5) 土殺し(センター出し)
ⅲ)土殺しの実例
a) 土殺しの延べ上げは、出来るだけ土を高く上に伸ばす事。 十分土が濡れて手が滑る事が大切です。 両手は均等の力で土の中心方法に押し、手を徐々に上に移動させます。 急いで上げると、土はらせん状の筋が入ります。手が止まるとその部分のみが細く 成ります。力の入れる場所は、両手の掌全体又は、小指の付け根付近です。 (人によって異なる)轆轤に据えた土は麓付近が大きく(太い)先端に行く程細く なるのが普通です。その為、麓付近では力を入れ、上部に行く程力を弱くする必要が あります。成るべく左右均等(シッメトリー)の形にします。 特に最上部(頭)が左右いずれかに傾いていない事です。出来れば両腕の肘は太もも に固定する。土の量によっては、肘が固定できない場合もあります。 b) 力を入れた場合、土が熱を持つのは手が十分に土の上を滑っていない証拠です。 この場合は、両手の締め付けを弱めると、表面上の泥が土全体に回りますので、 再び手が滑る様になります。 c) 延べ下げは、延べ上げた土の頂点の肩の部分を斜め前方に押し倒します。 その際、右手の親指の付け根付近を使います。(轆轤が右回転の場合)左手は土の 中央付近を軽く押さえます。(手を添える程度) そうすると、延べ上げた土は回転しながら下に落ちていきます。その際右手の指で 土の外側を抑え土が「ブレ無い」様にします。 初心者には多い事例ですが、土の真上から押し込むと、土は歪み綺麗な円が出ません。 d) 土殺しの回数は決まっていませんが、使用する量の土の円周を左手で抱え、手が 停止していれば(手が動かなければ)完了です。但し、最低でも3回は行います。 e) 轆轤上の土の全体を土殺しする際、難しいのは、轆轤に接している土が綺麗な円に ならない事です。轆轤面より上部の土は比較的自由に移動可能ですが、轆轤面に接している土は、自由に動く事が出来ない為です。どうしても轆轤面の土が真円に成らない
場合には、竹ヘラやカンナを使い,はみ出た部分を削ぎ落します。
以下次回(轆轤で起こるトラブル)に続きます。