わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

陶芸入門 中級編1

2011-09-30 22:07:26 | 陶芸入門(初級、中級編)
陶芸を3〜4年すると、基礎的な事はある程度、こなせる様になるはずです。

電動轆轤での作業は、まだ指導者の手助けが必要ですが、手捻りなら自分一人で作業し、作品に仕上げる

のも、さほど困難ではないはずです。

1) 一度は陶芸を辞めようかと思った人は、多いはずです。

  陶芸を続けるべきか、ここで辞めるべきかの岐路でもあります。

  「三日、三ヶ月、三年目」と言う諺もあります。これは、辞めたいと思う時期を表しています。

  早い人では1年程度で、辞める方もいますし、「石の上にも三年」の諺通り、とりあえず続けてきた

  人達も結構多いです。これらの人達の中で、この岐路をどう乗り越えるかによって、陶芸を長く

  続けるか、ここまでかの違いが出ます。 勿論ご自分で判断するしか有りません。

  続け様と思った人は、以後長く陶芸を楽しむ人達で、陶芸暦10年以上に成る事も、稀ではありません。

  ーめる人の考え

  顱法〇間が無い: 陶芸は他の趣味より、結構時間を多く取られる傾向にあります。

     今後忙しくなりそうなので、続ける事が困難という人もいるかもしれません。

  髻法“駘僂掛かる: 陶芸は習うにしても、他の趣味より費用がかかります。

  鵝法〆酩覆溜まってこれ以上必要ない。

     自分で使う食器類は、すでに十分の量があるので、これ以上必要が無い。

  堯法‐来、自分の窯を持つ予定も無い。持つとなると、費用や場所が必要になる。

  ) 一通り、陶芸がどの様な物か理解できた。別の趣味をやってみたい。

     手先の器用な人に多くみられます。人より早く上達する人でもあります。

     それ故、先が読めてしまうと言う錯覚に、陥り易い人とも言えます。

  ) その他の理由: 陶芸とは直接関係ありませんが、人間関係でなどで嫌に成る人もいます。

 ◆,海譴らも続けようとする人の考え

  顱法(を作る事に、楽しみを見出した人は、陶芸を続けようとする傾向にあります。

  髻法‘芸は究極の一人遊びとも言えます。だれにも邪魔されずに、自由に遊ぶ事が出来ます。

     一人遊びが苦手な人には、向いていないかも知れません。

  鵝法ゝな転換に最適な遊びとも言えます。 土をいじる事は、大昔から行われて来ました。

    土をいじる事は、人に安心感と安らぎを与えてくれる、と言う人さえいます。

  堯法ー駝には、浅く広く楽しむ人と、狭いながらも、深く楽しみたいと思っている方がいます。

     どちらが良くて、どちらが悪いと言う事ではありません、その方の考え方次第です。

     特に、現在の若い人達は、多くの楽しみ方がありますので、前者の人の方が多い様な気がします。

  ) どの様な趣味でも、やり始めると奥の深いものです。そしてその先には、予想以上の楽しみが

     待っているのが多いのです。それ故、その楽しみを知らずに、終わってしまうのは、

     もったいない様な気がします。

今回のテーマは、陶芸を始めて3〜4年経った人で、この先も陶芸を続け様とする人が、どの様な事に

気をつけて作業すべきかを、私なりの考えを交えて、お話しする予定です。

以下次回に続きます。
 
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盆器(盆栽鉢) 17(終わりに一言)

2011-09-29 21:40:04 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
盆栽の人気は高いと言っても、実際は年配の男性が中心に成っている様に思われます。

