わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

素朴な疑問 221 殺す、絞める、刺す、切る、叩く等の陶芸用語とは3?。

2016-01-30 15:10:48 | 素朴な疑問
4) 切った張った。

 やくざ映画の出入り(喧嘩)等で、良く使われる言葉で、刃傷沙汰になる事柄です。

 陶芸に於いても、切ったり張(貼)ったりする事は、日常的に行われています。但し、暴力的な

 意味ではありません。作品の一部を切り裂いたり、土を叩いたり、土で作った別の何かを貼り付

 ける事です。

 ① 陶芸で使う切る道具とは、大小のカッターナイフ、竹又は金ヘラ、剥がし(カッパギ)、

  包丁、皮剥き機(ピーラー)、ドリルの刃や鋸(のこぎり)等の刃物類、ピアノ線、水糸、

  釣り糸、弓などの糸類があります。その他カンナ類や、クキー等の抜き型等も使えます。

  刃物類は、100円ショップで手に入れば、それで十分です。必ずしも、切れ味が鋭くなくても

  十分役に立つからです。糸類は土の乾燥度合いや、使用する場面によって使い分ける必要があり

  ます。土の塊が大きい場合や、乾燥して若干固くなっている場合には、ピアノ線や太めの水糸や

  タコ糸を使い、繊細に切り取る場合には、細めの釣り糸を使うなど、場面に応じて使い分けます

  尚、糸類を使う場合、一般には、水を付けて使用しますが、水を付けると逆に切れが悪くなる

  場合もあります。即ち、切断した部分に水が入り込み、切断面を再び接着する場合があるから

  です。

 ② 作品を切る場面は至る所に現れます。

  ) 轆轤作業であれば、高さの狂い、縁周辺の肉厚の狂い等は、切り取る事で調整します。

   切る道具は、弓や剣先(針)などが多いです。弓は作品を円周状に切りますので、切り取る

   量は多くなります。但し、初心者でも取り扱う事ができます。一方針類は狂った部分のみを

   切り取りますので、作品が小さく(低く)なる事は少ないです。但し、針で切るのには、

   少々熟練を要します。又、作品を轆轤上より取り除く為、「シッピキ」や切り糸を使って底の

   部分を切り離します。

  ) 急須作りには、カッターの出番が多いです。

   丸味のある本体に、注ぎ口や取っ手を付ける際には、接着面の形状を合わせる必要があります

   その際、カッターで少しづつ切り取り、徐々に合わせる必要があります。即ち、慎重に作業を

   行いますので、小回りの利くカッターは使いやすい用具です。

  ) 手捻りの場合には、轆轤作業より出番が多いかも知れません。

   紐作りの場合、適度の土の量を取り、その土を転がして丸い紐にします。一塊の土を適量切り

   取る場合には、切り糸を巻き付けて、切るのが一般的な方法です。勿論手でねじ切る事も

   可能ですが、出来るだけ空気を閉じ込めずに切り取るには、糸で切り取る方が良い結果が出ます

  ) タタラ板を短冊状態に切り出す際や、寄木細工の様に色土を並べて模様を作る際にも、

   糸やカッターナイフを使う事が多いです。切り口も垂直に切る場合や、斜めに切って接着面積

   を大きくする事もあります。

 ③ 包丁など刃幅の広い刃物は、大胆な面取りの際に使用します。

  一度に切り取らないと、切断面は綺麗に成りません。切る位置が確定したら一思いに切りる事です

  但し、螺旋状の面取りの場合は、刃の向きが徐々に変化させますので、慎重さが必要です。

  剥がし(かっぱぎ)は、本来、卓上に残った土を剥ぎ取る役目ですが、上から押し切る様に使う

  場合があります。「ブツギリ」の様にランダムに切り刻む時には便利な道具です。

 ④ 張る(貼る)行為とは。

  ) 張るとは、殴る又は叩く事を言います。

    素地は叩く程、密度が大きくなり、強度が増しますので、多く場合有効な方法です。

    又、土同士を密着っせる為に叩く事もります。

  ) 貼り付ける行為は、主に装飾として使う事が多いです。但し作品の重量は確実に増えます

   浮き彫りの様に表面に凹凸を付ける際には、実際に掘り出すと手間隙が掛ますので、作品の

   上に板状(又は塊)の物を貼り付けてから、彫刻などの細工を施す方が容易です。

以下次回に続きます。
   
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素朴な疑問 220 殺す、絞める、刺す、切る、叩く等の陶芸用語とは2?。

