わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

ゆがみ(歪み)と変形9(変形1)

2011-07-30 21:27:13 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
陶芸で作品が、自然に歪む事は、多い現象ですが、作者が、積極的に歪ませる事があります。

これを「形させる」と言います。変形は作者の何らかの、意図を持って行われる行為です。

1) 茶の湯の世界では、作品(特に茶碗)の歪みが、重要な役目をします。但し、自然に歪んだのでは、

   必ずしも理想の歪みに、成る訳では有りません。

   そこで、自然に歪んだ様に、見せるかける為に、手を加えて変形させる事は、かなり頻繁に

   行われています。

  ① 口縁の変形
 
    抹茶々碗の口縁は、五峰とか五山又は、山道といって、低いうねり(高低)が存在します。

    この場合、口縁の一部を切り取ったり、(轆轤上で、弓や剣先を使って、任意の部分を切り取る)

    削り取ったりして、(乾燥後、松の木片のカンナや、竹製、鉄製のカンナ等で、削ります。)

    形を作ります。

② 全体を歪ませる。

    現代の轆轤は、ボールベアリングの軸受けを、使っている為、「がた」も無く、スムーズに

    回転します。それに対して、昔の轆轤は熟受けもしっかりせず、しかも自分で轆轤を回転させる

    為に、回転速度も常に、変化していました。その結果、製作過程で、自然の歪みが出来たと、

    言われています。

    現代でも、蹴轆轤(けろくろ)と言い、自分の足で回転させ、自然の歪みを出そうとしている

    茶碗作家もいます。

   ・ 一般いは、轆轤作業中に、故意に何らかの外力を与え、変形させて、歪みを作り出しています。

     例えば、回転している、完成間近の作品を、手の甲で弾いたり、一度回転を止めて両手で

     変形した後、轆轤を回転させ、口縁を円形に直したりします。

2) 湯呑みや、徳利、ビールジョッキの一部を、凹ませる。その目的は以下の事が、考えられます。

  ① 持ち易い様に変形する。

    胴径が太いと、持ち難い事と、手が滑ってしまう危険があります。その為、片手で持った状態で、

    握る様にして、変形させます。又は、親指のみに力を加え、親指の痕を、付ける事も多いです。

  ② 容量を減らす為に、変形させる。

    作り上げた作品が、思ったより大きく、酒などの容量が、多量に入り過ぎる場合にも、

    内側に凹ます様に、変形させます。

  ③ デザインを優先して変形させる。

    機能的と言うより、デザイン的に変形した方が、見栄えが良いと思われる時にも、変形します。

    特に、変形させる事により、作品に動きが出てきます。

  ④ 機能的理由による変形。

    徳利などの口縁を、引っ張り出して、注ぎ口を作る事は、一般に行われています。

    注ぎ口が有ると、徳利に成りますが、注ぎ口が無く、一様な円径の口縁では、徳利とも、

    花瓶(一輪挿し)とも、見分けが付きません。即ち、両方に使う事が可能に成ります。

    それ故、あえて、注ぎ口を引っ張り出さない、作品も多く見かけます。

3) 器や皿を変形させる。

以下次回に続きます。
     
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ゆがみ(歪み)と変形8(歪みの原因5)

2011-07-29 22:41:35 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
前回に続き、歪みの原因について、お話します。

作品が、歪む原因は、多肢に渡りますが、電動轆轤作業で、歪むのは、必ずしも、自然現象では、

有りません。早い話、轆轤技術が未熟な為の事が、多いです。

電動轆轤については、今まで何度も述べて来ましたので、詳しい話は抜きで、要点のみを記します。

詳しい事は、当ブログの「電動ロクロ入門」「電動ロクロの技法」「轆轤の上達法」等を、ご覧ください。

電動轆轤作業で、作品が歪む原因は、以下の様な事が上げられます。

1) 土の固さの不均一な為。

2) 土に空気や異物が入っている為。

3) 土殺しが完全ではない。

4) 土の中央に穴が掘られていない(中心より「ズレ」ている)

5) 作業者の手の位置が、しっかり固定されていない。

   特に外側の手(時計回転方向では、左手の肘)が、体の一部から、離れている。

6) 土を薄く延ばす際、内外の力のバランスが悪い。(遠心力に負けない様に)

