わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

本焼きの注意点2(窯焚きの時間)

2009-06-30 21:24:12 | 窯詰め、素焼、本焼の話し
前回の続を、述べたいと、思います。

本焼きで、最も重要な事は、設定温度(必要な温度)まで、上昇させる事です。

② 土が焼き締まる温度まで、上昇させる事でもあります。(実用に耐える、強度にする。)

  釉を掛けない、焼き締め等は、十分土が焼き締まるまで、温度を上昇させます。

  焼き締まる温度は、土の種類によって、違いが有ります。

  予め、試し焼きなどして、最適な温度を、見極めて下さい。

2) 次に重要な事は、

 ① 窯を焚いている時間の長さ。

 ② 温度上昇スピードです。

 両者は、密接な関係にあります。温度上昇が、緩やかならば、当然焚く時間は長く成ります。

 ① 窯を焚いている時間は、窯の構造、窯の大きさ(容量)、土の種類、作品の種類、燃料の種類、

   その他の条件によって、「何時間が良い」とは、言えません。

  ) ジェーゲル、コーンは、1時間に100℃ずつ温度上昇する事を、条件にしています。

    即ち、1250℃(SK-8)にするには、12時間30分掛けなさいと、言う事です。

    これが一つの目安に、成ります。

    (1200℃を超えたら、もっとゆっくり、上昇させないと、水漏れを、起し易く、

     しっかり焼き締まらないと、言う人もいます。)

  ) 現在の窯は、温度の密閉度(外に逃がさない)が良く、且つ、強制燃焼などで、火力が強く、

    上記時間より、大幅に時間短縮が、可能になっていて、現実には、一般的な土で、

    7時間~10時間程度が、普通の時間と、思われます。

    (小さい電気窯などは、5時間程度の窯も有ります。)

   雑誌や陶芸の本などを見ると、一般的な土で、15時間、18時間、20時間など、

   かなり長い焼成の例が、出ていますが、本当に必要な時間なのか、はなはだ疑問に感じます。

 ② 温度上昇スピードについて

   以前に述べた様に、急な温度変化に、弱い土が有ります。弱い土は、時間を掛けてゆっくり、

   温度上昇が必要です。

   但し、最初から、ゆっくりペースではなく、途中から、温度上昇を抑えるのが、良いと思います。

  ) 一度素焼してある作品は、素焼温度までは、どんどん温度上昇して良いです。

    例え釉をかけた作品でも、慎重に成る必要は、有りません。

   ・ 注意点は、窯の扉や、蒸気抜きの穴は、開けて置き、釉の水蒸気を逃がします。

    釉を塗った直後では、素焼した土の中に、水分がかなり残っています。

    温度上昇と伴に、水蒸気が発生し、この逃げ場がないと、窯の天井に、水滴が溜まり、

    落下して、作品の上に落ち、釉に「シミ」を作ります。
  
   「最初の300~400℃は、慎重に上昇するべき」、と言う人もいますが、

   上記の、水蒸気を上手に逃がす手はずをすれば、ほとんどの場合、温度を急上昇しても、

   問題有りません。

   (土の中の水分は、一度素焼をしていますので、スムーズに、作品表面に移動し、水蒸気爆発を、

    起す事は、有りません。)

 ) 素焼以上での温度は、その土にとって、最初の経験と成ります。

   それ故、土の種類によっては、慎重に上昇した方が、安全だと思います。

以下、次回に続きます。

陶芸、本焼きの注意点 

窯焚き時間
   
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本焼きの注意点1(温度を上げる)

2009-06-29 22:36:07 | 窯詰め、素焼、本焼の話し
本焼きの方法については、焼成の仕方、窯の大きさ、窯の構造、燃料の差、窯の焚き方など、

人により、そのやり方に、違いが有りますので、ここでは省略いたします。

一般的な注意点を、お話したいと思います。

1) 本焼きで、一番重要な事は、設定温度(必要な温度)まで、温度を上昇させる事です。

  設定温度とは、

 ① 釉が完全に、溶けた状態になる、温度です。

 ② 土が実用に耐える程度、焼き締まる、温度でもあります。(釉を掛けない場合)

