Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

スポークホルダー 制作

2015-04-18 20:29:01 | 製作・加工
自転車のスポークを保持する為の備品ですが その様な使用目的の物は
商品として用意されていません 今回ワンオフで制作してみました





今回このスポークホルダーと言う物を作る切っ掛けになったのは
スポーツバイク専門ショップを経営している後輩が ホイールビルドの準備段階で
スポークのネジにスポークプレップを塗布しそれを乾燥させるまでの間 スポークを
保持しておくものが欲しいとの希望から始まりました






スポークプレップ Wheel_Smith ホイールスミスが
出しているネジの潤滑と緩み止めを目的に使う物で
塗布後 乾燥させる必要が有ります 
彼はマグネットシートにスポークを貼っている様ですが
スポークに依っては磁力で引っ付かない物も有り 他に
良い物が無いか考えていました






経緯はその様な事で では私が何か作ってみましょう
と言う事になりました 現場で 105mm 角の角材を
貰って来ました 今回は比較的加工がし易い木工細工で
進めましょう






工作がし易い材料と言うだけで 仕事が簡単と言う訳では
有りません 作業を進めるうちに大工さんなどとの腕の
違いを思い知らされます まず定規を作ります工具を
矩(かね=直角)に使う為のものです




材木にこの様に当てて使う予定です






そして木材の切削加工に使うのは電動丸ノコです 
この道具の刃も目的に応じて使い分けをします






まず現場で貰ってきた端材の要らない部分を切り落します






先程作った定規を使い 丸ノコで切ります
この道具は自転車の整備など問題にならない位
危険な道具です これで指を無くす職人さんも
沢山居ます 注意しながら作業を進めます






スポークを保持する為のスリットを刻みます 今回は溝
の巾や深さ、スポークが落ちない角度などを色々と試して
みました 元々設計図も無く私の頭のなかでもやっとした
形が有る処からのスタートです この様にしながら色々な
事を頭のなかでまとめて行きます



日が変わり



当初思っていたより長い木材が必要なのと 逆に大きさは
細くて良さそうなので 75mm 角の物を用意しました 定規も
自作物は使い難く既製品を使います






新しく用意した木材に墨付けを行いました
材料に加工する為の印を付ける事をこう呼びますが
昔は墨つぼや墨さしを使ったのでこう言うのでしょう
この墨に沿って溝を入れて行きます






丸ノコの刃を交換します






今は粗い歯数 40枚の物を付けていますが前回使うと
少し材木が欠けたりしました 今回はもっと細かな
60枚の刃に交換します この方が綺麗な工作が出来ます






刃の交換はここのネジを緩めて行います






ネジを外し刃を押えている金物も外します
このネジにもグリスを塗っている自分に
ちょっと笑えます






これで刃が外れました




逆の手順で新しい刃を取り付けて完了です
この様な物を交換した時はいきなり使っては
いけません 何も無い安全な場所で正確に
取り付いているか一度回してみて問題が無い
事を確かめます






目的に応じて刃を使い分ける 自転車のギア板と
同じですね 同じ歯だし良く似ています(笑)



さて



工作の準備が出来たので表で作業を進めます
木工事は思いの外切り屑が出ます 掃除のし易い
場所を選べば良いですね ここからは失敗はしたく
有りません真剣にやりましょう






丸ノコの刃の厚みでは一度で欲しい巾が刻めません
少し位置を換え二度切込みを入れています






ホイール一本分 36本のスポークが保持出来ます
溝を刻む際 木の目にも気を付けています 残っている
部分が 7mm 弱しかないので木目を間違うと直ぐに欠けて
しまいます






