わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

造る103(皿3、葉皿2、角皿(足を付ける1))

2013-06-30 21:55:49 | 陶芸入門(初級、中級編)

2) 自分で考えてデザインした葉を元に制作する。

   実際の葉を利用する場合には、大きさ、形、手に入る季節など、色々制約があります。

   そこで自由に葉っぱをデザインし、それを元に制作するのであれば、前記の条件はクリアー

   でき、現物の葉以上の葉(大きさ、形)の皿を作る事が可能になります。

  ① 葉のデザインを決め、型紙を作る。

    勿論、空想的(想像、創造的)な葉でも良いのですが、なるべくなら本物の葉に似せて造った

    方が、リアリな感じに出来上がります。又葉ではなく、大きな花で有っても良い訳です。

    デザインが決ったら、型紙としておけば、後日同じ形の皿を作る事が出来ます。

    当然、縁の土を締める事、土が縮む事と、縁を持ち上げる事を考えて、型紙は大きくしておく

    必要があります。

  ② タタラで作る方が、簡単で綺麗な作品を作る事が出来ます。

    但し、平面(上面)に凸凹感を出したり、変化をもたらす場合には、土の塊を手や叩く道具を

    使い、平らに伸ばしてから、形作るやり方もあります。どちらが良い悪いではなく好みの

    問題です。但し前者の場合には、肉厚を薄くし軽くする事も可能ですが、後者の場合には、

    土が肉厚に成り、重くなり易いです。

    タタラの作り方に関しては、前回取り上げていますので、省略します。

    但し、十分広い(大きい)面積の陶板を作る事です。後で付け足す事はしない方が良いです。

    ) 型紙を載せて切り取る。

      土の乾燥が進むと、簡単にカットできなくなりますので、陶板が出来たら直ぐにカットする

      事です。この段階なら、水に濡らした針で容易に切り取れます。その後、端面の土を締めて

      から、革で拭き滑らかに仕上げます。尚、端面を極端に「ギザギザ」にすると、後の作業が

      やりにくくなる事と、焼成した皿の縁が手に当たり、使い難くなりますから注意。

    ) 裏表を決める。両面とも同じ様に綺麗に出来ていればなんら問題も無いのですが、

      往々にして片面に傷や凹み等が発生します。なるべく補修をしますが、補修痕が残り易い

      ですので、綺麗な面を上面にします。 又、サインを何処に入れるかも考えておきます。

      一般にには裏側ですが、表に陶印を押す場合もあります。   

    ) 葉脈を書き込こむ、陶板上に針等で当たりを付けてから、水で濡らした竹串などをやや

       横に倒して、滑らせながら葉脈を掘り込みます。

       尚、葉脈は、葉の種類によって、色々の文様がありますし、どの程度省略したり、細かく

       描き込むかは、予め考えて置く必要があります。又、素焼後に釉を掛けますが、釉の種類に

       よっては、折角描いた葉脈が薄くなったり、消えてしまう場合もありますので、やや深目

       (太目)にしておきます。 更に、葉皿には使用時に、置く位置(方向)が発生しますので、

       食卓に置いた状態をイメージして描き込む事です。

    ) 素焼き後の下絵付けや、本焼き後の上絵付けで、葉の葉脈を描く事も出来ます。

    ) 周囲を持ち上げ皿らしくします。

       持ち上げ方にも色々あります。全体を均等に持ち上げる。部分的に高低を付ける。

       角皿の場合は四隅など、更には、花びら風に内外に開く方法もあります。

 3) 角皿を作る。

    特に正方形(真四角)な皿や、長方形の皿を角皿と呼びます。どちらかと言えば、和風の料理を

    盛る皿として、重宝している食器です。

    角皿の作り方は上記葉皿と同様に、タタラで作る事が多いですので、作り方は省略します。

   ① 変形し易い角皿。

     角皿は制作後、素焼き前、素焼き時、本焼き時などの段階で、意外と変形し易いです。

     主な原因は、皿の置き方に関係します。本焼き以外では皿を横、又葉縦方向に立てて、置き

     スペースを少なくするのが普通です。その際乾燥が不十分であると、皿全体に捩れ(ねじれ)

     が起きる事があります。この捩れは本焼きで矯正される事が多いのですが、本焼きでも

     直らない場合もありますので、十分乾燥させてから横、又は縦に立て掛ける事です。

    ・ 脚(足)の付いた角皿は、本焼き時に変形が起こり易くなっています。

     変形し易い皿と場所とは?。

     ) 真平らな角皿(縁が起きていない)は本焼きで変形し易いです。

        皿の全周の縁が立ち上がった皿は変形し難いです。

     ) 面積の大きな皿。特に平たい部分が多い皿。

     ) 支点(この場合足など)から遠い場所。(角皿の隅や皿の中央)

        支点がバランス良く配置されていない皿。

     ) 縁の肉厚が厚い皿。

     ) 縁が緩やかにた立ち上がった皿、又は、立ち上がりが少ない皿。

     ) 中央部の裏側にに「リブ」と言う筋を付ける事により、更に変形し難くなります。

     ) その他、持ち上げる位置と高さ、足の数、足の取り付け状態等に左右されます。

   ② 角皿に脚(足)を付ける。

 以下次回に続きます。

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造る102(皿2、葉皿1)

2013-06-28 21:30:40 | 陶芸入門(初級、中級編)