   温度が低すぎると、釉が熔けずに(ガラス質にならず)、表面が、ザラツキます。

   熔け不足は、以下の場所で、起こり易いです。

  ) 作品の、外側片面が、熔け不足。

  ) 作品の、内側が、熔け不足。

  ) 背の高い作品では、下部が、熔け不足。

  ) 釉を厚く塗った所が、熔け不足。

  Ⅴ) 全体が、熔け不足。

 熔け不足の原因は、勿論温度が低い為や、「ねらし」時間が、短い為ですが、

 (「ねらし」:設定温度で、数十分一定に保つ方法)

 それ以外に、炎の流れ、温度の伝わり方に、問題が有る場合も多いです。

 ② 熔け過ぎに、注意。

   特に流れ易い(流動性のある釉)や、釉単体では、流れないが、二重掛けすると、

    流れ易くなる釉も、有ります。

   又、釉を厚く掛けて、長時間高温に、晒された場合にも、起こります。

  ) 流れた釉は、棚板に流れ出し、作品が、取れなく成る場合も、有ります。

  ) 釉が煮えた状態となり、釉中に、気泡や、気泡が逃げた痕で、出来上が、綺麗ではありません。

 ③ 窯の中の温度を、なるべく、一定にする。

   倒炎式の窯は、比較的、窯全体の温度が、一定に成り易いですが、窯の大きさや、窯詰めの

   状態などで、窯の中の、温度分布に、バラツキが出る事が、有ります。

   その為、熔け不足や、熔け過ぎが起こり勝ちです。

  ・ 窯の焚き方を、色々工夫して、均一にしたい所ですが、不可能な場合には、釉に強弱を

    付ける事も、必要です。(一般的な釉は、1230~1250℃が多いです。)

    強い釉:比較的高い温度で、熔ける釉薬 (1250℃、1280℃など)

    弱い釉:比較的低い温度で、熔ける釉薬 (1180℃、1200℃など)

    尚、低い温度の釉は、市販されてもいますが、一般的な釉に、酸化亜鉛(亜鉛華)、灰、石灰分、

   アルカリ分(Na、K、Ka、など)を多く入れ、自分で必要な温度に、調合する事も、可能です。
    
   この調合した釉を、熔け不足や、解け過ぎが、起き易い場所に置く、作品にかけます。

参考までに、例えば、1230℃の釉は、その温度に成ると、急に熔け始めると言う訳では有りません。

1230℃以前に、作品表面より、少しずつ熔け始めます。そして1230℃で、ある時間持続すると、

釉が完全に溶けると、言う事です。

即ち、決まった融点(固体から液体に成る、境目の温度)は有りません。その近辺で、熔けると言う

事です。それ故、ガラスは、化学的には、液体に分類されます。

以下次回に続きます。

陶芸の本焼き 

窯焚き 温度上昇
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本焼きの温度

2009-06-25 22:42:49 | 窯詰め、素焼、本焼の話し
本焼きの焼成する温度と、昇温スピ-ドに付いて。

 本焼きの際、注意しなければ成らない事は、土の性質(性格)を、十分把握して置く事です。

 一般に、市販されている土は、最適な焼成温度(範囲)が、表示されているます。

 それに従えば、間違いありませんが、ご自分で採取した土等を、使う場合は、以下の事柄を、

 考慮して下さい。

 1) 土の種類(土の成分)等によって、焼成温度は、異なります。

  ① 土の耐火度による変化

    どんな土でも、高温に成ると、軟らかく成り、熔けて来ます。

    それ故、焼成温度が、その土の耐火温度以上に成ると、作品が歪んだり、お煎餅の様に、

    土本体が、膨らんだりします。 最高温度以下で、焼成する必要が有ります。

   ) 一般に不純物(鉄など)を含んだ土(赤土など)は、耐火度は、低く成ります。

   ) 焼き上がりが、白っぽい土は、大抵、耐火度は、高いです。

  ② 焼き締まる温度に差がある物

    土の性格によって、低温で焼き締まる物と、高温でなければ、焼き締まらない物とが有ります。

   ) 肌理の細かい土は、やや低い温度でも、焼き締まりますが、粒子が粗い土は、

     高い温度でなければ、焼き締まりません。 (強度、透水性に問題となる。)