裏側にも同じ細工をします これでホイール
1ペア分 72本のスポークに使えます






表裏両方に溝が刻めました




溝にはスポークが落ち難い様に後ろ勾配に
15°程度角度を付けています




その角度は丸ノコで行います 今の状態はノコの
下側ベースからこれだけの角度が付いています






その調整をするネジはここです 次の作業で
角度は必要が無いので真っ直ぐにします




これで材木に対し直角に切断する事が出来ます






刃の切込みの深さです 今は 8mm程度の刃を出しています
スポークの溝はこれで揃えました 今度は一杯刃を出します




角材を切断する為ですが 刃を一杯出しても
奥まで届きません こんな時は裏表両方から切りますが
段差が無い様に切るのは結構難しい仕事です 本職の
大工さんもする事は一緒ですが 刃を両方から入れても
切り口がとても綺麗です




木材の頭とお尻を切り落し 目的の長さにしました
切り口も何とか綺麗に揃える事が出来ました






切り口 切断面や表面をペーパーを使い綺麗に
仕上げます






これで外での作業は終りです まだこれで
完成では無いので室内に戻りましょう






立ててみました どうでしょう溝の深さと角度も
良さそうですね






ただ 75mm 角では自立に少し不安が有ります
底板を付けた方が良さそうですね






コンパネの大きさを調整し裏から木工ビスで止めます
木材が割れない様 頭が飛び出さない様に下穴を先に
開けています コンパネの面取りもしています




これで安定しました






スポークを置くとこんな感じになります
スポークプレップを塗り 下から積み重ね
使う時は上から取って行けば上手く使えそうです




裏表の両方を上手く使える様に考えないとけません






スポークホルダーの方向を変え易い様に
天端に取っ手を付けましょう 75mm 巾の取っ手は
小さくて使い難いので この様なリング状の物にします






これで移動や反転する作業がやり易くなりました
金物の取付けには木材にヒビが入らない様に 
細いスリムビスを使っています






さて 日が変わって後輩のお店に届けましょう
まだどの様な物を作ったか言っていません
ひょっとすれば Kinoさんこれは使えないですよ
なんて言われるかも分りません






車で30分程度 兵庫県西宮市に有る NRS
ニュートラル レーシング サービス 基本的に
スポーツバイクの専門店です
入口には新しく作ったと言うダスキンマットが
有りました






オリジナルの手組ホイールを主力に お客さんの
色々な要望に応えられる体制を取っています






新しく作ったスポークホルダー 一目見て気に入って
くれた様です 年中使う物では無いのでこの形状と
大きさなら使わない時の保管もし易く 移動に便利な
取っ手も良かった様です




いたずらは 小さく・・





長い記事になりましたね 最後までお付き合い頂きお疲れでしょう
11000字を超えています
この様な工作は決して上手に出来ませんが色々と考えながら作業を
進めて行くのは楽しくて良いですね 現場で他の職人さんがどの様に
仕事を進めているのか良く見ています そんな事が役にたっています

今回の NRS スポーツバイクの整備や組立は 他店で購入の物でも可能です
オリジナルホイールはコストパフォーマンスが高くて人気です
そんなお店はこちら 【 NRS ハシモト 】 一度立ち寄ってみて下さい
Kino のブログを見たでスポーツドリンクを一本・・ そんな約束はしていません(笑)

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NITTO N.J.PRO 58° クロモリステム

2015-04-16 20:09:10 | 自転車 部品・用品
NITTO LTD (株)日東が製造販売しているトラック用ステムで
競輪競走に使う事が出来る NJS 適合認定部品です





私が保管しているクロモリ鋼で前下がりのトラック用ステムです
ステムの角度が 58°でこれを前下がり 65°位の物を中下がり
ロードなどに使う71〜73°位の物を平行ステムと呼んだりします




箱に入れ保管していますが長くなるとメッキも
曇って来ます 少し綺麗にしてやりましょう






本体だけでは無く ネジを外し全てを綺麗にします
引上げ棒の頭の中が錆びています ここは汗が
溜まるので錆びるのは仕方がないですね






錆びた物は錆を取ってやれば良いです 以前にも
ご紹介しましたが ブレーキのインナーケーブルを
数センチ切り取ります






切り取ったワイヤーを電気ドリルのチャックに
銜えます




ワイヤーの先を解してしまいましょう






ワイヤーの先をボルトの頭の中に入れドリルを
回転させます 少量のオイルを併用すれば良いと
思います ドリルの回転は逆転を選びます
時計と反対方向への回転です 正転させると
解いたワイヤーが元に戻ってしまいます