皐月(さつき)の様に花物等は、まだしも若者に人気がありますが、樹木の盆栽はやはり年配者の趣味と

見なされています。 盆栽鉢もそれに合わせて、年配者層に需要があると思います。

焼き物は、それ自身独立して存在価値を表す事は稀で、食器では料理を引き立たせる脇役であり、

花瓶(花生)は花を引き立てる役目を担っています。

盆器も本質的には、盆栽を引き立たせる為の器であり、目立ち過ぎてもいけない物といえます。

又、盆栽に悪影響を与える鉢は論外です。

1) 盆栽鉢には「ピンからキリまで」あります。

  ‘芸の趣味や興味の有る方は、ご自分で作る事も可能です。

   当然、本人の技量によって、作品の良し悪しも左右されますが・・

   但し、自分で窯を持っていない場合には、焼成してくれる所を、先に見つけておかなければ

   なりません。

 ◆“は購入するのが一般的と思われます。

   作家の作品から、園芸店やホームセンターや、インターネットでも買える鉢まで様々あります。

   現在は、幅広く流通しており、希望の大きさ、形、色、価格等が選べる様になりました。

   当然、鉢に負けない盆栽でなければ、作家の作品を買い求めても、余り意味がありません。

2) 盆栽は趣味として、これからもっと流行(はや)るかも知れません。

  ‘芸で作る食器類や花瓶などは、どこの家庭でも満杯の状態です。更に、人口の減少と共に、

  結婚する人口も減り、新生活をスタートする人数も減る傾向にあります。

  それ故、新たな需要は多くは望めません。

 ◆^貶団塊の世代が続々引退し、余暇を持った男性達が、盆栽の世界に流入しつつある様です。

  新たに盆栽を始める人も、多いと思われます。これに合わせて、鉢の需要も増えると予想されます。

  但し、最初から高価な鉢を購入するとは、思われませんが・・

3) 世界的な盆栽の広がり
 
  今日では、盆栽が世界各国で、楽しまれる様になりました。

  1989年に埼玉県大宮市で、「世界盆栽大会」が開催された時には、世界32ヶ国から1200人余りの

   人達が集まりました。 この大会を機に「世界盆栽友好連盟」が設立され、盆栽の国際的な普及と

   発展に大きく貢献しています。

  「世界盆栽大会」はその後、2002年にドイツのミュンヘンで、更に4年毎に、アメリカ(フロリダ州)、

  韓国(ソウル市)で開催されています。

  但し、盆栽鉢については、世界的にどの様に取り扱わられているかは、不明です。

 ◆ \こεに「BONSAI(盆栽)」の評価はたいへん高く、アメリカ、スペイン、フランスには数万部を

  発行する専門誌があり、更にイタリアには、盆栽の大学や美術館まであるそうです。

4) 盆栽に付属する物

  盆栽を演出する道具は、盆栽鉢以外に、卓(置き台)や置く場所などを考慮する必要があります。

  演出により、自然と一体感を持つ景色を創り出す事ができます。

  卓と樹の形の組み合わせに、気を配るだけで、その景色が全く変わってきます。

  )澪聾けの卓の種類には、高卓、 中卓、 平卓、 地板があります。

  中品盆栽の飾りに中卓がよく使われていますね。 卓と樹の形の組み合わせ例として

  高卓… 懸崖、 半懸崖

  中卓… 半懸崖、 播幹、 吹き流し、 根上がり

  平卓… 模様木、 直幹、 斜幹、 寄せ植え、 吹き流し、 根上がり

  地板… 文人、 寄せ植え、 吹き流し

  の組み合わせが、向いています。 

◆‖檗覆海院砲良佞い針澪呂蓮一段と風情があります。

  苔の貼り方は、他の場所の苔をピンセットで剥がし、貼りたい場所に置くだけで、しばらくすると

  貼り付きます。苔を陰干しして乾燥苔を作り、もみほぐし細かい化粧土に混ぜて、表土にまく方法も

  あります。苔は表土が荒れるのを防ぎ、乾燥を抑える効果があります。


以上にて盆器(盆栽鉢)の話を終わります。

次回から別のテーマで、お話する予定です。
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盆器(盆栽鉢) 16(盆器の作家3)

2011-09-28 21:53:14 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
戦前及び戦後を通じて、多数の銘鉢を世に供給し続けたのが、「陶翠園」です。

植松長太郎(1899〜1959年)は、東京の盆栽鉢を販売する、屋号山長(やまちょう)を父親長次郎より、

引き継ぎます。彼は地方の窯元に盆器の注文を出し、落款に「陶翠園印」を捺させ、販売を行います。

取引先の一つに、瀬戸の品野にある窯元「春松陶苑」がありました。この陶苑に資金援助する事により、

専属窯の様にします。その窯主の植松春松の弟、正雄の技量に惚れ込み、長太郎は盆器の意匠や制作を

指導する事になります。

8) 植松陶翠(うえまつとうすい): 本名 水野正雄

 長太郎の指導のもと、「春松」「陶翠」「陶翠造」「陶翠園印」の落款で、盆器を世に送りだします。

 この頃の作品には、傑作が多く「植松陶翠」と呼びます。

 戦後には、独立し水野陶翠を名乗りますが、落款は変えませんでした。

・ 昭和39年還暦と共に、「緑寿庵陶翠」と改名し、落款の上に「緑寿庵」を釘書きします。

  早蕨陶翠 : 長太郎は戦時中に疎開した先で、当地の職人に、一時「早蕨陶翠」と呼ぶ盆器を

  作らせますが、量的には少ない様です。

9) 浅井茶山(ちゃざん): 本名 浅井要四郎 1904〜1992年

 陶翠鉢に、彫刻や絵付けを行った人物です。磁器の上絵付けが主で、着物の下絵、食器の絵付等の他、

 絵画、南画、茶道、俳句などの造詣が深い様です。

10) 月之輪湧泉(つきのわゆうせん): 本名 加藤護一 1908〜1998年

 湧泉以前より、染付や絵付などの小鉢は作られて居ました。しかしこれらは量も少なく、美術的価値に

 重きをおき、一般的ではなく、「用の美」追求した湧泉の作品は、小品絵鉢として高い評価を得ます。

  )澳錣錬毅虻从△法⊆家用に制作したのが始めです。赤絵や染付けを施した盆器は、盆栽仲間で

   評判になり、本格的に盆器を作る様になります。

 ◆,曚楞瓦討虜酩覆麓Т錣虜酩覆任后

   器形は角物は、タタラ作りや掘抜き(削り出し)で、丸物は轆轤を使っています。

   絵付け後、清水焼の窯元や個人の窯に依頼していた様です。

  湧泉の絵は、優美で繊細で独特の魅力があり、絵の内容も深く考えられている様です。

   特に、山水画は数多く描かれ、文人的世界への憧景が伺えます。

11) 月之輪春石(つきのわしゅんせき): 本名 加藤俊輔 1931〜2006年

 湧泉の嫡男。清水焼の轆轤師で、湧泉鉢の丸物を作る。(それ故、湧泉鉢は両者の合作とも言えます。)

