わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

茶道具 菓子器 1

2010-06-30 22:24:26 | お茶と「茶の湯」と茶道具(茶陶)
菓子器について、お話致します。

  茶事に於いて、お菓子もまた重要な物となります。

  菓子は、抹茶を頂く前に、胃を保護し、お茶をより美味しするの物で、味覚を楽しむ為に出されます。

  四季折々の、菓子を用意し、客をもてなす事は、もてなす側の、センスと腕の、見せ所と成ります。

 ・ お抹茶を頂く前には、必ず和菓子を、頂いてから、お抹茶を頂きます。

   そのお菓子を入れる容器は、焼き物の鉢や、漆器のお重の様な物など、色々あります。

 ・ 菓子器には、濃茶用の主菓子器と、薄茶用の干菓子器が有ります。

   主菓子(おもがし)と、干菓子(ひがし)では、使われる菓子器の種類が違います。

   主菓子は、陶器や塗りの深めの器で、干菓子は、籠や塗りの皿など、平らな菓子器が使われます。

 ・ 現在では、薄茶に主菓子や干菓子を、組み合わせて、出される事もあります。

1) 主菓子器

   焼き物と、塗り物があります。一般的には、焼き物は、風炉の時期に、塗り物は炉の時期に

   使います。

   主菓子は、懐石同様に、一人一器を原則とし、最も正式な主菓子器は、菓子椀を用います、

   一椀ごとに、杉楊枝と、黒文字を箸一膳として添えます。

   又、改まった折に、使われる縁高(後述)、朱三足高杯(たかつき)等や、蓋のある食籠(じきろう)も

   あります。

   主菓子は生菓子ともいい、饅頭や餅菓子、羊羹(ようかん)、練切などの、ボリュームのある

   お菓子が使われます。

2) 干菓子器(ひがしき)

   塗り物、金属製、木、竹などで、蓋の無い物もあり、形も様々です。 

   干菓子用には、塗物や木地物が多く使われます。焼き物は、少ない様です。

   干菓子とは、乾いた菓子の事で、有平糖(ありへいとう)、煎餅(せんべい)、打物(落雁など)、

   押物などがあります。 (上記菓子が、どの様な物かの説明は、省略します。)