   又、手を上に挙げるスピードに、バラツキが有る。(途中で止まらない様に)

7) 水の使い過ぎ。又は作業に時間が掛過ぎる。(手早く、土が水分を含まない内に作業終了)

8) 轆轤の回転スピードは、作品の径に合わせて、調整する事(手元のみでなく、足の方も注意)

9) 極端な、下膨れで作品が潰れる(常に作品の形を見ながら作業)

10) 上部の土を支える為には、ある程度の肉厚が必要で、極端に横に張り出すと、支えきれずに、

    作品が潰れます。

11) 「よれ」が発生すると、作品は歪みます。

    「よれ」を解消するには、ある程度の技術が、要求されます。

    「よれ」は、肉厚が極端に薄くなった場合と、急に肉厚に成った場合に起こります。

    特に肉が薄く成り過ぎた場合には、補修するより、最初からやり直す方が、良い位です。

    (補修には、時間も掛り、完全に補修できる事は少なく、出来たとしても、土の記憶性により、

     自然乾燥時に、歪みが現れてきます。)

12) 底削りの際に、片削りに成らない様にする事

    その為には、伏せた作品の底周辺が、轆轤の中心に無ければ成りません。

    (この作業は、意外と難しいです。不得意な方は、他の人に確認して貰うと良いのですが・・)

13) 削り作業で、肉厚が極端に薄くしない事です。高台脇を薄く削り過ぎると、本焼きで、

    作品が、潰れたり、割れが入ったりします。

    (作品を指で弾いて、音で判断しますが、この作業も、慣れないと、かなり難しいです。)

14) 轆轤で作った作品を、故意に変形させると、思わぬ方向に歪む事があります。

15) その他

以上の様に、色々な原因で、轆轤作業中や、作業後に作品は変形します。

次回は、変形について、お話します。
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ゆがみ(歪み)と変形7(歪みの原因4)

2011-07-28 21:39:21 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
前回に続き、歪みの原因について、お話します。

