わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

造る87(壷22、面取り壷を作る5)

2013-05-27 21:57:37 | 陶芸入門(初級、中級編)

5) 型を使った面取り方法。

   ① タタラ(粘土板)を組み合わせて面取りの壷を作る事も可能です。方形(四角形など)の

      単純な形の場合は、比較的容易に貼り合わせの技法で、作品を作る事も出来ますが、

      複雑な形の面取り壷と成ると、多数のタタラを貼り合わせる際に、外部又は内部から

      タタラを支えるガイド(木製やダンボールの枠など)が必要になります。

   ② 上記の様に、ガイドを用意するならば、むしろやや強固なガイドを作りこれを型として

      利用しおた方が、手っ取り早いかも知れません。この型に一枚の大きめなタタラを押し

      込んで、型通りに形作った方が貼り合わせの手間が若干省けます。

      あの有名な「信楽の狸」も割型に大きなタタラを押し込んで、形作っているとの事です。

   ③ 型は外型(内側に作品ができる)ですので、割り型になり、幾つかの部品(パーツ)を作って

      から、全体を組み合わせ接着します。  接着痕が見え無い様に丁寧に仕上げます。

    ) 型を作る時に重要な決まり事は、「逆テーパー」にしない事です。逆テーパーにすると、

      土が型から離れなくなってしまいます。どうしてもその様な形にしたい場合には、その部分で、

      型を割る必要があります。

    ) 型離れをよくする為、型の内側や、タタラの外側に片栗粉などを塗っておくと、良い結果が

       得られます。

    ) 狭い場所でも、型にぴったり張り付く様に、土を押し込みます。即ち型との間に空間を

        作らない事です。それには、内側より何かの用具を使って土を押し込めます。

   ④ 鋳込みの技法を使う面取り壷。

     同じ形の作品を数多く作る際や、制作し難い作品に利用する方法です。

     独自の型を作るまでが大変な作業ですが、型が出来てしまえば、ある程度容易な作業と

     成ります。

    ) 独自の石膏型を作る。

      a) モデルとなる作品を作る。モデルは外観が大切で、必ずしも空洞である必要はありま

       せん。一般的に土で作りますが、発泡スチロール等の他の材料を使ってももかまいません

       作り易い材料を選ぶ事です。

      b) 作品に応じて型の分割数を決めます。数が多い程面取りの面が綺麗に成ります。

      c) どの様に型を作るかは、ここでは述べませんが、興味のある方は、調べて下さい。

    ) 型は石膏製の型で、泥状にした土を型一杯に流し込みます。泥状の土も水分が石膏に

       吸い取られ、表面より固まってきます。

    ) 頃合を見て、型の中の泥を外に捨て空洞にします。

       型の乾燥度合いと、泥を捨てるまでの時間が長い程、肉厚が厚くなります。

       更に時間を掛けて、乾燥させてから型から外します。

    ) 型から外すと必ず割り型の痕が残りますので、綺麗に剥ぎ取り磨く必要が生じます。

       型は乾燥させれば、壊れない限り何度でも使えます。

以上で面取り(壷)に付いての話を終わります。次回は別のテーマでお話します。     

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造る86(壷21、面取り壷を作る4)

2013-05-26 20:23:22 | 陶芸入門(初級、中級編)