   干菓子の盛り込みは、一種、二種、三種類を盛る事があります。

   二種あれば二種、三種あれば三種を、一つ一つ取ります。

   客の人数よりも、多目に盛って客に出します。客は手で菓子を取るります。

3) 菓子器には、様々な色や、形(デザイン)、更に、素材がり、茶道具と、どう合わせるかを

   考えるのも楽しみの、一つです。

  ① 食籠(じきろう): 客数の菓子を盛り入れ、菓子箸、又は、黒文字箸を、蓋上に一膳置いて

    取り回します。

    主に表千家が、使用する菓子器で、漆塗りですが、陶磁器や、籠地の蓋付きの菓子器です。

   ・ 食籠は温かい菓子の時、又は、腰掛などで出す際に、使用するのが良い様です。

  ② 縁高(ふちだか): 菓子器の縁が、高くなっているので、縁高と言います。

   ・ 五段重ね(重箱形)の器です、一番上の段には蓋がついています。 

     6寸の長めの、黒文字楊枝を、一人一本、人数分つけます。

   ・ 正客 は、最下段から順番に採り、次客へ送ります。

     五重(五人分)が正式で、菓子は 一重に一個ずつ入れます。

     客数が増えると、一重に、複数盛ります。

  ③ 菓子碗: 朱塗縁金の、やや低目の蓋付椀です。最も正式な、菓子器とされる物です。

    又、焼き物の、蓋付きの、円形の菓子碗も、有ります。

  ④ 銘々皿: 菓子椀と縁高の扱いを、簡略した物で、銘々盆と皿があり、一客一器に菓子を盛り、

    楊枝か、黒文字を一本ずつ添えます。

  ⑤ 更に略して、盛込鉢や盛皿があります。

    「盛込鉢」は、1つの鉢に、客の人数分の、主菓子を盛り合わせて、勧める鉢です。

   ・ 大寄せの茶会の時は、主菓子器に数個盛り合わせます。

     平たい鉢や、深鉢など、お菓子が映える物を、使います。

     但し、 大広間の大寄せの茶会でも、大鉢に、たくさん盛り込むのは、避けます。

 以下次回に続きます。

菓子器
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懐石道具 「ぐい呑み」を造る

2010-06-28 22:33:03 | お茶と「茶の湯」と茶道具(茶陶)
ぐい呑みは、湯呑み茶碗より、小さい物で、作り方は、さほど難しくは、有りません。

 但し、抹茶々碗と、同じ様に、気に入った形や、色に仕上げるのには、何個も作る必要があり、

 それなりの、苦労が付きまといます。

作り方は、手捻りと、(電動)轆轤作りが有ります。

1) 手捻りで作る

 ・ 小さな物ですので、玉作り(塊作り)が多いですが、タタラ(板)作りの場合も有ります。

   手作りの際には、手で作った感を、残す様にます。

   即ち、表面を、削りなどで、余り綺麗に仕上げない事です。

 ・ 手捻りでは、形は歪み易く成りますが、この歪みを、上手に、使いたい物です。

   指痕なども、温かみがあって、好まれる場合も、有ります。

 ・ 勿論、轆轤で作った様に、綺麗に仕上げる事は、可能です。

   表面を、カンナなどで、削って仕上げます。

 ・ 手捻りの特徴と言うか、欠点と言うか、同じ形の物は、二度と出来ません。

   作る度に、形が違います。寸法を測ったり、型に押し当てても、乾燥と共に、違いが出てきます。

   特に、数物を作りたい場合には、電動轆轤で作る事を、勧めます。

2) (電動)轆轤で作る

 ・ ぐい呑みは、形は色々有りますが、湯呑みの小型版と言う事で、轆轤作業は、さほど難しい事は、

   有りません。

   但し、口縁に高低差(山道)を付けたり、歪ませたり、胴の部分に、ヘラ目や轆轤目を付けて、

   更には、櫛目や印花紋を付けたり、化粧土を掛けたり、変化を持たせます。

 ・ その他、口縁のみを、極端に肉厚にし、(見た目の)重量感を出す場合も、有ります。

 ・ 即ち、色絵磁器の様な、ぐい呑みなら、色や模様で、変化を付けられますが、釉や無釉の場合では、

   器本体で、勝負する事になりますので、それ成りに、見所を持つ必要が、有ります。

 ・ 四方形や、六角形、分銅形などは、手捻りや、轆轤挽き後に、変形させる事に、成ります。

3) 馬上杯(ばじょうはい)を作る 

 ① 馬上杯は、高台部分を長くし、ここを握って、酒を飲みます。
 
   旅する時、馬上で酒を、飲み易い形にした、杯の事を言う説と、腰高な形状が、馬の上にいる

   形だから、と言う説があります。日本的な物ではなく、大陸から、伝わった形だと、思われます。

 ② 高台が非常に高く、この高台部分を握って、お酒を飲みます。 豪快で野性味のある器です。

