わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

化粧土と色土23 化粧土を用いた技法1 掻き落し2

2013-10-31 21:50:46 | 陶芸入門(初級、中級編)

1) 掻き落とし技法。 

   掻き落とし技法には、化粧掛けの方法と、釉の掻き落としの技法がありまが、ここでは前者の話を

   取り上げています。

  ① 素地の色と、化粧土の色の対比で模様を描き出す方法。(前回の続き) 

    f) 線で囲まれた内側又は、外側を掻き落とす。

      掻き落としに使う用具は、特別決った物はありません。幅広に掻き落とす場合や、狭い

      範囲を掻き落とす場合など、作業状態によって好みの形の削る用具を自作する方も 多い

      様です。一般に切れ味の鋭い、カンナや掻きへら、又は松の薪を割ったナイフ状の物等の

      刃物を使う事が多いですが、あえて切れ味の鈍い刃物を使って、削り跡を残したり、毛羽立つ

      様に削る事もあります。

     イ) 素地と化粧土の色で表現する場合、深く削り取っても、模様にさほどの影響を与える事が

        有りませんので、安心して作業が出来ます。

     ロ) 模様の輪郭をハッキリさせると、模様が硬い感じになりますが、力強さが表現できます。

        その際境目はやや深く溝を設けると、作業が楽になります。

     ハ) 模様の輪郭をやや「ぼかした」感じすると、軟らかい雰囲気を作る事が出来ます。

        即ち、薄く滑らかに削る事で、化粧土色から素地の色へと徐々に色が変化させる事が

        出来ます。

     ニ) 掻き落としは面又は線状に掻き取るのが普通ですが、点状に掻き取る技法もあります。

        掻き取る方法は、竹串などで小さい丸い点状のものや、「くさび形」などに掘り込み表面の

        化粧土を取り除きます。逆に白化粧土で小さい点を残す方が難しいですので、その際

        にはその範囲内の全て化粧土を取り除いたあと、筆やスポイトで化粧土を描いた方が

        作業が簡単です。背景文様にしたり、模様内に変化を持たせる為に行いまっす。

      ホ) 掻き落とすタイミングも大切です。ある程度化粧土が乾燥していないと、掻き落とす事が

         出来ませんし、乾き過ぎると化粧土が素地から剥がれ落ち易くなります。

   ② 二色以上の化粧土を重ね塗りした後、一方の色化粧土を出現させ、模様にする方法。

     下に塗った色化粧土を「地」にする方法と、上に塗った色化粧土を「地」にする方法があります

     これも「ネガとポジ」の関係で、色が逆転します。

    ) 化粧土を塗り重ねる際、下の化粧土が手に「ベトツク」事が無い程度に乾燥したら上に

       塗る事が出来ます。塗り方は刷毛が多く、部分的又は全体に行ないます。

    ) 素地を全く表に出さない方法と、ある程度素地が表に出る方法が有りますが、前者の場合

       はより困難な作業と成ります。素地に密着する最下段の化粧土はその上の化粧土よりも

       やや肉厚に塗っておく必要があります。後者の場合には、最下段の素地まで掻き落とし

       しても、安全です。

    ) 素地にまで影響しない様に、化粧土は薄く掻き落とす必要があります。

       何層にも重ね塗りしてあれば、どの層の化粧土を表すかによって、色も変化します。

  ③ 多種類の化粧土を塗り重ね、一部を削り取り樹木の年輪の様に、模様の縁取りを色土で

     表現する方法。

以下次回に続きます。

        

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化粧土と色土22 化粧土を用いた技法1 掻き落し1

2013-10-27 20:13:36 | 陶芸入門(初級、中級編)