陶芸を始めて最初に作る皿は、葉皿の事が多いので、葉皿は一度は作った事があると思います。

葉皿とは、「葉っぱ」の形をした皿ですが、一般には、タタラで作ります。

実際の葉を利用する場合と、自分で考えてデザインした葉を元に制作する方法があります。

1) 実際の葉を利用する場合。

 ① 葉の選定 : 葉は種類によって形や大きさが異なります。更に、季節によっては手に入らない

   場合もありますので、好みの皿が作れるとは限りません。特に都会では、本物の葉を入手する

   事が難しいかも知れません。

 ② 葉皿に向いている葉を選ぶ。

   ) 形で選ぶ。滑らかな曲線を描く葉もあれば、周辺がぎざぎざした葉もあります。

      更に、丸味のある葉、細長い葉、特徴的な形をした葉などが有りますので、皿の用途や

      デザインによって選ぶ必要もあります。

   ) 葉の大きさも重要です。タタラで葉の形通りに仕上げますので、小さな葉では小さな皿に

      成ってしまいます。更に、制作時と焼成時では寸法が異なり、小さくなってしまいますので、

      大きめの葉を使う事です。(焼成までに縦横高さが一割強縮みます。面積ですと80%以下

      になります)

   ) 葉皿の魅力の一つに、鮮明で綺麗な葉脈がある事が上げられます。

     勿論、葉脈をご自分で書き込む(掘り込む)事も可能ですが、出来ればその葉が持っている

     葉脈を写し取った方が、自然の美が見られえます。

 ③ 葉脈を写し取るには、葉脈がしっかり出ている葉を使う事です。

    例えば、紫陽花(あじさい)、つわぶき(石蕗)、葡萄(ぶどう)、柏の葉、桐の葉などがしっかり

    葉脈が出る葉っぱです。肉厚の葉だからと言って、必ずしも鮮明な葉脈がある訳では

    ありません。

 ④ 組皿を作る場合、一枚の葉を使い回す事も可能ですが、同じ草花や木の葉を複数枚

     用意した方が、バラエチーに富んだ葉皿に成ります。(葉の形、大きさ、葉脈に差がある。)

 ⑤ 葉皿の制作

   ) タタラを作る。

     タタラ板を使う方法と、木の枠を使う方法がありますが、葉を押し付ける行為がありますので、

     後者の方が適していると思われます。

     厚みは、作品の大きさに応じて、或いは、好みに応じて決めます。5~10mm程度が良い

     ようです。

   ) タタラの上に葉を上向きに置きその上に布を被せて、ローラー(棒)で押し付け、花の形と

      葉脈を転写します。

     a) 茎の部分が太い葉の場合、茎の部分を切り取るか、太さを半分にする為、カッター等で

       スライスします。タタラの肉厚が薄い場合、この作業を行わないと、茎の部分が薄く

       なり、穴が開く場合があります。

     b) 葉の裏側に、片栗粉を筆で塗る。(型離れを良くする為)

       葉を使い回す時や、土から葉を剥がす際、粉が振ってあると、簡単に剥がれます。

       タタラが十分大きく、数枚の葉が載せる事が出来れば、同時に数枚作る事ができます。

     c) 葉を土に載せたまま、葉の輪郭に沿って、針などで切り出します。但し、茎の部分は太目に

       切り出す必要があります。細いとこの部分から破損します。

       但し、クサビ型に切り取ると、その部分から「割れやひび」が入りますので、鋭角部分は

       残さず、丸い竹串などで、丸みを付けます。

     d) 葉を取り除いてから、土の端面を指などで中央に押して、縁の肉厚を厚くすると同時に、

       土を締めてから、革で拭きます。

       粉が十分付いている場合には、簡単に取り除く事は可能ですが、粉が無い場合には

       葉は千切れますので注意。次に葉脈の確認をし、線が弱ければ、補修します。

       周囲を強く押すと、端面が肉厚になり、豪華に見えます。当然皿の大きさは小さくなり

       ますので、タタラから切り出す際、若干大きめにする様にする場合もあります。

   ) 形作り。

      真平の葉皿であれば、上記 d) の状態で完成ですが、縁を持ち上げて汁物も盛れる様に

      する為には、周辺を持ち上げる必要があります。

     a) 両手の親指と他の指を向かい合わせ、手前に折る様にして縁を持ち上げます。

      その際土を両手を近付ける様にして寄せてます。立ち上げる量で、皿の深さが決ります。

     b) 枕を置いて持ち上げた部分を支える。

      土は軟らかいですので、持ち上げた部分が自然と落ちてきます。これを防ぐには、紙や

      粘土で作った枕を、持ち上げた部分の下に入れ保持します。枕はチラシ広告を何重にも

      折り重ねて適当な長さと厚さにします。丸い形では、持ち運びの際転がり易いです。

      粘土の場合には、棒状にし片栗粉を塗り、皿にくっつくのを防ぎます。

   ) 若干乾燥後に反りを補正する。

      平らな板物を乾燥させると、必ず、板の中央部分が持ち上がります。この持ち上がった

      状態は素焼き、本焼きでも元に戻る事はありませんので、若干乾燥した状態で上から力を

      加えるか、両端を支えながら、中央を手のひらや、親指で押して水平にします。

      乾燥し過ぎると、この作業で「ひび」が入る事もありますので、注意が必要です。

   ) 葉皿に脚(足)を付ける。

      一般には、脚の無い「ベタ」底の場合が多いです。

      板皿で脚を付ける方法と注意点は後日お話します。

以下次回に続きます。    

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造る101(皿1、始めに)

2013-06-27 21:47:02 | 陶芸入門(初級、中級編)