 ③ 馬上杯は、器全体を、一度に作る事も可能ですが、一般には、器部分と、高台部分を、別々に作り

   両方を接着させる、方法を取ります。

  ・ 尚、轆轤で一度に作る場合に、胴を細くし、器の底を設けますが、内側の底の中央が、凹みがちに

    成ります。それ故、その中央部に団子状の土を入れ、底を平らにします。

    接着部分が、濡れていると、土が付きませんから、必ず、水やドベを、拭き取っておきます。

 ④ 器部分と、高台部分の径と高さの比が、ポイントと成ります。

   見た目の綺麗さと、持った時の持ち易さ、更に酒が呑み易い、形が必要です。

   又、器部分と、高台部分が、必ずしも同じ形である、必要も有りません。

   上部が丸で、下部が六角形でも、かまいません。

 ⑤ 柔らかい内に、付けると、重みで微妙に歪みが出て、意図せぬ面白みが、出易いです。

 「ぐい呑み」の形状は、人により、好き嫌いが出易いです。

  ご自分で作った、作品を人に差し上げる場合には、十分注意する、必要が有ります。

以上にて「ぐい呑み」の話を、終わります。

以下次回(菓子器)に続きます。
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懐石道具 ぐい呑み 1

2010-06-27 21:20:17 | お茶と「茶の湯」と茶道具(茶陶)
徳利と「ぐい呑み」は、セットに成って、使われます。

 ・ 「ぐい呑み」の名称は、酒をぐいと、一口に飲める杯から、来ています。

   大型の猪口(ちょこ)の事で、猪口よりは大きく、湯飲みよりは、小さい器を指します。

   片手で持ち、肉厚のやや重い、「どっしりした」形の物も、あります。

 ・ 大きさや価格が、手ごろで、素材や形が、色々ある為、「コレクション」にする愛好者も多いです。

   又、焼き物の、道楽の第一歩(入門)にも、適すしています。

 ・ 杯(さかずき)が、5客揃っているのに比べて、「ぐい呑み」は原則一個づつ、異なった器です。

   茶懐石の席では、趣の異なった、各種の「ぐい呑み」を、客に自由に選ばせます。

 ・ 「ぐい呑み」自体が、鑑賞や話題となり、酒の肴になる器でもあります。

 ・ 小さな物ですが、抹茶々碗と同様に、形や大きさ、色彩など、工夫が凝らされている物が多く

   それなりの、値段になる(高価)物も、多いです。

 ・ 徳利に入った酒(日本酒)は、一般に陶磁器製の「ぐい呑み」(石杯)で、頂きます。

   焼き物以外では、木製、漆器、ガラス製などが有ります。

 ・ 「ぐい呑み」には、数物と一品物が有ります。

   数物は、一式5客で、同じ大きさで、同じ紋様が施されています。

   一品物は、一個一個に特徴があり、それぞれ違った形と、大きさで、更に、色も千差万別です。

 ・ 「ぐい呑み」の、入る量にも、決まりは有りません。

1) ぐい呑みの形と、大きさ

  碗形、筒形、平形、四方形、六角形、分銅形、蕎麦猪口形、馬上杯などの、形があり、大きさも

  色々あります。

  ・ 一般に径は、5~7cm、高さは、5.5~6.5cm程度が多く、この程度が、使い易い大きさ

    だと思われます。 但し、馬上杯(後述)は、やや高めに、成ります。

2) 代表的な産地は、美濃焼き(志野、黄瀬戸、織部)、唐津焼き(絵、斑、皮鯨手)、備前焼き、

   古九谷焼(鍋島焼)などです。

  ・ 無釉の焼き締めは、使うほど、酒が器に除々に、浸み込み、艶と色が変化して行きます。

 ① 黄瀬戸の「ぐい呑み」は、六角形が基本です。(丸い物も有りますが・・)

   手捻り(タタラや玉作り)で造るか、轆轤挽き後、六角に変形させます。

 ② 唐津焼き。 桃山時代の「ぐい呑み」が、今でも多く存在しています。(特に、斑唐津)

   それだけ、茶人に人気が有り、多く作られていた為と、思われます。
 
   ・ 慶長形式と呼ばれる物は、口縁を、意識的にやや強く、歪ませてあるのが、特徴で、皮鯨手の

     技法を取っています。

   ・ 皮鯨手(かわくじらて)とは、唐津焼きの技法で、口縁に掛かった、釉の色が、鯨の皮に

     似ている為に、付けられました。

     実際には、素焼後に、口に弁柄などの、鉄を塗ってから、唐津釉で施釉した物です。

  ③ 鍋島焼は、江戸時代に、伊万里焼を、領有する鍋島藩が、伊万里焼の技術を使い、将軍家や、

    各地の大名への献上品を、焼かせた物で、染付けや、色絵の磁器です。

    (特にこれを、色鍋島と言います。)