作品が、自然に歪む原因は、多肢に渡ります。

 ④ 本焼き時に起こる歪み

  素焼きまでは、なんら歪みも無く、順調に作業が進んでいても、窯出しで歪みが、見つかる事も

  稀ではありません。1200℃以上の高温に曝されると、土の種類や、作品の形状によって、

  色々な力が働き、予想もしない歪みとなって、現れてきます。

 ) 前々回にお話した様に、皿に脚を付けると、歪みが出易いのも、この為です。

 ) 土と釉のミスマッチでも、歪みが出易いです。

   何度も、お話する様に、土の耐火は、種類によって、若干の差があります。

   同様に、釉にも最良の温度範囲と、その窯での最良の場所があります。

   即ち、土の耐火度と、釉の最適温度と位置が、一致した時に、綺麗な色や、歪みの無い作品と

   成ります。

  a) 耐火度の低い土に、熔けにくい釉を使う事により、作品に歪みが、発生します。

    又、熔け易い釉でも、結晶釉の様に、高い温度を、長時間保持する必要がある場合でも、

    同じ現象が、起こります。

 ) 窯の中の温度分布は、必ずしも、一応ではありません。

    電気の窯ですと、電熱線に近いほうが、温度が高いはずですし、燃料を使う窯でも、炎の当たる

    位置によって、作品が受ける熱量も、違ってきます。

   a) 炎が直接作品に当たると、過熱状態に成りますので、火盾と言う耐火性のレンガを、作品の

     前に置く事があります。作品に直接火力のある、炎が当たると、作品が歪むだけでなく、

     裂ける場合も有ります。

   b) 炎が良く伸びると、良い結果が出るとも、言われています。

     しかし、炎の場所場所によって、温度や、窯の雰囲気(酸化、還元など)は微妙に変化

     しています。炎の根元は、酸素と燃料(ガス等)が十分混ざり合っていません。

     炎の中ほどは、酸素とガスが適度に混じり、還元焼成に、成り易いです。炎の先端では、

     ガスと酸素が十分混じり合い、酸化焼成に、成り易く、火力も強く、温度が高い部分と

     成ります。この様に、複雑な炎が、電気の窯では、決して出ない、窯変を引き起こす事に

     成ります。又、炎のどの部分が、作品に当たるかによって、同じ釉であっても、発色状態は、

     変化します。それ故、窯の位置によって、釉が良く発色する、特定の場所が、あるのです。

   c) 以上の理由により、大きな作品では、炎の当たる側と、その反対側では、温度差や、雰囲気に

      違いが出易いです。その結果、色の違いの他、作品の歪みも、出る事に成ります。

      尚、この様な変化を嫌う場合には、 匣鉢(さや)を用います。

以下次回に続きます。
 
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ゆがみ(歪み)と変形6(歪みの原因3)

2011-07-27 21:08:16 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
前回に続き、歪みの原因について、お話します。

作品が、自然に歪む原因は、多肢に渡ります。

 ③ 素焼き前の、乾燥時に起こる歪み。

作品は、乾燥と伴に、水分が蒸発して、縮みます。縮み率は土の種類によって、若干の差はありますが、

  おおむね6~8%程度の物が、多いです。

  乾燥の仕方によっても、作品に歪みが、出てきます。

  即ち、土はお互い引っ張り合って、縮みますので、乾燥の甘い所は、周囲から引っ張られて、歪みや

  変形が起こります。場合によっては、作品が切れたり、裂ける事もあります。

  ) 部分的に乾燥してしまった場合。

     作品は、上部から乾燥するのが、普通です。円周上で均一に乾燥すれば、歪みは少なく、

     更に、上下で起こる乾燥の差も、作品を歪める原因になる事は、稀です。

    a) 片乾きが原因の場合

      一方向からの、日光や風や熱風等により、片側のみが乾燥する場合があります。

      乾燥した方は、引く力が強く作用します。それ故、円形ならば、楕円型や卵型に成ります。

      一見、後で乾燥していない部分が、乾燥すれば、元の状態に戻ると、考えられますが、

      そんな事は、起こりません。なぜなら、乾燥と伴に、引っ張る力(元に戻そうとする力)が

      働くのですが、すでに乾燥している部分では、引っ張る力も、役に立ちません。

      それ故、均等に乾燥させる必要があります。時間の制約が有り、強制的に乾燥させる時は、

      作品を、回転させながら、乾燥する事です。

    b) タタラ作りの、皿や箱等は、乾燥によって、決まった方向に、歪みます。

     ・ 平たい板状の土は、乾燥と伴に、中央が持ち上がる様に歪みます。

       それ故、時々表裏をひっくり返す、必要があります。

       (反りを、起こさない様に、網の上で乾燥させる人も、居る様です。)

       場合によっては、中央に錘(おもり)を置き、反りを防ぐ方法をとります。

     ・ 箱型の作品は、全ての面が、内側に反ります。

       即ち、底は盛り上がり、4側面は、弓なりに、内側に反ります。

       底の場合は、上側が下側より、早く乾燥する為に、上側に反る事は、理解できるのですが、

       側面は内外とも、同じように外気に、曝(さら)されていますので、反る理由が今一

       不明ですが、現実は、上記の通りです。

       反る量は、長手方向が長いほど、大きくなります。

    c) 乾燥が進んだ作品の一部に、乾燥していない部品や、乾燥の甘い物を、貼り付けたり、

      取り付ける事も、歪みを発生させます。

     イ) 大きなお皿に、付け高台のかたちで、脚を付ける事があります。

       又、コンポートーと言い、背の高い脚を付ける作品もあります。

       別々に作った部品を、接着して組み立てて、作品に仕上げますが、乾燥度合いが

       一致している状態で、接着しないと、作品全体が歪みます。

     ロ) これから乾燥しようとする側は、径や高さを縮める様に働きますが。問題は径です。

       即ち、皿などに付け高台をすると、孫悟空の鉢巻の様に、輪を縮め様とし、皿本体の

       中央を上又は下方向に、歪ませます。

       (勿論高台の径が大きい程、力は強大に成ります。)