轆轤挽きで皿を作る事は、初心者は勿論、かなりの経験者であっても、以外に難しい所があります。

轆轤挽きの場合には、豆皿、小皿、中皿(約20cm以下)程度で有れば、さほどの困難もあり

ませんが、大きな皿(30cm以上)になると、とたんに難しくなります。特に深さの浅い皿程難しいです

手捻りの皿であっても、脚(足)の付け方によっては、問題が発生します。

以上の様な事を中心に、その原因と対策など付いて述べたいと思います。

前置きが長くなりましたが、今回より皿に付いてお話します。

皿は料理を盛る食器ですが、中、近世ヨーロッパでは、我が国から輸出された皿が、室内の装飾品と

して取り扱われた事もあります。我が国に於いても、大きな皿は実用的と言うよりも、装飾品として

飾られる事も多いです。

皿は大きな平面がありますので、この面を利用して絵などの装飾を施する訳です。

1) 皿の種類

  皿には、円形の物と、四角形又は多角形(及び不定形)の物があり、各々轆轤でも手捻りでも

  制作できますが、手捻りの方が好みの形にし易いです。

  円形の物は主に、轆轤挽きで作る事が多く、四角形や不定形は手捻りで、タタラ(陶板)や紐作り、

  塊作りで作る事が多いです。

  作品の大きさも10cm以下の小さな物(豆皿)から、数十cm(50cm以上)に及ぶ物もあります。

  一般に小さな物は轆轤挽きの物が多く、大きな皿では轆轤挽きや、手捻りで作ります。

  尚、尺皿と呼ばれる、完成時に径が30cm程度(轆轤挽きで約35cm)の皿であれば、轆轤挽きも

  難しくなり、それ以上になると極端に難しくなります。 

 ① 円形の皿

   従来、我が国では円形の皿の大きさの呼び名は、昔からの尺貫法による直径寸法で表示され、

   〇尺〇寸〇分皿と呼ばれていましたが、現在では、それをメートル法に換算して表しています。 

   即ち、一寸は3.03cmと換算し一尺は30.3cmとなります。それ故、尺皿とは約30cm程度の

   皿になります。

  ) 皿は用途に応じて、おおよその大きさが決まります。

     皿を作る際には、用途を考えて大きさと形を決めてから取り掛かる事に成ります。

     又重量(重さ)も重要な事項です。見た目で使い易い形と、実際に適する重さとは、必ずしも

     一致するとは限りません。

  ) 底の広い皿と底の狭い皿

     皿の底の広さは、轆轤挽きでの制作上、重要な要素になります。底が狭く直径の大きな作品

    では、制作時と焼成時に変形と言う苦労が付きまといます。詳細は後日お話します。

  ) 深い皿と浅い皿

     鉢に近い形の物から、平盤に近い形まで色々あります。形状によって作り方も変える必要が

     ある場合も多いです。

  ) 西洋風な皿と和風の皿

     西洋皿では、皿の内側がなだらかでなく、極端に凹ませたり口縁を水平にする等の変化が

     付いた物が多いです。この様な形の変化は、当然制作時や焼成時に何らかの支障を与える

     事になります。作品の形に応じて、各種の「コテ」等を使う事もあります。

  ) 円形に轆轤挽きした作品を石膏型に押し当て、好みの形にする事や、円周の一部を切り

     裂いて俎板(まないた)皿にする等の応用も可能です。

 ② 角皿又は不定形の皿。

    轆轤挽きで丸く作った作品を角型に切り取り、角皿にする方法もありますが、一般的では

    有りません。むしろタタラ(陶板)を使った方が容易に制作できます。

   ) 手捻りやタタラ作りの方法は、轆轤挽きに対して、応用範囲が広いです。

     単に、形作りのみでなく、色土による練り込みや、布目や葉皿の様に葉脈などの文様を

     付ける事も可能です。

   ) タタラ作りでは、分厚い作品や、かなり大きな作品を作る事が出来ます。

     又、口縁のみを部分的に肉厚にし、重量感のある作品にする事も可能です。

以下次回に続きます。

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造る100(花器13、花入3)

2013-06-26 21:34:00 | 陶芸入門(初級、中級編)

4) 置花入と掛(釣)花入。

   花入には床(床の間)に直に置く物と、床に取り付けた釘に掛ける物又は、釘に取り付けた花鎖に

   釣るす物があります。後者の場合には、当然掛けるべき用具(又は単なる穴)が付いています。

  ① 置花入

    床(とこ)が板床である場合と、畳床である場合では床に置く方法に違いがあります。

    以下の事項は、茶道に於ける約束事となっています。

   ) 板床の場合には、花入を直接床に置きます。

   ) 畳床の場合には、薄板(うすいた)を敷て使用します。

      理由は、花から落ちる雫(しずく)を受ける為との事です。

      薄板には三種類あり、花入の格(真、行、草)により使い分けます。

      a) 矢筈板(やはずいた): 檜(ひのき)の真塗で、木口(端面)が矢の羽の様な形をし、

         端の幅が広い方を上面として使います。「真」の花入に使用します。

      b) 蛤端(はまぐりば): 板の周囲が蛤の口状に丸味を帯びた形です。

         角、丸の塗板の場合は、「行」の花入を用います。木地の板は「草」の花入を使います。

      c) 丸香台(まるこうだい): 円盤状の板で、真塗、溜塗、掻き合わせ塗などがあります。

         「草」の花入に使用します。

     尚、畳床でも籠の花入には、薄板を使わないとの事です。

  ② 掛花入。

   ) 掛花金具: 花入に取り付け、床の釘に掛ける金具です。(市販されています。)