3) 土を丸めて一つの塊とし、おおよその形を作ってから、面取りを行う方法。

   複雑な面取りの作品の場合は、無垢(むく)で作った土の塊の表面を面取りしてから、作品を

   分割し、刳抜き(くりぬき)技法で内側の土を削り出し、再度両方を接着させて、作品に仕上げます

   余り大きな作品には向きませんが、高さや幅が20cm程度ならばやってみる価値があります。

   利点は面取りの際の肉厚を心配しないで作業できる事です。その為、少々複雑な面取りにも

   対応できます。 欠点は、肉厚を確認しながら、刳抜くのに手間がかかる事と、分割部分を再度

   接着し作品に仕上げる事です。制作手順は以下の様になります。

   ① 粘土の塊を轆轤又は手捻りの要領で、大まかな作品の形にします。

   ② 面取り作業が出来る位に乾燥したら、作業に取り掛かりますが、大きな粘土の塊では、

     内部に幾ほど乾燥が甘くなります。じっくり日数を掛けて乾かす事です。

   ③ 削り過ぎても穴が開く恐れはありません。但し、必要以上に削り過ぎた場合には、土を盛る

     (追加する)事も可能です。

   ④ 外側が完成したら、中部の肉を削り出す為に分割します。分割する部分は、内側の土を取り

     出し易い部分を選びます。二分割するのが理想ですが、場合によっては更に増やす事も

     あります。分割線も後で接着する事も考え、なるべく直線的にしたいです。

   ⑤ 内側の土を、カンナ等を使って削り出します。狭い場所の土を削り出すには、それなりの

      工夫と用具が必要になるかも知れません。又、削り痕もなるべく少なくします。

      削り出しが終わったら、接着して元の形に組み立てます。接着面は目立たない様に綺麗にし

      痕は残さない事です。再度全体の形やバランスを見て完成となります。

4) 一枚のタタラ(粘土板)を使って面取りの壷を作る。

   タタラを切り貼りして、面取りの作品を作る事も出来ますが、貼り合わせには意外と時間と技術が

   必要になります。そこで一枚のタタラから作品に仕上げる事が出来れば、貼り合わせる箇所も

    少なくなだけでなく、水漏れなども少なくなります。作る手順は以下の様になります。

   ① 展開図を描く。作りたい作品が決ったら、紙などに展開図を描きます。

     展開図には、底部と側面部(胴部)及び首部などが入ります。

     一枚のタタラから作れない構造でしたら、二枚に分けても問題ありません。

   ② 厚手の紙に展開図を転記し、図面通りに切り取り、実際に組み立てます。

      糊(のり)や紙用の接着材を用いて組み立て、不備な点を洗い出します。

   ③ 紙での作品が成功したら、実際にタタラを作り、展開図通りに切り取ります。

      但し、紙では肉厚が少ないですが、粘土板(タタラ)では厚みと、糊代がありますので、

      その点を考慮して、少々大きく描いた方が良い様です。

     ) タタラの厚みは、作品の大きさにもよりますが、8mm前後が良い様です。

        伸ばした土は台(テーブル)などに張り付かない様に、タタラの下に新聞紙を置いたり、

        をカタクリ粉を塗っておきます。      

     ) 「のし棒」や「鉄ヤアルミ製のパイプ」を使い、所定の肉厚に土を均一に伸ばします。

     Ⅲ) タタラに型紙(展開図)を置いて、針で当たりを付けてから、針やナイフで展開図通りに

       切り出します。

   ④ 底に成る部分を中心にして、側面を一つづつ立ち上げます。

      ある程度タタラが乾燥していまいと、作業がし難いです。

     ) この際、隣の立ち上げ部と繋ぎ合わせる(いわゆる接着)までは、土の内側に支えの

       ブロックがあると作業がやり易くなります。当然貼り合わせた部分は、角を出す様にします

       又、立ち上げた部分も内側に折り曲げて角を出します。

       立ち上げる際には、少しづつ起こし、「切れや割れ」を防ぎます。

     ) 立ち上げたり、折り曲げ部分には「ひび」が入り易いですので、ある程度の丸味をつけて

        おき、より乾燥させた後に、叩き板を使って叩きながら形を整えます。

        全ての側面が繋がるまでは、慎重に作業します。

     ) 内側に手や指を入れて、叩き板で叩き絞めながら、形を整えていきます。

        叩き板の役目は、土を締める事と、平らな面と角を出しながら、好みの形にする事及び

        接着部を強固にする事です。

     ) 首から下の形が出来たら、口縁部分を「すぼめ」ます。

        土を寄せて徐々に細くし、長めの首を作ります。この段階では、上部の高さは不揃いです

        ので、弓などで水平に切り取ります。

     ) 口を作る。長く作った首の土を使って好みの口を作ります。最後に、「なめし革」を当てて

        滑らかに仕上げます。  

5) 型を使った面取り方法。

以下次回に続きます。

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造る85(壷20、面取り壷を作る3)

2013-05-24 22:13:28 | 陶芸入門(初級、中級編)