       高台が細く高さが低い場合には、高台が負けて、切断してしまいます。

      ・ この様な現象は、ビールジョッキに、取っ手を付ける際にも、起こります。

        両方の乾燥度をなるべく、合わせないと、取っ手が切れてしまいます。

以下次回に続きます。
   
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ゆがみ(歪み)と変形5(歪みの原因2)

2011-07-26 21:17:57 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
前回に続き、歪みの原因について、お話します。

作品が、自然に歪む原因は、多肢に渡ります。

 ② 作品を作る時の問題、(作り方や作品の形状など)

  ) 作品の一部に、何かを取り付ける(前回記述)

  ) 作品の装飾による歪み(前回記述)

  ) 皿に脚を付けると、歪み易いです。

    特に、手捻りやタタラで作った平たい皿に、脚を付け、浮き上がらせる際には、注意が必要です。

    轆轤で作った円形の皿であっても、高台の大きさによっては、皿の中央部が、凹んだり、

    皿の周囲が歪み、落ちてきます。

    (平たいて、広い面積の物ほど、歪み易く、対策も難しく成ります。)

    歪む原因は、温度が高くなると、土が軟らかくなる為です。その形を持ちこたえる事が、

    困難に成る為、重力によって、下に垂れ下がります。

   a) 手捻りやタタラで作った皿は、歪む事を考えると、出来ればベタ高台が、望ましいですが、

     どうしても、脚を付けたいと思う人もいます。

     (ベタ底の場合、一般に釉は、掛かりません。それを嫌う人も多いのです。)

   b) 素焼きまでは、ほとんど問題がありませんが、本焼きで歪みが出てきます。

    イ) 俎(まないた)皿の様に、2本の長方形の脚を、間隔を空けて、皿の底に直角に、

      取り付ける際、取り付け位置が、問題に成ります。

      即ち、間隔が広すぎると、中央が凹みます。間隔が狭いと、皿の両端が落ちます。

      4本脚で点状に取り付けても、現象は同じです。

    ロ) 不定形の皿の場合も、皿の外形と相似形の、脚をつけますが、取り付け位置によって、
   
       皿に歪みが発生します。

    ハ) 対策としては、変形しそうな場所の底側に、補強を入れる事や、内側と外側の二重の

       脚を付ける事に成りますが、余り見栄えが良くありません。

       又、本体の皿に取り付ける面積を、出来るだけ広く取り、先端部を細くすると、

       外観も損なわずに、綺麗に仕上がります。      

    ニ) 問題は、本焼きの時ですので、落ちそうと思われる所に、下から支えを入れる事です。

       例えば、貝殻に粘土を詰め、貝の部分が作品に当たる様にして、複数個で支えます。

       詰めた粘土で、脚の高さを調節します。全ての脚の高さを揃えます。

       釉が掛かっていても、大丈夫です。貝殻は、窯出し時には、原型を留めていますが、

       簡単に取り除く事が出来ます。指で摘むと、粉々になってしまいます。

       貝の跡は残りますが、見えない所ですので、余り心配は要りません。

     ・ 但し、ご自分で窯を焚く場合は良いのですが、焼成をして貰う人は、予め相談が必要かも

       知れません。
  
    ホ) 高温で土が柔らかになる事は、場合によっては、良い方向に歪む事もあります。

       即ち、後で述べる様に、乾燥時にも作品は歪みます。特に皿などの平たい作品は、中央が

       盛り上がったり、全体が「ねじれ」たり、4本足の1本が、浮き上がったり等の現象が

       起こります。高温で土が軟らかくなる結果、この様な歪みが解消される事は、しばしば、

       経験する事です。

    へ) 余談に成りますが、手捻りで皿の縁(周囲)を、持ち上げて形を作りますが、高温に成ると、

       持ち上げた部分が、低くなってしまいます。(これも重力の作用です。)

       それ故、落ちる事を勘定に入れて、高めに形を作らなければ成りません。

       特に、斜め方向に張り出している場合には、強く起こりますから、注意が必要です。

 ③ 素焼き前の、乾燥時に起こる歪み。


以下次回に続きます。
    
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ゆがみ(歪み)と変形4(歪みの原因1)