  ③ 耐火温度に差のある土や、焼き締まり温度に、差が有る土は、同時に焼成できません。

   ・ 例: 現在当窯で、困っている事ですが、土鍋を作りたいと言う、生徒さんに対して、

     要望に応えられない事です。

    即ち、市販されている、土鍋用の土の、最高焼成温度は、1200℃と成っています。

    一方、普段使用している土(信楽土、信楽赤土、志野土、半磁器土、南蛮土など)は、

    1230℃(SK-7)~1250℃(SK-8)ですので、同じ窯で焼けません。

    土鍋を焼くには、一窯全部を、土鍋用に焼く必要が有ります。

    過去に1度だけ、全員で、土鍋に挑戦した事が有りましたが、窯の大きさの関係で、

    20個以上の土鍋を、焼かなければなりませんでした。

    それ故、個々の要望にには、応じられないのが、現状です。

    (どなたか、良い方法を、ご存知の方が、おられましたら、御教授下さい)

   尚、 焼成温度が、極端に変化すれば、それに合わせて、釉薬も変えます。

 2) 昇温、下降温度に注意すべき土

   ① 土の性質から、急な温度上昇に、耐えられない土が有ります。

     急に温度を上げると、土中の気泡(ガス)が表面より、抜け切らずに、土表面に、凹凸を

     作る土も有ります。

     それ故、じっくり、時間を掛けて、温度を上げなければなりません。

   ② 黒い釉は、「引き出し黒」と言い、急冷が良いと言われています。

     熱い窯から、直接引き出し、そのまま、外に放置したり、水の中に入れて、急冷します。
     
     この温度変化によって、土によっては、作品に「ひび」が入ったり、壊れたりします。

     (市販の土には、急熱、急冷可能など、表示されている土も、有ります。)

・ 尚、上記の様な、規格外の土は、使い方によって、特殊な、面白い土と成る物が、多いです。

・ その様な土が手に入ったら、特徴を、上手に引き出し、他に無い作品を作ってください。

・ いずれにしても、土の性質を、把握するため、初めての土は、試し焼きする、必要が、有ります。

陶芸の本焼きについて 
本焼き 本焼きの温度
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本焼きの目的

2009-06-24 23:14:10 | 窯詰め、素焼、本焼の話し
本焼きは、陶芸の、最後の工程に成ります。

 (尚、本焼き後に、上絵付けで、絵を描く事も有ります。)