2) 変形させて面取りを行う。

   基本的には、表面を削ぎ落として面取りを行うのが一般的な方法ですが、この方法では、制作上

   肉厚に作る必要があります。又作品の肉厚も薄い所や厚い所などが出来ます。その結果歪みや

   ひびの原因に成り易いです。

   全体の肉厚を一定に保ち、面取りの作品ができれば理想的です。その様な事を可能にして

   くれる方法が変形させる方法です。但し土の記憶性の為、乾燥が進むに従い元の形に戻ろうと

   しますので、強めに変形させる事です。

   その他にタタラによる方法や、型を使う方法もありますが、後日お話します。

  ① 轆轤挽きした作品を、変形させて面取りを行う方法。

     当然、利点と欠点が存在します。

    ・ 利点: 面の幅の大小に影響されずに面取りが可能です。更に、作品全体の肉厚もおおむね

      均一に出来る事です。

    ・ 欠点: 稜線が「ビシッ」と決らない事と、細かい面取りが苦手な事です。

      前回お話した様に、面取りの魅力は稜線の綺麗さにあります。内側に曲げて面取りを作る為

      境目は丸味をおび、「ダレ」た感じに成ってしまいます。この状態を解決する方法は、内側

      より角材を押し当て、外側から板などでたたき出す方法か、外側の境目に「土を盛る」事で

      角をしっかり出します。

    前置きが長くなりましたが、本日のテーマに付いてお話します。

    作品を轆轤で作る方法に付いては、何度も取り上げていますので、省略します。

   ) 作品の表面を触って、手に付く事もなく、「べたつかない」程度に乾燥したら、変形に取り

      掛かります。乾燥し過ぎると「ひび」や「割れ」が発生します。

   ) 一番簡単な方法は、口縁部の変形です。少しの力で変形が出来るからです。

      丸い口縁部を、三角や四角形など多角形の面取りに変形する。

     a) 手や平らな板を使って、おおよその三角や四角形などの多角形にします。

        当然口の大きさによって、変形の大きさは変わります。

     b) 作品の内側に手が入れば、内側から手を当て、支えながらて外側から叩き板で叩いて、

       平らな面にします。

     c) この状態では面と面との境(稜線)は丸味をおび、面取りの魅力に欠けます。

      イ) 稜線は直角や鋭角にする方が「ベター」ですので、内側より強く外に押し出ますが、

        その部分の肉厚が薄くなってしまいます。そこで、外側の角部に紐状の土を線状に貼り

        付け、角に成る様に紐土を伸ばします。竹べらなどで伸ばしますが、形を整える為に、

         「カンナ」を掛ける事もOKです。

      ロ) 内側に角材などの角を押し当て、外側から叩き板で叩きます。

         やはり肉が薄くなりますので、内側に紐土や短冊状の土を貼り付けてから叩き鋭角に

          します。

   ) 内側に手が入れない場合。

     a) 内側から支えがないと、変形させた時に、修正が出来ません。「柄こて」などを口から

        入れ支えて修正するか、一度に強い力を加えずに、徐々に力を入れ慎重に作業をします

     b) この場合も稜線は鋭利に成りませんので、紐土を貼り付け、しっかりした稜線を出します

   ) 胴体部や腰部を変形させる。

      「箆(へら)目」と呼ばれる、作品の表面に箆でやや幅広の痕を付ける技法があります。

      轆轤挽きした作品に、この技法を応用して、面取り風の作品を作る事が出来ます。

     a) 幅の広い竹箆や板を使う。

       一般に「竹箆」は幅が1~2cmの物が多く、「なぜ箆」と「切箆」がありますが、その他に

       先端部が四角い箆もあります。箆目の痕をどの様に表現するかによって、箆の種類を選び

       ます。しかし、面取りの場合には2~5cm程度の幅のある箆や板を使います。

       その先端部は、刃物の様に薄く削っておきます。

     b) 箆の使い方。

      イ) 轆轤挽き直後の軟らかい時に箆を使って、箆目を附けます。

        その際、箆は水で濡らし滑りをよくしておきます。更に、箆は下から上に向かって移動

        させる事を基本にします。それは、轆轤挽きした作品は下に行くほど、肉厚に成っており

        力強く箆目を附ける事が出来、上に行くほど力を抜いて箆目痕を少なくする為です。

        勿論、逆に上から下に向かって箆目を附ける人もいます。

      ロ) 幅広の箆(又は板)は水に濡らして、土の上を良く滑る様にしておきます。

         下から上に向かって、表面を押し潰す様にして表面を凹ませます。

         垂直方向のみでなく、斜め方向に動かして螺旋状の面取りを行う事もできます。

      ハ) 箆の力の入れ方が難しい。

         土を内側に押しながら、一気に面を凹ませ面取りを行います。土は軟らかいですので

          力のバランスが崩れると、作品が歪みます。

       ニ) 稜線の問題も発生します。

         角張った稜線を出すのに、親指と人差し指で丸味のある角を摘み、稜線を作る事も

         可能です。但し強く摘み過ぎると、「とんがり過ぎ」てしまいますので注意。

         乾燥後に「カンナ」で削り、綺麗な稜線に仕上げます、

 3) 土を丸めて一つの塊とし、おおよその形を作ってから、面取りを行う方法。

以下次回に続きます。

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造る84(壷19、面取り壷を作る2)

2013-05-22 22:52:23 | 陶芸入門(初級、中級編)

1) 轆轤で作った壷を、鋭利な刃物などで面取りする。(前回の続き)

   作品は、時間を掛けて、じっくり乾燥させ、表面から肉部まで、できるだけ均一に乾燥させます。

   作業途中で、刃物が引っ掛かる様な、土の抵抗が無い様にします。

  ④ 稜線が見所と成ります。

     面取りを行う前に、底削りなどの轆轤作業は終わらせておいた方が良いでしょう。

   ) 面取りの面白さは、面取りと面取りの境界線である山の部分(稜線)の仕上げいかんに

      よって、良し悪しが決ります。「ジグザク線」や「フラフラ線」などと線が乱れずに、綺麗な

      直線や曲線の一本線になっている状態が理想的です。

      切り取り過ぎると、全体のバランスが崩れます。切り過ぎない様に出来れば、肉厚を確認

      しながら削る事を薦めます。

   ) 面取りの方向は、一方方向に削り取るのが一般的です。

      即ち、上から下へ、又は右上から左下へ、逆に左上から右下へと成ります。

      但し、上下に分けて、上部は右上から、下部は左上から面取りを行う事は出来ます。

      又、刃物の移動方向もなるべく一定方向で使うと、削る量の感覚が掴み易いです。

      但し、瓢箪型の様に途中がくびれた形状の壷は、幾つかの種類の刃物を使い分ける

       必要があります。

   ) 稜線が平面交差や立体交差する作品も見受けられますが、これはかなり高度の技術と

      根気が必要になります。

      手で削り取るだけでは困難で、一部土を盛る(足す)必要が生じるからです。

      この様な作品では、多分型を使っていると思われます。

   ) 面取り部分に文様を施す場合もありますが、折角の面取りの効果が薄れますので、

      なるべくなら、行わない方が良いでしょう。

  ⑤ 目の錯覚で平らな面が膨らんで見える。

    ) 弓や刃物で平らに切り取った面も、面の中央がやや膨らむ(凸状)様に見えます。

       細い面取り幅であれば、ほとんど問題に成りませんが、面取りの幅が広いと、この現象が

       大きくなります。

    ) 出来れば真平らではなく、若干凹状態にすると出来上がった時、真平らに見えます。

       即ち、切り取った境は、富士山の稜線の様にやや凸の状態にします。

       その為にも、削る道具を工夫するか、「Rの大きい丸いカンナ」で仕上げ、面の中央部を

       やや凹ませると良い様です。

  ⑥ 面取り部分は肉厚が薄くなり、稜線部分は他より肉厚になります。

     この肉厚の差が、乾燥時に形の狂いとなって現れる場合があります。

     最悪の場合には、「ひびや割れ」を起こす事もあります。 

     作品全体に面取りする際、面の数が少ない程、肉厚の差は大きくなります。    

  ⑦ 稜線部分は尖がっている為、釉が載り難く、釉の厚みも薄くなり勝ちです。

     その為、釉によっては、稜線が強調されます。

2) 変形させて面取りを行う。

以下次回に続きます。

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造る83(壷18、面取り壷を作る1)

2013-05-21 20:33:39 | 陶芸入門(初級、中級編)