     a) 割りピンの頭に金属の環が取り付けてあり、他に金属の細い管と、二個の座金から

       出来ています。 一般に黒塗(黒染)です。

     b) 細い管と座金一個を割りピンに通し、花入の穴に差込み、内側に他の座金を通して

        から、割りピンの先端を二つに割って花入に留めます。

    ) 蹲(うずくまる)るや取り付け穴の無い花入場合には、首や胴に紐(棕櫚=しゅろ等)を

       取り付け、金具替わりにします。

   ③ 釘(くぎ)について。 掛け物を掛ける為床に釘を打ちます。釘には幾つかの種類があります

    ) 中釘(なかくぎ)、無双釘: 床正面の中央に打たれる釘で、出し入れが可能です。

       掛物の場合は中に入れ、花入の場合は引き出して使います。

    ) 花折釘(はなおりくぎ): 床柱又は反対側の相手柱に打たれます。「L字型」の釘です。

    ) 柳釘: 床の奥の隅柱に打たれる釘で、青竹の花入などが掛けられます。

    ) 垂撥(すいはつ): 細長い撥(ばち)形の板の中央に長い切り目を付け、掛け釘が上下

       できる様にしたものです。

    ) 花蛭釘(はなひるくぎ): 床の天井に打たれる釘で、花鎖を取り付け先端の鉤先に

       舟花入の取っ手を取り付けます。尚、花鎖は長さが調節できる様になっています。

    ) 朝顔釘: 床の側面に設けられた窓に打たれる釘で、朝顔などの蔓物の花を入れます。

余り実用的でない話になってしまいましたが、花器に付いての話を終わります。          

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造る99(花器12、花入2(籠、焼物))

2013-06-25 20:14:56 | 陶芸入門(初級、中級編)

焼き物とは、直接関係の無い話に成りますが、竹や籠などにヒントを得て、焼き物の花入の制作に

応用して頂ければと思い、話を進めます。

籠(かご)花入とは、竹や籐(とう)、藤蔓(ふじつる)などで編んだ花入の総称です。

籠花入は、涼しげで軽快な感じを与える花入ですが、季節を問わずに使われている様です。

籠花入には、以下の形の物があります。

1) 籠の花入れ。

 ) 唐物籠(からものかご)

   中国宋、元代に造られたもので、室町時代に我が国にもたらされた花入です。

   編み方も精巧で、口造り、胴、裾、取っ手など変化に富み、美術的にも優れています。

 ) 宗全籠(そうぜんかご): 久保田宗全の代表的な作品です。

    注: 久保田宗全(1647~1707年)は江戸時代の茶人です。

   裾広がりの四方形の胴に、丸い口が付き、丸い半月状の籐の取っ手が付いています。

 ) 唐人笠(とうじんがさ): 円柱の胴に、口が大きく水平に開き、唐人が被る笠に似ています。

   籐で出来ています。

 ) 桂籠(かつらかご):千利休が桂川で見た漁師の魚籠(びく)からヒントを得て出来た形と言わ

   れています。口辺の周りに斜め下に向かう、髭(ひげ)が数本あります。

 ) 蝉籠(せみかご): 床柱に掛ける籐制の掛花入で、蝉が木に止まった様な見える籠です。

 ) 繭籠(まゆかご): 竹で編まれた繭玉状の花入で、背面に藤蔓が付き、掛花入としても

    使用できます。

  ) 虫籠(むしかご): 秋に鈴虫を捕らえ、籠に入れ枕元に置き、その音を楽しんだそうで、

    その時の籠が原型です。口は細くなっています。

  ) 時雨籠(しぐれかご): 骨だけの傘を、逆さにした様な形で、口が放射状に上に開いています

2) 焼き物の花入。

  ) 中蕪(なかかぶ): 銅の中央が膨らんだ形となっています。(青磁の物が多い)

  ) 筍(たけのこ): 皮を剥いだ筍に似た形です。

     砧形又は、下蕪(しもかぶら)形で、胴から首に掛けて数本の横線(環線)が入っています。

     青磁が多い。

  ) 算木(さんぎ): 易の卦(け)に使用しる算木が浮き彫りに成った文様の陶磁器です。

     (青磁に多い)