化粧土を使った技法には色々あります。一般には、色の付いた素地を白くして、下絵付けを施し、

明るく綺麗な色が発色する様に、表面に塗ります。しかし、それだけで無く、化粧土を用いた技法は

色々あります。刷毛目や墨流し、イッチン等については、すでに述べて来ましたが、その他の、

代表的な技法に掻き落とし、飛鉋(とびかんな)、三島、スリップウエア等があります。

これらの技法に付いて述べたいと思います。

1) 掻き落とし技法。  この方法にも幾つかのやり方があります。

  大きく分けて、文様を線で表す場合と、面で表す場合がありますが、ここでは面で表す方法に

  付いて述べます。

   ① 素地の色と、化粧土の色の対比で模様を描き出す方法。

     素地を「地」にする場合と、化粧土を「地」にする方法があります。即ち、写真の「ネガとポジ」

     の関係です。

   ② 二色以上の化粧土を重ね塗りした後、一方の色化粧土を出現させ、模様にする方法です。

     下に塗った色化粧土を「地」にする方法と、上に塗った色化粧土を「地」にする方法があります

     これも「ネガとポジ」の関係で、色が逆転します。

   ③ 多種類の化粧土を塗り重ね、一部を削り取り樹木の年輪の様に、模様の縁取りを色土で

     表現する方法です。

   ④ その他にも、陶芸作家さんは色々工夫した作品を作っています。

     即ち、化粧土で文様を描き書き落としを行い素焼き後、更に下絵付けを施す方法などです。

     その他、複数の釉で描くき、表現する方法もあります。

   但し、いずれの方法も、掻き落とした場所は凹み、表面を凸凹にすることになります。

 ① 素地の色と、化粧土の色の対比で模様を描き出す方法。 

   a) 素地と化粧土の色は、なるべく反対色の方が効果的です。例えば、黒や茶色の素地には

     白化粧土を使い、白っぽい素地には、黒や茶色い色土を使うと、文様はよりハッキリと

     表す事ができます。但し、色の対比がある程度判別する程度であっても、それなりの効果を

     得る事が出来ます。

   b) 半乾燥させた素地に、選んだ色化粧土を塗ります。

     その際、作品全体を塗る場合と、一部のみに塗る方法があります。

     前者は、色化粧土を地模様する場合で、後者は素地を地模様にする場合の方法です。

   c) 塗る方法は、刷毛や粉引(こひき)、流し掛けなどがありますが、一般的には刷毛塗りが

     多いようで、厚めに塗り、素地の割れや崩壊を防ぐには適した方法です。

     厚く塗るには、数度に分けて塗ります。

   d) 文様を描く。化粧土が乾いたら、高台部分を持ったり手轆轤上に乗せ、2B位の濃い鉛筆や

     色鉛筆などで、ラフに下絵を描きます。図柄は自由に選択できますが、初心者は細かい模様

     より、大柄の模様の方が、作業が楽です。模様は線が一周する様に描きます。

   e) ラフ模様が描き終えたら、竹串の先端を尖らし化粧土を書き落とす様に、模様を描きます。

     彫る用具は各自工夫する事です。幅広く削る場合や、細い線で削り取るにはそれに適した

     用具が必要です。釘(くぎ)の尖った方を使う、釘彫りの方法もあります。

   f) 線で囲まれた内側又は、外側を掻き落とす。

以下次回に続きます。  

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化粧土と色土21 色化粧土を作る2。

2013-10-26 20:30:47 | 陶芸入門(初級、中級編)