 春石も絵筆を取りますが、数が少なく100枚程度とされています。(落款は春石)

 「月之輪春石」銘の作品は、湧泉死後に使いますが、20枚程度と言われています。

12) 月之輪正泉(つきのわしょうせん): 本名 加藤正樹 1960〜

 春石の子で湧泉の孫にあたります。小盆栽鉢の注目の作家です。

 近代盆栽(2006年9月号)に掲載され、大反響をよびます。

 湧泉と春石の両方を兼ね備えた才能を持ち、両者を凌ぐのも時間の問題と評されている逸材です。

 盆器を作る作家は多数います。しかし趣味で作っている方は、更に多いと思われます。

 作家に付いて更に述べたい処ですが、この程度で終わりにします。

◎ 作品の写真などを見たい方は、「盆器大図鑑 (上、中、下巻)(株)近代出版」を御覧下さい。

以下次回に続きます。
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盆器(盆栽鉢) 15(盆器の作家2)

2011-09-27 21:54:57 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
日本の盆器の中で、小盆栽愛好家に人気があり、評価の高い作家に、前回紹介した、平安東福寺が

います。その東福寺周辺には、同じ様な陶号を持つ、作家が幾人(いくにん)かいます。

即ち、平安香草、平安(稚松)愛草、平安万草、平安香山、永田健次郎、長友蓮葉、西口杉庵達で、

後世に伝わる、優れた鉢を作っている作家達です。

これらの人達は、河合蔦蔵と言う関西の老舗盆栽業者が主催する、盆栽鉢を作る「拈陶会(ねんとうかい)」

のメンバーです。昭和13年頃に始まります。東六香艸の箱書のある鉢は、河合が取り扱ったメンバーの

作品である事の、証明になります。

2) 河合蔦蔵(かわいつたぞう)1886〜1962年

  香艸園初代園主である河合蔦蔵氏は、東本願寺大谷家と繋がりを持ち、22世法主の大谷光瑩

 (こうえい)師の、遺愛の盆栽管理に当っていました。当時、小盆栽用の鉢が少なかった為、自分達で

 作ろうとしました。 更に、作品が売れず苦境にあった会員達の作品を、東京などの盆栽愛好家への

 紹介や作品買取手として、経済的な援助をしています。又、形や意匠なども指導やアドバイスなども

 行っています。

3) 平安香草(こうそう)

 河合蔦蔵の別号で、戦前に制作された、陶器の小鉢や豆鉢に傑作が多いです。

 現在は3代目(河合稔夫氏)で、染付けや磁器へ変わり、清水焼の窯元、瑞光窯で制作されています。

 新作物も、「平安香草」ブランドで、人気を博しているとの事です。

4) 平安(稚松)愛草、

  稚松愛草(わかまつあいそう):河合蔦蔵の別号です。

  東本願寺近くの、稚松小学校付近に住む、鍋倉某氏に型、寸法、意匠を指定して作らせ、

  稚松愛草の落款銘で、全て香草園に納めさせ、販売された様です。

  作風は端正で、瑠璃釉や辰砂釉に優れた物が多く、登窯の高温焼成の為、やや歪みの有る物が

  多いのも愛草鉢の特徴です。 愛草の代表作品として「瑠璃釉外縁長方鉢」があります。

  作品は昔から、熱狂的な愛好家の間で、評価されていましたが、今日では小品盆栽界でその存在が、

  広く知られる様になりました。

 ・ 平安東福寺、平安香山などにも、制作依頼し、出来の良かった物を「稚松愛草」の落款を、

   使用したとも言われています。

5) 平安万草(まんそう): 本名 宮崎芳太郎 (宮崎万草園園主)

  「拈陶会」に入る前から、小盆栽、小鉢を作っていた様です。後に盆栽商に転進します。

  東福寺も最初はこの店で、作品を買い取って貰っていました。 
  
  作風は、粗い赤土に似た胎土で、鶏血釉が多く、形は正方形が多い様です。

  「平安万草」の落款の有る物は少なく、ほとんど無銘です。

6) 平安香山(こうざん): 本名 小池一雄 1905〜1990年 

   平安東福寺と並び称される作家です。(東福寺とは親交がありました。)

   小鉢のみならず、中鉢や水盤も手掛けています。

   制作方法は、主にタタラ作りと紐作りの為、手間隙が掛り、作品点数も、東福寺よりも、

   格段に少ないです(40年間で約1万点以下)。轆轤は使わなかったそうです。

   反りや歪みの無い、端正な器形が特徴で、泥もの(紫泥、朱泥、白泥、黒泥、梨皮泥など)の他、

   辰砂釉、鶏血釉、緑釉、白釉、黄釉、瑠璃釉、蕎麦釉などや、染付、色絵、金銀彩も手掛け、

   更に、浮彫や透彫など、幅広い作品を作っています。

   戦前は登窯で、昭和39年以降は電気窯で焼成しました。

   昭和48年に二代香炉山に譲り、香翁を名乗ります。

7) 永田健太郎: 祇園町の御茶屋の主人、生没年不詳

  趣味(アマチュア)として、「拈陶会」に熱心に参加していた様です。

  残された作品は、少ないですが、形も多種類で変化に富み、瑠璃釉や蕎麦釉が主で、腕達者と

  言われています。

以下次回に続きます。


 参考資料 盆器大図鑑 (上、中、下巻) (株)近代出版
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盆器(盆栽鉢) 14(盆器の作家1)

