Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

変則組 28穴リム+36穴ハブのホイール 前編

2009-03-03 00:22:32 | ホイール
前回の日記で変則組のホイールをまた組もう なんて言っていましたが実行してみました
『28穴リム+36穴ハブ』 のホイールです




学生の頃は部品の選択肢も少なかったし経済的な理由なんかで
それなら用意出来る部品で何とかしよう って事でこんな事をしていたんだよなあ・・
そしてそれを使い、全日本の大会でもそこそこの成績を残したし
この方法は実用性と言う事では問題は有りません 自転車は机上論より実戦が全てです




では始めましょう ただ少し小難しい話も出て来ますから頭痛がするかも
分からないですよ 
まず最初に理解して頂きたいのは ハブの片方のフランジで使わない穴が4つ有ります
そしてその穴使いは今回の場合、2通り有りますが それを下記に表します



使う穴を0 使わない穴をX で表記すると
1) 000X000X0000X0000X  の穴使い
2) 000X0000X000X0000X  の穴使い
これは一見 2)の方がバランスがよさそうだけど 案外そうでは
ないんですよね






その穴使いでそれぞれ4本組みで作図をするとこうなります
上A図は 前記1)の穴使いですが 穴を基準で考えると全て5穴使いになります
下B図は 前記2)の穴使いですが 一箇所4穴使いになるのが分かります
今回は2クロス(4本組)を予定していますので 1)の穴使いA図で行きます




そしてスポーク長ですが 4本組とは言え穴を基準に考えると5穴
しかし5本組なんて存在しませんから 4本組と6本組の中間で良いのか?
なんて考えで長さを求めましたが 正直これには不安が有ります
300mmの長さが出て来ましたが 過去の経験からスポーク長は複数必要だった
はずです



では実戦に行きましょう



そして倉庫から出てきたスポーク達 今は廃業したアサヒのスポークがなんと300mm 
多分以前に変則組をした時の残りなんでしょう これは好都合とやる気満々(笑)






経験上 スポークの長さは一種類では無理なはず305mmのスポークは古い
ホイールをばらしました
腐ってもカンパ こんな状態でも回転部の感触は昔のまま カンパは凄いです






スポークはこの様に通しました最初に説明した 1)の穴使いで 
000X000X0000X0000X 0の部分にスポークを通し片方のフランジで14穴
イタリアンで通しています






組む時に邪魔になる片方のスポークはこの様にまとめます  
ワッシャーはこの様に使います




当初の予定の様に4本組(5穴使い)で組んでみました 綺麗に組めるのですが 
スポークがやたらと長い 元々が有る物でと言う発想です ここはスポークに合わ
せ4本組は却下




予定を変更し以前にも組んでいた6本組で組み直しました
これは7穴使い5箇所 8穴使い2箇所になります 実はこの8穴使いの部分は
隣のスポークの頭に干渉し少し窮屈な編み方になります
元々28穴のホイールは4クロス(8本組)は出来ませんから これは当然の事ですね






最後の触れ取までやってみました 最初は驚く様なイビツな振れ方です
ハブとリムの曲手(カネテ=直角)が出ずかなり捻れています
しかしそんな事はスポークを張っていけば解消され 普通に使えるホイールに仕上がります

今回のスポーク長はやはり計算通りに行かなかったですね
この6本組ですが7穴使いの部分は300mmでは少し短く
8穴使いで交差する双方のスポークは305mmが必要です

最初にこんな事をしたのは 34~5年前 その後27~8年前にしたきりなんですが
以前はこんな難しい事は考えていませんでした 仮組みをしそれで長さの合わない所を
必要な長さに変更なんて現場合わせで組んでいました
やはり私は小難しい事を考えずに実戦派が良いや(笑)

今回はここまでにして置きます 次回には前輪を含めもう一度、変則組ホイールの
まとめをさせて頂きます

※今回のホイールの組み方は 初めての方には少々理解がし難いかも分かりませんね
  これから初めてホイールを組まれる方は過去日記【ホイールの組み方 基礎】を是非
  参考にして下さい 分かり易く書いています

この後の記事 【 変則組 28穴リム+36穴ハブのホイール まとめ 】

この前の記事 【 思案中 次のホイール 】

コメント (11)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 思案中 次のホイール | トップ | 変則組 28穴リム+36穴ハブ... »
最新の画像もっと見る