1) 色化粧土に付いて。

  ③ 白化粧土に金属を添加 して、独自の色化粧土を作る方法。 

    金属として、酸化第二鉄(弁柄)、酸化ニッケル、二酸化マンガン、三酸化クロム、酸化ニッケル

    酸化コバルト、 五酸化バナジウム、ルチル、二酸化チタン、酸化亜鉛(焼いた物)、水酸化

    アルミニウムなどが使われ、その他に硼酸、炭酸カルシウムなどが使われています。

   ・ 以下の化粧土は、1200~1250℃の半乾燥素地に使用する化粧土です。

     化粧土を施 した後、透明釉を掛けて焼成すると綺麗に発色します。

   ) 黒化粧土の調合例。 重量比、外割 り(合計が100になりません)。以下全て同じです。

      白化粧土:100、 酸化第二鉄(弁柄):12、 酸化コバルト:6、 炭酸カルシウム:5、

      二酸化マンガン: 2 

   ) 濃茶化粧土。  酸化炎で良く発色します。

      白化粧土:100、 酸化第二鉄(弁柄):5、 三酸化クロム:5

   ) 明茶化粧土。: 酸化炎で発色し易い。

      白化粧土:100、 酸化第二鉄(弁柄):1、 三酸化クロム:1

   ) 緑系茶化粧土。 酸化炎で緑色。還元炎で灰色掛かった緑色。

     白化粧土:100、 酸化ニッケル:5

   ) 緑化粧土。

     白化粧土:100、 三酸化クロム:3

   ) 濃青化粧土。

      白化粧土:100、 酸化コバルト:3

   ) 明青化粧土。

      白化粧土:100、 酸化コバルト:0.3

   ) ピンク化粧土。

      白化粧土:100、 水酸化アルミニウム:4.5、 酸化亜鉛(亜鉛華、焼いた物):3.5、

      硼酸:1、 三酸化クロム:1

       注: 白化粧土以外は乳鉢で良く磨り潰し、酸化炎で1100℃焼きます。その後更に

           乳鉢で磨りした物を、白化粧土に10%添加します。

  以下の化粧土に透明釉を掛けて焼成すると、色が変わってしまいます。

  それ故、表面は化粧土のままにす作品のみに使います。

   a) 緑系黒化粧土。 酸化炎で暗い鶯(うぐいす)色、還元炎で緑茶系黒色。

      白化粧土:100、 酸化ニッケル:1.5、 五酸化バナジウム: 10

   b) 明茶化粧土。 酸化炎でオレンジ色。 還元炎で明茶色。

     白化粧土:100、 酸化第二鉄(弁柄):5、 五酸化ナナジウム:5

   c) 灰色系茶化粧土。

     白化粧土:100、 酸化ニッケル:5、 五酸化ナナジウム:5

   d) 灰色系緑化粧土。

     白化粧土:100、 三酸化クロム:5、 五酸化ナナジウム:5 

   e) からし黄色~緑化粧土。酸化炎で、ムラのある緑掛かった黄。還元炎でより緑が強くなる。

     白化粧土:100、 酸化第二鉄(弁柄):1、 五酸化ナナジウム:9

    f) クリーム系ベージュ化粧土。 酸化炎の方が明るくなる。

     白化粧土:100、 酸化第二鉄(弁柄):1.5、 酸化チタン:10

   h) ピンク系薄茶化粧土。

     白化粧土:100、 ルチル:9、 酸化ニッケル:1

  ◎ 参考資料: 焼き物実践ガイド(樋口わかな著。誠文堂新光社)を参考にしました。

以下次回に続きます。

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化粧土と色土20 色化粧土を作る1。

2013-10-25 17:18:58 | 陶芸入門(初級、中級編)

1) 色化粧土に付いて。

  一般に化粧土と言えば、白化粧土を指しますが、現在では、青、濃青、明青、黄、カラシ黄、黒、

  ピンク、緑、紫、オレンジ、ベージュ、ライラック、茶、灰、赤色など多種多様の色化粧土が存在し、

  使われています。

  色化粧土を使う場合、① 天然の粘土、又は市販されている着色粘土を、そのまま色化粧土

  として使う方法。 ② 市販の色化粧土をそのまま使う方法。③ 白化粧土に市販の着色用の

  顔料を加えて作る方法。 ④ 白化粧土に金属を添加して、独自の色化粧土を作る方法などが

  有ります。以下順次お話します。

  ①  天然の粘土、又は市販されている着色粘土を、そのまま色化粧土として使う方法。

    粘土には濃い薄いは別にして、色の付いた物が多いです。その為、お化粧をする訳ですが、  

    逆に、この粘土の色を利用して、化粧土を作る事ができます。

    但し、生の粘土の色がそのまま焼成後の色に成る事は少ないですので、焼成後の色を確認

    してから使用します。

  ) 赤土は鉄分を含む粘土です。生の状態では、赤色、茶色、茶褐色をしていますが、1200℃

     以上に成ると、褐色~黒色に発色します。

  ) 「テラコッタ」は黄土が混ぜられた黄色い土で、1000℃程度以下では園芸用の素焼鉢の

     様な赤茶色に成りますが。本焼き程度の高い温度では、黄土の成分が鉄である為、赤土と

     同様の色に成ります。

  ) 黒御影土や南蛮土と呼ばれる粘土は、生の状態で黒く、焼成後も若干色は変化しますが、

     黒色になります。その他、黒や灰色の粘土は焼成すると、白色に成る場合が多いです。

     これは、粘土の中に入った有機物の色で、燃焼によって燃えて取り除かれた結果、元の

     白色に戻った為です。

   この様な粘土を泥漿(でいしょう)化して、色化粧土として使います。尚、素地との密着度を良く

   する為、素地の粘土をこの様な粘土に混ぜて、化粧土を作ると良いと言われています。

 ② 市販の色化粧土をそのまま使う方法。  

    陶芸材料店等では、色々な色の化粧土が市販されています。多くは1kg単位の粉末状で

    水に溶かし、濃度を調整してから使います。ほとんどは、生掛用の化粧土です。 

    但し、ご自分で使う土との相性は未定ですので、「剥がれ」などの問題を起こす恐れもあります

    本格的に使う場合には、試し焼きが必要です。

 ③ 白化粧土に、市販の練り込み用の着色顔料を加えて作る方法。

  ) 白化粧土もご自分で調合したもの、又は市販品を使います。

     練り込み用の着色顔料は、粘土の着色顔料と同じ物です。

     ・ 注意: 着色顔料の中には、有害な物質が含まれている物も多い様です。取り扱う際には

       マスクなどを着用する用に、注意書が添付されています。

       100g~500g単位の粉末で市販されています。

    ) 白化粧土に混ぜる量は1~20%程度です。青(コバルト)など少ない量で発色する物から

      ピンクや黄色の様に多量に添加しなければ、発色しない顔料まで、色々有りますので、

      適量を見付ける事です。当然顔料の添加量によって色の濃淡ができます。

      尚、顔料の色は焼成してもほとんど変化しません。

    ) 基礎的は色土をつくり、混ぜ合わせる事で、新たな色を作る事も出来ます。 

      即ち、青色化粧土と、黄色化粧土、ピンク化粧土、黒色化粧土の四種類の基本色化粧を

      作り、混ぜ合わせる事により、別の色を作る事が出来ます。

     a) 基礎色化粧土を作る。例

       青色化粧土: 白化粧土 100: 青色化粧用顔料(酸化コバルト) 3 (外割り)