2016-01-28 22:01:15 | 素朴な疑問
3) 泥を塗る、濡れ衣を着せる。

 「泥を塗る」とは不穏な感じが漂います。特に「顔に泥を塗る」とも成れば、一悶着ありそうな

 雰囲気に成るかも知れません。但し、陶芸では、泥を塗る行為は、極一般的に行われています。

 ① 顔に泥を塗る事は、珍しい事ではありません。

  温泉地によっては、泥湯を売り物にしている所もあります。湯船や露天風呂の底に溜まった泥を

  顔や体全体に塗りまくります。泥には美容効果がありますので、特にご婦人方には、肌が「スベ

  スベ」になると、好評を博しています。泥は化粧品の中にも微量に含まれていると言う話を聞い

  た事があります。それだけ肌に優しい鉱物です。

 ② 陶芸では、泥は使う範囲が広く、積極的に使われていますし、泥が無ければ、作業が出来ない

  場面もあります。

  ) 粘土類は、水に溶ける特殊な鉱物とも言われています。粘土類に水を付けて表面を数度

   手で撫ぜるだけで泥は、容易に発生します。

  ) 轆轤挽きには泥が絶対必要です。

   轆轤作業では作品を回転させながら、形を作って行きますが、手や指が轆轤上の土と滑りなが

   ら成形します。滑らす為には、十分な泥が必要に成ります。勿論、水だけでも十分ですが、

   泥(又は泥水)の方が素地に吸い込み難く、吸水による素地の「ヘタリ」を少なくしてくれ

   ます。轆轤作業で怖いのは、水切れです。即ち素地(土)との摩擦が大きくなれば、指を作品に

   引っ掛け易くなり、作品が歪む事に成ります。轆轤作業に慣れない方は、手や指に付いた泥を

   取ろうとし、水桶などの縁で「しごき取ったり」、桶の中で手を洗う傾向にありますが、

   これは間違いです。重要なのは、泥であり水ではありません。

  ) 泥は接着剤として作用します。この場合の泥を「ドベ」又は「ヌタ」と呼びます。

   轆轤作業で出た泥や、乾燥させた土片に水を加えて作り、蓋のある容器に保存しておきます。

   粘土同士の接着方法には、素地の乾燥度合いによって、三つの方法があります。

   a) 十分軟らかい状態であれば、単にお互いを押し当てるだけで接着します。但し合わせ目には

    筋が残りますので、指などで撫ぜて、綺麗に筋(傷)を消します。

   b) ある程度乾燥した状態では、水で付けます。筆や刷毛で接着面(片方又は両方)を濡らし

    圧着して接着します。広い接着面を有する時には、空気を閉じ込めない様に、空気を追い

    出しながら、端から順に貼り付ける必要があります。

   c) 削れる程度に乾燥した場合には、接着面に針(剣先)や金箆(へら)でアヤメ紋の様な

    文様(xxx状)の傷を付け、両面に十分な量の「ドベ」を塗り、摺り込む様に圧着します

    この場合、作品に使われている土と同じ土の泥を使います。さもないと、収縮率の違いで、

    接着面が剥がれる恐れが生じます。

  ) 泥は化粧土として使われます。

   当初、化粧土は文字通り、素地の色の悪さを隠す為に使われていました。即ち、表面を白く

   化粧を施し、色白の焼き物を作りました。白絵土やカオリン等の白い粘土を使います。

   現在では、装飾の一種とされ、各種の色化粧土が存在します。ご自分で調合するか、市販品も

   豊富にあります。 尚、化粧土を使った装飾方法には、刷毛目、三島、粉引、掻き落とし、

   イッチン(スポイト)掛け、等があります。

 ③ 濡れ衣を着せる。

  濡れ衣を着せるとは、無実の人を罪に落とし入れる事をいいます。陶芸ではこの用語は使いま

  せんが、塗れた布を被せる行為は良く行われます。目的は素地や作品の乾燥を遅らす為です。

  作業を途中で中断し、後でその続きを行う場合、素地が乾き過ぎると作業がやり難くなると同時

  に、新たな土を盛っても接着し難くなります。それ故、乾燥し過ぎない様にする為、濡れた布を

  上から被せておきます。

以下次回に続きます。

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素朴な疑問 219 殺す、締める、刺す、切る、叩く等の陶芸用語とは1?。