    デザインには、絵画調、幾何学文様、図案化された物などが、有ります。

  ④ 織部焼、備前焼の伝来品は、数が少ない様です。

    備前の徳利が多いのに、「ぐい呑み」が少ないのには、少々驚きです。

以下次回に続来ます。 

ぐい呑み
 
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懐石道具 徳利を造る 3

2010-06-26 22:01:07 | お茶と「茶の湯」と茶道具(茶陶)
前回に続き、「徳利を造る」の話を、続けます。

 重たい徳利は、余り感心しません。徳利を持った場合、酒の残量が、予想できれば、最高です。

 その為には、一杯に入っている時と、空の時では、重みに差が有る必要が、有ります。

 ・ 径を大きくすると、肉厚が薄くなると、心配する人がいますが、実際には、ほとんど肉厚は、変化

   しません。但し高さは、確実に低く成ります。

 ②  徳利の轆轤挽きの注意点の、続き

    i) 形を作っている際の、見ている所は、外側の指先近辺です。

      形を見ながら、内側の力を調整します。

      近くで、見ていると、全体の形が、判りません。それ故、轆轤作業に慣れない人は、轆轤から

      離れ、やや遠くから、見ると全体の、形が判ります。

     ・ 轆轤作業は、腰を痛め易い、姿勢ですので、時々作業を中断し、腰を伸ばす利点も有ります。

    j) 肩を張らせる場合には、やや強く、柄コテを持つ手を捻り、内側から、すくい上げる様に

      します。但し、肩を強く張ると、首から上の重みを、支えきれず、内側に落ち込む恐れも

      あります。

      それ故、首の付け根の径を、やや太くし、若干乾燥後に、絞めて、細くする方法を、とります。

   k) 首を作る。 首の長さと、径を決めます。

      首の部分を持って、徳利を持ち運んだり、小さな徳利では、ここを持って、お酌をする場合が

      有ります。それ故、デザイン上の良し悪しと、使い易い形を、両立させる必要が有ります。

   l) 土は、径を細めると、肉が厚く成ります。どんどん細く締めると、撚れが出てきます。

      細くしたら、両手で薄く引き上げ、再度細くするを、繰り返します。

     ・ それ故、内側に、指1本以上入る様にします。尚、高さは、どんどん高く成ります。

     ・ 薄く成り過ぎた土は、径を細くするのは、困難です。細くするには、適度の肉の厚みが、

      必要です。更に径の細い轆轤作業は、回転速度を、早くし、指先を濡らして、手が滑る様にし、

      弱い力で、締め付ける、必要が有ります。

   m) 首から上の土の量が多いと、細くした為に、上部が不安定に、なり易いです。

      量が多いと思ったら、速めに、弓などで、切り取ると、安定します。

   n)  口を作る。一般には、端反りの形が多いです。

      中指または、人差し指を、内側に入れ、指を倒す様にして、口を開きます。

    ・ 玉縁の場合には、 口を一度水平にし、外側を親指で押さえ、人差し指と、摘む様にして、

      外側に、丸め込みます。空気を閉じ込めない様に、注意して下さい。

      玉縁の太さは、土の量と、土の肉厚によって、左右されます。

      最後に、皮で縁を拭き、締めます。

    ・ 注ぎ口を設ける場合には、右利きの人は、左手の親指と人差し指を、口の外側に当て、

      掌を自分の方に、向けます。右手、人差し指を、口の内側に当てて、右手の人差し指を、

      手前に、やや回転気味に、引き出します。

      大きく引き出すには、各々の指の位置を、下の方に置きます。

    ・ 土は乾燥すると、元に戻ろうとする、性質が有りますので、やや強めに形を、作ります。

 o) 内側の底の水は、必ず、柄の付いたスポンジで、吸い取って下さい。

   内部に水が残ると、必ず、底割れが生じます。

 p) 糸で切り離し、乾燥後、底を削ります。口が小さいので、「シッタ」を使います。

 q)胴の部分を、変形させる場合には、表面の「ベトツキ」が、無くなったら、作業します。


 以上で、「徳利を造る」の話を、終わります。

 次回は、「ぐい呑み」に付いて、述べます。     
    
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懐石道具 徳利を造る 2

2010-06-25 21:22:54 | お茶と「茶の湯」と茶道具(茶陶)
前回に続き、「徳利を作る」の話を、続けます。

 ③ 徳利には、酒が冷めにくい、陶器が向いています。

   現在では、電子レンジを使い、熱湯でお燗する事は、少なくなっていると、思います。

  ・ 磁器製は、肉が薄く、更に熱伝導が良いので、暖め易く、冷め易い性質が有ります。

    それ故、熱くて持てない場合や、直ぐに冷めて仕舞いがちです。
 
  ・ 陶器は、やや肉厚な事と、熱伝導が、磁器より悪いので、冷え難い、利点が有ります。

2) 徳利を作る

  手捻りと、電動轆轤(ろくろ)で作る、方法が有りますが、電動轆轤の方が、綺麗で、肉が薄く

  出来ます。それ故、ここでは、轆轤で作る方法を、述べます。