本焼きとは、1200℃前後~1300℃の範囲で、焼成する事で、素焼や、楽焼など、低い温度で

焼成する事とは、違います。
    
本焼きの目的は、

1) 土を焼き締め、実用に耐える強度にする事。

  ① 土は、高温になると、収縮し密度が増し、物理的(機械的)強度が強く成ります。

   土は、元は花崗岩などの石でした、それが日光や、雨、風、熱水などで、数万年を経て、

   風化、分解され、粉々に成り、川や、池などに、堆積した物と、考えられています。

   それ故、高温に成る事により、最初の岩(花崗岩)に、戻った事に成ります。
  
  ② 吸水性が、極端に無くなり、水漏れを少なくさせます。

  ③ 実用に耐える、硬さや、強度と成ります。

  備前焼に代表される「焼き締め」は、釉を掛けなくとも、この段階で、十分実用に耐える作品と

  成ります。

  「焼き締め」は、薪などで焼成する事が多く、灰などで、釉薬とは、違った表面の模様が

  自然に、出て来ます。 
 
2) 釉を高温で熔かし、土(素地)の表面を、ガラス質で覆う事です。

  ① ガラス質で覆う事により、更に物理的、化学的強度を増します。

   ) 素地を、ガラス質で覆う事により、物理的強度が、増します。

   ) 酸や、アルカリ、その他洗剤などに対して、化学的強度が、増します。
  
  ② 汚れに対して、処置し易いです。

   ) 食器など、汚れを落すのが、容易に成ります。

   ) 釉で覆う事により、更に吸水性が、少なく成り、油などの汚れより、守ります。

     (貫入釉などでは、表面の「ひび」から、水がしみ込む場合も有ります。)   

  ③ 色や絵付けが出来ます。

    各種釉薬で、色付けをしたり、好みの絵(下絵付け)を描く事が、出来ます。

    色や絵を描く事により、作品に変化が出ます。

  ④ 表面が、ガラス質ですので、手触り(触感)が、良い。

 以上の利点が有りますので、一般的には、釉を塗って、焼成します。
  
 陶芸の本焼き 

本焼き 本焼きの目的

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本焼き(非常時の対処5地震)

2009-06-21 22:30:25 | 窯詰め、素焼、本焼の話し
3) 気象条件の急変、地震など、不測の事態

  屋外(室外)に設置された、燃料を使う、窯の場合に付いて、引き続き述べていきます。

 ④ 地震の場合の処置(前回の続き)

  ) 窯の中の作品や棚板が、壊れた場合には、とりあえず、全ての作品を、窯の外に出し、

    傷の有無を、点検します。

   ・ 壊れた作品は、傷の大小に関係なく、残念ながら、破棄すべきでしょう。

   ・ 釉が熔け始めた段階で、棚板上の作品が動き、隣同士が接触し、「くっつく」場合が

     有ります。「くっついた」作品は、残念ながら、切り離す事は、出来ません。

   ・ 釉が熔け掛かた作品で、傷が無い物は、再焼成可能です。

   ・ 棚板の、割れた物は、他の使用方法で、使います。

  Ⅴ) 最悪の場合は、窯が破損した場合です。

   ・ 市販されている窯は、耐火煉瓦の外側を、鉄骨や鉄板で、囲んでいて、強い地震でも、

     窯が大きく壊れる事は、少ないと思われます。

   ・ 「ひび」等は、耐熱モルタルや、道具土で、補修します。

   ・ 電気窯の電熱線に、作品が当り、断線させる場合も有ります。

     この場合も、補修が必要です。
   
  Ⅵ) その他

   ・ 熱電対温度計の、保護管が破損した場合、交換する事が望ましいですが、1~2回程度の

     本焼きは、そのまま使用しても、特に問題には成らないと、思います。


尚、余談ですが、

 作った作品の保管時の、地震対策として、昔からの方法で、棚を、紐(ワイヤー、ロープ、鎖)で

 ブランコにする方法が有ります。

 固定された棚や、保管場所(ラックなど)では、地震の揺れで、作品が倒れる恐れが、有ります。

 逆に、棚ごと、揺れる事により、作品に掛かる力を弱め、転倒防止に成ります。

 その1例を、述べたいと、思います。

 ① 用意する物。

  ) 長さ90cm程の、丸材(パイプでも可)や角材2本。

  ) 紐(ワイヤー、鎖など)4本(長さ1~1.5メートル)。

  ) 作品を載せる、棚(幅20~25cm、長さ180cm、厚さ10mm以上)2~3枚程度

 ② 組み立て、取り付け。

  ) 丸材などの両端、3cm以上を空けた所に、ワイヤーや、紐(鎖)等が、外れない様に、

    溝を掘ります。(外れ防止ですから、必ずしも、溝である必要は、有りません)

  ) 紐(ワイヤー、鎖)4本を、各々前記丸材の、溝に結び、固定します。

  ) 各丸材の紐の他端2本を、部屋の天井や、梁から釣り下げます。

     作品を、棚に載せると、かなりの、重量と成りますので、しっかり固定します。

    天井との隙間、40~50cm、(作業する人の頭上に設け、頭にぶつからない事)

