わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

現代陶芸4(三代清風与平)

2011-12-31 17:06:38 | 現代陶芸と工芸家達
三代清風与平は、明治を代表する陶芸家でした。陶芸家として最初の帝室技芸員に選ばれ、最初の

緑綬褒章を授与されています。彼は、明治中頃から衰退していく京焼きに、新風をもたらし、京焼きの

芸術性を高める働きを示します。又、京都市陶磁器試験場の開設にも尽力しています。

1) 三代清風与平(せいふうよへい): 1851〜1914年

  ’屠畊餔南郡に生まれた与平は、京都五条坂の名門の陶芸家の、青風家の養子に成ります。

  1878年(明治十一年)に義兄の二代目清風が没し、三代目与平を襲名します。

 ◆ゝ焼きは桃山時代から、長い歴史のある、色絵を中心とした焼き物 です。

   しかしながら、明治維新後の急速な社会情勢の変化で、これまでの国内向けの伝統技法や生産

   方式では、対応し難く、西洋文化の影響を受け変化せざるを得なくなります。

   この間、各地の近代陶磁器製造も試行錯誤を余儀なくされます。

   明治の中頃までは、窯や窯焚き技法、新たな釉の研究が行われ、技術的にも、格段の進歩を

   遂げます。

  造形や意匠(図案)などでは、従来の精緻な技巧的な方法が取られ、金銀赤絵などが、豊富に

   使われ、装飾第一の風潮が蔓延し、これらの作品が高級陶磁器と思われていました。

   明治の初め頃までは、欧米の諸外国の人々には、好奇心を満足し貿易も伸長して行きます。

   しかし、明治の中、後期に成ると貿易も不振に成ってきます。原因は、粗製乱造と、表面技法が

   形骸化し、模倣が多く成った為と気が付きます。

   この事の反省から、新しい陶芸技法や意匠に対する関心が起こります。

 ぁ〕進燭瞭芸

  顱法―藉の与平は、当時の京の陶芸がそうであった様に、中国の宋や明の古陶磁器の写しを造って

    います。例えば、青磁や青華(染付)は「唐物」として高価に販売されていたからです。

  髻法ー未景(模倣)からの脱却

    生来の画才を発揮し、日本的な意匠に基ずく独自の作風を築き上げていきます。

    京都の郊外の山林を歩き回り、草花をスケッチしたり、原料である土や石を探索し、素地土と

    したり、釉の原料としても利用します。

  鵝法〕進燭料楼討靴真卦蚕僂眤真瑤△蠅泙后

   a) 与平の代表的な陶芸技法は、カン白磁と天目釉瀧条斑(ろうじょうはん)と言われています。

    ・ カン(喚の偏が王)白磁とは、純白の白磁に柞(いす)灰釉を僅かに掛け、酸化焼成して

      白磁にほのかなローズ色に発色させた物です。

    ・ 天目釉瀧条斑とは、天目釉の釉肌に瀑布又は、雨滴の様な斑紋を呈したものです。

   b) 与平の文様の特徴に、浮盛の彫刻文様があります。

     白磁の器肌の上に、同じ磁土を泥状にしたものを、筆で盛り上がる様に塗って文様を

     表現する方法です。

   c) その他、色絵彩釉(百花錦)の製法、白磁大氷裂の焼成方法、辰砂釉の焼成、白磁や青磁

     黄磁の焼成方法など、新しい試みを多く取り入れています。

  ァ〕進燭亮腓兵賞や万博などの出品は、以下の通りです。

    ・ 明治23(1890)年第3回内国勧業博覧会において、陶磁器部門最高の、妙技一等賞を受賞。

    ・ 1878年パリ万博、1893年シカゴ・コロンブス、1889年パリ万博などに作品を出品します。

以下次回に続きます。

 
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現代陶芸3(宮川香山)