11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (mori)
2009-03-03 12:14:27
基礎もままならない自分には
高等技術過ぎて頭がついていきません(笑)
思わず出来の悪いの学生時代を思い出しました(笑)
返信する
Unknown (honday)
2009-03-03 14:25:54
数字には強い方ですが
だんだん目が回ってきました(笑)

kinoさんはスポークの最終テンションはどのように決めてらっしゃいますか?
どこまで締めちゃっていいのか素人には判断が結構難しいところです。

カネテ=直角
地方によって言い回しが替わるんですね。
愛知県では「かねんて」と「ん」を入れてました。
所々でギョーカイ用語が懐かしいデス。
返信する
筋肉 (Kino)
2009-03-03 15:26:26
moriさん
私の頭の中は筋肉です この記事はかなり無理をしています
頭痛じゃなく 頭が筋肉痛ですサロメチールを塗るか(古~)

私がこれをどのように 分かり易い様に書こうか迷いながら書いたので
余計に皆さんに分かり難いのでしょうね
でも これ以上無理!
返信する
数字 (Kino)
2009-03-03 15:39:18
hondayさん
そうですよね hondayさんかZもつさんかどちらかのブログで
hondayさんがスポーク長を計算式に当てはめて 自分で計算をされているのを見て驚きましたよ
私なんて×と÷が2個以上並ぶとバックを踏みます

スポークテンションは自分の感覚ですね
限界まで強く張りたい時は 触れ取り時、スポークを張って行くと限界が来れば リムのニップル部に歪みを感じます
その辺がそのリムの限界ですから 安全を見るならそこから1/4回転位ニップルを戻します
それ以外は スポークを手でしごいた時の手応えだけですね

カネテは全国共通かと思っていました 何気なく使っていますが これは建築用語だったのかな 標準語だと思っていました(笑)
返信する
お初です (kaste)
2009-03-03 17:58:04
どうも初めまして。2月のはじめ頃から楽しく閲覧させて頂いています。

この変則組み、私は変態組みと称して面白がってやっていました。G3や2to1、rolf組みなんかもして楽しんでましたが、ここまで緻密な計算をしたことは…(汗

ところで、お願いがあります。
当方のブログにkinoさんのブログのリンクを張らせてもらいたく思っているのですが、どうか御許可願えませんでしょうか?

本来はコメント欄に書く内容ではないのですが、メール先等見当たりませんでしたのでここに失礼しました。
返信する
Unknown (zem21)
2009-03-03 19:59:32
ん~~~、すご~~く難しいっす・・・
でも凄く楽しそうです。
是非チャレンジしてみたいです!
返信する
kasteさん (Kino)
2009-03-03 20:34:57
はじめまして コメントを有難うございます
変態組は少々うけました
いや今回の計算は予想通り 役に立ちませんでした(笑)

貴ブログも今拝見させて頂きました 大変興味の有る記事が多くあり 
また後程ゆっくり読ませて頂きたく思います

リンクの件は有難うございます 少しでも多くの方に自転車整備の事を知って頂きたい思いも有りますので
貼って頂きます様、宜しくお願い致します
また貴ブログにもお邪魔させて頂きます
返信する
zem21さん (Kino)
2009-03-03 20:38:52
何事も失敗しながらでも自分でした事は 忘れませんから
是非チャレンジしてみて下さい

まあこれが楽しくなり こんなホイールばかり使っていると 先にコメントを頂いたkasteさんが書かれている
変態の称号を与えられるかも分かりませんが(笑)
返信する
Unknown (kaste)
2009-03-03 23:06:12
これはこれは、ありがとうございます。

私の記事は稚拙・知識不足なもの、もしくは変態チックなもの(笑)が多いやもしれませんが、ご覧になって頂けると大変嬉しく思います。

では、リンク承認ありがとうございました、失礼します。
返信する
2017年からこんにちは (たにたに)
2017-02-21 17:56:09
穴数の違うハブとリムを入手してしまったのでどうしようかと迷った先にたどり着きました。
参考にさせていただきます。
ハブ、リムともに旧パーツなのでうまいこと活かしてあげようと思います。
返信する

コメントを投稿

ホイール」カテゴリの最新記事