2011-07-25 21:54:32 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
適度の歪みは、大いに歓迎する人でも、予想を超えて歪んでしまっては、歓迎する所ではありません。

作品が、自然に歪む原因は、多肢に渡ります。

 ① 土の種類と、焼成温度との関係

 ② 作品を作る時の問題、(作り方や作品の形状など)

 ③ 素焼き前の、乾燥時に起こる歪み

 ④ 本焼き時に起こる問題

大きく分類すると、以上の事柄が挙げられます。以下詳細に説明します。

 ① 土の種類と焼成温度との、ミスマッチ。

   土には、ある温度で、焼成するのが、一番良いと言う、温度範囲が存在します。

  ) 市販されている粘土類は、一般に1200~1250℃で焼成する様に、調合されています。

     赤土は、焼き上がりが白っぽい土より、若干温度が低くなります。

     (焼き上がりが白の土は、生では黒っぽい色をしているものも、多いですので、生の色は

      あくまで、参考程度に考えて下さい。)

     尚、鍋土などは、最高1180℃で焼成すべき土も、存在します。

  ) 使用する土が、市販の土でない場合には、その土の、耐火度を調べるてから、使用すべきです。

     耐火度を越えて温度を上昇すると、土は軟らかくなり、作品の形が徐々に歪み、最後には、

     原型を留めずに、熔けてしまいます。

  ) 耐火度は単に、温度だけの問題ではありません。低い温度であっても、長時間焼成していると、

     土は、弱くなって行きます。その結果、作品が歪む事に成ります。

     尚、耐火度の低い土を、他の土で作った作品と、同じ窯で焼成したい場合には、耐火度のある

     土を、適度に混ぜて使います。

 ② 作品を作る時の問題、(作り方や作品の形状など)

  ) 作品の一部に、何かを取り付ける

    一番良い例は、コーヒーカップの取っ手を取り付ける事です。

    即ち、片側に粘土片を、取り付けると、その粘土片の重さが、器の片側を外に引っ張る様な

    力が働き、円形の口縁が、楕円形になってしまいます。

   ・ 当然取っ手の太さや、取り付ける位置によって、変形(歪み)の度合いに、差が出てきます。

    又、作品の表面に、花模様の土を貼り付けたり、表面を故意に凸凹させて、模様を付ける事が

    有ります。この場合も、作品全体が、歪み易くなります。

  ) 作品の装飾による歪み

   イ) 面取りによる、肉厚の差による歪み。

      面の数が少ないほど、削る量は多くなり、面取り部とそれ以外の肉厚に、差が出てきます。

      面取り部は、肉が薄くなる為、強度的に弱くなります。円周上に均等に面取りされている時は、

      歪みの割合は、小さいですが、不規則な面取りや、部分的な面取りの場合には、歪みは

      大きくなります。

    ロ) 透かし彫りによる歪み。

      作品の表面に、透かし彫りを施す場合があります。(照明器具や、アロマ用等)

      透かし彫りの面積が広いと、作品を支える土の量が減ります。

      (透かし彫りの面積は、全表面積の1/3以下にしたいです。)

      尚、ある部分のみに、大きな穴を開ける事も、危険です。

      又、透かし彫りの位置も、歪みに影響を与えます。口縁付近での透かし彫りでは、歪みが

      大きくなります。

    ハ) 作品の重心の位置が、底の面積の外側にある場合

      極端に外側の場合には、作品が自立できませんので、底の端周辺に存在する場合です。

      この時、作品自体が、不安定な状態にありますので、このままでは、窯詰めも出来ません。

      それ故、底にやや傾斜を持たせる為、スペーサーを噛まし、重心が底の中央に来る様にします。

     ・ いずれにしても、不安定な作品では、どこかに歪みがで易いです。

以下次回に続きます。


     
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ゆがみ(歪み)と変形3(手捻り)

2011-07-24 22:19:19 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
前回に引き続き、歪みの話しをします。