    長ければ長い程、ゆっくり揺れます。

    丸材間の間隔、120cm前後とします。

  ) 組み立てた、丸材などの上に、棚を載せれば、完成です。

    一組の丸材に、2~3枚の棚板が、載ります。棚板間は、作品が出し入れできる様に、

    隙間を開けて置きます。

  Ⅴ) 広い作業場では、このブランコを、何組も作ります。

     又、作品が載った棚板ごと、移動させてる事も、可能です。

     強い地震で、作品は大きく揺れますが、棚から、作品が落ちる事は、まずありません。

    
以上で、地震対策の話を、終わります。

陶芸の本焼きの話 

非常時地震 地震
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本焼き(非常時の対処4地震)

2009-06-19 22:27:10 | 窯詰め、素焼、本焼の話し
3) 気象条件の急変、地震など、不測の事態

   屋外(室外)に設置された、燃料を使う、窯の場合に付いて、引き続き述べていきます。

 ④ 地震の場合の処置

   震度3~4程度の地震に対しては、地震で驚いたとしても、特に処置する必要は有りません。

   対策が必要なのは、震度5以上の場合です。

  ) 震度5以上に成ると、先ず、停電に成る事が、考えられます。

    現代では、ほとんどの窯は、なんらかで、電気を使っています。

    電気窯以外でも、灯油窯や、プロパンガス窯の、強制燃焼による、送風機や、デジタル温度計も

    電気で作動しています。

    (尚、昔ながらの、アナログの熱電対温度計は、電気を使いません。)

    これらが、一度に止まります。(被害状態により、停電時間も不明です)

    プロパンガス窯の、自然燃焼方式では、デジタル温度計以外、電気を使いませんので、

    続行が、可能ですが、ボンベと窯間の配管に、何らかの異常(ガス漏れ等)が、起きている

    可能性が有り、即中断するのが、安全です。

  ) 燃料の停止

     都市ガスを使う窯では、自動的に、ガスが遮断される装置が付いていて、

     ガスの供給が止まります。

     大きな地震の直後には、火を使わない様に、広報車が回ったり、テレビなどで、

     放送しているはずです。

     ガスの元栓を閉じ、電源のスイッチをOFFにして下さい。

  ) 震度が更に強くなると、窯の中の棚板が崩れ、作品が落下し、破壊されます。

    当然窯の側に居れば、その音が聞こえるはずです。

    更に、窯に「ひび」が入る恐れもあります。

    この段階では、窯焚きは、不可能で、即中断する事に成ります。

  ・ プロパンガスのボンベは、転倒防止用に、チェーンが付いていますが、地震が強いと、

    ボンベが、倒れる危険性があります。ガスの配管には、何箇所かの、ガスを止める装置が

    設置されていますが、全ての箇所で止めます。

    特に、ボンベ本体のコックを、締め忘れないで下さい。

    窯の温度が、数百度以上の場合には、窯の扉を、直ぐに開ける事は、出来ません。

    温度が、100℃以下に成ったら、扉を開け、中の様子を見て下さい。

 何れにしても、震度5以上の場合、即中断する事が望ましいです。

 中断後、ガスの配管や、窯と、窯の中に異常が無い(のぞき穴から、中を見て下さい)場合で、

 停電も無い(又は、通電開始後)場合には、再点火可能に成ります。

以下、次回に続来ます。

陶芸の本焼きについて 

非常時地震 地震

  
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本焼き(非常時の対処3突風)