  ) 砧(きぬた): 布を打つ「砧」の形にした花入です。

  ) 立鼓(りゅうご): 鼓(つづみ)の様に、上下に開き中央がくびれた形をしています。

  ) 舟虫(ふなむし): 花入の胴の左右に、舟虫状の小さな突起が複数個付いています。

  ) 蹲る(うずくまる): 人が蹲った形で、背が低く胴が膨らんでいます。

  ) 旅枕(たびまくら): 円筒形で口造りは、姥口(うばぐち)で、枕の形をしています。

      多くは、掛花入として用いられます。

  ) 鰐口(わにぐち): 神社の拝殿の軒に吊された、金属製の鈴の様な形です。

  ) 粽(ちまき): 口と底面が極端に狭く、胴が膨らみ轆轤目のある物が多いです。

     南蛮渡来の形です。

 3) 口造り。

  花入の素材に関係なく、口造りは工夫が凝らされています。その種類は以下の通りです。

  ) 細口: くびれた首を設けず、細長いまま口まで伸びた形です。

  ) 柑子口(こうじくち): 柑子とは蜜柑(みかん)の一種です。

     口の真下が丸く 膨らんで蜜柑の形をしています。

  ) 雁口(かりくち): 円筒形のやや長めの首の上に、平らなドーナツ状の鍔が載った形です。

  ) 広口(ひろくち): ラッパ状に口が開いた形です。

  ) 桔梗口(ききょうくち): 大きく平らに開いた口で、桔梗の花びらの様な凹凸が付いています。

  ) 鍔口(つばくち): 刀剣の鍔の様に平べったい形の口です。

  ) 鯉口(こいぐち): 魚の鯉の口の様に、口の真下が一度細くなりその上が若干開いた形です

  ) 朝顔口(あさがおくち):上に向かって開く、一般的な形です。

  ) 輪花口(りんかぐち): 口がやや平らに広がり、起伏に富んだ花状になっています。

4) 耳の種類。耳はあくまで装飾の為のものですので、耳の無い花入も多いです。

  ) 鳳凰耳: 鳳凰を模した耳が首の左右に付いています。

  ) 龍耳: 上昇する龍を模した耳です。

  ) 象耳: 象の頭と長い鼻を持つ耳で首の外向きにつけます。鼻の形状は色々な形があります

  ) 鬼面(きめん)耳: 鬼の面が外向きに付けられて物です。

  ) 笹耳: 笹の葉を模し、表面に平行線状に櫛目の様な溝があります。

  ) 遊環(ゆうかん)、不遊環(ふゆうかん): 遊環とは、耳に付けられた円形の環です。

     この環が自由に動くものを遊環といい、動かず単に装飾的なものを不遊環といいます。

     焼き物の場合、施釉の遊環にするには、何らかの工夫が必要です。

  ) 魚(うお)耳: 小魚が腹を首に付け、上に向いて取り付けられています。

     染付けなどに多いです。

  ) 管(くだ)耳: 細長い管が取り付けられています。

4) 置花入と掛(釣)花入。

以下次回に続きます。

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造る98(花器11、花入1(かね、竹))

2013-06-24 18:03:53 | 陶芸入門(初級、中級編)

華道では、「花生け」と呼ぶ花器も、茶道では「花入(はないれ)」と呼びます。

華道に於いては、あくまでも花を引き立てる用具ですが、茶道では少しニアンスに差があります。

花が主役であるのは勿論ですが、花入れは同格又はそれ以上の事もあります。

即ち、茶道にはお道具拝見(拝見所望)の慣わしがあります。由緒ある花入や亭主秘蔵の花入等の

場合には、鑑賞の対象になります。

1) 花入の素材。

   材料別に、「真の花入」と「行の花入」、「草の花入」の三つに分類します。

   ・ 「真の花入」には、唐銅(古銅)、青磁、染付、彩磁、白磁、祥瑞(しょんずい)があり、

   ・ 「行の花入」では、砂張、釣り花入(磁器)、施釉の国焼、唐銅を模した楽焼が

   ・ 「草の花入」には、竹、籠、木工、瓢(ふくべ)、南蛮、無釉の国焼、楽焼などです。

  ① かね(金)の花入: 最も多く用いられているのは、唐銅(からかね)で、他に砂張(さはり)、

    金紫銅(きんしどう)、青銅などがあり、花入の形は以下のものがあります。

  ) 鶴首: 鶴の様に首が長い為に付けられた名前です。

  ) 桃底(ももぞこ)、桃尻: 鶴首の様な首を持ちますが、鶴首より胴が膨らみ、高台内がやや

     盛り上がっています。

  ) 曽呂利(そろり): 鶴首や桃底よりも首が更に細長く、輪高台の付いている物をいいます。

    ) 下蕪(しもかぶら): 逆蕪(さかかぶら)とも言い、下部が膨らんだ物をいいます。

  ) 把綿(たばねわた):  細長い円形の筒で、胴の中央がくびれ、帯が付いています。

  ) 杵(きね): 餅つきの杵の形をしています。

  ) 爵(しゃく): 中国古代の青銅器で作られた、口がややラッパ状に開いた、三本脚の酒器です

  ) 経筒(きょうづつ): 経典を収める蓋のある円筒形の物を花入に転用した物です。

  ) 月(つき):(三日)月形をした釣花入で、花鎖で吊るす様になっています。

  ) 船(ふね): 舟形の釣花入で、月と同様に花鎖で吊るします。

 ② 竹の花入は千利休らによって、侘びや寂(さび)を強調する為に、取り上げられます。

  ) 尺八(しゃくはち)、又は寸切(ずんぎり)。

    逆竹(さかたけ)を用い、中央付近に節を残す事が約束事になっています。

    後には、口の近くにも節を設け、二節の物や、裾の切り口に鉈(ナタ)の削りを入れた物、

    更には、途中に横一文字を切り、花を生ける口を設けた物など、多くの種類が現れます。

  ) 神酒筒(みきつつ): 神前に供える神酒筒を模した物。

  ) 送り筒(おくりつつ): 携帯用の竹筒で、口の両側に耳を残して切り、藤蔓(ふじつる)で

     持ち手を付けた物。又、藤蔓の代わりに、手桶の様に竹を横に通した物もあります。

  ) 一重切(いちじゅうきり): 竹の根元を用い、上部に横一文字の窓を作り、最上部に節を

     残し、輪にした物で一番多く使われている形です。

  ) 獅子口(ししくち): 太くて短い竹で、窓を横一文字に大きく切った形です。

  ) 鮟鱇(あんこう): 切り口が大きく縦長の形です。

  ) 円窓切(えんそうきり): 窓を丸く切った物。

  ) 歌花筒(うたはなづつ): 野点などに使用される物で、細長い竹の下部を一重切にし、花を

     挿し、上部に短冊を差し挟む切れ込みのある形です。

  ) その他に、二重切(窓が二つ)、窓二重(上が丸、下が横一文字の窓)、置筒(吹抜)、

     再来切(さいらいぎり)などがあります。

  a) 落とし(受け筒)に付いて。

  ) 竹の花入は、元々直に水を入れていましたが、竹が傷む事と、竹に「ひび」や「割れ」が発生し

     水漏れするのを未然に防ぐ為、花口に合わせて、内側に竹や木製、更には古銅(銅板や

      ブリキ)の受け筒を落としといいます。

  ) 籠の様に、直接水を張る事の出来ない場合にも、落としが使われます。

     又、口の広く花材がまとまらない場合にも使用します。

  ) 現在では便利なプラスチック容器が容易に手に入りますので、このような容器使う事も

     可能です。 

  b) 花留めに付いて。

    花口に直接花や葉が接触しない様にする為の道具です。特に広口の場合に重要な道具です。

   ) 枝を用いる場合。花口に横一文字、又は横二文字、十文字、二股(Y字)に渡します。

   ) 剣山、亀甲形や七宝形の花留め。オアシス(吸水性スポンジ)。

     注: オアシス(吸水フォーム)は初心者にも簡単に使う事が出来、安価に入手できます。

      四角いブロックで、1ブロックで大きさが 23cm×11cm×8cm 位で、2~300円程度です

以下次回に続きます。

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造る97(花器10、水盤2(華道について))

