わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

騙しのテクニック50 まとめ

2014-08-17 21:59:13 | 騙しのテクニック
1) 骨董趣味は昔は、一部の古陶磁愛好家や、金持ち、道楽者が手を出す世界でした。

 現在では、普通の会社員や、一般的な主婦、若者の愛好家等の人々が、実用的に日常使用し、

 生活に潤いを増す為に、比較的安価な陶磁を購入する様になりました。

 主に、幕末頃の伊万里焼、明治の銅版印刷による染付け磁器、瀬戸の石皿や馬の目皿、各窯の

 油壷、蕎麦(そば)猪口などの雑器が選ばれ、観賞用としてでは無く、日常の器として、使う

 事が多くなり、骨董人口も拡大してきています。

 特に、人気を博しているのが、蛸(たこ)唐草の蕎麦猪口や、古信楽の小さな種壷の蹲る

(うずくまる)等があります。

2) 古陶磁の人気や価値観は、時代と伴に変化して行きます。

  戦前では、古信楽の蹲るは、茶席の花生として珍重され、大型の古信楽の壷はほとんど人気が

  有りませんでしたが、現在では逆に非常な人気で、高価で売買されています。

  又、江戸時代の大振りの奥高麗茶碗は、ほとんど無視され、小振りの茶碗のみがもてはやされて

  いましたが、現在では高値で取引されているとの事です。

  当然、経済価値も変化し、現在高値で売買されている者が、発掘品の大量供給などで、暴落す

  る恐れもあり、逆に見向きもされない焼き物が、急に人気が出る事も考えられます。

  そこが骨董品の面白味と言う人もいます。

3) 今まで述べてきました様に、贋作や偽物には色々な悲報や方法が存在します。

 ① 欠陥のある本物を補修や、修復して無傷の様にして販売する。

   二度焼きや、後絵付け、後赤絵を施す方法等です。

 ② 欠如した本物に他の作品を接ぎ、無傷の様に見せ掛ける。

   焼き継(窯継)、共直し、合わせ、スリ切などです。

 ③ 現代物を古陶磁に見せ掛ける。

   古色付けや、人工的な風化(フッ化水素)をつけ「カセ」をだす。

 ④ 産地を偽る。時代を偽る。

 ⑤ 作銘、偽銘、偽箱書きなどで、本物らしさを演出する。

4) 贋作の方向と背景。

  人気のある作品には贋作が多いです。 流行は人気のある作品を作り出すとも言われています。 

 ① 作りやすい焼き物である事。 容易に作れて、真偽の判定が難しい物には、贋作が多いです。

 ② 著名な作家の作品で、その作家が多作の場合。

   特に高値で取引されている作家の作品。多作であれば、少々傾向の異なる作品も、本人の

   作と見誤る事も多くなります。

 ③ 一般に出回っていると、勘違いされている作品。 

   写真や図版などに多く掲載されている作品は、必ずしも一般的で数が多い訳では有りません。

   写真や図版に載っている作品と同系列の作品には、贋作は付き物です。 

 ④ 絵の無い作品。

   絵は誤魔化しのきかない部分です。絵柄、筆の運び、絵の具の色など似せる事は難しいと

   言われ、真偽の判別がし易いとの事です。

 ⑤ 贋作の目的は、経済価値を高める為の行為です。

   それ故、贋作は永久に無くなる物では有りません。更に、贋作の技術は日々進歩しています。

   新しい誤魔化し方法が開発され、更に真偽の判断が難しくなります。

5) 贋作を見破る三か条。

 ① 古く見える物が古い物とは限らない。むしろ古く見える物程、新しい場合があります。

 ② 「偽者」は、約束を守るが、「本物」は約束から離れている事も多い。

   約束は後から出来た物ですので、本物が約束に囚われる事はありません。

 ③ 総合的で合理的判断を重視し、「見当」や「カン」に頼らない事。

   但し、合理的判断とは、知識、経験、技能など総合的に理解出来る人が出来るもので、

   一般人が習得するには困難です。

以上で「騙しのテクニック」の項を終わります。

次回より別のテーマでお話します。
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騙しのテクニック49 海外の贋作事情