2016-01-27 15:46:06 | 素朴な疑問
焼き物の世界には、昔から物騒な言葉が多く存在し、現在でも普通に使用されています。

一部絵付け作業等を除き、力仕事である制作部門では、多くは男共(野郎達)が仕切っていました。

気の荒い職人達は、昔より窯場の作業を荒らしい言葉ですが、的確に表現してきました。現在では

電動轆轤が普及し、制作部門にも女性が多く進出してきましたが、昔からの言葉も多く残り、使わ

れています。近年、物騒な言葉も柔らかくした表現に代わりつつありますが、それほど普及している

訳ではありません。例えば、土殺しは「センター出し」とか、首を絞める等は、首の径を細くする

等と表現している人もいますが、少数派です。

1) 殺す: 主に轆轤作業に於いて「土殺し」として使われます。

  殺すとは、辞書などで調べると、人や動物の命を奪う事とあります。その他、強く押さえ込む、

  と言う意味も存在します。例えば、「息を殺す」などがそれに当たります。又、相手の意思や

  自由な動きを奪う事でもあり、こちら(自分)の思う通りにさせる状態にする事です。

  轆轤では「土殺し」が一般的に使われていて、土を強く押さえ込み、轆轤の中心に載せる作業で

  作品を綺麗に作る為の一番基本的な作業です。この作業が不完全な状態で、作品を形作りますと

  轆轤上での「ブレ(振れ)」や、肉厚が不均衡などが発生し、多くは失敗します。

2) 締める(絞める): 主に土の密度を上げる(大きくする)為に行う事です。

  多くは、底や縁などの乾燥割れや、焼成時の割れの発生を少なくする為や、変形を抑える為の

  行為です。 締めは轆轤作業以外の「手捻り」でも行う必要があります。

 ① 指や拳固で締める場合。

  )指で締める場合は、基本的には、内外側から向かい合わせた指同士に、力を加え土を圧縮

   する様にして土締めます。内側より外側の方が力を入れ、外に広がらない様にするのが「コツ」

   です。轆轤作業では、圧縮された土の一部は、上部に逃げ背が伸びる事になります。

   手捻りの場合は、土を親指と向かい合わせた人差し指と、中指で摘む様にして土を圧縮します

   その場合、両手の指を使うとより効果的です。

  ) 拳固で締める場合、大皿などの底の広い部分の土を締める場合の方法です。

   大皿など、底の面積が広い場合には、土をしっかり締めないと、乾燥時や素焼き時に底割れが

   発生します。底になる部分は、拳固で均等にやや強めに叩き締める必要があります。

 ② 用具を使って締める場合。

  )「コテ」で締める。轆轤作業では状況に応じて「コテ」を使う場合があります。

   「板コテ(だんごコテ)」や「牛へら」等は、本来皿や器の広い面積を均一に押さえ込み、

   表面を綺麗に仕上げる用具ですが、押さえる事で土を締める効果もあります。

  ) 叩き板や延し棒(のしぼう)で締める。

   手捻りで「タタラ」を使う場合には、「タタラ」はしっかり締まっていなくては成りません。

   なぜなら、広い平らな面積の土ほど、割れやひび、反りが発生し易いですので、それを予防

   するにも、しっかり土を締めておく必要があります。

   「タタキ壷」は、内側の「受けコテ」と外側の叩き板とで、土を締め強度を増すと共に、

   叩き板に刻まれた溝の文様が、壷全体に施され一種の模様と成る様になっている技法です。

   延ばし棒は麺棒(めんぼう)の様に、円筒形の細長い棒です。土の表面を転がす様に使い、

   広い面積を均等の厚みにします。下に押さえつけながら転がしますので、土を締めることにも

   なります。

 ③ 土の直径を小さくする際にも、土を絞める(締める)と言う場合があります。

  特に、「首を絞める」とは、徳利や一輪挿しの様に首部分が極端に径を細くする行為を表した

  言葉です。又土を締めるのは、遠心力に負けて径がどんどん大きくなるのを防ぎ元の状態にする

  行為でもあります。

  尚、絞めるは首等を絞める場合で、締めるは圧縮したり、ネジを締める際に使用される漢字です

以下次回に続きます。

  
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質問 20 皿の高台の位置について。

2016-01-26 21:59:09 | 質問、問い合わせ、相談事
平垣内様より、以下の質問をお受けしましたので、お答え致します。

  [ 皿の高台の位置について ]

趣味で陶芸をやってる63歳です。小皿の径と高台の径の位置関係について教えて頂けませんか。

特に平ったい皿の場合に、高台を内側にしたいのですが、どうしても高台の際がヘタリ、綺麗な

曲線に焼き上がりません。理想としては皿の底は平に、そこから綺麗な曲線で。

未だ一度も出来ません。 ついでに、削る時のポイントもお願いします。


 ◎ 明窓窯より

皿類は平たい程難しくなります。特に高台を付ける時は要注意です。

 (尚、高台が無ければ、ほとんど問題は発生しません。)

皿類は、成形時(特に轆轤挽き)にも困難は伴いますが、巧く成形と素焼きが完了しても、本焼きで

問題を起こし易いです。理由は、本焼きでの高い温度で、素地自体が軟らかくなる為です。

特に空中に浮いた状態の部分は、ヘタリ易くなります。この場合は高台よりはみ出した縁の部分です。

支点(この場合は高台の端)から遠くなれば成るほど、ヘタリ易くなります。

尚、皿の外径に対し、高台径は1/2~1/3とするのが一般的な割合です。


 ◎ 解決方法

1) 高台が小さくし、出来るだけ平たい皿にするのは、基本的には無理な構造です。

  それ故、高台を出来るだけ大きく取る必要がります。即ち、平らな底径より若干小さい程度が

  限界と思われます。どうしても径を小さくしたい場合には、縁周辺をなんらかの方法で下から

  支える必要があります。この件に付いては後で述べます。

2) 質問の中で気になる点は、「高台の際がヘタル」事です。

 ① 皿の縁周辺がヘタル事があっても、高台の際がヘタル事は稀です。多分高台脇を削り過ぎて

  肉厚が薄過ぎたのが原因と思われます。特に高台脇を直角に削る事は、危険が大きいです。

  高台の外側の付け根はに丸み(R)を付け、高台脇は厚めに削り、縁に行く程、肉厚を薄く

  事です。但し、丸みが大きいと、施釉の際、高台が持ち難くなる欠点もあります。

 ② 最初から平たい形状の皿では、ヘタリ易いですので、ある程度の深みのある皿を作り、焼成で

  平らに成る様にするのも、一つの方法です。但しどの程度深くすれば良いかは、試行錯誤する

  必要があります。

3) 耐火度のある素地を使う事です。

  高温で柔らかくなる素地と、高温に耐える素地があります。一般に赤土の様に鉄分の多い素地は

  耐火度が低く、白っぽい土には、耐火度の高い物が多いです。それ故、素地を変更するか、

  耐火度の高い素地を混ぜて(ミックスして)使用する事です。又、シャモット(焼き粉)を素地

  に混入する方法もあります。

4) 焼成温度を下げる。

  素地が軟らかくなるのは、最高温度と寝らし時間の長さによっても関係します。当然高い温度程

  時間が長い程、軟らかくなります。尚、焼成温度を下げる事はご自分の窯であれば出来ますが、

  焼いて貰っている方は、困難かと思われます。但し、窯の大きさにもよりますが、窯の中では、

  温度の高い場所と、低い場所がある物ですので、比較的温度が低く、窯の温度が比較的早く冷える

  下の方に窯詰めして貰うのも一つの方法です。 

5) 窯詰めでの対応。

 皿の縁周辺を下から支え、ヘタリを予防する。支えは道具土を三角錐にした「目土」を、皿の周囲

 に適度の間隔を開けて配置します。又、蜆(しじみ)やアサリ等の二枚貝の片割れに、土を詰め

 縁の周辺に置く方法もあります。「目土」が器に張り付くかも知れませんが、容易に取り除く事が

 できます。貝殻の場合は、作品に貝殻の跡が付きますが、貝殻自体は粉々に成ってしまい取り除く

 事は容易です。

6) 相談者の小皿が轆轤挽きなのか、手捻りによる角皿であるかは判読できません。もし手捻り

 による角皿であれば、高台脇から三角形の梁(はり)状の物を縁に向かって取り付ければ、下に

 落ちる事は予防できます。

以上、参考にして頂ければ有りがたいです。
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素朴な疑問 218 陶芸で耳を使う場面とは?。

2016-01-22 22:21:26 | 素朴な疑問
陶芸で耳を使う(音を聞く)場面があるのでしょうか?

一般に、耳は音を聞く又は、聞き分ける器官です。手や指、足などに比べ表にでる機会はさほど多くは

有りませんが、出番は確実にあります。

陶芸に限らず、色々な場面で打音による検査方法が存在します。土木構造物や建築構造物、電車や

自動車などの車両関係などの他、樹木の検査等でも使われています。多くはハンマーなどで、試験物

を叩きその音の高さの差や、他とは異なる音質の違い、内部の共鳴音を聞き正常な音色とは異なる

事で、目に見えない部分の異常を察知する方法です。人間だけでなく、啄木鳥(キツツキ)の仲間も

樹木を突く(つつく)事で、餌になる虫を見つけ出す事ができます。即ち、突く事で、樹木の中に

生息している昆虫類の居場所を見つけ出します。叩く事により、何故異常を発見できるのでしょうか?