2013-06-20 21:21:11 | 陶芸入門(初級、中級編)

本日は、陶芸とは直接関係の無い華道(生け花)の話ですが、水盤を作るに当たり、知っておいても

悪くないと思われますのでお話します。

切り花のある処には、必ず花器が使われます。

一般家庭用として、茶道に於いて(茶室用など)、及び華道(いわゆる生け花)などで使われます。

特に、華道の展示会(華展)などでは一般家庭では見る事が出来ない、種類や大きさなど様々な器を

見る事ができます。材質も陶磁器以外に、木製や金属製、ガラス製など多彩です。

一般家庭では、さほど大きな花器は使う事が少なく、茶道に於いても、地味な花や山野草が主役で

器も大きな物や、奇抜で派手な物はほとんどありません。

一方華道では事情が違います。花のみでなく木をも生け込む事があります。(しかも太い幹のものも

珍しくは有りません。)それ故、華道に於ける花器は大きく豪華なものも見受けられます。

もっとも、華道の流派によって、花器も違いがあります。

 1) 生け花の歴史

  ① 我が国に於ける生け花の始まりは、室町時代に建てられた書院造りの「床の間」に飾られた

   「たて花」だと言われています。「床の間」には、掛け軸や香炉などが置かれ、「花」もその一員と

   みなされてました。

    注: 「たて花」とは、書院造りの床の間に飾る花が様式化されて生まれた物です。

  ② 江戸時代になると、武士階級の屋敷の大広間で、大型で豪華な生け花が盛んに成ります。

     これが、「立花(りっか)」です。

    注:「立花」とは、江戸初期に初代、池坊専好が確立し、二代専好によって大成された生け花の

       様式で、最初の流派「池坊」が生まれます。立花(華)を生けるのは池坊だけです。

  ③ 元禄時代に成ると、簡素な「数奇屋造り」の住居が生まれ、小さな床の間があらわれます。

    町人の間にも普及し、自由で日常的な「投げ入れ花」が盛んになり、これを元に「生花(しょうか、

    せいか)」が誕生します。

    注: 「投げ入れ花」とは、単純に瓶に挿す生け方で、普段着の生け花として見直されます。

    ・ 茶花は、茶室の構成要素の一つで、「投げ入れ花」が小型化したものと言われています。

  ④ その後、一般住宅でも応接間が取り入れられ、「盛花」や「投げ入れ花」が流行します。

    注: 「盛花」とは、明治時代に小原雲心氏は、水盤という花器を使った生け花を考案し、

        脚光を浴び、これを「盛花(もりばな)」と名付けます。雲心氏は後に小原流を創立し、

        生け花人口の増加に伴い、誰にでも理解し易い花型が規定されます。

 2) 生け花の流派と「自由花」、「現代花」、「前衛花」、「造形生け花」。

  ① 生け花(華道)の流派は全国に数多くあり、その数は数百とも言われています。

    大きな流派から、小さな流派、更には一つの流派より、分離独立し新たな流派が発生する事も

    多い様です。主な流派には、池坊、遠州流、小原流、御室流、古流、草月流、安達流などが

    あります。各々家元(世襲制)を頂点に活動しています。中には数万人もの会員を擁する

    流派もある様です。

  ② 生け花を大別すると、古典花(伝承花)として、生花、立花、投入、盛花などと、「現代花」、

    「造形生け花」、「前衛花」、「自由花」等にに分かれます。

    注: 「自由花」とは、大正から昭和初期に登場し、造形的な表現を盛り込ん生け花です。

       「前衛花」とは、金属や石など植物以外の花を取り入れ、彫刻を思わせる様な生け方で、

       「造形生け花」なとも言います。

  ③ 「伝承花」(古典花)と「現代花」との違い。

   ) 「伝承花」は、生け花を良く見させる為の理論即ち、花矩(はりがね)を持つ物です。

     生け方の型(基本型)である花矩は、各流派毎に決められています。

     例えば、S字状の本体から、直線状に数本斜めに派生してる様に生ける、或いは見えない

     中心線を想定し、非対称的に左右から枝や葉、花が出た感じに生けるなどの約束事です。

   ) 厳格な花矩を持たない生け花が現代花と言えます。(但し基本形はある様です。)

      それ故、作家個人による処が大きく、自由な表現の出来る生け花です。   

      しかし、評価基準が曖昧で、流派の特徴が不明確であるという短所があります。

   ) 生け方や使う花にも、違いが見受けられます。

      洋花主体もの、和花主体もの、和洋両用などの違いがあります。

      木なども用いて大きく生ける流派や、少ない花を清楚に生ける流派など、特徴があります。

   ④ 池坊は主に古典花、草月流と小原流は主に自由花との事です。

      勿論、厳格に区別するものではなく、お互い影響し合っている様です。

以下次回に続きます。

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造る96(花器9、水盤1)

2013-06-19 21:22:04 | 陶芸入門(初級、中級編)