2011-09-26 22:59:28 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
盆器は、江戸後期から、明治にかけて各地の窯場で、焼かれています。

 例えば、古常滑、万古焼、尾張焼、瀬戸焼、信楽焼、備前焼、京焼、九谷焼、湖東焼、赤膚焼、渋草焼、

 丹波焼、薩摩焼、唐津焼、高取焼。相馬焼、などです。

・ 今の形の盆器(盆栽鉢)は、昭和初期頃より製造される様になります。

  常滑、四日市、備前、瀬戸、信楽などが有名です。

この様な量産の作品の他に、個人が作り落款を入れた作品も多いです。

1) 著名な陶芸作家も作品を作っています。

  例えば、仁阿弥道八(京焼)、永楽善五郎(京焼)、清水六兵衛(京焼)、柿右衛門、尾形乾山、

  諏訪蘇山、徳田八十吉、河井寛次郎、加守田章二、島岡達三など錚錚(そうそう)たる人物達です。

2) 陶芸家としては無名ですが、盆器作りの世界では、有名人も多いです。

  (唇妥貶〇(へいあんとうふくじ)本名:水野喜三郎 (京都) 1890〜1970年

  現代の名高い名鉢に「東福寺鉢」があります。 盆栽鉢の最高峰とも言われています。

  京都東山山麓の名刹東福寺の境内で、盆栽鉢を焼いていた為、この名前を付けたといいます。

 a) 経歴

  34歳頃より、盆栽に興味を覚え、趣味として盆栽鉢を作り始めます。

  40歳の頃から、盆栽鉢を本業として作り始めたと言われています。

  貧乏な為、自前の窯が持てず、56歳頃迄、主に東山の柳屋窯(月輪製陶所)の登り窯を借りて、

  制作していた様です。その後も、昭和40年頃迄、各地の窯(山科北花山服部窯、井野祝峯窯、

  岩淵窯)を借りて焼成しています。

  昭和41年(66歳)以降、電気窯、ガス窯で焼成を行う様になります。

  盆器作りは約40年間続けられていました。

 b) 特徴

  盆栽鉢の形の種類も大小豊富で、大鉢や豆鉢、更には水盤もあります。

  独創的で幅広い作品を作っています。(珍鉢などもあります。)

  泥ものも製作していますが、釉薬の使い方も上手で、多彩な色のものも多いです。

  「盆栽を植えて良く映える」と同時に、鉢単体でも味わいがあります。

 ・ 緑釉は東福寺鉢を代表する釉薬です。

   織部風、青銅マット風、青磁風、結晶風と色の変化も大きいです。

   緑釉は銅釉ですので、元々変化が大きいのですが、借り窯の為、自分の思う様な一定の色に

   仕上がらない結果だとも、言われています。

 ・ その他の釉は、瑠璃釉、均釉、蕎麦釉、桃花釉、珊瑚釉、黄釉、窯変等があります。

 ・ 絵鉢について、東福寺鉢には、絵付けがされた物もありますが、絵付師に描かせたものと

   言われています。(本体は東福寺が作っています。)

 c) 落款に付いて:

   角形篆書体「平安東福寺」、楓落款「東福寺」、円枠丸ゴシック体「東福寺」、釘書「東福寺」、

   明朝体「東福寺」、楕円枠行書体「東福寺」。更にこれらの複数個を入れた物も多いです。

 「東福寺鉢」は人気のある作品で、今でも多数の作品が流通しています。

  (偽者も多く流通している様ですので、くれぐれも注意して下さい。)

 尚、「二代平安東福寺」も存在していますが、二代と落款が添えてあります。

以下次回に続きます。

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盆器(盆栽鉢) 13(盆器を作る8)

2011-09-25 21:54:13 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
10) 焼成

  作った作品は本焼きする事によって、完成となります。

  ’確舛箸靴匿邸別声初期頃まで)、次いで石炭へ、更にガスや重油(昭和40年代)に変換していき

   現在では、電気が多く使われる様になります。

 ◆〕劼旅渋い癲大量に生産する場合は、登り窯から現在は、トンネル窯へと変化しています。

   但し、自分で作った盆器は、もっと小規模な個人の窯で、焼成する場合がほとんどです。

  窯積めの注意点。

   前にもお話した様に、土は高温に成ると、若干軟らかく成ります。その為、細長く高さの低い作品は、

   底の中央がブリッジ状になり易いです。高温ではこのブリッジ部分が、垂れ下がります。

   それを防ぐ為に、ブリッジを下から支える「目」等が必要になります。

 ぁ‐得温度と焼き方(酸化と還元)