2014-08-16 20:42:13 | 騙しのテクニック
古陶磁は中国、香港、台湾、韓国、タイ、フィリッピンなど多くの国で売買されています。

中でも、中国の古陶磁は古美術市場の主流に成っています。その為中国の贋作は各時代の各々の窯

の物があります。その他の国々でも、それぞれの贋作が作られて、売買されています。

現代では、古陶磁の人気が強く、興味を持つ方も多くなり需要も増している為、偽物が出回る環境が

出来ていると言われています。

1) 贋作が作られている国。

 贋作が多く売買れている国では、現在でも、贋作の製作も盛んに行われています。

 ① 中国本土: 特に多いのは、唐三彩、磁州窯、鈞窯(きんよう)、龍泉窯の青磁、景徳鎮の

  染付、赤絵などです。中国では経済開発に伴い、これからも、新たな発掘品が登場する可能性が

  大きいです。優れた焼き物が発見され話題になると、必ず贋作が現れます。

  その為、本物と贋作が入り乱れて売買される事になります。

  更に、贋作は技術的に日々進化し続けていますので、古典的技法のみでなく、新たな贋作技法が

  現れる可能性があります。その真偽の判別も難しくなります。

 ② 韓国: 贋作が多いのは、新羅土器、高麗青磁、三島手、白磁、染付け等です。

  最近では、中国の古陶磁を扱う店も増えているとの事です。

  古陶磁を扱う店「古玩舗」は首都ソウルの中心街に多く存在し、豊富な品揃えとの事ですが、

  優れた作品は少ないそうで、例え、掘り出し物を見つけても、価格は日本より高めとの事です。

  ◎ 韓国での注意事項は、韓国の「文化財保護法」により、古物、古美術品の国外持ち出しを

    禁止している事です。空港では、買った所に返す様に命令されますが、実際には、帰りの

    飛行機の関係で、空港で没収扱いに成るそうです。

 ③ 香港、マカオ。

   ここ数十年の間に、中国古陶磁の発掘品が大量に、もたらされます。

   その種類は、ほとんど全ての分野の焼き物が存在しています。販売している店として

  ) ほとんど本物の優れた作品を揃えている店。(数は少ない)

  ) ほとんど本物だが、駄作の作品が多い店。

  ) 本物と偽物が混在している店。その割合は店によって異なる。

  ) ほとんどが偽物で、本物が少ない店。

  ・ ほとんど本物で一点のみ偽物の店もある様で、この偽物を本物の様に見せる引っ掛け物に

    として販売している様です。

 ④ 東南アジア(ベトナム、タイ、フィリッピン等)

