ② 手捻り向き、その他の土。

   a) 急熱急冷白粘土(A-1): 信楽産の蛙目土と木節質の土を混ぜ合わせた土です。

    手捻りでも轆轤挽きでも使い易い土です。成形し易くキズも出難く白っぽく仕上がり、

    初心者向きの土で、削り味も良く、ザックリした感じに仕上がります。又、楽焼にも使用

    できます。信楽を代表する土とも言えます。尚、特A-1と呼ばれる更に上級の土もあります

   b) 茶ワン土、赤茶ワン土、茶ワン炎色土: 手捻りでも轆轤でも使い易い土です。

    一般は白色ですが、炎色が出易い土もあります。赤茶ワンは赤土が混入されている為色が

    付きます。

   c) ロット土: 信楽産で調合された物で、手捻りや大物の作品に向いた土です。

   d) 粉引赤土: 軟らかく赤色に発色する土で、粉引用に向いた土です。

   e)  信楽蛙目粘土: 信楽産の蛙目のみの白土です。

      信楽水簸黄土粘土: 信楽土に黄土を混入させた土です。

      信楽作家土: 5種類の土を混合した土で、古信楽風のです。詳細は不明です。

 信楽の土には、その他多くの種類が存在します。多くは他の粘土と混合し、使い易い用に調合

 された土です。カタログだけでは判’識別別できない、同じ用な名前の物も有りますので、ご自分

 に合った特別な用途の土は、メーカーに問い合わせて下さい。

以下次回に続きます。

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素朴な疑問 257 市販されている粘土類(信楽粘土1)

2016-10-14 13:30:19 | 素朴な疑問
6) 実際に市販されている土を、紹介検討してみます。

 粘土の中には、用途に関わらず、万能な土もあります。(其れなりに、どんな用途に使える土)

 一方用途的に適した粘土を使いたいと思っている方も多くいます。市販されている粘土類には、

 ある程度その用途に適した粘土が用意されています。その用途別の土に付いて述べたいと思います

 但し、磁器土に付いては、後日述べる予定です。

 ① 轆轤作業に向いた土。

  轆轤挽きに適する土は、腰が有り直ぐに「ヘタラ」ない事と、土がスムーズに伸びてくれる事

  です。肌理が細かく手触りの良い土が多いのですが、大物の場合には、若干粒子が粗い方が向い

  ています。

  ⅰ) 信楽水簸(すいひ)粘土: 良質の蛙目土と木節土を沈殿させ、その上部の微粒子を篩

   (ふるい)に掛け、木くずや砂などの不純物を取り除き、天日などで乾燥させた土です。

   粘り気が多く、砂気の少ない粘土です。尚、並漉し(なみこし)は篩の目の100を通した土で、

   特漉しはそれより細かい篩を通した土たです。 篩目は数の多い程、目が細かくなります。

   信楽水簸(すいひ)粘土には、幾つかの種類があります。

  a) 信楽水簸(すいひ)並漉し粘土: 安価で代表的な粘土で、初心者からベテランまで、

   万人向きの多く使う事われる土です。安価で容易に手に入り、極一般的な粘土です。焼き上が

   りが黄白色で、他の土とも相性が良く馴染み易いです。食器などに使われる人気のある土です。

   小物から大物まで使われています。

  b) 信楽水簸(すいひ)特漉し粘土: 並漉しより篩目が細かい土です。

   作品に細工を施す場合に向い粘土です。小物向きです。目が細かいですので、並漉しより

   若干縮み量が大きいです。

  c) 信楽赤水簸(すいひ)粘土: 鉄分の多い土で、焼成では茶色から褐色を呈します。

   この粘土を100%で使と、釉が焦げてしまったり、釉剥げを起こす事も多く、更に耐火温度も

   下がり、焼き縮みも大きくなり、器形が崩れ易くなります。その為、並漉しなど他の粘土と

   混ぜて使う事が多いです。混ぜる量は10~50%程度が安全です。当然混ぜる量が増えるに

   従い、素地の色も濃くなります。釉の発色も鈍く(渋く)なりますので、好んで赤土を混ぜ

   て使う人も多いです。 尚、用途や混入物の違いによって赤1号~4号が)有ります。

   又はそれ以上番号の物もあります。

  d) 古信楽土(細目、荒目): 石ハゼ(珪長石の祖粒石)が5~10%程入った白色の粘土です。

   素地と石の粒子の細かい細目と、素地と石の粒子がやや粗い荒目があります。

   焼成すると、作品の表面に半透明の石がとび出してきますので、野趣溢れた作品になります。

   尚、皿の様に口径を広げる作品では、荒目を使うと口径に「ひび」が入りや易くなります

   ので、慎重に轆轤挽きしなければ成りません。

  ・ 古信楽赤土: 古信楽土に赤土を混入した土です。焼き上がりは茶褐色に成ります。

  e) 信楽原土:信楽石ハゼ原土、黄瀬(きのせ)原土、特選黄瀬原土。

   信楽石ハゼ原土は白色の原土で、このままで作陶できる古信楽風の作品になります。

   黄瀬(きのせ)原土は、黄瀬山に産する原土で、黄味白色になります。石ハゼ、緋色、焦げ等

   の窯変はこの土の化学的作用と言われています。この土単体での作品は素朴で力強い表現に

   なります。 特選黄瀬原土は、粘りの強い腹土で、緋(火)色が良く出ます。

  f) 黄瀬土: 黄瀬土原土を水簸した土で、信楽土の最高級品とも言われています。

  g) 信楽黄土水簸粘土: 耐火度があり、酸化及び還元焼成で黒っぽく焼き上がります。

  h) 白御影土、黄御影土、黒御影土: 