轆轤挽き又は手捻りで製作した壷や花器などの表面を、生乾きの状態の時、鋭利な刃物で削ぎ

落とす技法を面取りと言います。削ぎ落とす場所や面積、削ぎ落とす方向などやり方次第で、効果が

異なり、作者独自の表現が可能です。叩いて変形させる方法もありますし、型を使って面取り風に

仕上げる方法もあります。後者の場合、厳密には面取りでは有りませんが、広い意味で面取りと

言われています。

1) 轆轤で作った壷を、鋭利な刃物などで面取りする。

  叩いたり押したりして変形せずに、面取りをする場合、基本的には肉厚が厚い壷を作る必要が

  あります。更に、どの様に面取りするかによっても、厚みの度合いを変える必要が有ります。

  轆轤挽きしていますので、内側は円形に成ります。仮に縦方向に面取りする場合、面の数が少ない

  程、肉厚を厚くする必要があり、面の幅が広い程、肉厚にする必要があります。斜めに螺旋状に

  面を取る場合でも、面の数が少なく更に幅広にする程、肉厚にする必要があります。

  ① 轆轤で壷を挽く。

   ) 面取りの方法を行う時、初心者の方は、小さな作品から行う事です。

      それも、膨らみのある壷ではなく、筒状の壷に頸が付いた様な作品を作る事を薦めます。

      ここで、刃物の種類と使い方や面取りの技法を習得し、ある程度の経験を積んでから、

      大物に挑戦する事です。

   ) 土の種類を選ぶ。

      面取りを刃物などで削り落とす方法の場合、肌理の荒い土はなるべく使わない方が良い

      でしょう。荒い土は、削ぎ落とした面の表面が荒れる事と、刃物が土に引っかかり易く

      切れ味が悪くなります。

   ) 作品を好みの厚さに挽き上げるのも意外と難しいです。

      多くの土が必要であり、下部が肉厚で口元が薄くなり易いです。

      当然の事ですが、轆轤挽きする前に、どの様な作品にするかは、予め考えているはずです。

      更に、どの様に面取りを行うかも、考慮されているはずです。

     a) 面取りし易い形に作る。

       細かい面取り(面取りの量が少なく、数が多い)であれば、やや複雑な形でも対応でき

       ますが、大胆で荒く幅の広い面取りであれば、単純な形でないと作業がし難くなります。

     b) 面取りする部分が、その作品のどの範囲内なのかも重要に成ります。

       全面に面取りを施すのであれば、全体を肉厚にする必要があり、部分的であれば、

       その部分のみを厚くし、その他の部分は普通の厚みにします。       

   ② 生乾きの状態で、面取り作業を行います。

      但し、面取りに使う道具の種類によって、丁度良い乾燥度合いがあります。

    ) 面取りを施す部分に「当たり」を付ける。

       ぶっつけ本番ではなく、面取りする部分に予め、鉛筆や針で当たりを付けておきます。

    ) 面取り用具について。

      a) 「弓」を使う: 轆轤挽き後、若干乾燥させた段階で、作業するのが、良い様です。

       竹又は太いバメ性のある針金に、釣り糸(テグス)や細い針金(荷札様の針金など)を弓の

       弦の様に「ピン」と強く張ります。尚、細い針金を二本撚る事により、切り口に線の筋が

       入ります。 

      b) 包丁やカッター等の刃物を使う: 金属の包丁などは使う前によく研いでおく事です。

        刃の部分に力が入りますので、ある程度乾燥が進んだ状態で行うのが良いでしょう。

        包丁以外に、良く使う方法は、「金ノコ刃」を使います。ある程度の「バネ性」を有して

        いますので、柔軟に使う事が出来ます。「金ノコの刃」は、グラインダー等の研磨機で、

        刃を設けておく必要があります。

   ③ 面取りの仕方。

     ) 縦方向に面取りの場合は、口縁又は肩の部分より、「当たり」に沿って下に向かい

        一気に切り取ります。但し、フリーハンドの状態では、手が固定する事が難しく、中々

        均一に切り取る事は出来ません。更に、何度もやり直す事は良い結果が出ません。

        なるべく一度に切り取りたいです。

        その為にも、糸や刃物の位置が固定できる様なガイドを作ります。それがどの様な

         物かは、作品の形状と、切り取る量など決まり、実際には色々工夫すべき事柄です。

      ) 斜め方向に面取りする場合は、手轆轤を利用すると便利です。

         斜め方向では、弓や刃物に角度を付ける為に、両端に同じ力を入れる事がやや難しい

         です。「当たり」の線を入れるのも難しいです。特に丸みを持つ面に「当たり」の線を

         入れる際には、柔軟性のあるスケールを押し当てたり、糸を張って「当たり」を入れる

         事に成ります。作品に膨らみが有ると、面取りの幅は一定では有りません。

         即ち膨らみのある所では、他の場所より幅広削る事になります。

     ④ 稜線が見所と成ります。

 以下次回に続きます。

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造る82(壷17、扁壷を作る4)

2013-05-19 21:21:45 | 陶芸入門(初級、中級編)

「壷」ではなく、あえて「扁壷」を作る理由として、用途からの開放という事が挙げられます。

 a) 即ち、従来「壷」は、茶壷、油壷、酒壷、種壷などと、食料や飲料を蓄えたり運搬の容器として

    使われ、各々その目的がはっきりしていました。軽くて丈夫で容量が大きい壷が要求されて

    いましたので、どうしても丸味のある「壷」が適し、作られていました。

 b) 現在では、容器としての目的も薄く成ってしまいました。(他の材料で作った方が有利です。)