水盤(すいばん)とは、底の浅い平らな陶製、又は金属製の盛り花用の花器です。

円形や楕円形 、長方形のものが多く、明治の末に、小原雲心氏が盆栽、盆景などに使用される物を

生け花用に転用したのが、流行の発端と言われています。

現在では「盛り花」の流行と伴に、各流派でも盛んに使われています。

材質としては、陶磁器、ガラス、金属製、木製などがあります。

水盤を使う生け花となると、改まった空間に置かれる花のイメージがあります。

現在では和室のある家も少なく、更に、床の間のある家も、更に少なくなっています。

正月に水盤に盛った花を、床の間に飾り付ける事も少なくなってきていますので、特別な場所でしか

見る事ができなくなっています。

もっとも、水盤に盛り花を生ける場合には、ある程度の華道の心得が必要かも知れません。

1) タタラで長方形の水盤を作る。  轆轤挽きで作るには、不向きな形です。

  ① 底になるタタラを作る。

    厚みが7~10mm程度のタタラ板を作ります。そこの面積が広くなりますので、しっかりと叩き

    絞めて底割れを防ぎます。作品の形に合わせて底の形を決め、必要な形に切り出します。

    底には高台を付けることもありますが、一般的には、安定感のある、「ベタ」高台が多い様です

  ② 長方形の場合には、縁が真っ直ぐ真上に伸びた形か、やや上開きの形が多いです。

    水盤の高さは4~10cm程度が多く、四方を四個のタタラを積み木のブロックの様に載せます。

    花を止める剣山などを使う場合には、ある程度深みのある水盤となります。

    四個の側面に文様を入れたり、上端を一定にせず変化をもたらす方法もありますが、シンプル

       な方が使い道が広いです。

    更に、口縁はある程度肉厚を設けると、見た目も安心感を与えます。

  ③ 制作作業には難しい処はありません。

    側面になるタタラは、自立出来る程度に乾燥させてから貼り合わせます。

    側面を貼り合わせる場所に、針で刻みを入れ、縁にも同じ様にアヤメ文の傷を付け、「どべ」を

    塗って圧着します。

  ④ 注意点は水漏れを起こさない様に、強く押し付ける事と、細い撚紐を合わせ目の隙間に入れ

    「竹ヘラ」で押さえる事です。

  ⑤ 長方形の水盤は、長手の横方向が正面に成ります。それ故、施釉する際には、その事を考慮

     して、色彩などを考える必要があります。尚、あくまでも水盤は、花を引き立てる脇役ですので

     奇抜な形や色彩は抑えた方が良いでしょう。     

2) 楕円形の水盤を作る、

   底板を楕円形に切り出します。側面になる板は肉厚が作品の大きさに応じて7~15mm程度に

   します。楕円にも丸に近い形と、横長の物とがありますが、後者の方が一般的です。

   楕円形の水盤は、長方形の水盤より柔らか味や、暖かさと優しさが出ます。それ故、複数個の

   水盤をお持ちならば、花の種類に応じて使い分ける事です。

  ① 側面の板はなるべく切れ目を少なくします。出来れば一枚のタタラで作りたいですが、一枚と

     なると長さが1m程度になる場合がありますので、途中で繋ぐ事も止むを得ないかも知れ

     ません。

  ② 側面を貼り付ける際、ダンボール等で、型(内型)を作ると形も崩れず、綺麗な形にする事が

     出来ます。

3) 轆轤で水盤を作る。

   ① 底が広く、側面の上端が内側に巻き込まれた形の水盤。

     手捻りで上記の様な形にする事は、意外と難しいですが、轆轤挽き成らば、割合容易に形を

     作る事も可能です。但し、外側に丸めるよりは難しいです。

     この形ですと、盛り花は中央以外に生ける事が出来き、変化をつける事が可能です。

   ② 丸い鉢(又は皿)型の水盤には、底が極端に狭い形の物があります。

     即ち、底面が狭い事により、器は勿論、生け花全体が浮き上がり、浮遊感がもたらせます。

     この場合には、花は水盤の中央から盛り上がる様に生ける事になります。

   ③ 水盤を作る方法については、特別な事もありませんので省略します。

     但し、高台は設けた方が良いでしょう。「ベタ高台」ですと、底面に施釉する事が出来ず。

     器の内側のみとなってしまいます。水を溜めて置く花器では、なるべく底面も施釉した方が、

     水漏れなどを予防します。

以下次回に続きます。    

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質問5 透明マット釉について。

2013-06-19 17:22:47 | 質問、問い合わせ、相談事

HON様より、以下の様な質問を受けましたので、お答えします。

透明マット釉(HON)について

日本陶料やヤマニファーストセラミックなどで透明でマットな釉薬というものがありますが、どの様な成分なのでしょうか。白濁しないスリガラスのようなものなのかと想像しますが、白濁しないで透明感のある原料が思い浮かびません。

明窓窯より

① マット釉(艶消釉)は透明な光沢釉の中に、非常に小さな結晶が閉じ込められている状態です。

  結晶は冷却時に析出したもです。光の一部は結晶に当たり乱反射して、表面はマット状になり

  ますが、ほとんどの光は、釉を素通りして素地まで到達します。それ故、透明釉となります。

  透明釉ですので、下絵付けが可能で、白化粧土などの装飾に施釉する事が出来ます。

② 一方不透明な乳濁釉は、最初から釉に熔けない成分(酸化錫、ジルコニア、酸化マグネシウム、

   酸化チタンなど)を入れた釉で、マット釉と区別しています。

③ 艶消釉は、光沢釉(一般の透明釉など)に微量の添加剤を加えて作る事が出来ます。

   例えば、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化錫、硫酸バリウム(炭酸バリウム)、純酸化チタンなどです。