  ・ 徳利の形の、構想が出来たら、いよいよ製作に、取り掛かります。

 ① 準備

  ) 土を選び、土の量を選びます。轆轤で作る場合、数挽きと、一個挽きが有ります。

    一塊の土から、数個の作品を、作るやり方と、一個の作品を作る方法です。

    その方法の違いで、土の量も変化します。

  ) 土を良く練り(特に菊練)、気泡を抜きます。

    これを轆轤上に据え、轆轤面に密着させ、底に水が、浸み込まない様にします。

    轆轤挽きする方法は、何度かお話していますので、ここでは、省略し、注意点のみを、記したいと、

    思います。

 ②  徳利の轆轤挽きの注意点

  ) 徳利は、袋物と呼ばれる、形の物です。

     即ち、胴が広がり、肩が有り、更に首が細くなった、形です。

  ) 胴を広げてから、肩を張ったり、首を細めるのは、轆轤に成れない人には、大変難しい

     作業と成ります。それ故、形作りは、以下の順序で行えば、より容易に作業できます。

  ) 土を薄く上に粗く伸ばしたら、形作りに入ります。

    a) まず、首の太さを、設計寸法より、やや太めに取ります。

      胴は、柄コテを使い、膨らませますので、柄コテが容易に入る、太さにしておきます。

    b) 手の入らない、内部から、形を整える道具が、柄コテです。

      柄コテは、木の棒の先端近くの、側面に、凸状の出っ張りが、付けられています。

      突起の大きさや、柄の長さなど、色々な形があります。

    c) 使い方は、コテを水に濡らすか、コテの先に、布切れを巻きつけ、水を付け、水切れを、

      防ぎます。布を巻く場合は、巻く方向に注意します。轆轤の回転で、布が解けない様に

      巻きます。即ち、轆轤が右回転ならば、布も右回転に、巻きます。

    d) 柄コテは、片手(右手)で、鷲掴み(わしずかみ)にし、右手の肘は、太ももに付けて、

      固定します。コテを底に、強く押し付けると、底に孔が開く、恐れがありますから、

      底に触れ無い様に、浮かせるか、軽く押し当てます。

    e) コテの凸部を、内側に軽く押し当て、外側の左手と、向かい合わせます。

      その際、内側のコテをやや下にし、内外の位置に、上下の差を設けます。

    f) コテを持つ右手の、親指を外側に、小指を内側に成る様に、捻りを入れ、内側の壁を、押し出し

      膨らまさせます。左手は、外側を撫ぜる程度で触り、内側から押されたら、外側に

      逃げます。外側が、逃げないと、膨らみませんから、注意して下さい。

      (慣れない方は、外側が強くて、胴が膨れない場合が、多いです。)

    g)  コテと左手は、その上下差を、維持したまま、下から上に移動させます。

    h) 力の入れ具合も、大切です。強い力ですと、一部が急に膨らみ、作品が振ら付きます。

      回数を重ねて、除々に、膨らませます。一番膨らむ場所を、どこにするかによって、

      作品の、形は大きく、変化します。

      土の厚みは、下段ほど肉厚で、上に行く程、薄くなっているのが普通です。

      それ故、下部ではやや、力を強くし、上部へ行く程、力を抜く必要が有ります。

 以下次回に続きます。      
 
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懐石道具 徳利を造る 1

2010-06-24 21:31:13 | お茶と「茶の湯」と茶道具(茶陶)
茶懐石以外で、酒を飲む店や、一般家庭でも、日本酒を飲む場合、徳利を使用します。

 ・ もっとも、現代の若者は、酒の種類が、多様化している為、余り日本酒を、飲まないかも知れません。

   まして、燗をした酒を飲む方は、更に、少ないと、思います。

 ・ それ故、徳利の出番は、限られて来ていますが、まだまだ、燗をした日本酒が、好きな方も多いと、

   思います。

 ・ 自分の造った、「徳利」と「ぐい呑み」で、酒を飲むと、更に、酒が美味しくなると、

   感じられるはずです。

1) 徳利の作り方

   作るに当り、前もって、考えておく事項が有ります。

 ① 酒の入る量

   どの位の量にするのかを、決めます。

   一般には、1合(180ml)、1.5合、2合、3合位ですが、1~2合が多いです。

   (手酌で一人で呑む場合は1合で、呑む相手が居る場合には、2合位が、最適な大きさに成ります。

    3合と成ると、人数の多い時や、酒豪の方などの、徳利と成ります。)

 ② 徳利の形を決める

  ) 徳利の形には、蕪(かぶら)形、らっきょ形、肩衝き、芋徳利など、幾つかの形があります。

     又、形によっては、一見量が多く入る様に目、実はたいして、入らない形や、逆に、入らなそうで、

     かなり入る形も、あります。

     前者は、飲み屋の徳利で、肩の無い、細長い形で、上げ底に成っている物が多いです。

     後者は、 ベタ高台で、背は低いが、胴がやや太く、肩の張った形をしている物です。    

  ) 変形させるかどうか

   ・ 口縁に、片口の様な、注ぎ口を設けるか、設けないか?