 c) 従来の壷は大小はあるが、似通った形ですので、広い意味で「扁壷」にする事により、幅広い

    形の作品を作る事ができます。更に、容量をさほど気にせずに形を作れるのも魅力の一つです

 d) 絵付け、彫刻などの装飾を施すスペースを作る事が出来る。

    従来の壷でも、絵付けや彫刻、押印(印花文)などの装飾を施す事も可能ですが、「扁壷」の

    方が平面に近い形の場所を多く持つ為、装飾の範囲が広がります。

    逆に、その様な装飾を施す為に、あえて「扁壷」の形を選ぶのかも知れません。

前置きが長くなりましたが、本日の本題に入ります。

3) 扁壷を作る。

 ④ 手捻りで「扁壷」を作る。

    「扁壷」のイメージは、円形の壷で左右両面を板などで押して、薄くした形の物ですが、「四角い

    物」や「多角形」、「不定形の物」の壷も、広い意味で「扁壷」と呼ぶ事があります。

    実際に、製作者がご自分の作品に「◎◎扁壷」と命名しています。

    この様な形の場合は、タタラ作り、紐作り、型を使うなどの、手捻りで作る事が多いです。

   ) 四角い扁壷を作る。

      奥行きの浅い四角い箱を作り、脚と頸を付けた形の壷(又は花器)です。

     a) タタラ板を6枚用意します。

      即ち、前と後面の2枚、左右面の2枚、天井と底の2枚が必要です。各々同じ大きさであれば

      左右対称で、前後対称の壷になります。タタラの厚みは、作品の大きさや装飾の方法に

      応じて、5~10mm程度にします。彫刻を施す場合には、肉厚にします。

      真四角であれば、前後面の板は正方形になります。

      「扁壷」にするには、扁平にする為、左右面と天井と底の4枚のタタラの横幅(奥行き)は

      小さく(狭く)する必要が有ります。

    b) 貼り合わせの技法で、密閉された四角い箱を作ります。

      作り方は今までに述べてきましたので、要点のみをお話します。タタラ板は自立できる程度に

      乾燥させてから、貼り付ける面に刻みと「ドベ」を塗って、圧着します。

    c) 上記の四角い箱をどの様に使うかによって、形が大幅に変わります。

      即ち、縦長又は横長、あるいは斜め45度に立てた作品にする事も可能です。

   ) 変形の扁壷を作る。

    a) 側面になるタタラ板に、前後の二枚の平たいタタラ板を、サンドイッチ風にした「扁壷」を作る

     イ) 二枚の板はどの様な形でも問題ありません。丸、三角、多角形、不定形など自由に作り

       ます。完全に平坦でなくて、蒲鉾(かまぼこ)型や多少凸凹していても、さほど問題に

       成りません。 この場合には、側面のタタラが二枚の板に隙間無く密着させる為、ある

       程度の工夫が必要に成りますが・・・

     ロ) 側面になるタタラ板を作り、表と裏の板を貼り付ける。

        側面になるタタラ板はなるべき途中で繋ぎ目が無い、一枚板にしたいです。

         (合わせ目の水漏れ防止の為) 

      ・ まず、裏側になる板の内側を上にして寝かせ、その上に側面の板を垂直に貼り付けます

        貼り付ける位置は、裏板の外周に沿う場合と、数cm内側に貼る場合があります。

        即ち、裏板が側面より飛び出ている形状に成ります。

        細い紐土を使い繋ぎ目の隙間に入れ込み、隙間が出来ない様にします。

      ・ 同様にして、表の板も貼り付けますが、面積が広い場合には、側面の板のみでは

        支えきれずに、中央部が凹む(弛む)事があります。

        その際には、新聞紙等をクシャクシャに丸めて中に入れ、凹みの発生を防ぎます。

        尚、新聞紙は素焼きの際に焼失してしまいますので、取り出す必要はありません。

        繋ぎ目には、隙間が出来ない様に注意します。

      ハ) 脚(あし)を付ける。

         「扁壷」の様に奥行きの無い作品では、前後に倒れ易いですので、何らかの工夫が

         必要です。基本的には、前後方向の接地面積を増やす事です。

        ・ 例えば、現在の薄い液晶テレビ等の脚の形が参考に成るかも知れません。

      ニ) 頸を付ける。

         頸の長さと形を決めますが、、全体のバランスを考えれ決める必要があります。

         作り方は轆轤挽きでも手捻りであっても良く、形も丸でも、四角形でもかまいません。

 作品例として、 河井寛次郎氏(1890-1966)作。 

  「花扁壷 鐡薬」 高さ20cm 幅17×12.5cm があります。

  その他にも、多くの作家さんが「扁壷」を作っていますので、ネットでも見る事が出来ます。

  興味のある方は検索して、ご覧下さい。    

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造る81(壷16、扁壷を作る3)

2013-05-17 21:33:56 | 陶芸入門(初級、中級編)

3) 扁壷を作る。

  ② 轆轤で「俵壷(ひょうこ)」を作る。(前回の続き)

   ) 高台と頸(くび)を作る。

     「俵壷」に限らず、作品に高台を設けるか設けないかの判断に迷う事も多いと思います。

     どの様な作品であっても、原則は高台が有った方が何かと便利な事と、見栄えが良くなる

     事ですので、設ける事を薦めます。

     ・ 但し、手捻りで角皿を作り、脚(高台)を付ける際は注意が必要です。脚を着けた為、

       作品が歪んだり、割れを起こす危険が増えます。皿の端に高台を付けると、本焼きで、

       中央が弛み(たるみ)、脚を中央にすると、四隅が弛みます。これは、土が高温の為、

       軟らかくなるからです。

    a) 高台のの効用(使い勝手)。

     ・ 釉を掛ける際に、高台があると、高台を持って施釉ができまので、取り扱いに便利ですし、

       指痕も少なく、目立たない位置にきます。更に、「べた高台」の場合には、特別に底を

       持ち上げる方法を取らない限り、底には釉が掛けられません。即ち、施釉しない部分が

       多くなりますので、強度的、美観的、実用的にもやや不利に成ります。

     ・ 実用に供される際にも、高台脇に小指などが入り込み、持ち上げ易く成るなどの他、

       器本体を触る事も無く、衛生面でも優れ、使い勝手も大変良くなります。

     ・ テーブルなどに接する面積が比較的小さくなりますので、熱を下に伝え難くします。

       更に、作品を「引きずる」様に移動させてしまっても、テーブルを傷つけ頻度は低いです。

    b) 見栄え(見た目)の効用。

     ・ 高台があると、作品本体が床やテーブルから浮き上がった感じに成ります。この事は

       器を軽く見せる効果にも成ります。底がべったり床に着いていると、確かに安定感は有り

       ますが、落ち着き過ぎて動きなども無く、面白味に欠けた感じとなります。

    c) 高台も作品の一部ですので、全体のバランスを考えて取り付ける必要があります。

       大きな作品にはそれにふさわしい高台を付ける必要があります。貧弱な脚(高台)