   泥ものと施釉ものとは、焼成温度に差をもたせる必要があります。

  顱法‥イ發痢別去悄砲蓮⊂討温度が低い方が、良い色になる傾向にあります。

    1,000〜1150℃程度で、綺麗な色が出る場合が多く、温度範囲は、意外に狭く20〜50℃程度です。

    勿論、土の種類に拠って差が出ます。それ故どの位の温度で焼成すべきかを、予めテストしておく

    必要があります。当然温度が高くなるに従い、強度は増しますが、吸水性は悪化します。

  髻法〇樌悗發痢焚従冏)は、釉薬を熔かす為に、1,200℃以上の高温が必要です。

     磁器の場合は、更に高く1,250〜1,280℃程度に成ります。

  鵝法‥イ發里篁樌悗發里任△辰討癲∋晴従得と還元焼成では、色に差が出るものが多いです。

     それ故、焼成する直前までには、焼く方法を決めておく必要があります。

   ・ 尚、土の焼き締り具合は、還元焼成の方が酸化焼成よりも、若干締まると言われています。

  堯法‥イ發里隼樌悗發里髻一緒に焼成できるかの問題です。

     焼成する最高温度が同じであれば、問題無い様ですが、注意する事があります。

     即ち、施釉したものは素焼が済んでいますが、泥ものは素焼をしていない場合が、問題に

     なります。素焼が終わっている物は、焚き始めから、急な温度上昇が可能ですが、素焼前の

     作品は急上昇は、厳禁です。さもないと、水蒸気爆発で、作品がバラバラに成ってしまいます。

     それ故、一緒に焼成したい場合には、素焼同様にユックリ温度上昇させるか、又は泥ものでも、

     素焼をして置く必要があります。

 ・  窯出しは、いつも不安と期待が同居した感じです。中々思う色に仕上がらないのが、普通かも

    しれません。窯を自分で焼成する方よりも、他の人の窯に入れて貰う人も多い事と思います。

    その様な人は自分で思うように行かない事に、歯がゆいかとも思いますが、自分の窯だからと

    言って満足に焼き上がらないものです。そこが焼き物の面白さかも知れませんが・・・


 以上にて「盆器の作り方」の話を終わります。

次回より、盆器の作家などを紹介したいと思います。
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盆器(盆栽鉢) 12(盆器を作る7)

2011-09-24 22:32:54 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
7) 豆鉢(ミニ鉢)について

  掌にスッポリ収まる程度の大きさから、親指の指先程度の大きさまで、色々な大きさの鉢があります。

  江戸時代より、小盆栽は有りましたが、近代的な小品盆栽は、松平頼壽伯爵が先駆者に成り

  発展します。その盆栽に使用されたのが、豆鉢です。

  注: 松平 鰓茵覆泙弔世い よりなが)、1874年〜1944年 高松・松平家十二代目

     小品盆栽とは、樹高はおおむね20センチ以下ですが、松などの樹木の他、雑木は実もの、

     花もの、草ものなど千差万別で、一般の盆栽と同じです。

   〃舛皸貳未遼澳錣箸曚榮韻犬任后

    丸、方形、長方形、下方、六角(亀甲型)、八角などで、縁は切立、外縁が多いです。

    当然穴がありますが、ほとんどは鉢の中央になります。

  ◆,曚箸鵑匹糧は、絵付けや施釉がしてあり、落款(らっかん)もあります。

   小さいからと言って、簡単には出来ません。むしろ小さい為に、作業がやり難い事が多く、

    手間隙も大きい物と、さほど差はありません。

    丸形では轆轤作業が出来ますが、他の形では意外と難しく、くり抜きの技法を使う事もあります。

    穴は中央に1個あるのが普通です。

8) 落款(らっかん)について

  作品には、作者のサイン、即ち落款が捺してあるのが普通です。

  (落款の無い作品も、当然あります。)

  この落款を手掛かりに、作られた時代を特定する手段と成っています。

  〕邊召砲蓮陶印や、細い棒での手書きのサイン、更には下絵付けの呉須(ゴス)で筆書きしています。 

 ◆‘印の形も正方形、縦長形、小判形、葉(イチョウ、楓など)形、不定形など様々です。

   印の枠が無く、文字のみのサインも多いです。

   印影には、凸状の文字(又は紋様)と、凹状の文字があります。

  落款の位置は、底の裏側で足の近くが多い様です。

   陶印や土に掘り込むサインの場合には、作品が完成直後の、土が軟らかい内に行います。

   下絵付けでのサインは、素焼後施釉する前に書き込みます。

9) 施釉(釉薬を掛ける事)する

   泥もの場合には、釉を掛けずに土の色で特色を出しますが、釉を掛ける場合には、素焼後に

   掛ける事に成ります。

  〜脳討硫硬戞0貳未瞭芸作品と同じ700〜800℃の範囲で焼成しまます。

   尚、素焼鉢として使用するには、800〜900℃程度にし、若干強度を持たせます。

   (温度は高い程、強度は増しますが、吸水性が悪く成ります。)

