1) 骨董趣味は昔は、一部の古陶磁愛好家や、金持ち、道楽者が手を出す世界でした。
現在では、普通の会社員や、一般的な主婦、若者の愛好家等の人々が、実用的に日常使用し、
生活に潤いを増す為に、比較的安価な陶磁を購入する様になりました。
主に、幕末頃の伊万里焼、明治の銅版印刷による染付け磁器、瀬戸の石皿や馬の目皿、各窯の
油壷、蕎麦(そば)猪口などの雑器が選ばれ、観賞用としてでは無く、日常の器として、使う
事が多くなり、骨董人口も拡大してきています。
特に、人気を博しているのが、蛸(たこ)唐草の蕎麦猪口や、古信楽の小さな種壷の蹲る
(うずくまる)等があります。
2) 古陶磁の人気や価値観は、時代と伴に変化して行きます。
戦前では、古信楽の蹲るは、茶席の花生として珍重され、大型の古信楽の壷はほとんど人気が
有りませんでしたが、現在では逆に非常な人気で、高価で売買されています。
又、江戸時代の大振りの奥高麗茶碗は、ほとんど無視され、小振りの茶碗のみがもてはやされて
いましたが、現在では高値で取引されているとの事です。
当然、経済価値も変化し、現在高値で売買されている者が、発掘品の大量供給などで、暴落す
る恐れもあり、逆に見向きもされない焼き物が、急に人気が出る事も考えられます。
そこが骨董品の面白味と言う人もいます。
3) 今まで述べてきました様に、贋作や偽物には色々な悲報や方法が存在します。
① 欠陥のある本物を補修や、修復して無傷の様にして販売する。
二度焼きや、後絵付け、後赤絵を施す方法等です。
② 欠如した本物に他の作品を接ぎ、無傷の様に見せ掛ける。
焼き継(窯継)、共直し、合わせ、スリ切などです。
③ 現代物を古陶磁に見せ掛ける。
古色付けや、人工的な風化(フッ化水素)をつけ「カセ」をだす。
④ 産地を偽る。時代を偽る。
⑤ 作銘、偽銘、偽箱書きなどで、本物らしさを演出する。
4) 贋作の方向と背景。
人気のある作品には贋作が多いです。 流行は人気のある作品を作り出すとも言われています。
① 作りやすい焼き物である事。 容易に作れて、真偽の判定が難しい物には、贋作が多いです。
② 著名な作家の作品で、その作家が多作の場合。
特に高値で取引されている作家の作品。多作であれば、少々傾向の異なる作品も、本人の
作と見誤る事も多くなります。
③ 一般に出回っていると、勘違いされている作品。
写真や図版などに多く掲載されている作品は、必ずしも一般的で数が多い訳では有りません。
写真や図版に載っている作品と同系列の作品には、贋作は付き物です。
④ 絵の無い作品。
絵は誤魔化しのきかない部分です。絵柄、筆の運び、絵の具の色など似せる事は難しいと
言われ、真偽の判別がし易いとの事です。
⑤ 贋作の目的は、経済価値を高める為の行為です。
それ故、贋作は永久に無くなる物では有りません。更に、贋作の技術は日々進歩しています。
新しい誤魔化し方法が開発され、更に真偽の判断が難しくなります。
5) 贋作を見破る三か条。
① 古く見える物が古い物とは限らない。むしろ古く見える物程、新しい場合があります。
② 「偽者」は、約束を守るが、「本物」は約束から離れている事も多い。
約束は後から出来た物ですので、本物が約束に囚われる事はありません。
③ 総合的で合理的判断を重視し、「見当」や「カン」に頼らない事。
但し、合理的判断とは、知識、経験、技能など総合的に理解出来る人が出来るもので、
一般人が習得するには困難です。
以上で「騙しのテクニック」の項を終わります。
次回より別のテーマでお話します。
現在では、普通の会社員や、一般的な主婦、若者の愛好家等の人々が、実用的に日常使用し、
生活に潤いを増す為に、比較的安価な陶磁を購入する様になりました。
主に、幕末頃の伊万里焼、明治の銅版印刷による染付け磁器、瀬戸の石皿や馬の目皿、各窯の
油壷、蕎麦(そば)猪口などの雑器が選ばれ、観賞用としてでは無く、日常の器として、使う
事が多くなり、骨董人口も拡大してきています。
特に、人気を博しているのが、蛸(たこ)唐草の蕎麦猪口や、古信楽の小さな種壷の蹲る
(うずくまる)等があります。
2) 古陶磁の人気や価値観は、時代と伴に変化して行きます。
戦前では、古信楽の蹲るは、茶席の花生として珍重され、大型の古信楽の壷はほとんど人気が
有りませんでしたが、現在では逆に非常な人気で、高価で売買されています。
又、江戸時代の大振りの奥高麗茶碗は、ほとんど無視され、小振りの茶碗のみがもてはやされて
いましたが、現在では高値で取引されているとの事です。
当然、経済価値も変化し、現在高値で売買されている者が、発掘品の大量供給などで、暴落す
る恐れもあり、逆に見向きもされない焼き物が、急に人気が出る事も考えられます。
そこが骨董品の面白味と言う人もいます。
3) 今まで述べてきました様に、贋作や偽物には色々な悲報や方法が存在します。
① 欠陥のある本物を補修や、修復して無傷の様にして販売する。
二度焼きや、後絵付け、後赤絵を施す方法等です。
② 欠如した本物に他の作品を接ぎ、無傷の様に見せ掛ける。
焼き継(窯継)、共直し、合わせ、スリ切などです。
③ 現代物を古陶磁に見せ掛ける。
古色付けや、人工的な風化(フッ化水素)をつけ「カセ」をだす。
④ 産地を偽る。時代を偽る。
⑤ 作銘、偽銘、偽箱書きなどで、本物らしさを演出する。
4) 贋作の方向と背景。
人気のある作品には贋作が多いです。 流行は人気のある作品を作り出すとも言われています。
① 作りやすい焼き物である事。 容易に作れて、真偽の判定が難しい物には、贋作が多いです。
② 著名な作家の作品で、その作家が多作の場合。
特に高値で取引されている作家の作品。多作であれば、少々傾向の異なる作品も、本人の
作と見誤る事も多くなります。
③ 一般に出回っていると、勘違いされている作品。
写真や図版などに多く掲載されている作品は、必ずしも一般的で数が多い訳では有りません。
写真や図版に載っている作品と同系列の作品には、贋作は付き物です。
④ 絵の無い作品。
絵は誤魔化しのきかない部分です。絵柄、筆の運び、絵の具の色など似せる事は難しいと
言われ、真偽の判別がし易いとの事です。
⑤ 贋作の目的は、経済価値を高める為の行為です。
それ故、贋作は永久に無くなる物では有りません。更に、贋作の技術は日々進歩しています。
新しい誤魔化し方法が開発され、更に真偽の判断が難しくなります。
5) 贋作を見破る三か条。
① 古く見える物が古い物とは限らない。むしろ古く見える物程、新しい場合があります。
② 「偽者」は、約束を守るが、「本物」は約束から離れている事も多い。
約束は後から出来た物ですので、本物が約束に囚われる事はありません。
③ 総合的で合理的判断を重視し、「見当」や「カン」に頼らない事。
但し、合理的判断とは、知識、経験、技能など総合的に理解出来る人が出来るもので、
一般人が習得するには困難です。
以上で「騙しのテクニック」の項を終わります。
次回より別のテーマでお話します。