2011-12-30 21:34:48 | 現代陶芸と工芸家達
1873年(明治六年)のウイーン万国博覧会以降一躍有名に成った陶芸家に、宮川香山と三代清風与平

らがいます。

1) 宮川香山(みやがわこうざん): 1842〜1916年

  1842年京都真葛が原(まくずがはら)で、九代目茶碗屋長兵衛(初代楽長造)の四男として

   生まれます。元々、先祖は近江国坂田郡宮川村で、「楽茶碗」を焼いていた様です。

   八代目が著名な焼き物師、青木木米(もくべい)に師事し、高火度の本焼き製法を学び、

   京都の真葛が原に窯を築き「真葛焼(まくずやき)」として、陶磁器を生産する様に成ります。

   十代目を継いだ兄が夭逝(ようせい=早死に)した為、十九歳で十一代目を継ぎます。

 ◆々畛海聾Φ翡心でも有り、先見の明も有ったと見え、外国に向けて仕事をすべきと考え、

   当時、最も諸外国と活発に交易していた、横浜に進出し窯を築きます。

   勿論、彼の才能に惚れ込んだ、多くの後ろ盾がありました。(長州の井上馨、薩摩の小松帯刀、

   赤十字創始者の鍋島藩佐野常民などです。)千坪の土地を海運業の鈴木安兵衛から、提供されて

   います。彼は1870年(明治三年)に、京都より神奈川県久良岐(くらき)郡大田町(現横浜市

   南区)に転居し、「大田焼」と称して窯業を再開します。

  大田では、多くの陶工や職人を指揮し、工業生産的な操業で、香山自身の製作は少なかった様です。

   明治九年頃には、数十人を雇い入れ、増大する注文に応じていたとされています。

 ぁ仝粁舛稜甘擇蓮∋呂瓩海宗地元の土や、神奈川県の秦野、伊豆天城山などから、取り寄せて

   いましたが、後に瀬戸や京都などに求めています。

2) 香山の活躍

  「大田焼」は次第に「真葛焼」と呼ばれる様になり、精緻(せいち)で華麗な大型の陶器や磁器を

  製作し、万国博覧会や、内国勧業博覧会(後で述べます)に出品し、数々の受賞を得て、「真葛焼」は、

  「マクズウエアー」「スワンコロン」と呼ばれ、諸外国で絶賛を浴び、購入されていきます。

  ー賞歴

   ウイーン万博(1873年): 名誉金碑受賞。フラデルフィア万博(1876年): 銅賞碑受賞

   第一回内国博覧会(1877年): 龍紋賞碑。 パリ万博(1878年): 金賞碑。

   シドニー万博(1879年): 銀賞碑。 メルボルン万博(1881年) : 銅賞。

   第二回内国博覧会(1881年): 一等有功賞碑。 アムステルダム万博(1883年): 銅賞碑。

   パリ万博(1889年): 金賞碑。 シカゴ・コロンブス万博(1893年): 名誉大金賞碑。

   セントルイス万博(1904年): 名誉大賞。 その他の万博や内国博覧会では、数々の賞を

   重ねています。

3) 香山の作品の特徴

  ―藉の作品は、陶器でその表面に多彩な色絵を施す、錦手や薩摩焼風の色絵陶器を造って

   評判を得ます。

 ◆仝粁舛鮴ジ佑覆匹ら取り寄せる様になると、青磁、青華(染付け)、黄釉青華などの華麗で

   精巧な大型の花瓶や水盤などの、磁器も手掛ける様に成ります。

   これらの作品が、多くの受賞の対象に成りました。

   注: 黄釉青華とは、磁土で成型し素焼き後、呉須(酸化コバルト)で下絵の文様を描き、

    絵付けしない部分は蝋で伏せ、絵付け部分に透明釉を塗り、再度素焼きして蝋を抜きます。

    次に、逆に絵付け部分を蝋で伏せ、余白部分に黄釉(チタン5%を含む長石石灰釉)を施し、

    1300度で焼成したものです。

  明治二十年以降に成ると、仁清風の京焼きや、明や宋(中国)の古陶磁に挑戦しています。
   
4) その他の功績

  1897年(明治三十年)横浜陶画協会を組織し、陶磁器の図案や絵付けなどの、技術の向上を図ります。

  講師に岡倉天心を招き、審美の視野を養う講義も行われています。

  更に、三十六年には、全国陶画共進会を提唱、開催して国際的視野で明治の陶磁世界を指導して

  行きます。

 参考文献: 現代日本の陶芸(第一巻) (株)講談社 発行

以下次回に続きます。
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現代陶芸2(万国博覧会)