専門的検査を担当している方では、長年の経験により、小さな異常も発見できますが、経験の無い

者にも見分ける事が出来るのでしょうか?。

1) 陶芸でも音を使って、色々な物を判別する事があります。

  多くの場合、作品の表面を指(主に中指)で弾き、その音色で判断します。

  作品制作途中に行う場合と、焼き上がった(完成した)作品に行う場合に分れます。

 ① 制作途中に行う場合。

  底や高台脇を削る際、肉厚を直接測る事が不可能な場合に、指で弾き肉厚を判断し、更に削る

  事が可能か、又は十分に削られている、又は削り過ぎている等が判断できます。

  もっとも、削り過ぎた場合には、穴が空いたり、表面が凸凹波打ってきますので、叩かなくても

  判断する事ができます。多くは削り足らない場合に行います。

  ) 作品を伏せた状態で底や高台脇を削りますので、直接肉厚が測れ無いことが多いです。

   勿論、削り出す前に直接指などで、測って置く事も大切ですが、削り出すとどの程度削ったのか

   中々判断出来難くなる物です。

  ) 轆轤をゆっくり回転させたまま、削った周辺の表面全体を、中指などを使って弾きます。

   但し、強く弾くと肉が薄くなっている場合は、凹む事がありますので、最初は軽く弾く事です

   弾いた跡や爪跡が付く様ですと、乾燥不足です。

  ) 肉が厚い場合には高い音(コツコツ)に成り、肉が薄く成るに従い、低い音になります。

   馴れない方はこの違いを聞き分けるのが難しいかも知れません。

  ) 同じ肉厚であっても、底と高台脇とでは、音質が異なります。

   底の方が、高台脇よりも、やや低い音質に成る様です。当然、作品の大きさによって肉厚に

   差を設ける必要がありますし、内部の空洞状態によっても、音色が異なりますので、その違い

   をご自分で会得しなければ成りません。もし周囲に教えを請う人がいたら、意見を聞いて覚

   える事です。

 ② 素地の焼き締まり具合も判断できます。

  高い温度で焼成すれば、高い音になりますし、焼き締まりが悪い素地であれば、低い音になります

  尚、素焼きの状態は、素地の色でも判断できます。甘い素焼きの場合、生の素地に近い色に

  なります。
 
 ③ 完成した(している)作品の縁を弾いて、判断する場合。

  制作途中では、底や高台脇を弾きますが、完成品では、縁を弾く事が多いです。縁を弾く事で

  音が反響しより明瞭に聞く事が出来ます。弾く事で、作品の出来の良し悪しも判断できます。

  ) 磁器と陶器では、弾いた際の音色が違いますので、どちらであるか判断できます。

   勿論、指で弾かなくても、見た目で判断が可能の場合が多いですが、見極めが付かない場合には

   指で弾けば、判断できます。即ち、磁器では澄んだ高い音(金蔵音に近い)となり、陶器では

   鈍い低い音になります。音色が高くなるのは、肉厚が薄い事とも関係しています。

  ) 焼き物は高い温度で焼成する程、焼成に長い時間を掛ける程、土は固く焼き締ります。

   良く焼き締まった素地が珍重されます。それ故高い音がする焼き物は上等の焼き物ともいえます

 ④ 「ヒビや割れ」のある作品を指で弾くと、澄んだ綺麗な音には成りません。

  目に見えない程の細かい「ヒビや割れ」であっても、音を聞くだけで判断できます。

  但し、釉に入る「ヒビ」(貫入る)の場合は、音が変化する訳ではありません。あくまでも

  素地自体に「ヒビや割れ」が発生した場合のみです。「ヒビ」の入った作品を、もう一度施釉し

  て補修する場合もあります。その際にも焼き上げた作品の縁を指で弾き、綺麗な澄んだ音が

   出れば「ヒビ」は釉で塞がり補修が完了した事になります。

尚、電動轆轤は機械ですので、異常音が出ればどこかに不具合が発生している事に成ります。
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素朴な疑問 217 轆轤を逆転して使う事はあるのか2?。

