わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

青磁2(原始青磁)

2011-08-11 20:27:46 | 各種の釉(鉄、銅、その他)
青磁の話を進めます。

4) 青磁の色も様々で、一様ではありません。

  ① 原始青磁 : 灰色又は、褐色を帯びた青磁

    灰釉(かいゆう)で発色するもので、不純物が多い為、色むらが存在します。

  ② 古越磁(こえつじ) : 褐色又は緑かかった、青銅器色に似せた青磁です。

  ③ 秘色青磁: 釉肌は、萌黄(もえぎ)色、璧玉(へきぎょく)色、翡翠(ひすい)色をしいます。

    長らく、その正体が不明でしたが、近年明らかに成りました。

    唐、五代の越州窯で焼かれた作品群です。

  ④ 汝窯(じょよう)の青磁 : 淡い青色の釉で、全面に貫入が入っています。北宋の時代の作で、

    世界で70点余りしか、確認されていません。

  ⑤ 米色(べいしょく)青磁 : 黄色がかった青磁で、同じ釉ですが、酸化焼成された為に、

    緑にならず、色が変化したものです。

  ⑥ 北宋、南宋の官窯の青磁 : 釉が厚く掛けられ、深い緑色をしています。龍泉窯の青磁です。

  ⑦ 砧(きぬた)青磁 : 半透明(半失透)感のある、澄んだ青緑色で、中国では、粉青(ふんせい)

    と呼ばれています。

  ⑧ 天竜寺青磁 : 深い緑色の釉が掛けられ、文様装飾に主眼を置いた、厚手の作品が多いです。

  ⑨ その他、青磁の色は、非常に多く、一説には数万種類とも、言われています。

    特に、現在では、自分で調合し、独自の青磁の色や、ひび割れを作っている人も、多くいます。

 以下代表的な、中国の青磁について、より詳しく説明します。

 ① 原始青磁(灰釉陶器)

  前回述べました様に、釉は窯の発明により、高温で焼成出来る様になると、薪の灰が作品に掛り、

  高温で熔け、ガラス質の表面を、覆う様になり、この灰を水に溶き、作品に塗る事から、釉が

  発明されます。その成分を改良する事により、釉は発展し、様々な色が作られる様に成ります。

 ) 釉が発明された頃は、灰に中に、不純物が多く、安定した色を出す事は困難でした。

    この頃の釉を、原始的な釉薬と言いますが、おおむね、褐色や緑かかった釉と成ります。

   (松灰は、熔けると、緑かかった色に成り易いです。)それ故、この頃の作品を、原始青磁と

    呼ぶ事があります。

 ) 紀元前15世紀に、中国で商の中期で、最初の施釉陶器が出現します。

   それ以後、戦国時代にかけての、千年もの間、釉は徐々に、改良発展して行きます。

 ) 主な生産地は、長江の中、下流地帯で、東南沿岸一帯の、呉越地域でした。

    やがて、黄河中流域まで、広がって行きます。

  ・ 作られた作品は、粘土紐を巻き上げて作る方法で、表面に鋸歯(きょし)文、弦文、葉脈文などが

    多く、黄緑又は青緑の釉が、掛けられています。

  ・ 作品の形は、鉢、壷、缶、盆などで、青銅器を模したと思われる、作品は発見されては、

    いないとの事です。又、一般集落跡からは、ほとんど出土せず、権力を誇示する為に、

    一部有力者が保持していた、可能性があります。

 ② 古越磁(こえつじ)

以下次回に続きます。 

  参考資料: 別冊太陽 「中国やきもの入門」 (株)平凡社

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