わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

質問49 赤織部の釉薬の危険性に付いて

2021-04-23 13:59:19 | 質問、問い合わせ、相談事

匿名希望の「陶芸作品が好きな方」から以下のご質問をお受けしましたので、当方なりの回答を

致します。

 

はじめまして。ブログをみさせていただきました。

陶芸作品が好きで、時々買い求めます。

先日赤織部の茶碗をてにし、この釉薬は大丈夫なのかと心配になってきました。

趣味で作っておられるのですが、食事に使っても、大丈夫でしょうか?

わかれば教えてください。よろしくお願いいたします。

 

明窓窯より

赤織部は鉄分の多い赤土を用い、白土などで絵柄を施した作品です。

織部焼きの釉は、酸化銅(青織部)や鉄(黒織部)等の金属を多く含む釉が一般的ですが、

赤織部は、絵柄部分に透明系の釉を施し、他の部分に従来の釉が掛けられ、全体に明るく

赤く発色した作品です。

酸化銅は有毒ですが、その他これらの素材や釉の中に有毒な物質は含まれていません。

尚、酸化銅は有毒では有りますが、釉の表面はガラス質で覆われ、銅が直接露出する事は

有りませんので、食器で使用しても何ら問題ありません。

◎ 釉で危険な物は、鉛(なまり)が含まれた場合です。

釉に鉛が入ると、釉の発色がよくなり、更に釉の熔ける温度を下げる働きがる為、昔は

使われていました。しかし鉛が酢酸(お酢)等の酸で溶け出し、人体に悪影響を与える事が

判明し、現在では、一部楽焼の抹茶々碗にのみ使用する事が認められていますが、

それ以外の作品に使う事事は出来ません。市販の作品や自作の作品であっても同じです。

それ故、市販の釉では抹茶々碗(楽焼)以外の物には、鉛は含まれておりません。

◎結論 食器で使用しても何ら問題ありません。安心してご使用下さい。

 疑問などが有りましたら、再度質問をお受けします。

以上

コメント
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