 ②  手捻りで、歪みが発生する理由

  ) 土の締りが、一定ではない。

  ) 作品の肉厚に差が出易い。

   手捻りで作品を作る際、肉厚が場所場所によって、差が出易いです。

   一般に、下部では、肉が厚くなり、上部へ行くほど、肉が薄くなる傾向があります。

   但し、上下で肉厚の差が出たからと言て、作品が歪む事は少ないです。

   むしろ、円周上で肉厚に差が出た場合に、作品の歪みは大きくなります。

  ) 指跡を残すと、肉厚に差が出やすいです。

   土を摘み、薄く伸ばす際に、どうしても、指跡が付きます。

   この指跡も、手捻りの証で、手作りを強調する役目が有り、更に、作品に温もりを与えて

   くれます。それ故、わざと、指跡を残す場合があります。

   但し、指跡がある事は、表面に凹凸がある事になり、肉厚も微妙に、変化している事になります。

  ) 削り作業によっても、歪みが発生します。

   上記の様に、下部が肉厚で、上部の肉が薄い場合、下部の高台脇などを削り、上部と同じ程度に

   肉を薄くする為に、カンナを用いて、肉を削り落とします。

   a)  手で削る場合、均一の厚さに削る事は、難しいです。

     電動轆轤ならば、作品が回転している為、比較的均一に削れるのですが、必ずしも円でない

     手捻りの作品では、肉厚を均一に削る事は、かなり難しく、肉厚に差が出るのは、やむを

     得ません。

   b)  肉厚に差が有ると、乾燥速度に差が出ます。更に乾燥や、焼成の際の収縮時に、引き合う

     力にも差が出ます。それ故、これらの力の差が、作品を歪める力と成ります。

  )  作品の形も、歪みに大きく影響を与えます。

     左右対称の作品は、比較的歪みは少ないのですが、歪みが発生すると、かなり目立ちます。

     最初から、左右対称でない作品は、歪み易いですが、歪んだ事が解かり難く、歪んでいる事すら

     解かりません。(但し、作者には、はっきり解かりますが)

  )  手捻りに限った事ではないのですが、底の面積の狭く、上部が横方向に、広がって居る程

     歪み易いです。この場合左右均等に歪めば、ほとんど認識されないのですが、円周上の

     一部のみが歪むと、かなり目立ちます。大抵は、後者の場合が多く起こります。

以下次回に続きます。
    
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ゆがみ(歪み)と変形2(歪みの印象)

2011-07-23 22:10:38 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
自然界には、歪みは珍しい物ではありません。一見完璧な様に見える物でも、詳細に見ると歪んでいる

物がほとんどです。例えば人の顔は、左右対称の様に見えますが、右半分と左半分では、違いがあります。

よく見かける実験で、右のみの顔を対称的に左に展開した写真と、左のみ場合の顔の印象は、微妙に

違いが感じられます。即ち、人の顔も、完全な左右対称にはなっていません。

人は、この微妙な歪みを、無意識の内に認め、そこに人間性おも認めていると、思われます。

CG(コンプューター、グラフィック)の人の顔は、なんとなく不自然です。余りにも整い過ぎて

いるせいかも、知れません。(人工的な雰囲気が強いです。)