       黄色化粧土: 白化粧土 100: 黄色化粧用顔料 10

       ピンク化粧土: 白化粧土 100: ピンク化粧用顔料 10     

       黒色化粧土: 白化粧土 100: 黒色化粧用顔料(黒浜) 20

    b) 緑色化粧土: 黄色化粧土 70%: 青色化粧土 30%

       紫色化粧土: ピンク化粧土 70%: 青色化粧土 30%

       オレンジ化粧土: ピンク化粧土 50%: 黄色化粧土 50%

  ③ 白化粧土に金属を添加して、独自の色化粧土を作る方法。 

以下次回に続きます。

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化粧土と色土19 調合と使い方10(墨流しとイッチン2)

2013-10-24 20:38:35 | 陶芸入門(初級、中級編)

5) 「墨流し」と「イッチン」技法。

  ① 「墨流し」について。

   ) 轆轤の回転による遠心力を利用した、「化粧掛け」と「墨流し」の方法。

     単に手で揺さ振るだけでは、化粧土の流れる方向は不定です。しかし、遠心力を使えば常に

     外側への力となります。即ち、器に垂らされた化粧土は、放射状に移動する事に成ります。

    a) 化粧掛けや墨流しを行うには、轆轤の中心に作品を置く事で、比較的左右均等の模様を

      描く事ができます。勿論、故意に中心から「ずらす」事で、非対称の模様にする場合も

      有ります。尚、作品が回転で移動しない様に、粘土で固定しておきます。

      器の内側に塗る為、外側は水刷毛で濡らし、作品に亀裂や崩壊するのを予防します。

    b) 素地の内側全体に化粧土を掛ける。

      「墨流し」の効果を引き立たせる為に、素地に化粧を施し、その後に別の化粧土を使い

      「墨流し」作業を行います。

     イ) 全体に塗る為に、多目の化粧土を使いますので、余分な化粧土は器の外側に飛び散り

       ます。そこで轆轤の周りを囲う必要があります。

     ロ) 化粧土を中心部に柄杓などで流し込み、手轆轤を勢い良く回転させ、内側全体に化粧土

       が広がる様に塗ります。

    c) 「墨流し」作業を行う。

     イ) 手轆轤の回転が速ければ速い程、遠心力は強くなります。更に中心より外側に行く程

       遠心力も強くなり、化粧土は外側に引っ張られ移動します。又、「墨流し」に使う化粧土の

       水分量(流動性)によっても、引っ張られる力が変化します。

     ロ) 「スポイト」を使って、要所要所に化粧土を置いて行きます。

       点状に置いて行けば、放射状の細い線になります。やや大き目の点であれば、扇状に

       広がります。化粧土を最初に置いた部分が、一番濃くなり次第にかすれながら、外側に

       広がって行きます。更に、円周状や渦巻状に流し込めば、変化のある模様が出来ます。        

     ハ) 他の色の化粧土を追加すれば、色鮮やかな文様に成ります。

       どの様に「スポイト」掛けするかによって、模様も変化しますので、ある程度意図的な模様

       にする事が可能です。

     ニ) 化粧土は器の外側にも、同様の方法で塗る事ができます。器全体の一体感を出すには

        外側も塗った方が良いでしょう。

   ② イッチン(スポイト掛け、筒描き)について。    

     「イッチン」は、平板又は立体の作品の表面に、化粧土の入った「スポイト」を押し当て、線状の

     模様を描き出す方法です。当然、器面より盛り上がった線に成ります。

    ) 素地の色と化粧土の色の対比が重要で、コントラストがはっきりした方が、効果的です。

       その為、素地にはっきりした色化粧土を塗り、その上に対照的な色土で、イッチンを施す

       のが普通です。

    ) 生掛けを基本にしますが、素焼き後に行う事もあります。面と違い線で表現しますので、

      化粧土の「剥がれ」の問題はやや少なくなりますが、注意が必要です。

    ) 描く模様も大切ですが、線の太さが重要です。

      「スポイト」の先の太さや形状によって、細い線でも、太い線でも描く事が出来、繊細さや

      豪快さなどが表現できます。又、描く手の動きのスピード感によって、軽やかな感じに成り

      ますので、本番前に練習をする事で、線の伸びや線の太さなどの確認をします。

以下次回に続きます。

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化粧土と色土18 調合と使い方9(墨流しとイッチン1)