    古信楽土にマイカ(雲母)を混入した土(白御影土)。

    古信楽土に黄土とマイカ(雲母)を混入した土(黄御影土)。

    古信楽土にマイカ(雲母)と黒顔料を混入した土(黒御影土)。

  ⅱ) 薪窯用信楽水簸(すいひ)粘土。

以下次回に続きます。

参考資料: 東京丸二陶料、(株)ヤマニファーストセラミック、(株)新柳北信などのメーカーの

カタログ。
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素朴な疑問 256 市販されている粘土類 3(敵、不適な土)

2016-10-09 20:34:47 | 素朴な疑問
5) 焼き物に適する粘土適さない粘土とは。

 粘土は自然界に存在していますので、その生成から考えて、粘土以外に種々の鉱物が混在してい

 ます。粘土の定義は「粘着性を有する物で、微細な粒子の集合体である物。主に珪素、アルミニウム

 鉄、アルカリ金属、アルカリ土金属、水分などの化学成分を持っている天然物」とされています。

 又粘土自体にしても単一種類の場合は少なく、2種類以上の粘土から構成されている事が多いです

 ①  粘土以外の鉱物とは。

  主な物に、石英、長石類、雲母類、鉄化合物(赤鉄鉱、磁鉄鉱、褐鉄鉱、硫酸鉄)チタン化合物

  (ルチール等)、石灰石(ドロマイト)、マグネサイト、石膏、柘榴(ざくろ)石、電気石など

  その他、有機質の不純物多もあり多種多様です。これら不純物の中には、種類によっては有害で

  何らかの方法で除去しなければ、焼き物の粘土としては利用出来ない物もあえいます。

  尚、当然ですが市販されてる粘土類は、この有害物質の除去作業が終わっている物ですので、

  何ら心配ありません。

 ② 焼き物に適する粘土には、幾つかの条件を備えていなければ成りません。

  ⅰ) 可塑性(かそせい)を有する事。

   可塑性とは、一定の力を加えると変形し、そのままの変形を保持し続ける性質です。

   可塑性を決定するのは、粘土成分中の粒子の細かさです。微細な粒子が多く存在する粘土で

   微細な程可塑性が増します。一般に1μ(ミクロン)以下で有れば、可塑性が発生します。

    (注:1μ = 1/1000mm です。)多くの可塑性粘土の粒子は1~0.1の範囲内にあります。

   粒子の平均が0.55μの時、乾燥収縮は約7.8%程度で、乾燥強さは7.2kg/cm2(平方センチ)

   程度です。(一般的な収縮率ですので、使用している粘土の平均粒度が予想されます。)

   微粒子ほど乾燥後の機械的強度が強くなります。但し、この様な粘土は、保水量が多く、

   乾燥収縮が大きくなります。乾燥後に「ひび割れ」を起こす粘土は焼き物に向きません。

  ⅱ) 適度の温度範囲内で、焼き締まる事。

   焼き締まる事で、水を通さ難くなります。即ち素地の中にガラス質を形成する長石などが

   含まれていなければ成りません。焼き縮みを調整する物に、石英物質があります。

   尚、粘土は加熱する事で、分解や他の物質に変化する等、複雑な加熱変化し、発熱や吸熱も

   起こります。この温度曲線は粘土の種類によって異なりますので、粘土の産地や生成具合を

   見分ける一助になっています。

  ⅲ) 耐火度がある事。

   粘土は加熱によって、多少は軟らかくなります。耐火度が低い粘土では、釉が熔ける以前や

   焼き締まる前に、器形を保持できず、崩れ去る物もあります。単一で焼成する場合には、その

   土に最適な温度を見出す事も可能かも知れませんが、色々な粘土が混在した状態では、焼き物

   として不向きです。逆に耐火度が高い場合には、作品ではなく、窯道具などの制作に向いてい

   ますので、それなりの利用価値があります。

  ⅳ) 釉との相性が良く、釉が表面を綺麗に覆う事。

   相性が悪いと、釉の捲れ(めくれ)や剥がれが発生します。これらは膨張係数の差や、粘土に

   含まれるガス(気孔)、結晶水等と釉の曲げ強さ等の力関係による物と思われます。

   釉が綺麗に発色するには、素地が滑らかで、絵付けを行う場合には、濃い色の土でない方が

   適します。

以下次回に続きます。

   
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