   東南アジアの主要都市には、古陶磁を扱う店が多いそうです。一過性の観光客目当ての商品で

   贋作を法外の値段で売りつけるとの事です。

   当地で作られた、南蛮物や安南物などの古陶以外に、中国から輸入された龍泉寺青磁や元の

   染付け、景徳鎮の赤絵、呉須赤絵等が多いです。

   但し、ほとんどが贋作か、もしくは、「共色直し」による修復した物が多く、無傷の物は

   ほとんどありません。

 ⑤ 台湾では、あらゆる種類の贋作が存在しています。

   多くは、中国本土より流入した焼き物です。時代時代によって、贋作の流行もある様です。

   有名な故宮博物院に収められている、優れた作品は一通り揃うと言う事です。

   鈞窯、磁州窯、天目茶碗など、贋作を掴まされる日本人が多いそうです。

 ⑥ 日本でも、写しと称され、古伊万里の染付け、柿右衛門の赤絵、古唐津、古備前、野々村仁清

  や尾形乾山の作品も多く作られ、それらが一人歩きして本物として、流通している場合も多い

  です。その他、中国の龍泉窯青磁、景徳鎮の嘉靖、万暦の赤絵、呉須赤絵などの写しも、多く

  作られています。

以下次回に続きます。

 参考資料: やきもの鑑定入門:出側直樹監修 芸術新潮社編集部編: 新潮社

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騙しのテクニック48 贋作ではないが偽物4

2014-08-14 19:52:53 | 騙しのテクニック
3) 補修された物かどうかを知る(見分ける)には、補修方法を知る必要があります。

 ② 「共色直し(共継ぎ)」の修復。前回の続きです。

   この技法は西洋(英国)から伝わった技術です。化学パテや塗料、レジンなどを使うので、

   熱や水に弱く、食器として使うことは出来ません。主に観賞用の焼き物に使用します。

  ) 共色で補彩を施す。

   a) レジンとは、英語で樹脂の事で、その中身はほとんどがエポキシ樹脂です。その他、

    熱に強いポリウレタン樹脂もあります。

   b)「2液混合型」 と言って、「主剤」と「硬化剤」を混ぜ合わせることで固まる素材です。

    硬化時間は、固める量や形状、気温 (室温) に左右されますが、数分~1日、~数日程で

    固まります。成型材売り場には、各種のレジンが沢山売られています。

   c)「カラーフィル」という技術は、英国で発達した技法で、樹脂を顔料で着色して、欠けた

    部分を補填する方法です。 色合わせを行いますので、破損箇所がほとんど判りません。

   d) レジンには40℃程度で軟化する物から、70~80℃程度で軟化する物(ポリウレタン

    レジン)など、種類も多いですが、熱や水に弱く、洗ったり、電子レンジに入れると、

    形が崩れる恐れたり、修復部分が剥がれる危険があります。

   e) 欠損部を化学パテなどで充填し、色を調合した塗料で彩色しますが、金継ぎよりも

    根気のいる作業となります。尚、直しを請け負う業者もいますので、大切な品物は、専門家

    に依頼した方が安全です。この修復を見破る事は専門家でも難しいとの事で、特に土物の

    場合には、一層難しくなります。

   f) この方法でいかに完全に、修復しても実際の焼き物に対し、硬度の点で劣ります。

   g) 李朝絵刷毛目や高麗青磁白象嵌などの作品が、副葬品として埋葬される際、参列者の前で、

    首の部分をわざと大きく欠いています。これは盗掘を防ぐ目的と思われています。

    それ故、優れた発掘品であるが、大きな傷を持つのが普通で、多く出土しています。

    この様な場合、「共色直し(共継ぎ)」の修復が最適です。

 ③ 焼き継ぎ(窯継ぎとも言います)。

  ) 初期伊万里、柿右衛門手、古九谷、色鍋島などの高級色絵磁器の補修方法として多く

    使用されています。

  ) 低火度の鉛釉系の透明釉を使い、割れた面(破断面)を接着し、窯に入れて焼成する

    方法です。

  ) 上絵の焼成温度に近い温度で、再焼成しますので、上絵が変色し易く、器肌も荒れ貫入も

    入る場合が多いです。

  ) 上絵付けの無い、施釉陶磁器の場合には、施釉しているのと同じ色の釉を塗り高温で

    焼成して、釉でくっ付ける方法があります。

   a) 「ひび」等の場合には、その「ひび」の間に釉を流し込む事で、接着する事も可能

    ですが、「ひび」の隙間が大きい場合には、その間を化学糊(CMC)とシャモット等を

    混ぜ、隙間に塗りこんだ後、施釉します。又高温で接着できる材料も市販されています。

   b) 完全に分離して割れた場合には、耐熱性の陶磁器専用の接着剤を使い、接着後に施釉

     します。但し、カップの取っ手の様に、本体にぶら下がる場合、窯の中で接着が剥がれる

     事もあります。出来れば接着剤無し行いたいです。本体に取り付けても下に落ちない

     状態ならば、安心して作業できます。

  ) この方法の利点は、高温や水にも強い事で、普通に使用できます。

    欠点として、修復した部分の分解が難しく、再修復が出来ない事です。

    更に、修復部分の傷が完全に無くなる事は少なく、なんらかの痕が残る場合も多いです。

以下次回に続きます。
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騙しのテクニック47 贋作ではないが偽物3