       では、不安定でもあり、逆に小物なのに立派な脚は似合いません。

   前置きが長くなりましたが、扁壷の脚(高台)について述べます。

    d) 轆轤挽きされた扁壷には、轆轤挽きした高台がふさわしいです。

      勿論、手捻りの脚であって良いのですが、全体のバランスを考えて、形と大きさを決めます。

     イ) 形は台形(撥高台風)に轆轤挽きした脚を、楕円形に変形させます。

       楕円形の脚の大きさは、俵本体の長手寸法より短くします。高さも好みで自由に出来

       ますが、俵本体の高さの半分以下に抑えておくべきかも知れません。

     ロ) 丸い本体(俵)底が、脚の一部に食い込む様に、楕円の脚の長径部の両端を俵に合わせ

         丸く切り取ります。

     ハ) 脚の最下部(畳付き部)の中央の手前と向こう側に、アーチ状の切り込みを入れると、 

        見た目に軽さを感じさせます。

     ニ) 取り付け位置を決めたら、「ドベ」で貼り付けます。

   e) 轆轤挽きした頸(くび)を取り付ける。

      「俵壷」には背が低く、径の細い頸に端反りした口が付いているのが一般的です。

      勿論、頸が長くてもなんら問題もありません。要は全体のバランスです。

     イ) 基本的には、頸は1個取り付けますが、2~3個の頸を持つ「俵壷」もあります。

        この場合は、花生(花瓶)として使用される事が多いようです。   

        複数個取り付ける際、同じ高さではなく、高低差を設けた方が楽しい作品に成ります。

      ロ) 頸の取り付け位置が決ったら、本体に穴を開け頸を接着し、取り付け部分を綺麗に

         します。

   ③ 大きな「俵壷」を作る。

     本体(俵 の部分)を大きく作る場合には、円柱を閉じて形にする方法ではなく、俵部を二個の

     器を作り、繋ぎ合わせる方法を取ります。

     即ち、丸味を帯びたコップ状の器を二個作り、両方の口を貼り合わせて、本体を作る方法です

     この方法であれば、かなり大きな「俵壷」ができます。 

     高台や頸を付ける事は、前記と同じですので省略します。

   ④ 手捻りで「扁壷」を作る。

以下次回に続きます。

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造る80(壷15、扁壷を作る2)

2013-05-15 21:18:02 | 陶芸入門(初級、中級編)

  ② 轆轤で「俵壷(ひょうこ)」を作る。

    「俵壷」は広い意味で「扁壷(へんこ)」に分類しますが、形は扁平ではないので、むしろ

    「変壷」と書いた方が妥当かも知れません。今では米俵を見掛ける事はほとんどありませんが、

    少し前まではごく一般的に使用されていた米を入れ、貯蔵用と運搬に適する物でした。

    米俵を模した本体を横に倒し、俵の中央部に頸(くび)と注ぎ口があり、高台の付いた物と、

    無い物があります。本体は俵を表す藁(わら)と縄の文様が付けられた作品もあります。

    又、俵の両端には蓋(桟俵=さんだわら) が付きます。実際に蓋を取り付ける場合と、蓋の

    文様を彫刻して表す場合があります。

     注: 「桟俵」とは円形の藁蓋で、「サンバヤシ」とか「バセ」とも言うそうです。

    「俵壷」の用途は、壷と言うより花生け(花瓶)と用いられる事が多い様です。

   ) 本体を作る。

     成形の方法は、轆轤挽きした筒の口を徐々に狭め、最後に閉じて作ります。

     反対側は、底削りで形を作ります。

     尚、桟俵を後付けする場合には、完全に閉じる必要はありません。

     但し、完全に空気を閉じ込めた方が、色々の作業がやり易いです。

    a) 土殺しをした土の中央に、指を入れ掘り込みます。底の厚みを残した後、底を広げます。

    b) 底が仕上がりの太さに成ったら、土を3~4回荒伸ばしします。仕上がりの肉厚にし、

       腰を締めてから、胴を膨らませ俵の形にして行きます。

    c) 轆轤の回転をやや遅くし、両手の親指と人差し指との間を使い、胴の上部を中心に押し

      ながら、口を徐々に細くして行きます。細くすると肉厚になり、土に撚れが発生しますので、

      やや土を挽き上げ薄くし、更に口を閉じます。

    d) 指が一本入る程度に細くしたら、口に指を入れて内部を整えます。

    e) 首を作り、首を細め完全に閉じます。その際、首より上の土は切取られます。

      切り取った最上部を徐々に上部より押さえ、やや丸味を持たせます。空気が閉じ込められて

      いますので、押さえてもへこむ事は無く、どこか弱い所が膨らみます。

    f) 肩の部分はやや丸味を帯びさせますので、細い角材を両手に持ち、真上から肩に掛けて

      俵の形に整えます。

    g) 底に糸を入れて轆轤より切り離し、乾燥後に底を俵の様にやや丸く削ります。

      但し、乾燥前に、針などを使い、小さな穴を開けておく必要があります。空気を閉じ込めた

      まま乾燥させると、「ひびや割れ」を最悪爆発を起こしますので、忘れない様に注意します。

      イ) 底削りは、逆さにした時、轆轤上での座りが悪いので、シッタ(湿台)を使います。

      ロ) 底を平らに削ってから、底の角を取って俵の形にします。

    h) 桟俵(米俵の蓋)は、描くか粘土の円板を接着させます。

      イ) 描く場合は、彫刻を施します。轆轤から切り離す前に、片側の桟俵を丸く描きます。

        円の大きさは、本体の米俵の直径の1/2~2/3程度とします。

        本物は藁で作ってありますので、藁を表現する模様が付いていれば、よりリアリティーが

        出ます。

      ロ) 取り付ける場合には、粘土で3~5mm程度の厚みの円板を作り、両端の中央に

        「ドベ」で貼り付けます。

    i) 高台を付けない場合には、米俵の底を平らにし回転しない様にして、据わりが良い形に

      します。その際、土が軟らかい内に、胴部に板を押し当てて平らにするか、やや乾燥後に

      上から軽く落として、平らにします。

   ) 高台と頸(くび)を作る。

以下次回に続きます。   

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造る79(壷14、扁壷を作る1)