2011-12-29 22:01:20 | 現代陶芸と工芸家達
第一回の万国博覧会は、1851年(嘉永4)に英国のロンドンで行われました。

1) 日本政府がは初めて公式に参加、出品した博覧会は、明治六年(1873年)のオーストリアの

   ウイーン万国博覧会です。そこで日本の工芸品は大好評を博します。

   皇帝フランツ・ヨゼフ一世の治世25年を記念して、ウィーンのドナウ河に沿ったプラーター公園で

   開催されました。主会場の産業館の他に、機械、農業、美術などそれぞれに、個別の展示館が

   建設されていた様です。敷地内に設けた日本庭園は、開園式を兼ねた橋の渡り初めに、皇帝と

   皇后の来場もあり、日本の初参加を歓迎してくれたとの事でした。

2) それ以降、我が国の参加が続きます。尚、幕末〜明治にかけての万国博覧会は以下の通りです。

  1851年(嘉永4): 第1回ロンドン万博(英国)

  1853年(嘉永6): ニューヨーク万博(米国)

  1855年(安政2): 第1回パリ万博(仏)

  1862年(文久2): 第2回ロンドン万博

  1867年(慶応3): 第2回パリ万博

  1873年(明治6): ウィーン万博 (オーストリア)(日本政府初参加)

  1876年(明治9): フィラデルフィア万博(米国)

  1878年(明治11): 第3回パリ万博

  1879年(明治12): シドニー万博(オーストラリア)

  1880年(明治13): メルボルン万博(オーストラリア)

  1888年(明治21): バルセロナ万博(スペイン)

  1889年(明治22): 第4回パリ万博

  1893年(明治26): シカゴ万博(カナダ)

  1897年(明治30): ブリュッセル万博(ベルギー)

  1900年(明治33): 第5回パリ万博

  1904年(明治37): セントルイス万博(米国)

3)万博の反響と改革

  )博の参加は、明治政府の国策として、国威発揚、殖産興業、輸出の振興を目的に、奨励、援助を

  受けて出品したものです。

 ◆〔襍僂早の万博への出品は、日本工芸品の名声を高めます。

  一部の工芸家を除いて、明治の中頃には、日本の工芸品は、次第に飽きられていきます。

   その原因は、陶磁器に施される図案(絵)が、狩野家に伝わる伝統的絵画を基にしていた為で、

   斬新な図案が求められて行きます。同時に、工芸家と言うより、職人として製作に当たっていた為、

   身分も低く、自覚が不足していたとも、言われています。

 ぁ…觴宍桟歙度の制定。

  明治二十三年(1890年)工芸家の地位と工芸技術の向上、及び新たなデザイン(図案)を

  作る事を目的に、政府は技芸制度を設けます。

  工芸家の加納夏夫、柴田是真、清風与平、宮川香山らが、推挙されています。

  顱法‘鷭酋綰には、東京美術学校に「図案科」が新設され、横山大観らが指導に当たっています。

  髻法,修慮紂京都高等工芸学校、東京蔵前高等工芸学校にも、「図案科」ができます。

     この頃より、美術工芸と産業工芸が区別される様に成ります。

4) 1900年(明治33年)の第5回パリ万博では、政府も力を入れ、予め工人を集め、充実した製造所を

   設け指導します。更に、意匠の陳腐化や図案の貧困からの脱却や、用と美との峻別など、

   十分吟味した作品を出品する様にして、我が国の工芸品は再び好評を博す様になります。

以下次回に続きます。
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現代陶芸1(幕末から明治へ)