2014-08-13 21:35:20 | 騙しのテクニック
古陶磁器を、補修や修復して、元の状態にする(又は近付ける)事は実際に多く行われています。

修復や補修してある事が一目見て明らかな場合には、流通過程で経済価値が正当に評価され、

それなりに低くなりますので、さほど問題ではありませんが、巧妙な修復や補修がなされた場合、

売る側がその説明無く高値で売買するとなると、その作品は本物ですが、完品と騙す事になります

ので、ある意味偽物といえます。

1) 補修と修復の違い。

 補修も修復も同じ意味の様ですが、厳密には、その作業や方法に違いがあります。

 ① 補修とは、従来からある金継や銀継、漆(うるし)直し、蒔絵(まきえ)直しなどの方法で、

   その形を元に戻し、使用に耐える事を目的にしています。それ故、外部より直した事が簡単に

   見てとれます。修復より技術的に簡単な場合が多く、「補修キット」として材料や用具が市販

   されている場合もあります。

 ② 修復とは、その時代に即した、釉や染付けや絵の具の材料を用いて復元する作業で、専門的な

   知識や高度な技術を必要とします。その為、修復専門の職人さえいます。

   但し、昨今では、簡易な修復作業が行える様になりました。

  ) 多くの場合、主に一流品と言われている物に対して行われる、直しの方法です。

    但し、現在一流品と言われている物でも、過去には実用雑器として、使用されていた物も

    多く、現在でも使用されている物もあります。

  ) 修復作業で、してはいけない事があるそうです。即ち、将来再修復が可能の様に直すと

    言う事です。

  ) 破損した作品のオリジナル部分は、焼き継(窯継)などの不可逆適な改変を行わない事

    です。即ち、修復した部分を完全に取り除く事が出来る様に、直す事とされています。

2) 補修や修復が必要な焼き物は、次の状態の物が多いです。

 ① 欠け(かけ)、割れ、擦れ(すれ)、染み(しみ)、汚れのある物です。

   これらは、従来の方法で補修する事が多いです。

 ② 長年土中や墓中に放置(副葬品)されていた発掘品。

   土中で風化し白く変色した物。泥水が染み込んだ「土染み」。作品に付着した土汚れの焼き物

 ③ 過去の修復方法を、新たな方法で再修復を依頼された物などです。

  当然、容易に修復出来る物と、修復作業で新たな欠損を引き起こす、難しい修復もあります。

  それ故、修復出来るか、出来ないかを判断する事も重要事項となります。

3) 補修された物かどうかを知る(見分ける)には、補修方法を知る必要があります。

 ① 金直し、銀直し、蒔絵仕上げ。: 大切な茶道具類で行われている伝統的な補修方法です。

   いずれも、直した事がはっきりしますが、その直しによって更に魅力が増す事が多いです。

 ) 金、銀直し(金、銀継)は、割れた面に漆を塗り接着後、金粉などを振掛け割れ目を覆い

    隠す方法です。

 ) 欠損部分に同種の陶片を補い、漆で接着後、その上から金分などで覆い隠し、一体感を出す

    方法です。この方法を「呼び継ぎ」といいます。

 ) 蒔絵(まきえ)仕上げ。

  a) 金銀直しの上に蒔絵を施す方法。金色や銀色の上から、漆で絵(文様)を付ける事で、

    金銀直しよりも、一段と華やかに成ります。

  b) 黒漆で直し、その上から金銀で文様を描く方法もあります。下地が黒の方がより文様が

    はっきり現れます。

 ② 「共色直し」の修復。

  この修復方法は、主に美術鑑賞用や、美術館の展示品に行う方法ですが、美術愛好家や茶道

  関係者からの依頼で、行われているとの事です。

  この修復方法は、土器、陶器。器(せっき)、磁器などに応用できます。

 ・ 特に軟陶といわれる唐三彩などで効果を発揮します。傷と周囲との一体感が出るそうです。

 ・ 陶器の場合は、不透明で暗い感じの色(明度が低い)程、傷部と周囲の差が出ずに目立たなく

   成ります。特に「共色ぼかし」の必要性も少なくなります。

   色の白い陶器の場合は、破損部の境目を目立たなくするのは、困難との事です。

 ・ 白磁、白磁染付け、青磁などの磁器の場合、復元した形の上に、共色で補彩を施し、仕上げに

   無黄化タイプの透明樹脂(レジン)を吹きつけ、硬貨させます。

   修復の手順は次の様になります。

  ) 過去の修復(又は補修)部分や劣化した部分を除去する。

  ) クリーニング作業を行う。所謂(いわゆる)後絵の様に、後から付け加えられた部分を

    取り除く、更に、汚れや染みを取り除き、作品焼成時の肌合を再現する、又上絵の風化を

    元の状態に戻す。

  ) 元の完品であるオリジナルを復元する。欠損が大きい場合には、その時代の様式から

    推察して補う。例えば、首から上が欠損している場合、「パテ」で下地を作り全体を復元

    します。

  ) 共色で補彩を施す。

以下次回に続きます。
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騙しのテクニック46 贋作ではないが偽物2

2014-08-12 16:31:25 | 騙しのテクニック
外国で作られた作品が、我が国の窯場で作られた物として、流通している物があります。

その様な例として、以下の焼き物があります。

1) 南蛮焼締陶が、古備前の名前で流通する。

 ① 中国南部やタイ等の東南アジア各地を「南蛮」と呼び、焼き物を「南蛮焼」と呼ぶ事があり

   ます。この地方では、各時代を通して、無釉の焼締陶が焼かれています。

   わが国に於いて、特に室町末から桃山時代、江戸初期に掛けて「南蛮物」として、水指、

   花生、香合などの茶道具類が輸入され、珍重されてきました。

   注: 「南蛮」と「安南」は必ずしも厳格に区別できませんが、以下の様に成っています。

    ・ 「南蛮」は中国の南に位置する国々、即ち、琉球(沖縄)、台湾、タイ、カンボジア等

      の東南アジア諸国の事です。「南蛮焼」はこれらの国で作られた、粗陶のみを指す事が

      一般的です。

    ・ 「南蛮土」は陶芸材料店で入手できますが、肌理が比較的細かい黒色の粘土です。

      焼き上がりも黒色になります。但し、ここで述べている「南蛮の土」と同じ物では

      ありません。

    ・ 「安南(あんなん)」は、一般にベトナムを指します。13世紀頃から中国の影響を受け

      白磁や青磁が作られ、その後鉄絵、染付け、赤絵と発展してゆきます。

 ② この地方の土が、備前の土に似て肌理が細かく、火襷(ひだすき)様に発色した壷などが

   あり、更に備前の器に似た物も現れます。これらの作品がわが国にもたらされた場合、備前の

   壷として、誤認(又は偽って)されて流通する事があります。

   尚、「備前焼」と言えば偽者になりますが、「南蛮備前」と呼べば偽者とは言えません。

 ③ 逆に、「南蛮」の人気に預かり、備前で「南蛮風」の写しの作品を作った事もある様です。

   東南アジアで、わが国の唐津や、伊万里焼、「くらわんか」の染付け等が見つかる事が、

   稀にあるそうです。これらは、伊万里港から輸出された一部と思われています。

 ④ 南蛮焼締陶の筒形陶器が、丹波焼の花生として流通する。

   又、経筒と誤認される事もあります。 丹波焼の特徴は無釉の焼締陶器で、文様を付けたり、

   耳を付けると言う装飾方法がありません。それ故、国内の他の窯との区別は、比較的容易

   ですが、南蛮焼締陶と似る事になります。

2)  李朝初期の雑器である茶碗は、室町時代の古瀬戸の碗に成っている場合があります。

  両方とも、同じ様な土である為と、灰釉が似通っている事、更には古色が付いていると、一層

  どの産地の物か判定し難いです。但し、見慣れた人(鑑定家など)であれば、その作品の形

  (様式)から判断可能との事です。

3) 宋胡録(すんころく)の白化粧碗が、李朝粉引茶碗として流通する。

   宋胡録は、タイで作られた陶器です。わが国では、李朝の白化粧土を使った、三島手や粉引、

   刷毛目、掻落しの作品などは、人気があります。その為、比較的安価な宋胡録が、より高価な

   李朝の作品として流通する事に成ります。

4) 中国磁洲窯の鉄砲絵が、鶏竜山(けいりゅうざん)絵刷毛目碗として流通する。

   中国の河北省にある宋代の磁洲窯では、掻落しと絵高麗の作品が良く知られています。

   鶏竜山窯は、朝鮮の忠清南道公州にあり、李朝初期の代表的な窯です。

   三島、彫三島、刷毛目、 鉄絵刷毛目、天目、白磁などを焼いていますが、特に絵刷毛目は

   文様が変化に富んでいるのが特徴で、人気の作品が多いです。

   ・ 李朝初期の鶏竜山と磁洲窯との茶碗の違いは、器形の違いによって判別できるそうです。

     即ち、鶏竜山の碗は、独特の鼈(すっぽん)口の天目形をしています。

     口元が一度狭まり、口縁で広がる鼈口の有無で見分けると良いそうです。

以下次回に続きます。
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騙しのテクニック45 贋作ではないが偽物1