2013-05-14 17:04:01 | 陶芸入門(初級、中級編)

扁壷(へんこ)とは、丸い壷に対して扁平(へんぺい)な壷、即ち一部が平らたい状態の壷の意味です

本来の意味は、上記の通りですが、現在ではもっと広い意味で使われ、通常の壷に対して、変形した

壷を表し、色々な形があり、壷のイメージからかなり外れた作品も「扁壷」と呼ばれています。

その為、扁壷と呼ばれる器は、イスラム等の世界に古くから存在していると言われています。

逆に、「扁壷」はイスラムを起源とし、中国に伝えられたと言う説も有る程です。

 尚、中国の元から明の時代の初期に、景徳鎮窯で盛んに作られていました。

 注: 「壷」の意味は、我が国と中国では意味が異なるそうです。

    中国での「壷」は、取っ手と注ぎ口の付いた器、即ち、急須や薬缶等を意味します。

    中国で日本の「壷」に当たるのが、広口で胴の張った容器は「罐」(かん)と呼び、広口で底

    がすぼまった形の器を、「缸」(こう)と言うそうで、水や酒を入れる器として使われます。

1) 扁壷の用途。

  a) 元々の狭い意味の扁壷は、携帯用のの酒壷として使われ、両肩に紐を通す耳が取り付いて

    います。陶磁器製以外にも、青銅器などに、類似の物があります。

    沖縄で焼酎(泡盛)を入れる携帯用の器、即ち「抱瓶(だちびん)」と同じ用途です。

  b) 現在では、置物として使われたり、花生け(花瓶)として多く使われています。

2) 扁壷の作り方。

  壷の作り方と同様に、手捻り(紐、タタラ作り)と、轆轤挽きによる方法があります。

  又、一度丸い壷を作り、前後を叩いて平らにして形作る方法と、最初から扁平な形に作る方法が

  有ります。丸い形の他に、厚みの薄い太鼓型や、俵壷(ひょうこ)と呼ばれる俵(たわら)の形をした

  壷、更には、二つの台形を逆さに合わせた様な、角張った形の物もあり、紐作りや型作りの物も

  多く有ります。

3) 扁壷を作る。

  ① 轆轤による成形。

   ) 中型又小型の丸壷を作り、胴体部分を押して扁平にします。

      「扁壷」には首があるのが、一般的ですので、首(更には口縁)のある形を作ります。

      押すタイミングも重要です。土がべた付かない程度に乾燥後で、乾き過ぎない事です。

      轆轤挽きしたらなるべき早い段階で変形する事です。但し変形後に轆轤上で腰や高台脇、

      底などを、削る事が困難になりますので、なるたけ、扁平化する前に行っておきます。

     a) 押す道具は2枚の平たい板を向かい合わせて壷の中心に向かって押しますが、板を

      平行にしたり、「ハの字」又は「逆ハの字」にすると、押された面が、垂直、上向き、下向きに

      成ります。最初の形が真ん丸(球)であれば、押された痕は、円に成りますが、縦長であれば

      縦長の円になり、横長であれば横長の円になります。

     b) 押す量も重要に成ります。即ち量を大きくすれば、当然変形量も増えます。その結果

        直角方向の寸法は伸びます。同時にこの部分に「ひび」が入り易くなります。

        押す圧力により、平らになる面積も変化します。

     c) 押された部分が平らな面ではなく、曲面の場合には、凹面の物(例えば皿の内側)を

       使います。勿論平らな板を回転させながら丸みのある面にする事も出来ますが、かなりの

       技術が必要です。

   ) 丸皿を二枚作り、貼り合せて「扁壷」を作る。

       この場合皿は立てて使いますので、支える脚 と注ぎ口(首)を別途作る必要があります。

      a) 同じ大きさの皿を二枚作り、底側は綺麗な曲面に仕上げます。

         皿の外径と深さ、底の広さによって、「扁壷]の形が変化します。

         丸壷を変形させるより、奥行きの薄い「扁壷」を作る事ができます。

         底側は底削りの要領で削り、なだらかな曲面に仕上げます。

      b) 二枚を貼り合わせる。

         生乾きの状態ですので、接合部には刻みを入れ、「ドベ」を使って圧着します。

         水漏れが無い様にしっかり押し付ける事です。

      c) 脚と注ぎ口を轆轤挽き、本体に接着します。

       イ) 脚は円形の台形にしてから、楕円に変形します。

          楕円の内側に本体を入れ込む方法と、楕円の長手方向の中央二箇所に、「コの字」 

          形の切れ込みを入れ、底に本体を差し込む方法があります。 

       ロ) ここでは轆轤挽きの方法をお話していますが、必ずしも轆轤で作る必要はありません

          要するに、本体が「ひっくり返る」事が無い様な形状であれば良い訳ですが、デザイン

          (見た目)も重要ですので、検討の価値が有ります。

       ハ) 本体は垂直で、左右対称に立てる事が基本に成りますが、拘る(こだわる)必要は

          ありません。即ち、やや後ろ側に倒したり、左右非対称であってもかまいません。

       ニ) 注ぎ口の形状も自由に決める事が出来ます。

          轆轤挽きした円筒形の物や、端反りの物、更には、四角や三角に変形した物など

          自由に決める事が出来ます。本体への取り付けでは、取り付け部分を決め、本体に

          穴を開ける必要があります。取り付け位置を工夫すると、作品に動きが出て面白味が

          出ます。注ぎ口の下部(接合部)も、本体に合わせて切り取る必要があります。

          両方に刻みと「ドベ」を付けて圧着します。

  ② 轆轤で「扁壷」の一種の「俵壷(ひょうこ)」を作る。

以下次回に続きます。

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造る78(壷13、板造りと轆轤で壷を作る)