2016-01-19 17:34:15 | 素朴な疑問
3) 練り込み模様の際、轆轤を逆転する方法。

 轆轤作業では、素地は回転方向と反対方向に、螺旋状に捩れながら、上に伸びていきます。例えば

 右回転であれば、左回りの螺旋となります。但し、一色の土で有れば、螺旋状に伸びて行くのが、

 目に見えませんので、普段は認識する事は少ないです。異なった二種類以上の土を、混ぜ合わせ

 ない状態(練り込み)で使うと、螺旋状に伸びているのが確認できます。

 ① 螺旋状の模様を持つ練り込みの作品は、皿や壷などで良く見掛けます。

  多くの場合、一方方向に回転して伸びたり、広がったりしています。これは、轆轤を一定方向に

  回転している為です。もし、制作途中で、轆轤の回転方向を変えると、そこから捩れる方向は

  変わる事になります。

  ) 「ジクザク」模様の練り込み。陽炎(かげろう)の様に、左右にゆらゆら揺れた模様を

   作る事ができます。縦縞に色土を並べた土を使い、左右交互に回転方向を変えて作ります。

   但し、色土を縦縞に並べる際には、お互いが剥がれない様に処理をして置く必要があります。

  ) 回転方向を変えても、螺旋が方向が鋭角的に変化する訳では有りません。大きな円弧で

   左右に揺れる事になります。短い周期で左右の回転方向を変化させれば、模様は細かい周期で

   左右に揺れ動く事になります。

  ) 捩れの傾斜角度は、轆轤の回転スピードと、土を引き上げるスピードによって決ります。

   即ち、指を上に上げる速さに関係します。両方とも速ければ、立ち上がった模様になります。

  ) 鋭角的に変化させるには、一段毎に縞模様の色土を積み重ね、轆轤を逆転させて、轆轤

   挽きする事になります。即ち、手に練りと轆轤作業を併用する事になります。

  ) 但し、轆轤挽き途中では、表面に混ざった土の泥が付着していますので、模様の出来具合を

   見る事は出来ません。泥を取り除くか、やや乾燥後にカンナ等で、表面を一皮削り取ります。

4) 切りっ放しの糸尻がある作品に、抹茶々碗が多く見られます。

 糸(シッピキ)で切る抹茶々碗の渦巻き状態の糸尻も、見所(鑑賞)の一つになります。

 ① 糸尻の渦の回転方向を見る事で、轆轤作業の回転方向が判ります。

  轆轤挽きと底切作業は同じ方向に、轆轤を回転させて使用するのが一般的です。

  轆轤の回転方向の違いによって、右回転で中央に向かう渦になり、左回転の渦になります。

 ② 綺麗な渦巻き紋様に切るのには、熟練を要します。

  ) 轆轤の回転速度、糸(シッピキ)を巻きつけるタイミング、糸の一端から手を離すタイ

   ミング、糸を水平に引き抜くタイミングが関係します。当然糸の長さも関係します。

   注意点は、切り取る位置をしっかり固定します。出来れば竹箆(へら)等で、楔(くさび)

   形に傷を付けておきます。

  )糸を引き抜くには、素早いスピードが必要です。ゆっくり引き抜くと、糸の上に土が残り、

   糸と共に作品が轆轤上から転げ落ちます。落ちた作品は「ドベ受け」との間に落ち作品が

  「ぐちゃぐちゃ」に成ってしまいます。

前回もお話しましたが、轆轤の回転方向は、一方のみで十分通用しますので、あえて両方を覚える

必要はありません。いつもと違うやり方では、作業し難い事は確かです。

以上で、「轆轤を逆転して使う事はあるのか」の話を終わります。
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素朴な疑問 216 轆轤を逆転して使う事はあるのか1?。

2016-01-15 16:10:40 | 素朴な疑問
電動轆轤は、右(時計方向)回転でも左回転でも、好みの方向で使う事が出来ます。

多くの場合、右又は左回転のみで、全ての轆轤作業を行います。

左右の回転方向が異なれば、手や指の使い方、手指の置く位置が違いますので、必ずしも、両方を

覚える必要も有りません。但し、轆轤には左右回転の機能が付いています。それを活用する方法も

ありますので、興味のある方は試して下さい。

尚、現在でも両方の回転を使い分けて、活用している方も多い様です。その利用方法は、主に底削り

の際と、轆轤挽き時の作品の捩れ(ねじれ)や撚れ(よれ)を直す際に利用しています。

その他にも、底を切る際や、練り込みの作品を作る時にも使われています。

1) 轆轤挽きは右回転、底削りは左回転。

  わが国では、一般に刃物は手前に引いて切る傾向にあります。轆轤の削り作業もカンナを引いて

  使います。実際には轆轤が回転していますので、引く必要はありません。

 ① 底削りを右回転で行うと、カンナの作業は目の前(手前側)で行う事になります。 カンナは

  右手に持ち、左側に向け倒す様に削る事になります。この方法は、カンナの持ち方が、一般の

  持ち方とはやや異なります。

 ② 轆轤を左回転にし、作品の右側面を右手で持ったカンナで削り作業を行うのは、理にかなった

  やり方で、削り易いと感じる人もいます。(要は慣れの問題ですが・・・)

  それ故、作陶の場合は右回転、削り作業は左回転で行う人も多いです。

2) 轆轤挽き時に作品に、撚れや捩れが生じる事は起こり易い失敗です。これを直す際、轆轤を

 反対方向に回転させて直す方法があります。

 ① 右回転での轆轤作業では、粘土は右肩上がりに捩れ(ねじれ)ながら上に伸びていきます。 

   この場合も土の撚れや捩れが、表面から見えない状態ならば、なんら問題に成りません。

   明らかに表面に撚れが発生している場合には、撚れを修正する必要があります。

   (尚、素地の乾燥と共に、撚れは若干元に戻ります。)