2014-08-11 18:06:23 | 騙しのテクニック
世の中には、本物として作られた物が、いつしか偽者と成ってしまった焼き物も多いです。

即ち流通過程で、産地や名前(名称)が変わってしまった場合で、誤認の場合と、意図的に変更する

場合があります。多くの場合、より経済的に高価の方に変わる事が多く、稀にその逆もあります。

特に、世に知られていない窯場の作品の場合、同じ様な土や釉を使う事で、それに類似した著名な

焼き物の産地の作品に変えられてしまう場合があります。

わが国で焼かれた物の中にも、本来別の窯場で作られたものが、他の産地の物として流通している

物もあります。

1)わが国の作品で、他国や他の窯の作品と混同される焼き物。

 ① 鎌倉~室町時代の古瀬戸と混同される焼き物。

   中国の青磁や影青(インチン)を手本として出発した瀬戸ですが、釉や作風が中国と異なる

   為、中国の作品と混同する事はありません。

 ) 古瀬戸灰釉の作品と、混同されるもの。

  a) 中国の殷(いん)、周、漢、晋(しん)等に作られた、灰釉の古陶器類。

  b) 越州窯青磁、南方の粗青磁類(元~明時代)や灰釉陶器。

  c) 朝鮮高麗末~李朝初期の灰釉の雑陶器。

  d) 美濃焼や桃山以降の瀬戸焼き。御深井焼(おふけやき)の小品など。

  e) 東南アジアのクメール、タイ、ミヤンマーや安南などの諸窯の灰釉陶器類。

 ) 瀬戸鉄釉陶の作品と混同されるもの。

  a) 中国宋、元、明時代の磁洲系の鉄釉陶器。福建省、河南省などで作られた天目茶碗。

  b) 李朝後期の民窯で作られ、鉄釉を掛けた雑器類。

  c) わが国の志戸呂焼(しどろやき)、膳所(ぜぜ)焼、越中瀬戸など。

  d) 安南鉄釉陶器など。

 ② 唐津焼の作品と混同される焼き物。

  唐津の釉は主に、灰釉、藁(わら)灰釉、鉄釉、銅釉(緑釉、辰砂釉)が用いられています。

  これらの釉は、特に特徴的な物とは言えません。但し、唐津では土の種類も多いが、近隣の

  高取、上野(あがの)等で産出する土とは異なる為、区別が出来るとの事です。

  a) 中国の各地の民窯の雑器で、灰釉や鉄釉の小物。

  b) 朝鮮の黒高麗が、黒唐津と混同する。高麗末の雑器や堅手の作品が、無地唐津として流通。

    堅手(かたて)鉄絵や絵高麗の作品が、絵唐津として扱われる。

  c) 朝鮮の会寧(かいねい)や明川(めいせん)の作品が斑(まだら)唐津に仕立て上げられる

    朝鮮の土は、唐津の土とそっくりとの事で、見分けが困難です。

  d) 朝鮮の粉青沙器(ふんせいさき)は、三島や刷毛目唐津と混同され易いです。

  e) その他、我が国の上野、高取、沖縄湧田(わくた)、壷屋(つぼや)、小代(しょうたい)

    焼、萩焼なども、間違い易い焼き物です。

 ③ 有田焼の作品と混同する焼き物。

  有田の磁器は、中国明末の景徳鎮を手本としてスタートします。

  その後、柿右衛門様式や、鍋島、九谷様式を生み出されます。江戸初期~幕末までの間、

  伊万里港から、西洋に大量輸出され、マイセンを始め西洋諸国で写しが作られる様になります。

  しかし、ヨーロッパの写しの作品が我が国に輸入される事はありませんので、混同する事は

  ありません。

  ) 我が国の有田以外の磁器の生産地では、有田を手本として磁器の生産を開始します。

    これらが、本物の有田焼と混同され紛れ込む場合があります。

   a) 砥部(とべ)焼、波佐見焼、中国の天啓染付、広東染付などは、初期伊万里の作品と

    混同されます。

   b) 江戸中期以降の有田磁器と混同される焼き物。

     国内各地の磁器生産地の作品類。清朝景徳鎮色絵磁器。19世紀以降の瀬戸の新製焼き

     などがあります。

2) 「類似古陶」は、必ずしも、贋作を目的で作られた訳ではありません。

   類似と言う事は、当然、同じと言う事ではありませんので、慎重に検討すれば、その違いが

   解かるとも言われています。但し、贋作の目的ではありませんので、何処か後暗い処もなく

   堂々とした作品も多いです。

   更に、古陶であれば自然と、使用時の傷やスレが出て来ますし、古色も自然に付いてきます。

   その為、その作品の本当の産地の特定は、さらに困難になります。

以下次回に続きます。 
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騙しのテクニック44 本物が偽物よりも多い作品3

2014-08-09 19:42:35 | 騙しのテクニック
4) 漢緑釉陶(かんりょくゆとう)。

 ① 漢(紀元前202年~)の時代になると、それまでの「灰釉」とは全く別の釉が登場します。

  それは、「鉛釉」と呼ばれる物で、鉛(なまり)を熔媒とし、800℃程度の低温で焼成する事が

  出来る釉です。(それ以前の「灰釉」では1200℃以上が必要でした。)