1) 歪が与える印象

 ① 歪みが無い状態は、堅苦しい感じを与えます。又、作品に動きが無く、静止している感じで、

  冷たい機械的な印象を受けます。人によっては、面白みがないと、思う人もいます。

 ② 歪みは、完全な形から、離れている状態です、自然の歪みは、その離れる状態も、千差万別

   ですので、そこには、同じ物が二つと無い、個性が存在します。

   歪みは、作品に動きを与えて、見る人の心を、「ホット!」させ、心を和ませる効果もある様です。

   但し、故意に歪めた物や、極端に歪めた物は、嫌味を感じる人もいます。

 ③ 自然の歪みは、色々な場面で発生します。それらに対して、当然対策も用意されていますが、

   必ずしも、歪みを無くす事が、出来る訳では有りません。

   この件については、跡で説明する予定です。

2) 手捻りでは、歪まない様に作る事は、ほとんど不可能とも言えます。

  手捻りでは、玉造りの様な簡単な方法や、本格的な紐作り、更には、タタラ作りの様な方法でも、

  必ずとも言えるほど、歪みが出てきます。

  例え、手回し轆轤を使って、作品を作っても、多かれ少なかれ、歪みは発生します。

  それ故、同じ人が、同じ技法で、同時に2個作品を作っても、必ず形や大きさ、更に歪みも加わり、

  同じ物を二つ以上作る事は、出来ません。

 ① 手捻りは根強い人気があります。

  ) 手捻りの技法は、特別難しいものでは、有りません。

    陶芸の初心者は、手捻りから入るのが、普通です。年齢に関係なく、どなたでも、作品を

    作る事が出来るからです。

  ) 大きな作品から、小さな作品まで、好みの大きさの作品を作る事が、出来るからです。

     形も轆轤の様に、円を組み合わせた物ではなく、不定形も得意です。

  ) 上で述べた様に、作り手の個性が出易いです。

    例え、サインが無くても、自分の作品を見つける事が、可能なはずです。

    又、温か味の有る作品に、成り易いです。
 
 ② 手捻りで、歪みが発生する理由

  ) 土の締りが、一定ではない。

    手捻りに限らず、作品を作る際には、土を締めます。手捻りでは、指を向かい合わせて、

    土を摘み、土を締めながら、上に伸ばします。土を摘む際、土の固さや、土の肉厚の差等で、

    摘む力に差が生じたり、摘む位置も、不連続的に成ります。

   ・ 即ち、作品全体に、均一の力が加わっていない状態に成ります。大きな力の加わった場所は、

     土の密度が高く、少ない力では、密度は低くなります。

     その結果、乾燥中や、焼成中では、密度の高い土は、周辺の土を引っ張ってきます。

     強く引かれた方向に、土は倒れたり、変形します。

   ・ タタラ作りの際にも、タタラ自体の締めが、一定になっていない場合が多いです。

  ) 作品の肉厚に差が出易い。

以下次回に続けます。
     
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ゆがみ(歪み)と変形1(始めに)

2011-07-22 23:14:05 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
一般に、歪みと言う言葉は、良い意味では使われません。

地震で家が歪んでしまい、人が住めなくなってしまった。

液状化現象で、家が傾き、変形してしまった。

背骨が歪み、身体的に、色々問題が出て、整体師に、矯正してもたった。

更には、心が歪んでいる。心がひねくれている等と、使われ良く思われていません。

正常な状態より、離れている。完全な形が崩れている。それ故、欠陥のある物、失敗した物と疑われます。

しかしながら、陶芸の世界では、この歪みは大切な意味を持ちます。

1) 歪の受け止め方も、人により、かなり違った反応や、態度をとります。

 ① 歪みや変形を、とても気にする人。

 ② 積極的ではないが、歪みや変形が、出来ても、ある程度受け入れる人。

 ③ わざと(積極的に)、歪みや変形を加える人。

2) 作品の作り方よって、どうしても、歪みが発生するやり方と、歪みがほとんど出来ない作り方が

有ります。前者は、手ひねり(手捻り)の方法で、後者は、轆轤を使う方法です。

  但し、轆轤で作っても、初心者では、歪みや変形が発生します。熟練者で有っても、発生する事は、

  稀ではありません。

3) ある作品群では、歪みや変形を、尊ぶ傾向があります。

  特に、茶の湯(茶道)の世界では、歪みが大切な要素になっています。茶道具、特に抹茶々碗は、

  微妙な歪みが、必要とされています。又、酒器なども、歪みのある物が、好まれます。

  その為に、あえて歪みが出る様な、作り方さえします。

今回は、「歪みや変形」をテーマに、お話したいと、思います。

4) 歪みとは何か。

  ① 対称性が崩れている。

    左右又は、上下方向が同じ形になっていない。特に上下よりも、左右の対称性の違いが、

    認識し易く、一目みて左右の形の違いが、解かります。

  ② 円や球は歪みや、凸凹の状態が、一番はっきり現れます。

    ほんの小さな違いも(1mm程度の違いでも)、解かってしまいます。

    狂いや歪みが出ると、円は楕円形や、卵型に見える事に成ります。

  ③ 倒れによる傾斜も、目立つ歪みです。同じ傾斜角度で有っても、根元より上部に行くほど、

    狂いは大きくなります。

    特に、静止状態では、ほとんど認識できない程度の倒れも、回転させると、はっきり認識出来る

    物です。(擂粉木運動=最上部が擂粉木の棒の様な、動きをする)