 ② 撚れが発生する原因。

  ) 作品の肉厚が薄く成り過ぎた場合。口縁周辺の肉厚が薄くなっても、撚れが発生する事は

   少ないです。主に作品の中間か、それよりやや上部に発生し易いです。即ち、上部がやや肉厚で

   重量もある場合には、上部の重みで歪み易くなり、且つ、上部が回転方向に引っ張れる為、

   撚れが派生します。

  ) 逆に肉厚が、周囲より厚く成り過ぎた場合にも、撚れは発生します。

   良くある例は、鶴首の様に、粘土を細長くした場合です。細くする為に径を絞る事になりますが

   土を絞ると肉厚に成ります。そのまま更に細くしようと、径を絞りますると、撚れが発生します

   それ故、厚くなった部分を薄くしながら、細くする必要があります。当然背は高くなります。

   内側に手や指が入らなくなったら、「柄こて」を使います。

  ) 粘土の水切れの際にも、土は撚れます。手や指が土の表面を滑らかに滑らない状態で

   轆轤作業を続けると、土は回転方向に捩れ、撚れを発生します。

 ③ 撚れや捩れを解消する為に、轆轤の回転方向を変えて轆轤作業を行う。

  ) 轆轤の回転方向を変える場合、一度スイッチを切り、完全に轆轤を停止させてから、

   逆転のスイッチを押し(又は倒し)ます。急にスイッチを切り替えても、直ぐに回転方が変わる

   訳では有りません。

  ) 轆轤の回転方が変われば、左右の手の使い方は、逆になります。

   例えば右回転であれば、器の外側が左手で、内側が右手に成りますが、これが逆になり外側が

   右手、内側が左手に成ります。

  ) 撚れを直す際には、轆轤の回転をやや遅くします。

   a) 撚れが発生した作品は、最上部(頭の部分)が「ゴマ摺り運動」をしている事が多いです。

    回転を早くすると、遠心力で最上部が更に大きく「ゴマ摺り運動」を起こします。

   b) 基本的には、左右の指を向かい合わせて、下から上に土を撫ぜ挙げる様にします。

    力は入れ過ぎない事です。当然、指先などは十分泥で滑る様にして置く必要があります。

   c) 一度では直す事が出来ませんので、数回くり返す事になります。

    捩れが直ったら、肉厚が厚い場合には、轆轤の回転を元に戻し、轆轤作業を続行します。

    肉厚が薄くなり過ぎて撚れた場合には、直しても肉が厚くなる訳ではありません。

    肉を厚くするには、上部の肉厚の部分の土を下に降ろし、肉厚を厚くする事ですが、慣れない

    方には、難しくなりますので、思い切て上部を切り取方が良い場合も多いです。

   d) 撚れを直す際、轆轤を逆回転させずに、直す方法もあります。

    肉厚が厚い場合には、一度径を広げる事で、直す事が出来る場合があります。

    肉厚が薄い場合には、薄い部分の上下の土を薄い部分に移動させる方法です。下の土は上に

    上の土は下に移動させます。下に移動させる作業は撚れを直す作業にもなります。

    但し、少しの(狭い範囲の)撚れならば可能ですが、撚れが強い場合や、撚れの範囲が広い

    場合は、難しい作業になります。

以下次回に続きます。   
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質問 19 カオリンマット釉の改良 付いて。

2016-01-13 21:08:31 | 質問、問い合わせ、相談事
HON様より以下の質問をお受けしましたので、当方の考えをお伝えします。

韓国カオリン(商品名)を多く含んだ釉薬を自作しました。それを焼成したところ釉が縮れて素地が

かなり露出してしまいました。この釉薬は、元々は韓国カオリンではなくて朝鮮カオリン(陶芸.

comから入手)を配合していて、問題なかったのですが、新たに調合するときに、これらの原料の

違いを気にせず切り替えてしまったのです。

その後、カオリンは縮み易い性質があることや、その短所を補うため韓国カオリンには仮焼きしたもの

もあることを知りました。

さて、この釉薬が40L近くあるので今から改良できないものかと思案しています。そこで、この釉を

いったん乾かし、粉にして、素焼きしてから又水で溶いたらどうかと思うのですが、いかがでしょうか?