 ② この「鉛釉」に酸化銅を呈色剤として添加すると、緑色の釉ができます。

   同様にして、酸化鉄を添加すると、褐色系の釉ができます。褐色の度合いは酸化鉄の量に

   よって左右されます。この緑色の釉を掛けた陶器を、緑釉陶と呼びます。

   但し、還元焼成ではなく、酸化焼成しなければ緑色は出ません。

   尚、緑釉は後世の唐三彩の緑色として、利用されています。

 ③ 緑釉陶は、前漢時代の末~後漢(前1~後2世紀頃)、更に三国時代(222~280年)に掛けて

   中国全土で盛んに作られています。緑釉陶は、青銅器の代用品として、明器(副葬品)として

   盛んに作られます。その種類は、鼎(かなえ)、鐘、耳杯(容器)、盤(食器)更に、倉庫や

   楼閣等の建物の模型(写し)も作られています。

 ④ わが国では「漢の緑釉」と呼ばれ、1970年代までは、壺一個が当時のお金で数百万円もする

   高価な焼き物もあったとの事でした。

  ) 1980年代後半になると、中国の経済開放政策により、鉄道や道路など国中のいたる所で

    インフラ開発が行われます。その工事中に多くの漢代や唐代の墳墓が、発見される事に

    なり、多くの緑釉陶が出土します。

  ) その結果、明器として埋められていた「漢の緑釉(胡瓜の緑)」や「唐三彩」が日本に

    大量に持ち込まれる様になります。それまで貴重で高価であった陶磁器の価格が、大暴落

    する事になります。

  ) 六朝時代(222年 ~589年)に緑釉は一時中断し、北朝(960~1127年)末に復活しますが、

    その後に現れる、唐三彩の中に吸収されて消えて行きます。

  ) 尚、現在では、食器などに鉛釉を使う事は、鉛中毒を起しますので、禁止されています。

 ⑤ 緑釉の銀化作用(ラスター化)。

  ) 緑色の釉が土中(墓室中)で長く放置されていると、化学変化を起こし、器物の表面が

    銀色に被われた、所謂(いわゆる)「銀化」が起こります。

  ) 緑釉の成分である酸化銅が、長年土中にあった為、釉の表面が銀白色の皮膜に覆われる

    現象で、ラスター(虹色)とも呼ばれます。我が国では、この銀化した緑釉の作品は

    特に珍重されます。但し西洋では、鮮やかで瑞々しいグリーン(胡瓜緑)を保ったままの

    物が人気があります。

 ⑥ 緑釉の代表的な作品は、東京国立博物館にある緑釉長頸瓶で、美しい釉色と器形、施文に

   当時の高い技術水準を見る事ができます。

 ⑦ 上記の理由で、以前は貴重品であった緑釉陶も現在では、多くの本物が存在しています。

   尚、緑釉陶の贋作は、貴重であった時期に作られた物が多く、本物が多く出回る現在では、

   贋作する必要も少なくなったと思われます。

以下次回に続きます。
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騙しのテクニック43 本物が偽物よりも多い作品2

2014-08-08 22:19:03 | 騙しのテクニック
3) 唐加彩俑(とうかさいよう)

  ① 俑とは死者と伴に墓に収められる副葬品で、従者、人物、家畜、家屋、調度品の模型です。

    中国では、戦国時代の紀元前5世紀頃から、殉葬(じゅんそう)されていた人間や、高価な

    道具に代えて、陶器や木製品でどで模型(俑)を作って副葬するようになります。

   a) 秦の始皇帝(紀元前259 ~紀元前210年)陵の兵馬俑:

    1974年3月に古都西安で発見されます。

    中国初代皇帝の始皇帝陵を永遠に守る陵墓の副葬品として埋葬された今衛師団です。

    その数8000体で、1.8mの等身大の兵士6000体あり、異なる風貌をしています。

    その他、縮尺1/2の木製の戦車45両と馬があり、青銅の兵器などもあります。

   b) 漢や隋の時代にも、多くの俑が作られていますが。圧倒的に数が増すのは、唐の時代に

     なってからです。

  ② 唐の時代(8世紀)になると焼き物技術が向上し、洗練された美しい所謂「唐三彩」の俑が

   登場します。 唐三彩などで色付けされた俑が、唐加彩俑です。

   洛陽、長安 などの貴族の葬礼品(副葬品)として、使われた物で、当然、発掘品(又は盗掘品)

   です。

  ③ 種類としては、以下の如くです。

   ) 唐加彩婦女俑、 唐加彩騎馬美人俑、唐加彩仕女人物俑、 唐加彩立女俑、灰陶加彩

    楽人、唐加彩舞女俑、唐加彩演奏女子俑、唐加彩武人俑、唐加彩胡、人駱駝俑、唐加彩

    文官俑、唐加彩騎馬球技婦人俑、唐加彩馬人物置物、唐加彩小人俑、唐加彩異人俑など

    バラエティーに富んでいます。 一個で完結している物が多いですが、中には数個の俑で

    一つのグループを構成している物など、個々に個性が強く出ています。

    大きさは高さ20cm程度の物が多く、中には40cm以上の物も存在します。

   ) 手捻りで容易に制作する事ができますので、俑の人気が上がるに従い、俑の贋作が

    増えて来ています。

  ④ 中国の贋作事情。

   中国の古美術の中で、陶磁器は圧倒的な存在で、世界の古美術の中心地になっています。

   各時代の各窯でその時代の贋作は、存在するとも言われています。

   ) 1985年頃から、香港やマカオ等から、大量の古陶磁器が出回る様になります。

     一時期、香港でも真作7割り、贋作3割り程度の時代もあったようですが、次第に発掘品

    の供給も細り、5分5分に成り、更には逆転する程との事です。

   ) 加彩俑の中には、後加彩された物も多いです。色調が新しく生々しいのが特徴です。

   ) 贋作の多くは、東南アジア、台湾で出回り、その後我国に流入すると言われています。

以下次回に続きます。
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騙しのテクニック42 本物が偽物よりも多い作品1