   尚、大量に使うと結晶釉となり、透明感が無くなります。

④ 一般に珪酸(珪石)を減らし、アルミナ成分(長石、カオリン)を多くすると艶消釉となります。

   釉が熔け難く成った際には、硼酸を加えると熔け易くなります。

   尚、アルミナ成分とシリカ成分の比率はモル比で以下の様になります。

     Al2O3 : SiO3 = 1 : 3 ~ 1 : 6 の間です。

⑤ 釉の成分を一部置換すると、艶消釉となる場合もあるとの事です。

   Na2O -> CaO、 K2OとCaOの一部をMgO2で置き換える。

   (ナトリウム)ー>(カルシュウム)、(カリウムとカルシュウム)の一部を(マグネシュウム)に

以上 不明な点がありましたら、再度連絡して下さい。

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造る95(花器8、砧形と鶴首花瓶2)

2013-06-16 22:16:41 | 陶芸入門(初級、中級編)

2) 鶴首花瓶(花入)

  鶴首とは、鶴の首の様に細長い花瓶です。首の太さに決まりはありません。本体の器に対して

  細く長いと言う事で、本体(器)が太ければ、首も若干太くなっても鶴首と言います。

  あくまでも相対的な事ですので、一輪挿しの様に極端に細い場合もあります。

 ① 轆轤挽きによる制作。

   小さな作品であれば、一塊の土を一気に挽き上げて。制作する事も可能です。

   やや大きな、又は肩の張った作品の場合には、本体と首の部分を別々に作り、接着する方法を

   とります。前回取り上げた砧形と同様に肩の張った場合には、土が軟らかいと、首を支える事が

   出来ませんので、別々に作り接着します。

  ) 一塊の土から作る。

    土殺しや底作り、土を伸ばす筒上げなどは、今までお話して来たと同じですので、省略します。

    但し、筒の肉厚は極端に薄くしてはいけません。薄いと径を細くする事は出来ないからです。

    a) 鶴首だからと言って、最初から細くする訳ではありません。筒上げでは、手首が入る程度の

     太さにしておきます。手の入る状態で胴部を膨らませます。但し、胴が手の入らない程度に

     細い時には、「柄コテ」を内から当てて膨らませます。

    b) 筒状の土を膨らませると、高さは低くなりますし、逆に細くするに従い、高さが増しますので

      首用にどの位土を残すかを決めておく必要があります。

    c) 首を徐々に細くする。

      手首の入る筒を細くしますが、一度に細くは出来ません。なぜならば、径を細くする事は

      肉厚が厚なる事でもあります。肉厚が徐々に厚くなる状態で、更に径を細めると撚(よ)れ

      が発生します。撚れが出来た土は、まともに轆轤挽きができません。

    d) 肉厚に成った筒は薄く上に伸ばす必要があります。それ故、高さは徐々に高くなる事に

       なります。細くする方法は、径が大きい時には、両手で抱え込んで細くしますが、細くなるに

       従い、親指と人差し指の間で、更に細くするには、親指、人差し指、中指の第一関節の

       三点(両手で六点)で絞めて細くします。極端に細くする場合には、親指と人差し指の

       指先(四点)で締め上げて細くします。ては必ず下から上に移動させます。

       いずれも、土の逃げ場を作らないか、逃げ場が出てしまう場合には、逃げ場の隙間を

       一定間隔にします。

    e) 首を「なだらか」に細くする場合と、急激に細くする場合があります。

       前者の場合には、緩やかな撫ぜ肩に成りますが、後者の場合には、角張った肩に成り

       易いです。尚、急激に細くする場合には、「なだらか」な形にした後、若干乾燥させてから、

       「竹へら」などを使い、細く形を整える様にすると、上手くいきます。

    f) 径を細くする場合、轆轤の回転を早めにする事です。更に水切れが起きない様に常に

       手(指)は濡らせておく必要があります。

    g) 轆轤挽きが終了したら、必ず底の内側にに溜まっている水は柄の付いたスポンジで

       吸い出します。これを怠ると底割れを起こします。

  ) 分割して作る。

     一塊の土から、本体の径が大きく、鶴首部が細い場合にするには、緩い傾斜の肩にしな

     ければ成りません。即ち、一気に細くする事ははなはだ難しい作業となります。

     そこで、本体と首部を別々に轆轤挽きした後、接着する事になります。

     本体は亀板の上で作ると、手間が省けます。

   a) 本体(器)の肩の傾斜部をなだらかにする方法に、風船作りの方法を応用します。

      即ち、完全に閉じた器を作ります。  

   b) 筒状に引き上げた土の胴を、所定の寸法に膨らませ後、上部を徐々に細めます。

     形としては円錐形になります。頂点を完全に閉じます。

   c) 空気の逃げ道さえ無ければ、頂点を下に押し込み、高さを低くすると共に、轆轤挽きでは

     難しい幅の広い蒲鉾形やアーチ形にする事ができます。 この状態で乾燥させます。

     但し、ある程度乾燥させたら、首を付ける頂点付近を針で穴を開けて、空気を逃がします。

     これは、乾燥と共に土が縮まり、空気圧が上昇し、弱い処が破裂するのを防ぎます。

   d) 首を轆轤挽きします。

     細い首だからと言って轆轤挽きでは、根元から細くは出来ません。

     轆轤上では径を大きくとり、徐々に細めていきます。必要の高さより、かなり高く作り、必要な

     長さの所で、切り取り取ります。

  ) 組み立てる。

    a) 本体側の中央部に穴を開けます。穴の大きさは、轆轤挽きした首の最下部の内径にあわせ

     ます。

    b) その穴の周辺に刻みと「ドベ」を付け、首の真下も同様に、刻みと「ドベ」を塗ってから圧着

      します。  繋ぎ目よりはみ出した「ドベ」等は、筆などを使い、綺麗にふき取ります。

  ) 鶴首の底削りには、首が全体入る位の、背の高い「湿台(シッタ)」が必要です。

以下次回に続きます。  

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