     注ぎ口が有る場合、右手でも、左手で持つとしても、使い勝手が、決まってしまいます。

     即ち、注ぎ口と直角方向が、作品の表または、裏と成ります。

   ・ 注ぎ口が、無い場合は、どの位置でも、注ぐ事が出来ます。

     即ち、手を持ち替える必要が無く、気楽に使用できます。

   ・ 胴の部分を、握り易い様に、変形させる場合

     握り易くすると共に、酒の量を少なくさせる、効果が有ります。

  ) 徳利に、酒を入れ易い形にする事

   ・ 酒の量を、予め、計量カップで、測った後、徳利に酒を入れる場合は、問題ありませんが、

     一般には、一升瓶や、酒のパックから、直(じか)に徳利に注ぐのが、普通です。

     その際、入れ過ぎて、口からあふれ出ない様に、何らかの、対策を取る必要が有ります。

   ・ 例えば、首の部分を、やや長めにして、水位が除々に上がって来るのが、見える様にしたり、

     首より上の部分を、やや太くし、そこに酒が溜まるようにして、あふれるのを、防ぎます。

     首が短く、首から上の口縁部が、狭い形は、あふれ易い形と言えます。

  ) 「ぐい呑み」や、猪口に、注ぎ易い形にする事

    相手が持った「ぐい呑み」に、酒を注ぐか、卓に置いた、自分の杯(さかずき)に、

    注ぐ事に成ります。その際、手元が狂い、杯と徳利の注ぎ口が、離れると、問題です。

    それ故、徳利の口縁は、端反り(外側に開く)で、杯と徳利の口縁同士が、滑っても、引っ掛かる

    様にします。 鶴首や、瓢箪形の様に、縁が真っ直の場合には、引っ掛かりが、ありませんので、

    注意が、必要です。
     
 ③ 徳利には、酒が冷めにくい、陶器が向いています。

以下次回に続来ます。

 徳利を作る
   
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懐石道具 徳利 2

2010-06-23 22:35:11 | お茶と「茶の湯」と茶道具(茶陶)
前回に続き、茶懐石の徳利について、お話致します。

 酒を飲む際、一献目と、二献目は、必ず燗鍋で、出しますが、その後は、徳利と石杯(ぐい呑み)が、

 用いられます。

3) 徳利の産地

 ③ 祥瑞(しょんずい)の徳利

   1630年代に、中国の景徳鎮で焼かれた、磁器製の焼き物です。

  ) 形は、瓢箪(ひょうたん)型が多く、この形は、中国人の好みで、多く造られています。

     この形が、好まれる理由の一つに、酒を注ぐ際に、「とくとく」と、音が出て、楽しむ事が

     出きる為と、言われています。

  ) 景徳鎮の徳利の特徴は、高台は丸くし、内側をかまぼこ型に、削り出します。

     注ぎ口は、鶴首の様に、やや長めで、表面を面取りした、形もあります。

  ) 藍色の呉須で、表面全体に、緻密に模様が、描かれた、古染付け磁器です。

     (これらも、日本からの注文による物も、多いです。)

 ④ 粉引の徳利

   15~16世紀に、李氏朝鮮に於いて、作品を白化粧土に、「ずぶ漬け」し、透明釉を掛けた陶器が、

   流行します。我が国では、この様に作られた作品を、粉引(こひき)と呼びます。

   粉引の預け徳利が、茶人の間で、人気を博しました。

  ) 粉引の特徴

    柔らかい、土味が特徴で、使い込むほど、酒が肌に浸み込み、いわゆる、「雨漏り」と呼ばれる

    景色が現れ、これを、特に賞賛します。この「雨漏り」が、茶の寂びた趣を、高めます。

    又、粉引は、焼きが甘い為、透明釉が、所々剥落し、これも景色として、珍重されました。

   ) 「らっきょ」型の、徳利は、14世紀に、最初中国で「玉壺春」(ぎょっこしゅん)と呼ばれ、

      流行しますが、やがて朝鮮でも、流行(はやり)出します。

   ) 粉引の中でも、鉄絵の絵粉引が、最上級として、評価されています。

 ⑤ 古九谷の徳利

   古九谷は、景徳鎮の祥瑞を、手本に、製作されます。それ故、瓢(ひさご)型の徳利が、多いです。

   上絵付けで、赤、青、黄の色を使い、唐獅子などの、模様を描いています。

   ・ 五彩手(赤、青、黄、緑、紫)の、徳利が多く、茶懐石を華やかに、演出する一品と成っています。

4) 徳利の形ち

  瓢(ひさご)、鶴首、らっきょ、蕪(かぶら)型、芋(いも)徳利、肩衝(かたつき)、船形、面取り、

  角形などが、あります。

5) 酒(燗)の温度

   一般に、酒は温めて出されます。その際、前述の「チロリ」を、熱湯に入れ、約50℃程度に温め、

   更に、燗鍋や、徳利に移します。それ故、40℃程度に成ると、思われます。

   若干「ぬるい」感じかも、知れません。

   勿論、好みや、季節によって、酒温を調節する事も、可能で、決まりは有りません。


以下次回に続来ます。
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懐石道具 徳利 1

2010-06-22 21:39:40 | お茶と「茶の湯」と茶道具(茶陶)
懐石料理にも、お酒(当然、日本酒)が出てきます。

一汁三菜の膳には、燗鍋(かんなべ)に入れられたお酒と、朱杯(しゅはい)と呼ばれる、杯(さかずき)

が付きます。(最初から、膳に載って居る場合と、後から人数に合わせて、持って来る場合が有ります。)