2013-10-23 21:36:33 | 陶芸入門(初級、中級編)

5) 「墨流し」と「イッチン」技法。

  化粧土を塗る方法には、刷毛塗り、粉引、流し掛けの他に、スポイト掛けと言う技法があります。

   「スポイト」又はそれに類する用具を使い、化粧土を塗る方法に「墨流し」と「イッチン」が有ります

   「スポイト」又はこれに類するものとは、以下の様な物です。

   スポイトは陶芸材料店などで購入できますが、手近にある物を使うと便利です。

   例えば、化粧土を少量使う場合には、「油注し」、園芸肥料の入った樹脂製の容器(アンプル)

   等で、市販の弁当に入っている、プラスチック製の醤油やソースの容器など大小色々あります。

   大量に使う場合は、ケーキ作りや料理で使う絞り袋、ケチャップを入れる容器などです。

   容器の口の大きさで選んだり、尖った蓋の先端を好みの太さに切って使います。

   更に多く流し込む場合には、「柄杓」を用います。

  ① 「墨流し」について。

   ) 「墨流し」とは、水を張った容器に墨を垂らし、ゆっくり掻き回して墨が不規則な文様を描く

     様にします。その上から紙を伏せて、文様を吸い取らせて紙に転写する方法です。

    ・ 文様は偶然性で左右され、同じものは二度と出来ません。

     これと同じ様な模様を陶磁器上で表現する方法が、ここで述べる「墨流し」です。

   ) 「墨流し」の技法は、大(中)皿の様に平たい作品に向いています。素地と異なる色化粧土を

     垂らし、作品を激しく動かし、化粧土を掻き混ぜ(攪拌する)、偶然(又は一部意図的)に模様を

     作り出す方法です。

   ) 作品を手に持って激しく動かす方法。

    a) 数種類の色の化粧土を使うと、より華やかな文様になります。

       (各種の色化粧土については、後日お話します。)

    b) 作品を手に持つ為、作品を亀板の上で轆轤挽きします。

      その際、激しく揺さ振りますので、縁が立ち上がった状態では変形し易いです。

      勿論ある程度作品を乾燥させれば、変形も少なくなりますが、素地の乾燥が進むと化粧土の

      水分を吸収し、化粧土の流動性を阻害します。それ故、なるべく濡れた状態の作品に化粧土

      を掛けたいです。その為、縁は文様を付けた後に立ち上げる方法をとります。

      轆轤挽き後は、作品の「ぬめり」を取り、周囲の泥を拭き取り綺麗にしておきます。

    c) 化粧土は、緩めに溶き流動性を持たせ、「スポイト」掛けなどの作業を容易にします。

      化粧土を数箇所に垂らし込み、亀板を手に持ち揺さ振て化粧土を移動させます。

     イ) 化粧土を垂らす際、「スポイト」を上下に移動させ、化粧土の垂らした跡に強弱をつけます

       即ち、低い場所からはやや太めの化粧土が出て、広い範囲に掛ます。高くすると線は

       表面張力で細くなり、狭い範囲に掛ります。又、左右に移動させ好みの位置に流し込み

       ます。

     ロ) 良い模様を描くには、最初に強く揺さ振り化粧土を動かします。その後、亀板を傾け

       ゆっくり化粧土を移動させる様になってから、更に、亀板ごと軽く振ります。

     ハ) 更に、別の色化粧土を垂らし、上記と同様に亀板ごと器を揺さ振り模様を完成させます。

        色土同士が混ざり合い、より複雑な模様を作り出します。

    d) 化粧土の水分が無くなったら、亀板を轆轤上に戻し、土と亀板との間に竹箆(へら)を入れ

       轆轤を回転させながら、縁を持ち上げて形を整えます。

       更に良く乾燥させてから、糸で亀板から切り離し、高台を削り出します。

   ) 轆轤の回転による遠心力を利用した「墨流し」の方法。

以下次回に続きます。   

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化粧土と色土17 調合と使い方8(流し掛)

2013-10-22 22:03:10 | 陶芸入門(初級、中級編)