2009-06-17 22:58:22 | 窯詰め、素焼、本焼の話し
3) 気象条件の急変、地震など、不測の事態

  屋外(室外)に設置された、燃料を使う、窯の場合に付いて、引き続き述べていきます。

 ③ 風(大風、突風)の場合の処置

   ) 窯の構造は、現在では、倒炎式が圧倒的に多いですが、直炎式の場合には、

     窯焚きの、最終段階で、高温に成ると、炎が煙突から、噴出す場合が有ります。

     この状態で、不測の大風や突風が吹くと、火災などを、誘発する恐れが有り、注意が必要です。

     特に薪を使う窯では、火の粉が、飛ぶ恐れも有ります。

     (直炎式: 窯の下部から、燃料を入れ、窯の上部に設けられた、煙突へ連なる排出口から、

     煙や炎が、流れる構造で、薪を燃料とする、「あな窯」なども、この方式が多いです。)

  ) 一般に、窯は、風除けの為、2~3面が、壁に囲まれている場合が多いです。

    (他の1~2面は、空気を、大量に取り入れる必要から、開けて置きます)

    それ故、少々の風なら、ほとんど問題に成りませんが、回り込む風や、突然の大風(突風)

    などには、炎に変化を与えますので、注意が必要です。

    煙突の引きを調整する穴(ドラフト、バカ穴など)に、風が吹き込むと、引きの力関係が

    変化し、温度上昇や、酸化、還元焼成にも、影響を与えます。

    それ故、風をブロックする、風除けを、臨時に設ける必要が、出てきます。

  ) 炎が、吹き消された話。

    実際に有った話ですが、プロパンガスの窯(自然燃焼)で、焚き始めに、炎を細くしている

   状態で、突風により、その炎が、吹き消されてしまい、気が付いて、再点火した途端に、

    窯が爆発し、大きく壊れてしまいました。

  ・ 原因は、ガスが窯に、充満した状態で、再点火したからです。

    即ち、吹き消されてから、ある時間が経っていた為、生ガスが窯の中に、送り込まれ、

    それに点火した為、ガス爆発を、起しました。

  ・ 対策は、火が消えてから、時間がどの位経ったか、解からない場合、ガスを止めて、

    窯の扉を開け、生ガスを、排出させてから、再点火すべきです。

    (プロパンは、空気より、重いので、自然に排出されますが、短時間で、排出させるには、

     積極的に、空気などを、送り込む事です。)

  ・ ある程度、火力が強くなれば、ガスが、吹き消される事は、無くなります。

    又、或る温度以上に成れば、たとえ吹き消されても、自然に再点火されます。

以下 次回に続きます。

陶芸の本焼きの話 

非常時突風 突風
  

    
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本焼き(非常時の対処2大雨)

2009-06-15 15:29:59 | 窯詰め、素焼、本焼の話し
前回の続きを述べます。

3) 気象条件の急変、地震など、不測の事態

 ② 屋外(室外)で、窯を焚く場合、予測不能な、気象条件の変化に対して、

  ) 大雨の場合、 窯には、屋根が付いているはずです。それ故、大雨であるからと言って、

    必ずしも、恐れる、必要は有りません。

   ・ 但し、プロパンガスを、使用している場合、ボンベが雨に濡れると、ボンベ表面に、霜又は、

     氷(氷の塊)が付く事が、有ります。

     これは、液化ガスが、気化する際、ボンベ周辺から、熱を奪う為に、起こる現象です。

     この現象が起こると、ガスの出力(ガスの発生量)は、低下し、ガス圧は、下ります。

     特に、ボンベ内の液量が少ない時、又は冬場などに、起こり易く、大きく、ガス圧が下り、

     温度上昇が鈍く成ります。

    ・ 対処法は、ガス圧を上げる様に、バルブを操作しますが、ますます、氷が付き、

     思うほど、ガス圧も上がりません。

    ・ ボンベに、熱いお湯を掛け、氷を解かすかします。

      雨が小ぶりに成ったり、止んだら、直ぐに、乾いた布で、水滴を取り除きます。

    ・ 基本的には、ボンベも雨など、掛からない場所に、置くのが理想です。

  ) 夕立について、

    夏の午後、夕立により、雷雨となる事が有ります。

    燃料に薪を使う時など、濡らさない様に、注意します。

    (プロパンガスの、ボンベについては、前項と同じです。)