2014-08-07 22:15:20 | 騙しのテクニック
1) 宋胡録(すんころく)青磁。

 ) 13世紀末~15世紀頃に掛けて、タイ中部、サワン(又はスワン)カローク地方の焼き物を、

  日本では宋胡録と呼びます。タイ中部には他に、ソコタイ窯があり、作品も同様に呼ばれる

  事もあります。更に、タイ北部には、パーン、カロン、サンカンペン等の諸窯があります。

  145基の窯址が確認され、大規模な窯群が形成されていた事が判明しています。

 )タイで染付や色絵が出現するのは、18~19世紀に景徳鎮が注文を受け、ベンチャロンと呼ば

   れる作品をタイに輸出した以後の事です。

 ) サワンカロークの窯は、中国元代の青磁や染付の影響を、濃厚に受けています。

  a) 青磁灰色の半磁胎に、透明感のある青磁釉を掛けた物を、宋胡録青磁と呼んでいます。

    釉はガラス分の多い緑色掛った物で、厚く掛かるため貫入が多い様です。

    径30cm程の平鉢が多く、壷、鉢、水注、瓶、碗、合子、盃などがかなり大量に作られ、

    国内だけでなく、インドネシア方面にも輸出されています。

    中国南宋の竜泉窯を写した物が多く、13~14世紀の作と思われています。

    青磁の産地はスワンカロ一クだけに限られているようです。

   b) 褐白釉又は白濁釉を掛け分けた繊細な刻花文の作品: 王宮や大寺院で使用される優れた

    器などで、ソコタイやシのシャッチャナライの王宮遺跡や寺院遺跡から出土します。

    尚、白濁釉は、燐酸による失透性白濁釉です。

   c) 白地鉄絵の作品(宋胡録)。 鉄砂で細かな唐草文や格子文を描き、上に白濁気味の

    灰釉を掛けます。器形としては蓋物が最も多く、小瓶、水注、鉢、皿などがあります。

   d) 青磁鉄絵: 魚文や草花文が描かれた優品です。高麗青磁に似ています。

 ) わが国には、桃山時代~江戸初期頃に、香合など小物類がもたらせれで、茶人の間で愛好

   されます。 鉄釉又は、藍呉須を用いて絵を描いたものが主で、素地に鉄分がある「ごま土」

   に特徴があります。14世紀後半~16世紀まで生産されていた様です。

 ) 中国陶磁を手本とした器形の他に、人形、人物像や仏教的な彫塑像、さらに建築用タイルや

    装飾具も多く焼かれています。

2)  宋胡録の贋作。

 ① サワンカロークの青磁や鉄釉に多くの贋作があります。但し、鉄絵の場合は少ない様です。

   贋作の程度は、素焼の胎土にペイントで絵付けをした稚拙な物から、釉では判別できない程

   精巧な物など範囲が広いです。 

 ② 昨今タイでは非常にうまいやり方の偽物が出回っています。

  真作の高台部を切り取り、その上に新たな粘土を貼り付けて、壷や皿を復元再生してしまう

  方法です。 タイの古陶器は、高台部の土を見る事で、真贋が判断できるとの事です。

  即ち、サワンカロークの土は、灰白色で粘りがあり、焼き上がると、「キツネ色」に発色し、

  微細な黒点が存在します。ソコタイの土は、粗目で白い粒子を含む、灰白色をしています。

  それ故、本物の高台の上に、新たな土を付ければ真偽の見分けは難しくなります。

 ③ タイ本国では、新たな発掘品は少なくなり、インドネシア当たりから、優れた作品が発掘

   される様になります。インドネシアからは、元の染付や中国磁器や安南陶磁の優れた作品が

   発掘されています。

 ④ サワンカロークの青磁の人形は特に有名です。

  但し、当時の習慣として、首を欠くのが普通です。それ故、首部が補修されているはずです。

  無傷の物が贋作として見てよいでしょう。

  注: 首を欠く理由は、人形に悪運を託し首を欠いて神社に奉納した為とされています。

  ) 扇を持つ人形、赤子を抱いた人形、足を崩して座った人形など、形は色々ありますが、

    いずれも「首部」が欠けています。

 ⑤ 偽物を見破る。

  )今ある贋作染付けに集中し易く、我が国向けの作品が多いです。

   「柿香合」、花入、花掛け、茶碗、合子、水指、酒盃などの贋作が、多いです。

    上記の如く、胎土を見れば真偽の判断がつきます。

  ) 流通している本物の宋胡録は、ほとんど発掘品でしので、「かせ」が付いています。

    新品の作品に古色付て本物に見せかける方法には、呉須の色、文様の描き方、釉肌の違い、

    貫入の有無(新品には貫入の入りが少ない)などから判断できるそうです。

以下次回に続きます。
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騙しのテクニック41 本物も偽物も多い作品2