2013-05-12 21:54:44 | 陶芸入門(初級、中級編)

背の高い壷を造る際、土紐を巻き上げて、筒状に高くする方法を前回お話しましたが、紐ではなく

粘土板(タタラ)を筒に巻いて、高くする方法もあります。

利点ととして、平滑な粘土板を使いますので、表面の凸凹が少ない事です。

但し、板を円筒にした場合、縦に一本繋ぎ目が出来ます。この線は筒にした状態の時に滑らかにして

おきます。

1) タタラを作る。

   タタラを作る方法は、一般的にタタラ板を使います。良く叩き締めた土の塊の両脇に重ねて置き、

   切糸でスライスする方法と、所定の肉厚に成る様に、平たく浅い箱を作り、その中に布を敷き

   更に、土を入れて上から叩き締め、その後ローラーを使って平らに伸ばす方法があります。

   勿論、タララ製造機をお持ちの方は機械で作る事も可能です。

   タタラの肉厚は、作品の大きさによって、1~2cm程度にします。

2) タタラを筒に巻く。

   巻き付ける筒は、上下水道で使う、市販されている「塩ビのパイプ」を使うと便利です。

   太さも色々ありますので、自由に選んで下さい。(但し長さは180cm程度の物が多いですので、

   適当な長さに切って使う事に成ります。)但し、筒の中に手首が十分入る太さが必要です。

   土(タタラ)を直に筒に巻かずに、紙を筒に巻き、その上に土を巻きます。

   繋ぎ目は、指や竹へらを使いなだらかにします。(筒に巻いたまま、繋ぎ目を下にして、机の上で

   軽く前後に転がす事により、なだらかにする事が出来ます。)

3) タタラの筒に底をつける。塩ビの筒を抜いてから、底を着けます。

   底の形状は凹状の盛り上がりを持ち、凹面の外側が、タタラの筒の内側にぴったり、 挟み込める

   様にします。底と筒状の土はしっかり接着させます。

   この様な方法で、容易に30cm以上の筒を作る事ができます。

   更に、タタラの肉厚を若干厚くして、筒を二段重ねする事も可能です。

4) 筒を轆轤の中心に据え、轆轤挽きして、壷の形に整えます。

以上は、一色の土の場合ですが、練上げ手としても使用できる技法です。

5) 練上手(ねりあげて)の壷を作る。

  ① 練りげは歩留まりが悪い。(無駄の粘土が多くなります。)

    色を付けた粘土は、再生粘土として再利用し難くなります。耳の部分などは切り捨て、良い部分

    のみを使ったり、表面を一皮削りますので、その傾向は更に強くなります。

  ② 色土同士の接合部分で、「割れやひび」が入り易く、しっかりプレス(圧着)する必要が

    あります。「割れ」は乾燥中に、「ひび」は焼成中に起こり易いです。

    それ故、乾燥は筒全体をブニールで包み、時間を掛けて徐々に行うと良いと言われています。

  ③ 練上げの工程は、積む、切る、巻く、轆轤挽き、削るの五つが主要な作業と成ります。

   ) 積む: 数種の異なる色土のタタラを作り、重ねます。その際、他の色の「どべ」を塗ります。

     a) 積み重ねたタタラを横に寝かせ、タタラ板を定規にして1cm程度の薄さに切ります。

     b) 同じ様にして数枚の板を切り出します。一度に数個の練上げの壷ができます。

       切ったタタラを剥がす際に、バラバラに成らない様に注意します。

     c) 色土同士の接合部を強くする為に、角材などで押して圧着させます。

   ) 切る。

     a) 不揃いな耳の部分を切り落とし整形します。

     b) 「矢羽文」や、「うずら文」など、文様に合わせて上記タタラ板の色と直角方向に「竹へら」

       などで、平行に細い紐状に切れ目を入れます。

       「うずら文」は一方向(同じ方向)に切りますので、「蒲鉾型」の文様となり、「矢羽文」は、

       一方向と反対方向を交互に切りますので、「ハの字」と「逆ハの字」が隣り合わせの文様に

       なります。抵抗のある切り方(刃物ではなく、竹べら)の為、切り口が歪み文様になります。

     c) 切り口には隙間が出来ていますので、更にプレスして圧着します。

     d) 筒に合わせてタタラをきります。注意は繋ぎ合わせ目が不自然に成らない様にする事で、

        予め計算しておく必要があります。(文様が途切れまい事)

    ) 筒に巻く。

      a) 筒にビニールを巻き、筒にタタラが付着しない様にします。

      b) タタラを巻き付ける。その上からビニールで、全体を海苔巻きの様に巻き、更に

        全体を押さえて接着を強固にします。

    ) 轆轤挽き。

       a) 轆轤上に亀板を据え、底の部分を轆轤挽きします。形は凹状にします。

       b) 底に筒状の土を嵌め込みます。底を接着する為、筒の内外側から締めます。

         内側は、「柄コテ」を使うと便利です。

       c) 轆轤で壷型に成形します。即ち土は上に挽くき上げるのではなく、胴を膨らませます。

          挽き上げると、文様が崩れますので注意。但し、土は轆轤の回転により、螺旋状に

          上に「ねじれ」ます。 この段階では、表面に「ドベ」がある為、文様は現れません。

     ) 削る。

        生乾きの状態に成ったら、「カンナ」を掛けて、表面を削ると模様が浮き出てきます。

        外側だけでなく、少なくとも、見える範囲の内側も削る必要があります。

      ゆっくり乾燥し、素焼き後透明釉を掛けて本焼きします。

      色土であっても、酸化焼成と還元焼成では、発色が異なります。

次回(扁壷)に続きます。

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