    雨は一時的な物ですので、さほど、心配はいりませんが、雷には注意してください。

    実際に、落雷は、めったに遭遇する事は、無いと思いますが、近くで、盛んに落雷が有ると、

    高い煙突が、気になり、不安に成ります。特に最終温度近くまで、窯焚きが進んだ場合、

    続行か、中止かを、決断しなければ、成りません。

  (避雷針が有るからと言って、安心できません。避雷針は、逆に落雷を、呼ぶ装置です。)

  ・ 夕立の時間帯は、午後2~4時頃が多いです。それ故、早朝より、窯焚きを始め、

   夕立時には、終了している事が、最も安心です。

  (但し、この方法も、窯を焚く時間が、10時間以内の場合です。)

  又、日数に余裕があれば、夕立が予報される日には、窯焚きをしない事です。

  ・ 一時窯焚きを、中断すると、数百度温度が低下します。

    しかし一度上がった、温度まで再上昇する時間は、最初の時間より、ずっと短いです。

    大よそ、最初の半分の時間程度で、中断前の温度に成ります。

    (窯の構造、状態によって、違いが有り、一概には、述べられませんが・・・)

    それ故、中断(温度低下)を恐れず、実行しても良い場合も有ります。

    あくまでも、状況を見て、判断して下さい。中断は不安解消の意味あいが、強い処置ですが。

以下 次回に続きます。

陶芸の本焼き 非常時の対処法 

非常時大雨 大雨
    

 
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本焼き(非常時の対処1)

2009-06-14 22:47:24 | 窯詰め、素焼、本焼の話し
本焼き中の非常時とは、以下の事柄です。

1) 燃料切れ、停電など

 本焼き中に、熱源の元が、無くなってしまえば、温度は降下してしまいます。

 ① 停電や、都市ガスの様に、供給元から、急に、止まってしまっては、処置の仕様は、有りません。

  ) 通電の見通しがあるならば、しばらくそのままにしておき、通電後直ぐに再開できます。

    通電の見通しが無いならば、スイッチOFFにして下さい。

  ) ガスの供給が、ストップした場合、ガスの元栓を、締めます。

    そのままにして置くと、ガス漏れの原因に成ります。

 ② 灯油、プロパンガス、薪など、自分で用意する物は、燃料切れに、成らない様に、

   常にその量を、確認して置きます。

  ) 不測の事態が起き、通常よりも、窯を焚く時間が、長引く恐れは、常に有ります。

    それ故、通常1回分の窯焚きで済む量では、不足する場合が、有ります。

    量は余裕を持ちたい物です。

2) 温度計の故障、電熱線の断線

  ① 窯焚き前に、確認したにも関らず、本焼き中に、熱電対温度計が、作動不良に、

    なってしまった場合、導線の、接触不良などを「チェック」します。(ネジの緩みなど)

  ) どうしても、直らない場合、色見や、ジェーゲルコーンで、判断します。

    この両方共ない場合、炎の色で、判断しますが、普段見慣れていないと、温度判定は、

    難しいです。

  ) 最悪の場合、時間で、見極める事に成ります。通常この位の時間では、この位の温度上昇に

    なっているはずと、見当を付け、若干長めの時間を掛けます。

 ② 電気窯の場合の、電熱線の断線

   突然の電流量(アンペア数)の現象や、温度上昇の鈍化(降下)などで、断線が予想されます。

  ) 重要な事は、ここで本焼きを、中断すべきか、続行すべきかを、判断する事です。

    最終温度近くに成ていて、緩やかながら、温度が上昇していれば、続行と成ますが、

    スイチON 直後の断線や、窯の温度がまだ低い場合などは、中断した方が、良いでしょう。

  ) 電熱線は、消耗品です。ある程度使うと、段々細くなります。(抵抗が増え、電流量が減る)