2014-08-05 21:28:19 | 騙しのテクニック
2) 本物も偽物も多い作品。

 ③ 李朝の陶器。

  ) 三島手(粉青沙器) 

    三島手と呼ばれる白化粧土を施した陶器は、我が国で特に人気のある作品で、それだけ

    贋作も多いです。

   a) 伝世品以外の李朝陶器は、ほとんどが発掘品です。それ故、風化の具合が自然であるかが

    真贋の目安に成ります。

   b) 三島手は作風が砕けた感じの物が多く、写し易いと言われています。

    その為、徳利、壷、扁壷、俵壷、茶碗、盃などあらゆる種類の贋作があります。

    特に、粉引徳利、絵刷毛目徳利、白黒象嵌徳利、魚文の瓶や扁壷、その他茶碗や酒器

    が多く、梅瓶や大壷などは少ないです。

    但し、象嵌など手間隙の掛かる贋作は、比較的少ないと言われています。

   c) 贋作を見破る。

    粉引で御本(紅、黄斑)の出ている物、重い物、鉄絵のスピード感の無い物、平茶碗では

    なく碗形の三島、刷毛目、粉引で、ちょうど良い大きさの物は、贋作が多いです。

  )堅手(かたて)。

    李朝前期に各地の窯で焼かれた下手磁器に、透明系の釉を掛けた物です。

    李朝後期から末期に掛けて焼かれた下手の白磁も、「堅手」と呼ぶ事もあります。

   a) 胎土も半磁器の物から、磁器質の物と多様です。又発色も灰色から黄味掛かった物まで

     色々あります。

   b) 贋作として多いのは、日本向けに作られた茶碗、徳利、盃、小型の人形などです。

     贋作は手に持った場合、軽く感じるそうです。    

 ④  伊万里地図皿、伊万里輸出用の醤油瓶。

  ) 伊万里天保年製の地図皿

    天保時代の有田のベストセラーとの事で、日本の他、大英博物館やオーストラリアの博物館

    にも存在しています。その他にも、海外に多く輸出されていた物と思われています。

   a) 型押しで造りの、正方形に近い四角形の平皿に、江戸時代の国(藩)が染付で描かれた

     古い地図です。用途は飾り皿と思われます。当時の北海道は蝦夷と、書かれています。

     当然、当時の知識が元になっていますので、今から見れば大雑把な地図です。

   b) 陶土も呉須も粗悪で、美術品としての価値はないのですが、面白い収集品として価値が

     ある様です。

   c) 人気の皿ですので、時代を問わず沢山のコピーが出回ります。

     中国製もあるとの事です。現在でも多くの骨董店で見掛ける事が出来ると言われています

  ) 伊万里輸出用の醤油瓶(コンプラ瓶)。

   a) 「コンプラ瓶」と呼ばれる特注の瓶に詰めに、醤油を詰めて東南アジアやオランダ本国に

    移送する様になります。

   b) 波佐見の磁器窯で生産が始まったのは、1790年のことで、最盛期は1820年頃と言われ、

    大正時代まで生産し続けられていました。波佐見で作られ瓶は長崎に運ばれ、醤油や日本酒

    が詰められ、海外に送り出されます。

   c) 瓶のデザインは、日本のお酒を入れる徳利とされ、口が二重空帯となった瓶です。

    コンプラドール(仲買人の意味)を略した「CPD」という一種の商標が入っていることが

     最大の特徴です。

 ⑤ 影青(いんちん)各種。

  ) 影青(青白磁)は北宋時代から元時代後期まで、中国江西省、福建省、広東省一帯で

    多く焼かれているが、特に宋代の景徳鎮で焼かれた物に優れた作品があります。

   a) 彫り文様の物と無文の物があり、白磁の釉溜まりに薄青色が残るのが特徴です。

   b) 薄造りの百合(ゆり)口瓶、彫花文の梅瓶、獅子や瓢箪の付いた摘みの蓋を持つ水注

     などの作品があります。

  ) 北宋時代(10~12世紀)の作品は、端正な造形で装飾が施された物が多いですが、南宋

    から元の時代になるにつれて、作風がくだけてきます。

   a) 北宋時代の作品は少なく、南宋から元に掛けて多くの作品が残っています。

   b) 本物はほとんどが発掘品で、風化や「かせ」土銹(どしゅう)汚れが見られますが、

     偽物も微妙に本物に似せていますので、風化状態や色で真偽を判別する事は難しいです。

  ) 清朝や少し前の台湾でも、影青は作られていますが、肉厚が厚く、貫入の無い釉ですが、

     近年はより薄造りの作品(贋作)が作られています。

  ) 贋作の種類としては、小壷や盃、香合などの小物は少なく、人気のある長頸瓶や水注、

     童子文椀などの高価な大物などが多いです。

     貫入の無い、淡い緑色を帯びた釉の作品には贋作が多い傾向にあります。

    ・ 贋作は魅力的な形や文様、絵が着けられて入ることが多く、平凡な物は少ない様です。 

以下次回に続きます。
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