また、別の方法があれば教えいただきたく、よろしくお願いします。ちなみに、元々の配合は以下の

とおりです。

福島長石10%・合成土灰50%・朝鮮カオリン40%・焼成タルク10%・珪酸ジルコニウム3%


明窓窯より。

1) カオリンは白色粘土とも言われ、磁器などの素地や釉としても使われている鉱物です。

  質問では、カオリン本体では無く、すでに釉として調合してしまった物が40Lあるとの事です。

  それ故、この釉を如何に改良し活用するかが問題になります。

2) 釉にカオリンを多量に添加する場合には、焼(かしょう=仮焼)カオリンを使った方が良いと

  いわれています。 理由として以下の事があげられます。

  ① カオリンを焼する事で、塊を粉砕し易くなる。

   手元の資料では、焼する温度は1000℃以上が良いと記されています。

   一般の粘土質の鉱物は、焼温度は900℃程度でも十分粉砕可能との事ですが、カオリンでは

   やや高めの1000℃以上になっています。

  ② 焼する事で、カオリンの収縮率を抑える事が出来る。

   カオリンは加熱と共に膨張し、その後次第に収縮します。即ち、600℃程度までは膨張し、

   その後は収縮します。600℃付近で結晶構造が崩れメタカオリンと言う状態になり、一番膨張し

   (但し1%以下)、その後次第に収縮しますが、その割合は、1000℃程度で約1%程度です。

    1000℃を超える頃から、急激に収縮し始め、1100℃で約2%、1200℃で約7.5%になります。

    1230~1250℃程度ですと9~9.5%程度になります。

    カオリンを焼する事で、釉の縮み率を少なくする事が出来る訳です。

3) 質問の件では、素焼きして釉の中のカオリンを焼したいとの事ですが、700~800℃程度では

   焼縮む効果は期待できません。即ち、効果を期待するならば、1000~1100℃が必要です。

   一般の釉では7%程度の縮みですので、調合した釉では、2~3%程度多く縮む事になります。

  ① 釉は950℃程度から、熔け始めガラス化すると言われています。

   その為、1000℃以上で焼すると、ガラス化が進み、粉砕する事が困難になると思われます。

  ② 御提案の素焼きの方法では、カオリンが十分縮まらず、目的通りには行かないと思われます。

   但し、少量を試験的に素焼きで試し、当否を確認する事を試みるのも良いでしょう。

4) 釉を改良する方法。

  基本的には、現在の釉に何か別の物質を添加する事しか出来ません。即ち取り除く事が出来ない

  からです。改良の方法として以下の事が考えられます。

  ① 問題に成っているのは、韓国カオリンの縮み率が大きい事で、その配合割合が多い事です。

   それ故、他の成分を多くして、相対的な割合を小さくする方法です。但し長石は縮みを増します

   ので、増やさない事です。他の成分は熔媒として働いていますので、多くする事で釉が熔け易く

   なります。そこで焼成温度を若干低くするする必要があるかも知れません。

  ② 釉の剥れの現象は、「貫入」を無くす方法に似ています。即ち、釉の縮みを少なくする対策と

   同じです。文献では、微粉珪酸を加える、又は酸化錫を少量加える方法があると記載されて

   いますが、当方で試した訳ではありませんので、試みる時は少量で行ってください。

  ③ 釉が素地に固着する方法をとる事です。

   a) 釉を薄く掛ける。 厚く掛けるとガラスカ化した釉が一塊に寄リ集まり易くなります。

    又ガラス質も厚くなり、その重みで表面より滑落する事もあります。

   b)後でも述べますが、素地との関係もあります。強く固着させるには、素地に石灰を添加すれ

    ば良いと言われています。

   c) 釉の熔ける温度で、「寝らし時間」を若干長くし、素地中の珪酸分と粘土の成分を少しでも

    多く釉に熔け込ませる事です。

5) 素地を変える方法。

  釉を変えて対応するのは、かなり難しい様に思えます。むしろ素地を変えた方が容易かも知れ

  ません。即ち縮み率の大きな素地を使う事です。

  ① 一般に粒子の細かい素地は縮み率も大きいと言われています。

  ② 赤土など鉄分を含む素地も縮み率が大きくなります。

  ③ 当ブログで取り上げた、素朴な疑問 212 「粘土が焼き締まるとは2?。」で記載してある

   器土も焼き締まる率の高い素地です。一部転載しますので、参考にして下さい。

主な器土の産地。

   常滑(白泥土、朱泥土)。万古焼粘土。信楽土(黄瀬土)。萩焼(大道粘土)。備前土(干寄)。

   岡山・伊部土。益子焼(北郷谷土)。相馬焼(大堀粘土、井出粘土)。笠間焼粘土。徳島大谷焼

  (萩原粘土、青石)などがあります。

  ④ 釉と素地との相性が悪い状態ですので、問題の釉を現在使用中の素地に練り込む。

   元々、長石やカオリンは磁土に含まれる物質です。問題に成るのは土灰の働きですが、素地を

   磁器化する(ガラス成分を増やす)と思われますので、1~2割を添加する事で、素地に

   悪影響を与える事は少ないと思われます。試してみる価値はあると思います。

6) その他の方法。

 「焼成したところ釉が縮れて、素地がかなり露出してしまいました。」の記事の検討が必要です。

  先ず、素地が露出した原因が、釉の縮みによるものかです。何故なら、それ以外でも、素地が

  露出する事が有るからです。

 ① 焼成の仕方でも釉の剥がれは起こります。即ち、焼成温度が高過ぎ、釉が熔け過ぎる場合です。

 ② 素地との密着度が弱い場合もあります。作品表面が埃(ほこり)などで汚れている場合も

   釉剥げが起こります。

 ③ 素地の表面が滑らか過ぎる場合にも、釉が剥がれる原因になります。それ故、素地の表面を

  荒したり、荒めの紙ヤスリなどで、擦り(こすり)釉が引っ掛かり易くする方法も考えられます。

以上、決定的な方法が見当たりませんが、参考にして頂ければ有りがたいです。
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素朴な疑問 215 轆轤作業は腰を痛めるのか3?。

2016-01-11 22:04:05 | 素朴な疑問
3) 轆轤作業では、腰以外にも、手や腕、脚、肩、背中などの筋肉痛を訴える人もいます。

 又、人によっては、轆轤作業で疲れを感じる人もいます。いずれも、慣れない作業で緊張し過ぎの

 為と、余分な力が手足に入っている事、及び姿勢が悪い事も原因の一つです。

 ② 手と足を同時に使う事は、轆轤操作に慣れない方には、かなりの負担です。

  ) 轆轤作業では、出来るだけ手で触れる粘土の回転スピードを、一定に保つ事が大切になり

   ます。刻々スピードが変化する状態では、スピード変化に手や指が追従できず、作業も巧く

   いきません。

  ) 手に触れる土のスピードを一定にするには、作品の直径が大きくなれば、轆轤の回転を

   落とし、直径が小さければ回転を早くする事で、制御(コントロール)する事が出来ます。

   回転速度は、轆轤の右側にあるペダルの踏み込む量によって変える事が出来ます。

   即ち、足の爪先側を強く踏み込めば、早くなり逆に踵(かかと)側に力を入れれば、速度が

   遅くなります。手や指の方に注意が向き過ぎると、足の方が疎かに成り易いです。

   a) どんどんスピードが速くなる人と、逆にどんどん遅くなう人が多いです。

     轆轤には適度のスピードが必要です。過不足は良い結果をもたらしません。

   b) 一般にスピードが速くなると、怖いと感じる様です。その為回転が遅くなる人が多い

    傾向にあります。姿勢が「前のめり」になり、爪先に力が入り過ぎ、どんどん回転が早く

    なる人もいます。どんどん回転が早くなる人は、足に力が入り過ぎている傾向にあり、

    後々、足の筋肉が痛く感じる場合もあります。

   c) 大切な事は、早く成り過ぎた事や、遅く成り過ぎた事に自覚が無い場合です。

    時には、無意識の内に、ペダルから足を離す人さえいます。手に触れるスピードですので、

    慣れた方なら簡単に判断できるのですが、形作りの方に注意が向いていると、判断が鈍ります

 ③ 力を入れる処は力を入れ、力を抜く処は力を抜く。

  轆轤作業は、力仕事と言われていました。現在では、電動轆轤が普及し、轆轤を自力で回転

  させる事も無くなりましたので、以前ほど力が必要ではありませんが、手や指に掛かる力は

  以前と何ら変わりはありません。勿論、轆轤に慣れた方は、力だけでなく、技っで勝負しますので

  さほどの力を必要としないのも事実です。

  ) 力を入れる際には、しっかり腕や手、指を所定の位置に保持する必要があります。

   位置を保持する為には、「ブレル」事が無い状態にする事です。左右の手や指は出来るだけ

   連結します。勿論、深さの深い作品では、繋げる事は不可能に成りますが、繋がる状態に

   なったら繋ぐべきです。

  ) 力が入り易い指の使い方があります。

   無暗に力を入れれば良いと言う訳ではありません。変な方向に力が入り過ぎると、作品の形が

   崩れます。又疲れる原因にもなります。

   a) 体が伸びた(又は伸びきった)状態では、力が入りません。作品のどの位置で作業するのが

    一番省エネになるかですが、右回転の場合には、時計の針で7~9時の位置です。

    理想的には8時です。左手の肘が体に付けて固定し、腕の短い女性ですと太ももや膝(ひざ)