化粧土を作品に塗る理由は、色の付いた素地の欠点を覆い隠す事ですが、更に、絵付けの白い

下地を作る事や、掻き落としや飛鉋(とびかんな)などの装飾を施す為の、前処理として行われます。

化粧土を塗る方法は、前回までにお話した、刷毛塗りと粉引が代表的な方法です。

その他に、流し掛け(柄杓掛け)やイッチン(スポイト掛け)等の方法があります。

流し掛けは大きな作品や、作品の一部に化粧を施すのに便利な方法です。

尚、イッチンに付いては、次回にお話しします。

4) 流し掛け(柄杓掛け)の方法。

  原理的には、釉(薬)の流し掛けと同じ方法で行います。

  化粧土に流動性が無ければ成りません。即ち水分を多くするか、水ガラス等を添加する必要が

  有ります。又、化粧掛する前には良く攪拌し、濃度を均一にておく事です。

  流し掛けの利点は、短時間で広い面積を、比較的均一に塗る事が出来る点です。

 ) 短時間で済ませる。

   a) 刷毛塗りでは数分かかり、粉引でも数(2~3)秒を要します。一気に掛け流しますのでは

    1~2秒で終わってしまいます。不要に成った化粧土は流れ落ちてしまいますので、その分、

    素地に与える水分は少なくなります。

   b) 作品の端を持ち、やや斜めにして柄杓に取った化粧土を流し掛けますが、柄杓の先端は

     なるべく作品の近くに持っていくべきです。離れてしまうと化粧土の掛かる場所が不安定に

     なります。 但し、施泥を行う際、途中で躊躇(ちゅうちょ)してはいけません。予め塗るべき所は

     考えておく必要があり、一気に流し掛ける事です。

 ) 流し掛けでは、好みの位置に塗る事が出来ます。

   a) 柄杓に化粧土を取る量によって、広い面積から、細い線まで掛ける事が出来ます。

     場合によっては、異なった掛け方で、二度三度と掛ける事も出来ます。但し化粧土が重なった

     部分は肉厚になり、「剥がれ」等の問題が発生しますので注意が必要です。

   b) 掛ける場合手の方を移動する方法と、作品の方を移動させる方法があります。

     大きな作品では手轆轤に乗せて、回転させながら流し掛けします。

     但し、流れ落ちた化粧土を貯めおく容器と、容器から作品を浮かせる台が必要です。

   c) マスキングする事で、好みの形に化粧土を付ける事も出来ます。

      マスキングの方法は、テープを貼ったり、撥水剤を使う方法もあります。

 ) 流れる方向に注意。

   a) 上から下に向かうのはごごく自然現象なので、どの面を上にし、どの面を下にするかによって

     流した表情が変わります。化粧土の量が少ないと、途中で二筋三筋と枝分かれしますので、

     広い範囲に流すときは、タップリ柄杓に取ります。

   b) 特に、平面でなく凸凹した面に流し掛けする祭には、流れの方向が予想困難な場合も

     有りますし、塗り残しも起き易いです。

 ) 流す方向によって、化粧土の厚みに若干の差が出ます。

    斜めにした作品や轆轤上の作品を真上から流し掛けると、下側に成った部分ほど、化粧土に

    触れる時間が長くなり、濃目に成ります。更に、流れ落ちる際、滴状となって最下部に残り

    易いです。これは取り除く必要があります。

以下次回に続きます。 

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化粧土と色土16 調合と使い方7(粉引2)

2013-10-21 20:30:13 | 陶芸入門(初級、中級編)

3) 化粧土の使い方。

 ② 粉引(こひき)について。

  ) 問題の解決方法。 (前回の続きです。)