2011-12-28 21:50:39 | 現代陶芸と工芸家達
現代陶芸とは何かという定義から入りたい処ですが、これが諸説あって決める事が出来ませんので、

ここでは、定義付けはしない事にします。

 現代陶芸に対するものは、伝統陶芸と成りますが、その区分けも色々の説があり、時代区分による

 もの、作品の種類によるもの、社会情勢による区分け等、色々な区分け方が存在する様です。

1) 幕末の焼き物を取り巻く情勢。

  有田、九谷、京都、瀬戸、鹿児島(薩摩)などの窯場では、染付けや色絵の陶磁器等が、各藩の

  産業殖産として、企業化に取り組み始めていました。

  その背景にあるものは、幕府の開港により、諸外国の人々の来日であり、東洋的異国趣味として、

  お土産品や輸出品(貿易品)として、販売される様になった事が挙げられます。

   ヽ姐饋佑旅イ狄Г篋酩覆紡弍する。

   外国人の好む色調や、食器類の厳しい規格に対応するには、従来の方法では対処出来なく

   なって行きます。その為、海外から新しい近代的な窯業技法が、取り入れる必要が出てきます。

  ◆\郷絮三郎が西洋の進歩した窯業技術を持ち帰る。

   パリ万国博覧会(慶応三年、1867年)を見学した江戸の商人「瑞穂屋(みずほや)」の卯三郎は、

   明治元年(1868年)の帰国の際、石膏型による製作方法(主に鋳込み製法)や、染付けの

   天然呉須に替わる人工の酸化コバルトや、我が国に無かった各種の顔料を持ち帰ります。

   これらを竹本要齋や、服部杏圃(きょうほ)に与え研究を行います。

   この事を聞きつけた、佐賀藩ではドイツの化学者、「ワグネス博士」を招聘します。

    明治元年に来日していた、「ゴットフリー・ワグネス博士」を招き、化学顔料や、石膏型の

    使用方法、石炭窯の構築や焼成方法を学びます。更に、彼は石灰釉や、色釉の研究を指導し、

    必要な材料を、輸入する方法も伝授します。

    尚「ワグネス博士」は、その後、京都に設置された「舎密局」で、陶磁器や染織などの

    材料や化学的研究の為、招かれています。

  ぁ,海陵佑糞蚕僂癲廃藩置県(明治四年、1871年)により、秘密であった藩窯の技術が、各地の

    窯場に広く拡散して行きます。瀬戸でもこれまで中国から輸入していた天然呉須から、

    ドイツから輸入された酸化コバルトを使う様に成ります。(明治六年頃の話です。)

2) オーストリア・ウイーン万国博覧会(明治六年、1873年)

  大熊重信参議を総裁として、「ウイーン万国博覧会」に参画します。(当時の予算で60万円)

    〔声政府が、国威発揚、殖産興業、輸出振興を奨励する為、積極的に参加したものと思われます。

  ◆ ,海稜醉会で、日本の工芸品は好評を得ます。

     特に、初代宮川香山、三代清風与平の作品は名声を得ます。宮川香山は名誉金碑を受賞します。

     この功績により二人は帝室技芸員に、推挙されます。

     尚、この二人については、後日詳細をお話する予定です。

以下次回に続きます。
  
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見る目を養う6(スケッチから読み取)

2011-12-27 21:47:17 | 陶芸入門(初級、中級編)
2) 写真ほど、はっきりした状況でない場合。 

 一瞬又は短時間見た作品を、素早くスケッチして、その様な作品を造りたいと思う事も多いものです。

 その場合、そのスケッチがどれ程正確に描かれているかも重要ですが、それを見た場所(状況)も

 重要です。更に、その作品に魅せられた理由がなんであるのかも、重要な事柄です。

 たぶん第一印象が良かった為で、心が引かれたと思います。その印象をスケッチと言う絵に成って

 しまうと、印象は極端に違ってしまうのが常です。それ故、他の人に絵を見てもらい、色々質問を

 受ける事により、よりイメージを膨らます事や、記憶を蘇(よみがえ)らせるが出来ます。

 この作業は、犯人の似顔絵を、絵心のある警察官が描く場合に似ています。

 描き手は、目撃者に色々質問しながら、犯人の似顔絵を仕上げていきますが、大事な事は、的確な

 質問が出来るかによっています。(質問者は当然経験のある人です。)

  ‐況を把握する。どんな場面で目撃したのか?(テレビの一場面で、街中のショッピングで、

   友達の家で等が挙げられます。)

 ◆,匹鵑雰舛任△辰燭、丸ぽい、角ぽい、平べったい等。又、全体を見る事が出来たのか?

   全体の大きさは、周囲との関係で、解かる事もありますが、後から思い出してみる事も

   可能です。

  一番最初に目に入るのは、色(色彩)だと思います。どんな色をしていたかは、詳しく無くても、

   印象として残っているはずです。一色とは限らず、複数色がどの様に掛けられているかも、

   記憶に残り易いです。

 ぁ〜飾となると、特別際立った場合を除き、印象が薄くなり易いですので、思い出すのが困難な

   場合が多いです。大抵の場合、作品からの距離が離れている為、装飾は見難いと思われます。

 人の記憶は、余り当てにはなりませんし、細かい点になるとまったく、お手上げです。

前回もお話した様に、見た物とまったく同じものを造る必要も無く、単に作品造りの「ヒント」として

 活用すれば良く、有効に利用する事です。

 ・ 更に、見えない(又は、覚えていない)部分は、作り手の「貴方、貴女(あなた)」が好みの

   形で補えば良い事になります。

 今回の話は、これで終わりにしますが、ある程度長く陶芸を楽しんでいると、何を造れば良いのか

 迷う時期がやってきます。作品造りに行き詰まったら、書物以外にも出来るだけ、注意を向けて

 造る「ヒント」を探すのも、一つの方法ですので、常日頃、関心を持って物事を見る習慣をつければ、
 
 結構色々発見する事が出来ます。 

次回から、別の「テーマ」でお話します。 
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見る目を養う5(写真を読み取3)

2011-12-26 21:57:30 | 陶芸入門(初級、中級編)
1) 写真からの情報を引き出す。

    写真の作品の見せ所、表現したい所が、なんであるかを推測する。

    最後になりましたが、この事柄が一番重要な事では無いかと思います。

   顱法,海虜酩覆派集修靴燭い里呂覆鵑任△襪里?。即ち作品の「テーマ」と呼ばれる物です。

     今まで他の人がやっていない、新しい表現方法を取り入れたのか、新しい技術、より困難な

     技術に挑戦しているのか、古い技術の再現を目指しているのか、使い易い器(食器)などを

     作りたいのか等が読み取れれば、かなり写真から情報量の読み取り能力が向上している事に

     なります。当然、御自分が作品を作る際には、この点を重視する必要があります。

   髻法,修虜酩覆慮せ場はどこか。

     作品の大きさなのか、奇抜な形なのか、綺麗な姿なのか、更には今までに無い装飾なのか、

     又は釉の色や、焼き締めの肌なのか等々、その作品のポイントとなる所を、見つけます。

   鵝法‐綉の事柄は、作者がどの様な状態で、作品を発表しているかによって、ある程度

     推察されます。例えば、大きな展示会(公募展)などのポスター類であれば、作品の難易度が

     高いはずですから、他の人とは違った表現方法がとられているはずです。

 上記の状態は、見る人が見れば、特別解説が付いていなくても、一瞬にして、認識される事項です。

 但し、馴れない人は、一つづつ確かめながら、メモして行く事です。

 出来れば、スケッチ(略画)程度の絵として、見えない部分も書き出してみる事です。

 尚、寸法が入れば、更に良くなります。

2) 実際に製作に取りかかる。

  造る作品は、そっくり同じ必要はありません。要は写真に載っている作品を参考にして、

  ご自分なりの作品を作る事が、目的だと思いますので、全体を「アレンジ」しても良い訳です。

  今まで述べてきた事を考慮に入れて、作品を作る事になりますが、問題は、焼く窯の大きさです。

  窯に入らない程の大きさの作品は、焼成する事が出来ませんから、先ず完成する事はできません。

  更に、素直に置いた場合、不安定になる形の物も、基本的には焼けません。

  (勿論何らかの工夫をすれば、可能にはなりますが・・)

  ‖い衒を決める。轆轤か手捻り、又はその他の方法か?

   造る(作業)順序を決める。一度で造り上げられる作品ならば、問題有りませんが、急須の様に

   部分部分を造り、集合させて作品に仕上げる場合には、造る手順を考えなければなりません。

   製作に数日を要する場合には、乾燥度合いにも注意が必要になります。

 ◆‥擇亮鑪爐鯀ぶ、練り込み文様である場合は、異なる二色以上の土を用意する必要があります。

   理想的には、同じ土の一方に顔料を入れて、色付けする事が望ましいです。

   下絵付けをする場合には、絵柄が映える様な色の土を選びます。

  作品によってはどの様にして造った物か、不明な場合がありますが、今まで習得した御自分の

   技術を総動員して、挑まなければ成らないかも知れません。勿論、相談出来る人がいたら、

   知恵を出してもらう事です。

以下次回に続きます。
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見る目を養う4(写真を読み取2)

2011-12-25 21:57:26 | 陶芸入門(初級、中級編)
1) 写真からの情報を引き出す。

  ァ〆酩覆領側を推察する。

    一方向から撮影された写真からは、裏側は推測するしか方法はありませんが、作品は一番良い

    部分を正面として、撮影されていますので、良く出来ていても、表と同程度の出来と

    思われます。裏面だけ特別凝った形や、造りでは無いと思われます。

    但し、後で述べる装飾などは、注意する必要があります。

  Α〆酩覆梁い衒を見極める。

    その作品がどんな方法によって、造られているかを見ます。即ち、轆轤(電動、蹴り)か、

    手捻りか、型を利用した物か、又は、鋳込み成型によるものかを、ある程度推測します。

   顱法″橄發鮖藩僂靴討い訃豺腓蓮円形又は、その組み合わせの形の物が多いです。

   髻法ヽ僂个辰新舛筺不定形の場合には、手捻りに拠る場合が多いです。

      背の高い場合には、紐造りなどの方法で、平らな場合は板造りが考えられます。

   鵝法‖舂明宿覆篩叛宿覆隼廚錣譴訃豺腓砲蓮鋳込みや機械轆轤が考えられます。

      作品の大きさの割りに安価な場合には、この様な方法で、製作したとも考えられます。

      特に旅番組などの、旅館で使用している器は、型物が多いです。

   堯法^豸して、とても手が込み、手間隙が掛かったと思われる作品は、特別な方法で、

      製作したかも知れません。場合に拠っては、製作する為に、特別の道具(用具)が必要かも

      知れません。

    これらはあくまでも推測であり、当然、その通りの方法で作る必要もありません。

  А〜飾や付属物を見る。

   釉に拠る装飾も有りますが、ここでは、生の状態に施したと思われる、装飾方法を言います。

   顱法〆酩壁縮未忙椶気譴拭⊆茲衂佞韻篥修衂佞永、各種の削り、作品の変形などです。
 
    形が、左右(上下)対称でない場合は、何処が違っているかも、見て取って下さい。

   髻法)楝里紡个靴董付属物(例えば蓋や、敷き台など)も見逃すわけにはいきません。

   鵝法〆毛目や化粧掛けがしてあると思われる場合には、それがどの様に施されているかも

     確認しておく必要があります。

  ─‥擇亮鑪爐魍稜Г垢襦先ず陶器又は磁器を判別します。

    写真を見ただけでは、判別できない可能性も大きいです。何度も言う様に、写真通りに造る

    必要はありませんので、製作が容易な陶器(粘土)の方が良いでしょう。

    土の色と質感が大切ですので、どの様な土を使うかを決めます。

   釉を確認する。

    先ず、釉薬が掛けられているかどうかを確認します。釉薬が掛けられている場合には、

    絵付けが施されているのか、釉薬のみで処理されているのかも確認します。

    どんな釉をどの様に掛けているかは、素焼き後の事ですので、直ぐに必要とする事項では

    有りませんが、ある程度頭に入れておきます。

    土の色の違いによって、同じ釉でも色に差がでます。

    写真の作品の見せ所、表現したい所が、なんであるかを推測する。

以下次回に続きます。
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見る目を養う3(写真を読み取1)

2011-12-24 22:24:46 | 陶芸入門(初級、中級編)
プロの棋士(将棋を指す人)は、盤上の駒の様子を一目みて、数十手(又は百手)以上の指し手が、

一瞬の内に頭に浮かぶと言われています。

有る程度一芸に秀でた人は、どの場面であっても、最良の手(手段)や情報が、一瞬で読み取れるとも

言われています。陶芸でも、有る程度の経験を積めば、大なり小なり、この様な状態になるはずです。

前々回お話した様に、何処かで見掛けた写真や、作りたい作品の写真から、情報を読み取るには、

どんな視点で、写真を見たら良いかを述べたいと思います。

1) 写真からの情報を引き出す。

   ー命燭僚仆

    陶芸関係の雑誌(本)などに載っていたもの、有名作家の作品集、個展や展示会等のカタログ、

    日展や工芸展などの公募展の入選作品カタログや宣伝写真、料理関係の書物、新聞に載った

    写真、その他ポスター類など、結構数多くの陶芸関係の写真などを、見つける事が出来ます。

    大部分はカラー写真が多いですが、中には白黒写真の物もあります。

  ◆ー命燭遼膺堯(当然、枚数が多い程、情報量は増えます。)