 ◆〇樌慳瑤了妬。

  顱法^貳未砲歪劼嘘櫃韻多いです。他にガン吹き(霧吹き)の方法も見受けられます。

    下絵付けをする場合は、施釉する前に終わらあせておきます。

  髻法℃悗魍櫃韻詒楼呂蓮外側は足の先端を残し、全てに掛けます。縁は勿論ですが、内側の上部

    1〜2cm程度釉を掛けます。

  鵝法‖召瞭磁器類と違う点は、底に穴が開いている事です。その為、一工夫する必要があります。

     一般に、器の内側は上部を除いて、施釉しません。植物にとって悪い影響を与える為です。

    a) 指が入る程度の穴2個以外は、テープを貼ったり、詰め物(粘土や紙)をして穴を閉じます。

      上記穴2個に指を差込、逆さの状態(縁が下向き)で静かに釉の入った容器に足まで沈めます。

     ・ 注意点は、指の間から空気を逃がさない事と、盆器を水平にして「ボコン」と泡を

       出さない事です。空気が逃げたり泡が出ると、必要以上に釉が内側に掛ります。

    b) 穴を塞がずに、逆さの状態で内側の必要の寸法まで塗ります。外側と内側の塗れる深さは

      同じです。次に全ての穴を塞ぎます。縁を上に向けて、釉の容器に沈め最初に塗った場所と、

      若干重なる様にします。焼成時棚板に接する部分は、釉を剥がします。

   c) 一色の場合は、割合容易ですが、複数の色を塗り分けるには、それなりの方法を考え

      なければなりません。例えば、蝋抜き、マスキング、などの方法です。

  釉の調合: 独自の色を出す為には、釉の研究も大切です。

   基礎的な事は会得しておく必要があります。

   尚、釉の種類としては、青磁、織部、瑠璃、黄色、蕎麦、金茶、海鼠釉、均釉、紫紅釉、

   桃花釉、天目釉、辰砂釉、交趾(こうち)など多彩です。

以下次回に続きます。
 
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盆器(盆栽鉢) 11(盆器を作る6)

2011-09-23 22:19:14 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
4) 狂いや歪みの無い作品を作る。

  ぁ|鮃み成形: 磁器は手捻り(紐作り)や、タタラで作る事は、困難です。

   轆轤作業か、鋳込み成形で行います。(ほとんどは、鋳込み成形です。)

   この製法では、量産が可能で安価な類似品も多い為、好まない人もいます。

   尚、型が抜き易い様に、外縁がほとんどです。手作りのものは、内縁が多い様です。

5) 足と装飾品を付ける。

   ‖(高台に相当する部分)の形状にも色々ありますので、器に合った足を作ります。

   取り付ける位置は、基本的には四隅(方形、長方形)に付けるか、三点(丸型)を等間隔で付けます。 

  足の種類には、以下の形があります。

   切足(きりあし)、段足(だんあし)、雲足(くもあし)、富士足(ふじあし)、

   鬼面足(きめんあし)等の種類があります。

  ・ 切足: 段差の無い一重の形です。 段足: 二段の足で先端に行くほど幅が狭くなります。

  ・ 雲足: 雲型をあしらった足です。複数個の雲を持つものもあります。

  ・ 富士足: 富士山を逆さにした様な形をしています。

  ・ 鬼面足: 般若(はんにゃ)面の様な物や、鬼の面を模(かたどる)った形の物もあります。

  ◆〜飾品を付ける。

    盆器の側面には、釉薬のみの物もありますが、色々な飾りが付いている物も多いです。

    胴紐、胴紐竹節、胴帯、糸目、額縁、窓、浮彫(陽刻彫文)、陰刻彫文、透彫(すかしぼり)、

    鋲打(びょううち)、耳付、凌(しのぎ)文、櫛目文、泥絵、貼花、印花、刻文などです。

6) 穴を開ける。

  盆器には、必ず底に穴がありますが、普通水盤には穴はありません。

  穴を開ける目的は、勿論(もちろん)水抜きの為です。余分な水を排泄し、水捌けをよくします。

  もう一つの目的は、器の内側の上部に釉を掛ける際、任意の深さまで施釉する為です。

  即ち、底に穴が開いていると、器を逆さにして、釉の容器に漬けると、内外の同じ深さまで、

  施釉が出来ます。それ故、施釉する際穴に指を差し込み、空気の逃げ道を塞いでしまうのは最悪です。

  〃蠅魍けるタイミング。

  顱法…譴坊蠅魍けるには、ある程度、器が乾燥していると作業し易いです。乾燥不足では、

    綺麗な形にならず、乾燥し過ぎると、亀裂が入ります。

  髻法‖を付ける前に穴を開ける: 穴を開けるには、穴の大きさにもよりますが、かなりの力が、

     底に掛かります。取り付けた足では保持出来ないでしょう。

     それ故、足の無い状態で底を板の上に置いて力を加えて、あなを開ければ、問題ありません。

     勿論、足に負担が掛らない状態で、穴を開けるのであれば、問題ありません。

 ◆〃蠅凌瑤搬腓さ

   顱法〃蠅凌瑤郎酩覆梁腓さにもよりますが1〜4個程度が多く、多くても8個以下が良いかも

     知れません。丸い器や方形の器には、中央に一箇所の場合が多いです。長方形の場合には

     四隅近辺に4箇所、六角形では3〜4箇所(一つ置きに角周辺に1個づつで3個、中央に

     1個計4個)、八角形では4〜5箇所(角に4個中央に1個)と成ります。勿論決まりは

     ありません。自分で好きなように、穴を開けて宜しいですが、全体にバランスよく穴を開けます。

     尚、穴の面積が多く成るに従い、鉢(盆栽の根)の乾燥は速く成ります。

   髻法〃蠅梁腓さには、決まりがありません。小さめの穴を数多くする場合や、大きめを一つと言う

      場合もあります。

  穴の形状は、円が多いですが、その他好みの形の穴もあります。円が多いのは、加工し易い為です。

   穴を開ける用具にも決まりは有りません。電動轆轤を回転させながら、中央部に剣先で穴を

   開ける事も可能です。ポンス」と言う穴あけ器もありますが、他にも利用出来る物も多いです。

   小さな穴ならば、「ドリルの刃」を使う事も可能です。

以下次回に続きます。
 
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盆器(盆栽鉢) 10(盆器を作る5)