    となり、男性の場合には、太ももか腹になります。 

  b) 面で押すより、点又は直線で押す事によって力が出ます。

   初心者の方は、作品の周囲を面(手のひら)で押さえる傾向があります。回転している土を

   面で押さえるのは、作品の振れや、回転スピードの恐怖から来ています。但し、面で抑えると

   力が入らないだけでなく、土との摩擦も増える事になり、逆に振れの原因にもなります。

   点や直線で押す事は押す範囲が狭くなりますので、指先に力が入り易くなります。

  c) 直線とは、人差し指、中指、薬指の先端を揃えて使う事です。当然一番短い人差し指に揃える

   為、中指と薬指は若干曲げる必要があります。この3本の指を粘土(回転体)に直角に当てて

   使います。勿論、爪などは予め切っておく必要があります。又、指輪や腕時計などは外して

   いなければなりません。

 ) 形作りの段階では、少しの力で十分です。

   肉厚が薄くなった状態になったら形作りに入ります。肉厚が薄いですので、強い力は必要と

   しません。少ない力で径が大きくなったり、小さくなったりする事ができます。

   良く失敗するのは、作品に必要な力が加わった場合です。急に出っ張ったりするとその上の

   土を保持できず、形が崩れる場合があります。一気に力を加えずに、数回に分けて力を加えた

   方が無難です。

 ④ 集中力は長くは持続しません。

  轆轤作業は、集中力を必要とする行為です。その為、短い時間で1個の作品を作り上げるのが

  理想ですが、慣れない方はかなりの時間を要します。又、手捻りが他の人と雑談しながら作業が

  出来るのに対し、一人で行う孤独な作業とも言えます。その為、疲れも大きいです。

  初心者はなるたけ少しの休憩を取る為、椅子から立ち上がったり、付近を歩き回る事を薦めます。

最後に、轆轤は楽しいと感じる人も多いですが、直ぐには上達しないのも事実です。なるたけ気楽に

慣れる事で、長続きして貰いたいものです。

以上で「轆轤作業は腰を痛めるのか?」の話を終わります。
 
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素朴な疑問 214 轆轤作業は腰を痛めるのか2?。

2016-01-09 22:17:25 | 素朴な疑問
3) 轆轤作業では、腰以外にも、手や腕、脚、肩、背中などの筋肉痛を訴える人もいます。

 又、人によっては、轆轤作業で疲れを感じる人もいます。いずれも、慣れない作業で緊張し過ぎの

 為と、余分な力が手足に入っている事、及び姿勢が悪い事も原因の一つです。

 ① 電動轆轤には色々なタイプがありますが、一般的な機械では、右足で速度調整のペダルを踏み、

  両手を使って作品を作る方法が多いです。勿論、ペダルでは無く、レバーを手で操作して回転

  速度を調整する事も可能です。更に、左右の膝(ひざ)の高さを揃える為、左脚用に高さ10cm

  程度の台を置く事も多い様です。又、椅子ではなく轆轤の前に座って轆轤挽きする人もいます。

  ) 轆轤を挽く際、体はやや左側に倒れる格好になります。

   轆轤作業で見る処(目を付ける場所)は、主に両手の指先です。但し、口径の小さな器の内側は

   見えない事が多いですので、主に器の外側に成ります。轆轤の回転が時計方向(右)回転ですと

   器の外側は左手になり、器の左側に当てる事になります。時計の針の方向で言うと、8~9時の

   位置となります。その位置を斜め上から見ようとすると、体は自然に左側に傾きます。

   この傾いた姿勢を長く保持すると、一部の体の筋肉に負担が掛ます。

  ) 両脇を締めるのは、あらゆる行為の基本的動作ですが、陶芸においては、必ずしも当て

   嵌りません。勿論両脇を締める必要がある行為もありますが、片方の脇を締めるだけで十分な

   場合もあります。逆に両脇を締めると、巧く行かない事もあります。

  (尚、轆轤の挽き方は色々な方法がありますので、ここで述べる事が必ずしも、全てに当て嵌まる

   訳ではない事は当然です。)

  a) 土殺しの際には、両脇を締め、手が「ブレない」様にする必要があります。

   即ち、手の肘(ひじ)が体の一部に触れている(押し付けている)事が大切です。さもないと、

   肘が土の回転と共に回転運動を起こします。手の位置がしっかり固定できませんので、土を

   綺麗な回転体にする事(センター出し)は難しいです。

  b) 制作時に基準になる手は左手です。それ故、この手が「ブレ」て位置が固定出来ないと、

   作品の形が綺麗に整いません。(但し右回転の時)。それ故、左手の肘は常に体の一部に押し

   付け指先の位置を確実に確保する事が大切です。一方右手の場合は、土を筒状に挽き上げる際

   や形作りの際には、右脇を体に付けると、懐が狭くなり窮屈な姿勢になりますので、動き難く

   力も入らずに、土が巧く伸びてくれません。この場合は、右肘は体から離し自由にする方が

   巧くいきます。 但し、左右の指は出来るだけ連結しておく事です。

  c) 轆轤は左右の指先などの強さに比例して、背が高くなったり、径が広がったり、狭まったり

    します。それ故常に指先などの感覚で、回転速度、空気(泡)の有無、土の固さ、水切れ

    状態や、肉厚、形の凸凹度、ふら付き、更には、異物の混入をいち早く感じ取る必要があり

    ます。慣れた方ならば、これらの事を瞬時に読み取る事が可能ですが、慣れない方には、

    かなり神経を使う事になります。その為、疲れを感じる人もいます。

  d) 轆轤作業では、手順を踏んで行動する必要があります。

    例えば、土を轆轤上に据える。土の裾野に水が入らない様にしっかり轆轤上に押し付ける。

    轆轤を回転させ、手に水を着けて土に触り、手が滑る様に泥を出す行為。土を上げ下げする

    土殺し。土殺しが巧く行った事の確認作業。筒上げ。形作り等の作業を順次行う事です。

    途中で振れが発生したり、水切れ等が起きた際には、適正な処理をする必要もあります。

    これらの手順を踏む行為は、意外と難しく、多くの場合作業の一つを抜いてしまう事も

    多いです。その結果、思わぬトラブルが発生し易いです。

以下次回に続きます。
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