    d) その他の解決方法。

    前回までお話した様に、粉引では化粧土を漬ける(又は流し込む)際の素地の乾燥度合いが

    大きな要素に成っています。ここでは、発想の転換を試みる方法を紹介します。

    イ) 素地を窯で250~300℃程度で素焼きし。その後粉引の作業を行う方法です。

      一般の素焼きである800℃程度の温度では、素地と化粧土の相性が悪く、諸々の

      悪い現象を起こします。たとえ上手く行っても見た目にも良くありません。

      そこで、生の状態より強度的にしっかりした素地にすると共に、素地と化粧土の間の接着力

      も補完してくれます。300℃程度の素焼きでは、水分を含むと生の状態の程では有りま

      せんが、表面の土が溶け化粧泥となじみます。その為、一体感が出易くなります。

      又、天日干しより素地の水分が蒸発し、素地の機械的強度も増します。短時間の水分の

      吸収にも耐える事が出来る様になります。

    ロ) 轆轤作業直後に粉引作業を行う方法。

      轆轤挽きは別名「水挽き」と言われ、大量の水を使って作る方法です。

      即ち轆轤作業中では、水分を含む泥が悪さをする事はありません。むしろ泥を積極的に使い

      手の滑りを良くし、素地の水分吸収阻害し、腰が弱くなるのを防いでくれます。

      それ故、轆轤挽き直後に粉引の作業が出来れば、作品を壊す事には成りません。

      但し、轆轤挽き直後では如何に作品を変形させる事無く、粉引が出来るかが問題です。

      その解決方法として、以下の事が考えらえます。

     1) 素地の泥と化粧土の泥は当然違いますので、混ざり合わない様にする必要があります。

        即ち、周囲の環境を整える(掃除をする)事と、轆轤挽きした直後の作品の表面に残って

        いる泥を取り除いておく事です。

     2) 素地が軟らかいですから、形を保持したまま化粧土を掛ける事が難しい事です。

        轆轤挽き直後の作品は手で持つ事が出来ません。それ故亀板の上で制作し亀板ごと

        移動させる事です。更に、亀板から切離さない限り、逆さにする事も可能です。

        器の内側に柄杓で化粧泥を流し込み、容器に捨てる事も出来ます。

        但し、若干乾燥させないと、亀板を斜めにしただけで、変形するかも知れません。

        亀板を上にして、亀板を両手で持った状態で、化粧泥の入った容器に「ずぶ漬け」する

        事も可能です。その後、亀板を持って上に向ける事も可能でしょうが、上に反転する際

        作品が歪む可能性が有りますので、亀板の端を何かに引っ掛けて「ぶら下る」様にして

        乾燥する方法もあります。 工夫すればよい方法が発見出来るかも知れません。

     3) 素地が水分を含む為、化粧土が厚くかかりませんので、濃目の化粧土を使う事です。

     4) 強制的に乾燥させればより良いですが、自然に放置しても問題が起こらないでしょう。

        乾燥後に亀板から切離し、高台部分を削り、場合によっては高台部にも化粧泥を刷毛や

        粉引の方法で塗ります。

  尚、粉引は作品が大きくなれば成る程、失敗し易くなります。それ故、粉引の技術的方法を確立

  するまでは、小さな作品で色々試す事です。

次回は、化粧土を柄杓掛けする方法に付いてお話します。

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化粧土と色土15 調合と使い方6(粉引1)

2013-10-20 21:33:18 | 陶芸入門(初級、中級編)