2011-09-22 21:30:54 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
4) 狂いや歪みの無い作品を作る。

   タタラによる型作り

   前回△能劼戮震姪櫃丙邏箸鮓困蕕掘∈邏箸慮率を良くしたのが、型を使う方法です。

  顱法〃燭瞭眤Δ縫織織蕕魏,傾み(絞り加工と言う)、型に沿わせます。

    角ばった部分では、土が引っ張られ、若干肉厚が薄くなりますが、なるべく肉厚が均等に

    成る様にします。

  髻法(雑な形の場合には、複数個に割る「割り型」を使います。

     又、背の高い(深い)作品では、ドーナツ型のタタラを作り、周囲の形を作ります。

     その後に、底に成るタタラを「ドベ」で貼り付けます。内縁の場合も、型が抜けませんから、

     後付けと成ります。

  鵝法“燭蠏舛遼澳錣鮑遒襪砲蓮△海侶燭鮖箸κ法は有力です。綺麗に左右対称にする事が、
    
     他の方法では、難しいからです。

  堯法|△掘△海侶燭鮑遒襪里蓮意外と面倒です。一度型が出来れば、同じ形の物を量産できます。

    (勿論、本職の木型屋さんに、頼む方法もありますが、意外と高価な場合が多いです。)

 ぁ”該遒蝓А,△蕕罎訛腓さや形に、対応可能な作り方ですが、時間が掛かるのが難点です。

   更に、紐作りで「狂い」や「歪み」も無い作品を作るのは、かなり難しい作業です。

   肉厚に差が出易いる事と、土を薄く展ばす時に、土の締め具合に、バラつきが出る為に、例え均一に

   削っても、焼成時に歪みが出るのです。前置きが長くなりましたが、作り方を説明します。

   作品を仕上げる迄には、幾つかの工程が必要です。

  ) 底に成る部分を作る。 紐から底を作る方法もありますが、しっかり土を叩き締めないと、

    底割れを起こし易いです。一般には、タタラで作った方が、肉厚も一定し、安全です。

  ) 紐を作る。 紐の作り方にも、幾つかの方法があります。

   ・ 空中で両手の手のひらで、土を挟み回転させながら、揉む(もむ)様にして下方に細く長く

     垂らしていく方法。
   
   ・ 台(机)の上で両手で、土を転がしながら細く長くします。台を予めスポンジ等で濡らして

     おくと、土(紐)の乾燥を防ぎます。

    いずれの方法でも、紐の太さは、なるべく均一にすると、後々作業が楽です。

    慣れないと、意外に難しい作業です。

    (紐が丸くならず平たくなり、筋が入り易くなります、断面が円に成る様に作る事です。)

    最初の1段目の紐は、やや太くしておきます。

  鵝法”海鮴僂濔紊欧襦I海鮴僂猜法には、巻き上げ式と、輪積み式の方法があります。

   ・ 巻き上げ式: 蛇が「とぐろ」を巻く様に、ぐるぐると巻き上げる方法です。

   ・ 輪積み式: 土を輪にして一段一段積み上げる方法で、丁寧な作り方です。

   底に成る部分の上面の周囲に、筆や刷毛で水を付けます。この上に太目の土を置いてゆき

   底と紐を密着させます。2段目からは必ずしも水を付ける必要はありません。

   積める段数は、紐の太さにもよりますが、3〜4段程度が目安です。上が広がらない様に注意。

   (尚、水盤の様に、浅い器であれば、一段で終了の場合も有ります。)

   前段との間に、隙間が出来ない様に、しっかり上から押さえます。
   
  ) 繋ぎ目消す。 器の内外に、横方向の繋ぎ目が有りますから、これを、手又は竹へらを使い

   消します。消す方法は、繋ぎ目の上下の土を繋ぎ目と直角方向に移動させて、なだらかにします。

   土の移動は、肉の厚の方から薄い方向に、土を伸ばします。上下に肉厚の差が無い場合には、

   下から上へ、上から下へと、交互に土を移動させます。

 ・ 最下段のやや太めの紐は、内側の角が丸くなる様に、指で擦りつけます。外側は、

   底の周囲の土を、縦方向に移動させて、繋ぎ目を消すします。

  ) 土を薄く展ばす。紐の太さは作品の肉厚よりも、太いはずです。そこで、両手の指で摘み

    土を薄くします。指痕が付きますが、若干乾燥後に削り取ります。

  ) 必要に応じて、更に土を積み上げます。高さが十分あれば、上部の高さを綺麗に切り揃えます。

  ) 仕上作業。 表面をなるたけ凸凹の無い、綺麗な面に仕上げます。

    カンナ等を使い、削り取ります。外側の角くばった処に、肉を盛る必要があるかも知れません。

  ) 穴を開けてから足をつけます。

以下次回に続きます。
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盆器(盆栽鉢) 9(盆器を作る4)