    有名作家の作品集では、一つの作品を角度を変えて、撮影している場合も多いですが、

    一方向からの撮影したものが、大部分です。

   その作品の用途を見る。作品に名前が付いている場合は、その名前えから、それが何であるかを

    推定できますし、料理などが盛られていれば食器ですし、花が活けてあれば、花瓶類と

    と判断できますが、その様な手掛かりが無い場合には、その形状から推測する事になります。

    一般には、後者の方が多いかも知れません。特にオブジェ的な作品は、用途を考慮せずに、

    単に美的対象としている場合が多いからです。

  ぁ〆酩覆梁腓さを推定します。

    高さ、幅、奥行きなどの寸法が記載されている場合には、明確になりますが、高さのみの

    表示や、全然明記されていない場合も多いです。この場合、その周囲に比べる物がある場合は

    大きさが推測されます。例えば、食器などに料理が盛られている場合は、その料理の量や、

    食材から、器の容量や大きさが推測できますし、花瓶なども活けてある花の大きさから、

    推察できます。但しこの様に、都合の良い場合は、少ないです。

   顱法,修辰り同じ大きさに作る必要もありません。

     写真から大きさが割り出せなくても、御自分が作りたい大きさに、造れば良い事です。

     即ち、相似形に造ると言う事です。

   髻法―帖横の比率を割り出す。

     写真をそのまま定規で、採寸するのですが、写真の撮り方によって、若干寸法が違ってきます。

     真横から撮影した場合には、ほぼ採寸通りですが、斜め上から撮影した場合には、縦方向が

     短く写っているはずですので、採寸を補正する必要が出てきます。

     採寸した寸法に、ある数を掛け合わせて、出来上がり寸法にしたり、生の作品の大きさに

     します。(写真は当然、縮尺されているはずです。)

  ァ〆酩覆領側を推察する。

以下次回に続きます。
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見る目を養う2(轆轤作業)

2011-12-23 22:13:33 | 陶芸入門(初級、中級編)
1) 製作過程に注意する

  手捻りでの製作では、手を止めて全体をじっくり眺めてから、次の作業にとり掛かる事が可能です。

  しかしながら、電動轆轤の様に、回転している作品に、大量の水を使いながら、作陶する時には、

  時間的余裕も有りません。その事が心の余裕を無くす事に繋がり易いです。

   ″橄盧邏箸貌襪譴討い覆なは、次々に変化する作業手順と形の変化に、気を取られ製作中の

    作品が、今どの様な状態で、どの様な危機に直面しているかを、見落としがちになります。

  ◆〜瓩っ奮で、危うい状態を察知して、その対応(対策)を行う事で、危機を乗り越える事が

    出来るのですが、危機が広がった段階で、気が付く事が多いです。

   良く起こる現象は、以下の事項です。

   顱法‥擇鮠紊某ばした時に、全体がふら付く事。

   髻法/ばした土の上面の高さが、狂っている事。

   鵝法/ばした土の途中の肉厚が、極端に薄くなっている事。

   堯法\什酖喘罎虜酩覆法拠(よ)れが発生しかけている事。

   ) 皿などの場合、作品の底の周辺が落ちてきている事。

   ) その他、轆轤のスピードが早すぎる場合や、遅すぎる為に、轆轤作業が上手くいかない事。

   などが挙げられます。当然、この現象に対する対処法はありますが、早く気がつかなければ、

   良い結果は得られません。(尚、ここでは、それらの対処方は、省略します。)

2) これらの危険をいかに察知したら良いのか。

   人は視覚が発達している為、目で見て確認し、発見(察知)したい処ですが、目では誤魔化される

   危険性も有りますし、何処を見ているかによっても、発見が遅れる恐れがあります。

   〆邏箸六悗鮖箸事が基本ですので、指の触覚で察知すべきです。

    製作作業しながら、肉厚や振れ、狂いを見つける事は、馴れない方には、意外と難しいかも

    知れませんが、轆轤作業では、必要な技術ですので、会得しなければなりません。

  ◆^豸撞枡れて、作品全体を見渡す事。

    上記の様に、作業中に察知できる事が理想ですが、無理の場合には、一呼吸入れて全体を見渡す

    事です。但し、轆轤は回転させたままにしておきます。回転している方が、狂いが発見し易い

    からです。肉厚を見るにも、両手の指を向かい合わせにして、下から上に撫ぜ挙げれば、

    肉厚の差が、指で測る事が出来ます。

   ・ 場合に拠っては、轆轤の前から離れて、遠くから眺めると作品がどんな状態に成っているかを、

     判断できます。

   指導者のいる場合には、狂いを指摘してくれるかも知れません。

    但し、指導者が必ずしも、指摘してくれるとは限りません。有る程度轆轤に馴れてきた人には、

    あえて失敗させる事も、指導の一環に成るからです。失敗原因が何であるかを、本人に自覚(発見)

