わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

質問42 絵付けと施釉に付いて

2020-05-13 11:06:38 | 質問、問い合わせ、相談事

アールドットナーノ様より、以下のご質問を頂きましたので当方の見解を記します。

はじめして。
わたしは最近陶芸の絵付けを始めた者です。
自宅に電気窯を設置し、自分で釉薬を掛け焼成しています。
・素地は、有田土
・絵の具はアメリカの1100~1250℃に適しているもの
・釉薬は、透明の石灰釉。こちらも高温に対応するもの
上記を使っています。

釉薬が、いまいちうまくいきません。

どぶ漬で施釉しています。

全体的な厚みはいいと思うのですが、どうしても、一方向が分厚くなってしまうのです。
浸けて出すときに、下になる部分がどうしても分厚くなってしまうと思うのですが、どう処理したら良いのでしょう?

また、絵のあるところが少し窪み(釉薬が薄く)、全体的に絵の箇所とそうでないところがボコボコとします。

全くの素人であるため、知識がありません。

何かアドバイスがありましたら、ぜひ教えてください。
よろしくお願いいたします。

明窓窯より

有田土と有る事と、絵付温度が1250℃以下の事から、磁器土ではなく粘土と思われます。

質問は二つです。1) 釉に濃淡が出る事 2) 絵付け部分が凸凹する事。

1) 釉に濃淡が出る事

 ① 施釉方法がどぶ漬けですので、施釉時に所により時間差が出る為と思われます。

  時間差を作らない為には、先入れ先出しが基本です。即ち、先に漬けた部分から先に施釉薬を終

  わらせる事です。一般には、釉を潜らせると言います。特に横方向に広い器(例えば皿)で行いす

  又縦に長く垂直に漬けると時間差が出る場合には、横方向に寝かせて漬けます。

  その為には、釉は広い幅のある容器を使う事です。

 ② 施釉する時間は短い時間の方が良い。

  当方では、3~5秒で終わらせる様にしています。釉に漬ける時も、釉から引き上げる時も素早い

  動作が必要です。引き上げる迄の時間を長くすると、釉は厚くなります。

  十分に大きな容器に入った釉なら、どぶ漬けですので、思い切った動作が出来るはずです。

 ③ 「後から出した部分が厚くなる」と有りますが、施釉する際に十分釉薬がかき混ぜられていますか

  又、かき混ぜた直後に施釉していますか? かき混ぜてから時間が経つと釉は自然沈下し濃さに

  濃淡が出易いです。

 ④ 厚く釉が掛かって仕舞う所を、予め水で濡らして置く。

   素地が水を吸収する事で、水に溶けた釉を吸収する事で、施釉が出来ます。

   即ち、素地の乾燥具合によって、施釉の厚みをコントロールする事が出来ます

  水で濡らすには、直接真水に漬けるか、スポンジに水を含ませて拭きます時間は適時

   調整します。濡らし過ぎない事が大切です。

2) 絵付け部分が凸凹する事。

  ① 絵具は基本的には、素地に載ったゴミと同じです。

    塗る面積が大きい程、ゴミの範囲は広くなり、濃度が濃い程ゴミの量が増える事に

    成りますこのゴミは上に載る釉を弾く作用があります。

    それ故、出来るだけ塗る面積を少なくし、線描きを多用すると良いでしょう

  ② 絵具に釉を少し混ぜる。

     絵具と釉の相性が悪い場合、使用する透明釉を絵具に混ぜてから、絵付けを

     すると良い釉剥げを防ぐと共に、絵具に厚みを与えます。

以上 参考にして下さい。

  

コメント
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