3) 化粧土の使い方。

 ② 粉引(こひき)について。 粉引については、以前にも取り上げていますので、話が重複するかも

   知れませんが、ご了承して下さい。

   色の付いた素地の表面に化粧土を掛ける場合、刷毛塗りや流し掛けでは、丁寧に仕上げたと

   しても、塗った痕が刷毛目や流れと成って残ってしまいます。

   作品全体に同じ厚みの化粧土を掛けたり、塗った痕を残さない方法に粉引(こひき)の技法が

   あります。

  ) 粉引とは。

    器の表面に化粧土を均一に塗る方法ですが、泥漿(でいしょう)した化粧土が入っている容器の

    中に、作品を漬け込み(ずぶ漬け)化粧を施す方法で、作品(器)の内側は柄杓などで流し

    込んで化粧します。古来から用いられている技法で、粉を引いた様に見える事から、この名前が

    付けられたと言われています。

  ) 粉引の問題点。

    素焼き後に施す粉引は、素焼き用の化粧土を使えば、問題は起こりませんが、素焼き後と生の

    状態での粉引では、断然生の状態に施す方が見た目にも優れいます。

    但し、生(半乾燥)の状態で、粉引を行うと何らかの問題を起こし、その予防に苦心します。

   a) 粉引の一番の問題は、化粧土を付けた直後、又は数分後から作品が徐々に崩壊する事です

     原因は、素地が水分を含み膨張して、亀裂を起こし破壊するからと言われています。

   b) 化粧土を塗る場所や範囲、更には塗る順序によって壊れ方が変わりますので、その判断が

     重要に成ります。

   c) 作品の崩れが無くとも、化粧土の「剥がれ」の問題が発生し易いです。

  ) 問題の解決方法。

    素地の種類と素地の乾燥度合い、漬ける時間、化粧土を掛けた後の処理(環境)など多くの

    要素が関係しています。

   a) 粗めの素地は水分吸収量が大きく、肌理(きめ)細かい素地では、掛けた後の乾燥が

      遅くなります。水分吸収量が多いと、壊れる確立が高くなります。

   b) 素地の乾燥が進んだ作品は、水分の吸収量が多くなり化粧土は厚くなり易いです。

      厚く掛かった化粧土は中々乾燥しませんので、素地中に水分が滞る事になります。

      それ故、素地の乾燥が遅くなり作品が壊れ易くなります。

   c) 化粧土を塗る範囲と順序も大切です。

     作品の全体、外側のみ、内側のみの三通りの方法が考えられます。

    イ) 器の外側のみに塗るのが一番安全です。

      化粧土を塗った所は水分を吸収し膨張しますが、外側が膨張する場合には、内側への

      力は素地を圧縮する(内径を小さくする)方向に働く為、影響は少なくなります。

    ・ 高台部分を持ち、口縁を下にして容器に「ずぶ漬け」します。化粧土の濃さと漬ける秒数が

      多くなれば、化粧土は厚くなりますが、厚い事も問題になります。

      理想的には、やや薄めの土で2~3秒程度漬けて引き上げる事です。            

    ロ) 内側にのみ塗る場合が一番危険です。

      内側を塗ると素地が膨張して外側に圧力が掛り、外側表面が広がる力で、亀裂が入り、

      結果的には作品を破壊する事に成ります。

    ・ 内側のみに塗りたい時には、外側も水刷毛で濡らし、やや弾力性を持たせておくのも一つの

       予防方法です。

    ハ) 内外の両方に化粧土を塗りたい場合には、外側から先に塗り、その後内側を塗ります。

       又は内外を同時に塗りますが、水分吸収が多くなり、乾燥も遅くなりますので、短時間で

       塗る必要があります。更に乾燥を早くする為に、ドライヤーなどで強制的に乾燥させる

       事です。天気の良い日、空気が乾燥した日を選ぶのも良い方法です。

   d) その他の解決方法。

以下次回に続きます。

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化粧土と色土14 調合と使い方5

2013-10-19 20:27:18 | 陶芸入門(初級、中級編)

 ) 硬めの刷毛で掛ける化粧土の方法。

    前々回に紹介した、藁箒(わらほうき)の一部を切り取って作った、自作の刷毛を使う方法を

    紹介します。藁箒以外にも、刷毛として使える材料は有りますので、独自の刷毛を作る事で、

    面白い表現が可能でしょう。

    軟らかい刷毛(筆)と異なり、硬めの刷毛を使う場合、以下の事柄に注意します。

   a) 刷毛の跡を綺麗に出すのは勿論ですが、規則性に囚われずに、自由奔放に塗る事です。

      刷毛目の様におとなしくせず、豪快に化粧掛けした方が趣があります。場合によっては

      刷毛目が交差する様に塗ると効果的です。

   b) やや濃い目の化粧土を、刷毛に「たっぷり」含ませ、厚目に掛けます。

     その際、藁の刷毛のどの部分を持つかによって、刷毛の腰の強さが変化し、化粧土の装飾

     効果も変わります。穂先の近くを持てば、腰が強くなり、遠くに持てば軟らかい感じの化粧と

      なります。

   c) 藁の刷毛をどの位「バラバラ」にするかによっても、刷毛目跡が狭まったり、広がったりも

     します。藁の束が広がる様に持てば、細い線が多数出来ます。

   d) 器を手に持ち、回転させながら化粧土を塗って行きます。勿論、刷毛の方を回転させても

     問題有りません。両方回転させれば一周させる事も可能です。

   e) 化粧土の塗り方には、表面を撫ぜながら刷毛を動かす方法や、点々と刷毛を置いて行く

     方法、化粧土を弾き飛ばす様に、刷毛を打ち付ける方法などがあります。

     各々、その化粧土の痕が異なります。特に打ち付ける方法では、化粧土の飛沫が飛び散り、

     荒々しく迫力が出ます。

   f) 作品全体を塗るのではなく、あえて塗り残した部分を作るのも、変化が出て面白みが出る

     可能性も有ります。又、ややゆるい化粧土を使い、自然に流れ落ちるのも一つの景色と

     なります。化粧土の濃度はやや流れる程度にします。化粧土の流れた跡も景色に成ります。

   g) 硬目の刷毛を強く作品に押し当て移動させると、刷毛で化粧土を剥ぎ取る跡が残ります。

     剥ぎ取った跡は、化粧土が「かすれた状態」になります。

 ) 柔らかい刷毛(又は筆)で化粧土を掛ける。

     「ぽってり」した柔和な感じの刷毛目を付けるには、繊維が細く腰の弱い柔らかい刷毛を

     使います。なるべく太い筆や刷毛が良いでしょう。

   a) 良く攪拌した化粧土を刷毛に取り、器の表面を撫ぜる様に塗って行きます。

   b) 高台部分を持ち、口縁を下にして塗りますが、塗り終わったら直ぐに、上に向け手板に取り

      ます。 流れ落ちた化粧土が口縁に溜まり、肉厚に成るのを防ぐ為です。

      化粧土が口縁に厚くなると、「剥がれ」の原因になります。上に向けても厚くなる場合には、

      安全の為に拭き取る場合もあります。

    c) 柔らかい刷毛(筆)では、しっかりした刷毛目は期待できません。それ故、塗り方を考慮し、

      一部塗り残した部分を模様の様に仕立てるか、素地の色との対比等を見所にします。

    d) 緩い化粧土を塗ってからそのまま放置しておくと、水分を吸った作品が壊れる恐れが

      ありますので、速やかに、ドライヤーなどで強制乾燥させねば成りません。

 ② 粉引(こひき)について

以下次回に続きます。 

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