5) 変形とは何か

   上記の歪みと変形の、明確な違いはありません。

   強いて言えば、変形の方が、歪み度が大きいかも知れません。

   偶然変形してしまった場合と、故意に変形させる場合があります。

  ① 偶然変形した場合であっても、変形を引き起こす原因が、明確な場合と、原因不明のものが

    有りますが、圧倒的に、原因が明らかな場合が多いです。

    それ故、その原因を取り除けば、変形を有る程度まで、抑える事が出来ます。

  ② 故意に変形させる事は、一般的に行われますが、ある目的を持っている事が、ほとんどです。

    その変形の仕方によって、変形者の意図を、読み取る事が出来る場合もあります。

以下次回に続きます。
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陶芸でやってはいけない事7(焼成2)

2011-07-21 22:03:23 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
焼成でやってはいけない事は、窯が十分冷えないうちに、窯の扉を開けない事です。

焼成結果を早く知りたいのは、山々ですが、ここは我慢して、十分冷えるのを待ちます。

窯が冷えるまでの時間は、窯の大きさ(容積)や、窯の壁の厚み、作品の量によって左右されます。

1) 火(又は電気)を止めれば、急激に温度が下がり、やがて温度の降下も、徐々に緩くなって行きます。

  勿論、窯を密閉状態にし、自然冷却が基本ですが、300℃を切れば、窯の扉を、徐々に開き外気を

 取り入れ、冷却しても良いと、言われています。出来れば、100℃程度まで、扉を開けずに、

 冷却したいです。

 ① 窯の扉を開けると、「チンチン」と音がします。特に高い温度で、扉を開けると顕著です。

   窯出し後も、しばらくの間、この音は発生します。

 ② この音は、作品の表面に貫入(小さなひび)が、入った時に出る音です。

   それ故、貫入が入る釉、即ち「ひび釉」を使っている時は、高い温度で扉を開くと良いでしょう。

 ③ 一般には、貫入は出来るだけ、少なくしたいですので、十分窯が冷えた後に、扉を開け、窯出しを

  します。

2) 100℃でもかなりの高温ですので、火傷をしないように、軍手などを使う必要があります。

 ①  窯出しも、どんどん行わず、どの位置に置いた作品が、どの様に焼き上っているかを、

    記録(又は記憶)しながら、作品を取り出します。

    次回の窯詰めの、参考にする為です。

 ②  釉が棚板まで、流れ落ちてしまった場合も、結構あります。

    簡単に、棚板から離れない作品は、とりあえず、脇に置いて、窯出し後に、時間を掛けて、

    棚板から離します。

  a) 作品の底の一部が、棚板にくっついた場合には、作品を横方向に倒す様にすれば、棚板から

    外れます。但し、撥(ばち)高台の様に、底が外に張り出し、しかも肉厚が薄い場合には、

    この方法は、使えません。無理に行うと、作品の一部が欠けます。次の方法で、剥がします。

  b) 作品の底全部又は、大部分が流れた釉で、棚板にくっついてしまった場合には、木槌やゴム製の

    槌を使い、棚板の裏側から、作品の底周辺を叩き、衝撃を与えます。

    すると、棚板上に塗られた、白いアルミナコーチングと一緒に、剥がれます。

    尚、金槌で直接棚板を叩くと、棚板が割れる恐れがあります。その際には棚板の後に板を挟み、

    その板の上を叩きます。

  c) 作品に付いた、コーチングはダイヤモンドやすりで、削り取ります。

    ダイヤモンドやすりは、100円ショップでも売っています。

    (本格的な物は、工具店で、1000円程度の値段です。)

  d) 剥がれた棚板上には、アルミナコーチングを塗り、補修しておきます。

3) 窯出し後の作品の底部は、砥石を掛けて、綺麗に仕上げます。さもないと、テーブルを傷付けます。


以上で「やってあはいけない事」の話を終わります。

 (尚、標題と記事内容が、ちぐはぐな点がありましたが、お許し下さい。)

次回より、別なテーマでお話します。

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