    それ故、常に「チェック」して、本焼き中に、断線させない様に、して下さい。

    又、電熱線に、作品を衝突させても、線を傷つけ、断線の原因に成ります。

3) 気象条件の急変、地震など、不測の事態

 ① 屋外(室外)で窯を焚く場合、大雨や、大風など、天気が荒れそうな時は、窯焚きは、

  しないと思います。

  問題は、大雨、大風、嵐、雷など、急激な天候の変化の場合です。

  この場合も、状況を見て、続行か、中止かを、判断します。

  (尚、一般には、一度火を入れたら、よほどの事が無い限り、続行を選択します。)

  以下次回に 続きます。

陶芸の本焼きの話 

非常時
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窯詰め(注意事項)

2009-06-12 22:26:49 | 窯詰め、素焼、本焼の話し
窯詰めで、注意する事は、以下の事柄です。

1) 作品が安定に、置かれている事

   特に、窯の構造が、シャトル方式(作品を載せる部分が、手前に引き出せる)では、

   作品が不安定だと、シャトルの出し入れの際、振動で、倒れる恐れが有ります。

   不安定な作品は、底の部分に、支えの詰め物をいれ、安定化させます。

  又、本焼きで、作品が収縮しますので、その作品の中心に向かって、周囲が移動する事に

  成ります。特に大きな作品は、縮み量も多くなり、動く量も多く成ります。

  (作品が、棚板に接する部分に、酸化(水酸化)アルミナを塗るのも、単に「くっつき」

   防止だけでなく、縮でスムーズに、移動する為でも有ります。)

2) 倒炎式の窯では、炎の流れに、注意する

   火(炎)が延びる事は、温度上昇と、焼き上がりの色に取って、大切な要素です。

   炎が、堰き止められない様に、作品を並べます。

   特に、天井と、作品の隙間は、やや大きく(4~5Cm位)取ります。

   天井まで昇った炎は、窯の壁や、作品の隙間を通り、下に降り、最下段の棚板より、

   更に低い位置にある、排出口より、煙突を通り、外部に出ます。

   その間は、炎がスムーズに、移動出来る様にします。

   隙間は、広くても、狭くても、十分延びません。その隙間は、燃料の違い、窯の構造、

   窯の焚き方、など多種の要素が、絡みます。経験して見つけて下さい。

3) 最上段には、大きな作品を置きます。

   最上段は、支柱がいりません。それ故、棚板全部の面が、使えます。

   大きな作品が、無い場合には、天井のアーチに沿って、高さの異なる作品を、並べます。

   作品が揃わない場合、割れた棚板を使い、部分的に1段、設けても良いです。

4) 色見や、ジェーゲルコーンの置く場所を、確保する。

   窯の外部より、色見や、ジェーゲルの状態が、解かる位置に、置きます。

   色見は、見るだけでなく、引き出して見る場合が有ります。その場合には、引き出せる位置に

   作品を置かなければ、成りません。尚 色見や、ジェーゲルを使わない場合も、多いです。

5) 作品の入れ忘れに注意

  意外と多い事ですが、本焼きすべき作品を、窯詰めの際、入れ忘れる事です。

  窯詰めする作品全部を、最初から、一箇所に、集めておけば、問題も起きない訳ですが、

  実際には、色々な場所に、置いてある場合も、多いです。まだ釉掛けしていない作品も

  残っているかも知れません。

  どうしても、今度の窯で、本焼きすべき(納期の有る)、作品は、くれぐれも注意してください。

5) 棚板の管理 

   棚板は、何か他の物に、立て掛けた状態で、重ねて保管します。

   立て掛けた棚板は、倒れると、割れ易いです。倒れ無い様に注意。

   注意していても、棚板に、「ヒビ」が入る場合が有ります。

   「ヒビ」が棚板の1/3程度なら、使用可能です。それ以上「ヒビ」が大きい場合には、

    使わない事です。

    尚、「ヒビ」の入った、棚板を、積極的に割り、割れた棚板を、有効に使う事も出来ます。

 陶芸の窯詰め 
   
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