2011-09-21 21:50:55 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
 盆器大図鑑(近代出版)を見ていると、狂いや歪みの無い作品は、高い評価を受けている様です。

 特に釉の掛かっていない、裸の状態の泥ものは、一目瞭然にその良し悪しが解かってしまいます。

 当然、狂いや歪みの無い盆器の製作には、高度の技術が要求されるのですが、単に技術的な問題

 だけでは無く、土の性質を、理解していなければなりません。

 作品が歪む原因は、乾燥する事により土が縮む事と、焼成時に土が軟らかく成る事が、原因です。

 尚、主な直な原因は以下の場合です。

  .織織蕁僻直の粘土)は乾燥時に反りが発生します。

  顱法.織織蘆餌里任蓮空気に触れる面積の大きい方に反ります。

  髻法.織織蕕悩遒辰身⊂の器は、内々に反ります。即ち側面は内側に、底部は上方向に反ります。

    直線的な縁も、反ると弓なりになります。

  鵝法…梗衒向に長いもの程、反る量は大きくなります。

     (尚、厚みに関しては、余り関係しません。)

  堯法ヾチ腓了妬によっても、大きく反り返るります。

     全体を均等に、乾燥させる事と、乾燥を遅くする事によって、予防できます。

  ) タタラの作り方によっても、反る方向が決ります。

     ローラーなどで薄く展ばすと、ロール目と直角方向に反ります。

     それを防ぐ為には、一方向ではなく、四方八方に展ばす必要があります。

  ) 土の記憶性も関係します。大きな一枚のタタラから、各部分を切り出す際に、同じ方向に

     展ばした板を使いたいです。方向がバラバラですと、各々の反りが合わず、繋ぎ目等に、

     「割れ」や「ひび」が入り易いです。

 ◆ ‘厚の差によっても、狂いや歪みが発生します。

  顱法‘厚部は肉薄部分より、縮もうとする力が強く働きます。それ故、肉薄部が引き裂かれる様に

    成り、歪みや「ひび」が入り易いです。

  髻法”該遒蠅陵佑法∪什郢に肉厚に差が出る作り方では、削り作業で均一に削る必要があります。

   土が焼き締まる程度に高温になると、土が若干軟らかくなります。

  ) 横長の作品で、背の低い物は、四隅の足だけでは持ちこたえられず、中央が垂れてきます。

    それ故焼成時には、「め」を立てて、下から支える必要があります。

    又、足の付け方が悪い(細すぎる、高さの狂い、足に均等の重みが掛かっていない等)と、

    乾燥時や焼成時に、歪みが発生します。

  髻法‥擇梁儔佚戞紛弱)によっても、変形の割合が違います。作品を焼成する前に、

    使用している土が、何度まで持ち応えられるかを、確認しておく必要があります。

 前置きが長くなりましたが、本日のテーマの「盆器を作る」の話を続けます。

4) 狂いや歪みの無い作品を作る。

  ‥兎壱橄發悩遒襦(昔ながらの手回し轆轤や、蹴轆轤でも同じです。)

  顱法″橄盧邏箸貌襪譴進は、轆轤作業で比較的容易に、作品を作る事が出来ます。

    作る時間も、短時間ですので、同時に何個でも作れます。

  髻法ヾ靄榲には、形は円形に成りますが、小さな物から大きな物まで、綺麗な形に作る事ができます。

   更に、肉厚も均等に作れますので、乾燥や焼成の際の狂いや歪みが出る恐れは、少ないです。

   ・ 注意する事は、轆轤挽き後、手板に作品を取り上げる時に、歪みが出易い事です。特に初心者は

   折角綺麗に轆轤挽きが出来たのに、手板に採る際に歪み易いです。歪みは作品の腰で直します。

  鵝法″橄眸圓した作品は、若干乾燥後に、「カンナ」で不要な部分を削り取ります。

     又、底の中央に穴を開ける事や、足を削り出す事も容易な作業です。

 ◆.織織蕕療修蟾腓錣擦砲茲詈法

  顱謀修蟾腓錣擦任蓮繋ぎ目が重要な場所です。この処理が上手く出来ると、狂いや歪みの

   少ない作品を作る事が出来ます。 

  髻法‥修蟾腓錣擦粒囘戮癲∋由僂把廠僉複坑暗戞法∀山僉複隠横暗戞法八角(135度)と

     成ります。90度以外の角度で貼り合わせるのは、かなりの熟練を要するか、冶具(じぐ)が

     必要に成ります。各角(かど)の角度が一定でないと、作品は歪んで見えます。

  鵝法[省の貼り合わせ部に、しっかり傷(あやめ紋の傷=刻み)を付け、糊の役目の「どべ」を付け

     両方を押し付けて接着します。接着部が弱いとこの部分が剥れたり、「ひび」が入り易いです。

  堯法〇転紊穏邏函どの様な作品でも、仕上げ作業に手を抜くと、良い作品はできまっせん。

     貼り合わせの部分が綺麗に成るように、削ったり土を足して補正し、綺麗な角を出します。

  タタラによる型作り。


以下次回に続きます。
   
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