わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

質問41作品の反りの防止に付いて

2020-04-30 17:12:16 | 質問、問い合わせ、相談事

西村屋様より以下のご質問をお受けしましたので、当方なりの見解をお知らせします。

作品の反りを防止するのは本当に難しいです。水盤を作ってみましたが、乾燥するとどうして

も内側(上)に反ってしまいます。

先に平らに底面を作って乾燥させてからでも、ドベを丁寧につければ周囲の縁(高さ3㎝位)

くっつきますか?

明窓窯より

乾燥した粘土同士を接着するのは、大変難しいです。ある程度素地に水分を含まないと、必ず

剥がれ発生します。(但し、磁土では可能と言われています。)

それ故、ドベを丁寧に付けても希望通りの結果が得られる可能性は低いと考えられます。

作品の大きさと、制作方法(手捻り、又は轆轤挽)によって対処方法も違いがあります。

反りは平の面積が大きい程、又肉厚が薄い程大きくなると言われています。勿論粘土の種類に

拠っても反り方に違いが出易い物もあります。

例えば、粒子の粗い物は細かい物より反りが少ない傾向にあります。

粒子が粗い場合乾燥が比較的早く進み易く、局所的に乾燥具合の違いが少ない多為と思われ

ます。更に素焼き前の反りも有りますが、本焼き時の反りも問題になります。これは素地が

生と同様に本焼きでも収縮するからです。

1) 乾燥は外側から始まります。

 基本的には作品全体を均一に、時間を掛けて乾燥させる事が理想的ですが、何らかの方法を

 講ぜず室内に放置した状態では、作品の外側が一番空気の出入りが多く早く乾燥が進みま

 す。乾燥とは縮む事ですので、底の外側から中心方向に力が加わり、内側に反り返ります

2) 土の密度のバラツキが原因の場合。

 土は十分締める事で、密度を高め反りに対する抵抗度を強めます。

 タタラの場合、土を伸ばす方向も関係してきます。伸ばす方向によって密度に変化が生じ

 易いです。轆轤の場合でも拳固で底を叩いて締めてから轆轤挽する事を勧めます。

3) 3cm程度の縁を後付けする事は余りお勧めできません。

 反りが発生するするのは、ある程度防げたとしても、完全に密着して接着出来ないからで

 す多くの場合、接着面にヒビが入ります。これはドベと素地との乾燥度合いの差によるも

 のです。即ちドベの水分が、素地に急速に吸収され、乾燥する為です。

4) 対策として、底の反対側に高台や桟を設ける事です。

 ベタ高台は反り易いです。又肉厚が大きい底板の場合、溝を彫る方法を取る場合がありま

 す。皿板の場合に取る方法です。

 当然形が異なって仕舞うかも知れませんが、何処かで折り合って下さい。例えば反りが目

 立たない構造にするのも一考です。

以上

 回答が当方の都合で遅く成ってしまった事をお詫び致します。

 不明な点が有りましたら再度ご質問下さい

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする