わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

質問65 釉に好みの色を付ける方法

2023-10-18 11:23:48 | 質問、問い合わせ、相談事
「ぶくぷく」様より以下のご質問をお受けしましたので、当方なりの見解を記します。

 

◎ 陶芸を始めて五年目の者です。

家で一人で作っています。これまでは市販の釉薬を使ってきましたが、
欲しい色の釉薬を自分で作ってみようかと思い立ちました。

少し勉強しましたが、難しくてよく理解できません。

作りたいのは、焦げ茶で少し紫がかったマット釉です。
実際に使っておられる作家さんがおられます。

釉薬の調合は一筋縄ではいかないことは理解していますが、もし、比較
的簡単な調合方法がありましたら、教えていただけますか?

紫がかっていなくても、焦げ茶のマット釉でもかまいません。
食器に使いたいと思っています。

無理なお願いで恐縮ですが、よろしくお願いします。

◎ 明窓窯より

 御自分で調合して、独自の釉を作り出すには意外と簡単では有りません。

 しかし、ご質問の解決方法として、今手持ちの釉に好みの色を付ける方法も有りますので、

 その方法を試すのが、最も簡単だと思います。

 例えば市販のマット系の釉(白、透明、青銅マットなど)に下絵付け用の呉須(ゴス=コバルトを含む鉱物)を

 添加すると、添加量によって淡い紫色~濃い紫色(紺色)掛かった釉を作る事が出来ます。

 又下絵付け用の鬼板(オニイタ=酸化鉄を含む鉱物)や黄土、各種の酸化鉄(弁柄や鉄さび)等を

添加すれば、添加量により、淡い茶色~濃い茶色(又は焦げ茶)の釉を作る事も可能です。

尚、呉須と鬼板を同時に添加しても、ほとんど問題は無いと思われます。

又、釉に各種の金属(銅、亜鉛、マンガン、チタン、スズその他)を添加すると

緑色や黄色、グレーなど思わぬ釉が出来る可能性が有ります。(場合に拠っては結晶釉になる)

これらの金属類は陶芸材料店や通販などで入手可能です。

但し、当初は割高であっても、最小量を購入すべきです。(1回に使用する量はわずかです)

好みの色が出るまでは、数回~数十回の試行錯誤が必要に成るでしょう。

◎ 仮に、ご自分独自の釉をご希望ならば、まずマット等の基礎釉の調合をしてから色釉に

挑戦して下さい。

以上、参考にして頂ければ有難いです。

コメント
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