 ・ 燗鍋とは、鉄、銅、錫などの、金属製の銚子の一種で、急須の様な形(但し、把手は真上)をし、

   そのまま、お燗ができます。「チロリ」と呼ばれる事もあります。

   本来、「チロリ」は、金属製のコップ型に、把手の付いた形で、酒を温める道具を指します。

 ・ 朱杯とは、朱漆塗りの、木杯で、大変浅く出来ていて、両手で持たないと、こぼれる恐れが有ります。

   (大きさは、径が9cm、高さが2~2.5cm位です。)

この膳に供される、酒の量は、わずかです。それ故、酒の量が、足りなさそうと、思ったら、

この膳の終了と共に、預け鉢と、強肴(しいざかな)が、出され、亭主は酒を入れた「徳利」と、

「ぐい呑み」を、提供します。

 ・ 「ぐい呑み」は、焼き物(陶磁器)を使用しますので、石杯と呼びます。

   「ぐい呑み」に付いては、後日お話致します。

 ・ 燗とは、お酒を温める事ですが、現在では、冷酒の場合も、多い様です。

1) 徳利の出現

  本来、茶の湯の懐石には、徳利は出てこず、提供されても、ほんの脇役に過ぎませんでした。

   (前述の、燗鍋と朱杯が、本来の姿です。)

  茶懐石に本格的に、徳利とぐい呑みを、取り入れたのは、古田織部との事です。

  徳利の出現により、茶懐石で、気楽に多量の酒が頂け、好評に成ります。

2) 徳利と、預け徳利

 ① 徳利の、使い易い大きさは、高さが、15~18cm位で、容量は、1合(180CC)程度です。

 ② 預け徳利は、腰や肩の張った、形をしていて、2~3合入る、大きな器です。

   亭主が、酒を注いで回ずに、客に徳利ごと、預ける事から、この名前がつきました。

   このスタイルは、客が存分に酒を、飲む事が出来る為、大いに受けた様です。

3) 徳利の産地

 ① 備前焼、唐津焼、古九谷焼、祥瑞(景徳鎮)、粉引(こひき、李氏朝鮮)等が有ります。

 ② 備前焼の徳利は、大変人気の有る物です。但し、桃山時代の徳利は、少ないそうです。

   無釉の備前焼は、使うほどに、渋い地肌が、落ち着きが、出て来ます。

   火襷(ひだすき)や、自然釉の胡麻、牡丹餅風の模様(器を寝かせて焼く)の他、口造りも、

   玉縁で、山道(口の凹凸)風に、うねって(起伏)います。

   注ぎ口は、特別、設けない形で、どの位置でも、注ぐ事が出きる、利点が有ります。

   底は平底(ベタ)です。

 ③ 唐津焼の徳利は、和物としては、備前焼と並び、人気の有る物です。

   絵唐津、斑(まだら)唐津、朝鮮唐津に、分類されますが、特に、茶人には、朝鮮唐津が、

   珍重されています。

  ・ 朝鮮唐津: 黒い鉄釉の上に、藁(わら)灰による白濁釉を、掛けた物で、ニ種類の釉が

    混ざり合い、独特の趣が、茶人に喜ばれました。

  ・ 作り方は、叩き造りが、基本です。

    即ち、内側に、当て板を置き、外側から、叩き板で、胴を締めながら、成形する方法です。

    叩き板に溝が彫られ、より強く締める、働きをします。この溝が、表面の模様に成る事もあります。

以下次回に続きます。   
  
    
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懐石道具 預け鉢

2010-06-21 21:54:31 | お茶と「茶の湯」と茶道具(茶陶)
懐石道具の、預け鉢(あずけばち)とは、一汁三菜の料理が済んだ後に、

更に、亭主が客をもてなす為に、用意する、料理を盛る器で、深鉢や、平鉢が多いです。

 尚、預け鉢の名は、客が自由に、食せる様に、料理の入った、鉢を客に、預けた為に付いた、

 と言われています。

 ① 現代の茶事では、一汁三菜に加え「預け鉢」、或いは「進め鉢」と称して、もう一品、

   炊き合わせ等の、料理が出される事が普通です。

 ② 焼物と同様に、大きめの鉢に、盛り合わせた料理を、天節(止節、節が持ち手の端にあるもの)

   の取り箸で、各自が取り分けます。

 ③ 尚、流派によっては、「預け鉢」そのものを、「強肴(しいざかな)」と称する場合もあります。

   「強肴」とは、酒の肴(さかな)となる物です。うにや塩辛などの、珍味が用意される事が多い様です。

 ④ 預け鉢に盛る、料理には、 決まった物は、ありません。

   「炊き合わせ」や酢の物、浸し物、煮物、冷やし物、和え物、揚げ物などで、他と重ならない様に

   選びます。

   炊き合せ(たきあわせ):食材を、別々に煮て、それを一つの器に、盛り合わせた、煮た物の事を、

   言いますが、煮物とは、区別されます。

   煮物は、煮物碗に盛られますが、炊き合せは、預け鉢に盛られます。

    (関東で煮物といった場合には、大煮物と小煮物に分類されます。

     大煮物とは、一つの材料を、大きな鍋で、長い時間をかけて、煮た物を指し、

     小煮物は、色々な材料を、一緒にして、少量を即席に煮た物をいいます。)

   「鉢肴(はちざかな)」、「強肴(しいざかな)」といって、献立以外の料理を出す場合もあります。
 
 ⑤ 強肴は、本来懐石料理になかった物ですが、こんな珍味があるのだから、もっと酒を飲もうと、

  強いる事から、そう言われています。

1) 預け鉢

 ① 預け鉢には、菓子器にも使える、少し深めの鉢を、使う事もあります。

   大きさは、径が20~30cm位、高さが、10cm前後の物が、使い易いようです。

   平鉢の場合には、高さが、5cm前後が多いです。

   又、深い器の場合、料理が取り易い様に、端反(口縁が外に反り返っている)に成っています。

 ② 料理を取り回されている途中でも、美しい器形や、絵柄が見える様に、工夫されています。

2) 預け鉢の種類

  預け鉢で有名なのは、黄南京(きなんきん)、染付け(祥瑞、しょんずい)、呉須赤絵、青磁です。

  その他に、古九谷、絵唐津、備前焼や、京焼等が有ります。

  特に京焼には、尾形乾山、永楽保全、仁阿弥道八などの、色絵に名品が多いです。

以上で「預け鉢」の話を、終わります。

次回は、酒器である、徳利について、述べます。
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懐石道具 (焼物鉢 古染付、金襴手)

2010-06-20 22:06:33 | お茶と「茶の湯」と茶道具(茶陶)
 前回に続き、焼物鉢について、述べます。

1) 古染付けの特徴

 ① 古染付けは、向付と同様に、日本の茶人が、中国の景徳鎮の、民窯で造らせ、輸入した物です。

 ② 注文の際、絵や図面を添付して、細かく指示しています。

   それ故、器の形などは、日本的な物が、多いです。

   織部風の手鉢の器形や、富士山を型取った形、結び文(玉章=ぎょくしょう)の形等です。

   但し、織部の手鉢は、脚が付いていますが、古染付けでは、脚が無く「ベタ」の物が、多いです。

 ③ 磁器の作品ですが、肉厚は、陶器の様に、厚く作られています。

   大きさは、形によって、違いが有りますが、器本体の高さは、5~7cm位が多いです。

 ④ 呉須(藍色の顔料)による絵付けは、中国風の図柄も多いです。

   (羅漢図、仙人図、蓮池に釣り人図などの他、蔦や唐草紋様、幾何学紋様などがありす。)

 ⑤ 虫喰い(むしくい)も、景色として、珍重されます。

    虫喰いとは、焼成時に、素地の磁器土と、釉の収縮率の違いにより、口縁部に、小さな釉禿げが

    出きる現象です。

    (一般的には、失敗作で、傷物と成ってしまう作品です。)

 ⑥ 手鉢の、把手の付け根の「ひび割れ」も、「粗び」と呼び、茶人に評価され、好まれます。

   但し、古染付けの、場合のみの話です。

2) 金襴手(古九谷、伊万里)

 ① 古九谷焼は、何処で焼かれたかに、諸説有りましたが、今では、伊万里焼との説が、有力です。

 ② 古九谷焼は、中国の祥瑞(しょんずい)を、手本とした、色絵磁器の、伊万里焼です。

 ③ 伊万里焼が、柿右衛門様式として、欧州向けの、輸出品であるのに対し、古九谷は、国内向けの、

   濃い色彩の、色絵磁器です。

 ④ 元禄年間(1688~1703年)には、茶人の間で、景徳鎮の金襴手が、注目を集める様に

   成ります。柿右衛門様式から、金襴手様式に、段々変化して行きます。

 ⑤ 伊万里焼の金襴手は、景徳鎮を、手本にしていますが、日本的な意匠を、取り入れています。

   即ち、山水画、花鳥図、風俗図などを、多用し、中国の丸写しを、脱却しています。

 ⑥ 染付けの技法に、色絵の技法を加え、更に、金泥による、模様が加えられています。

   これら、金襴手は、現在でも、茶の湯の世界では、懐石道具の、重要な位置にあり、人気も、

   はなはだ、高いです。

   
以上で、焼物鉢の、話を終わります。

次回は、懐石道具の、預け鉢について、述べます。
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