    させる事が大事だからです。何度も同じ失敗を繰り返す様な場合には、指摘する必要がありますが、

    言葉による、人の意見は意外と聞き流してしまいがちです、何度も同じ事を言われるのも、

    言う方も、言われる方も、余り気持ちのいい物では有りません。

以下次回に続きます。
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見る目を養う1(始めに)

2011-12-22 21:50:27 | 陶芸入門(初級、中級編)
あの人は「人を見る目がある」とか、「物を見る目がある人だ」とか言う事があります。

一般に、「見る目」とは、本物と偽者を見分ける目や、良い物か余り良くない物かを、見分ける時に

使う言葉です。長年かけて自然に身に付いたものともいえますが、普段の努力の結果ともいえます。

陶芸の世界でも、「鑑定(識別、鑑別)する目」を身に付けた方は、鑑定家としてあがめられている

場合も多く、その為には、良い作品を見る事や、実際に作品を購入し、失敗を繰り返す事により、

経験を重ねる必要があると言われています。

但し、今回のテーマは、この様に「鑑定の目」や「美的感覚」を身に付ける事とは異なります。

最初のテーマは、自分が現在製作中の作品が、どの様な状態にあるのかを、認識する為の目を

養う事です。

1) 製作に夢中に成っていると、作品の不備が見え難く、どんどん悪い方向に進んでしまうと言う

   事をたびたび見る機会があります。

2) この様な事が起きない様に、常に目や肌で確認しながら、作業を進める必要があります。

   その為の方法を、私なりに,お話したいと思います。

次に、一枚の写真(図)から、どれ程の情報が読み取れるかという事が、今回のテーマに成ります。

1) 私の陶芸教室では、自由に作品を作らせていますが、各自オリジナルな作品は、中々思いつかない

   事が多く、陶芸の書物や、雑誌の切り抜きや、町中や、テレビ番組で見掛けた作品などを、

   参考にして、作品を作る事も稀ではありません。

  (教室によっては、雑誌などの持ち込みを、禁止している所も有るようですが、私の所では自由に

   させています。)

  ,海陵佑丙酩覆鮑遒蠅燭い函⊆命燭鮓せられた時、そこからどれ程の情報が引き出せるかは、

   本人や見せられた人の経験や技量が、試される事に成ります。

 ◆‘芸関係の雑誌などで、作品の大きさ、粘土の種類、作り方、装飾の施し方、釉薬の種類や

   作る際の注意点まで、記載されている場合は、さほど問題がありません。

   (但し、その記事の意味が出来ない人も、意外と多いのですが)

   問題と成るとすれば、使っている釉薬が、その作者のオリジナルな釉であるかと言う事です。

   そうであれば、まったく同じ様な釉には成りません。これは仕方ない事なので、代用品で

   間に合わせる事に成ります。

  情報が限定的な場合

   写真と共に、作品の名前(用途)や、大きさなどの情報が有る場合には、有る程度、類推しながら

   同じような作品を作る様に、指導する事が出来ます。

 ぁ々垢法⊂霾麥未少なく、写真のみの場合も多いです。勿論実物の寸法が記載されていない事も

   多く、写真の反対側も、類推するしかありません。

 ァー命燭睫気、うろ覚えのスケッチしかない場合も有ります。
 
   先ほど申しました、テレビ番組(料理、旅番組)などで、何処かで見た(しかも一瞬)物を

   スケッチした物の場合、情報量は極端に少なくなります。そのスケッチを見せられ、この様な

   作品を作りたいと、相談された時、本人の望む形や装飾、色に仕上げるのには、それなりの

   「見る目(読み取る目)」が必要に成ります。


今回はこの様な場面に遭遇した場合の、対処の仕方を述べたいと思います。

以下次回に続きます。
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