オイルを使ったので オイルが茶色くなっています
綿棒で中を綺麗に掃除します




茶色く錆びていましたが綺麗になりました






引上げ棒のネジ側です錆びている訳では有りませんが
古いオイルが汚れています パーツクリーナーで綺麗に
してやりました






ハンドルのクランプボルトです ここも古い油脂が
汚れていました 小さな金属ブラシで軽く擦ると
綺麗になりましたよ






ステムの本体も磨きましょう 今回はピカールの
練りタイプを使いました これも一つ用意しておくと
色々と便利です






分解した各パーツを取り付けます ネジだけでは無く
全体に薄くオイルを塗っておきます 錆止めです






最後にはみ出したオイルを拭き取り ワックスで
仕上げです 完成しました、もう指紋も付けたく
有りません(笑)




NJS 刻印




NITTO 90 数字は突出しの長さを表しています





とても綺麗な形をしたステムですね 重量は結構有ります 実測462g
同型の軽合金のステムは 274g です 持った感じもかなりしっかりしています
これはもう自分で使う事は無いと思いますがどんな感じなんでしょう
CINELLI チネリの鉄は何本も使いましたが あれはそれ程硬さは感じませんでした

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フリーホイールの 取り外し シングルギア

2015-04-13 20:21:45 | 自転車整備 フリーホイール
最近は自転車の後ろのギアをカセットフリーと呼びますが 一般車などに使われている
シングルのフリーギアはフリーホイールと呼びます それを取り外してみましょう





今回フリーホイールを取り外す車輪です これはトラックレーサー用ですが
シングルのフリーホイールを使っています








古いリムセメントを除去しリムを綺麗にしてあるので
ビニールを被せて埃が被らない様にして保管しています




この車輪に使っているのがシングルフリー
両切りのハブなので左右に歯数の異なる物を
取付けて シャフトもクイック用にして有ります




今回使う工具はこの様な物です






フリー抜き工具 これは使っているフリーに依り
それに合った物を使います 工具の裏側の爪の
形状がそれぞれ違います




これはボスフリーと呼ばれる 多段フリーに使う物
古くは 3段から 最終的には 7段まで有りました
実際に私が見たのは 4段から 私自身が使って
いたのは 5段からです






このサイズの物が今回のシングルフリー用です




フリー抜きの工具に使うモンキーレンチ






昔はモンキーのサイズはこの様に長さで表していました
300mm で 34mm 程度のネジの頭を銜える事が出来ます
最近は下の 36 と言う様に 口が開く大きさで表す物が
増えています そしてハンドルが短いハイブリッドモンキーが
多数を占めて来ました




そして後ろ用のクイックシャフトも使います




では始めます

今回のフリーホイールはシマノ製です SF-MX30 と
刻印がされています






先程の工具の中から合う物を選びます 左が
シマノ用です






爪の形がフリーに合うか確かめてみます






フリーの凹部 4ヶ所に 工具の凸部が上手く収まります
この工具で正解です






クイックレリーズを使います 渦巻きのスプリングは
必要有りません




外そうとするフリーの反対側からクイックを差込みます






クイックシャフトを奥まで差し込みました








クイックのコニカルナットを締め込み フリー抜き工具を
押え込みます






モンキーレンチを使います 今回は従来のタイプ
300mm を使います この方がハンドルが長くて
良いですね






フリーは結構固く締まっているので 作業テーブルの上では
緩める事は出来ません 地面の上でやりましょう 
ネジは正ネジです 一気に力を入れるのでは無く初めはじわっと
力を加えます それで緩まない時に初めてガツンと力を入れると
良いでしょう まず相手の様子を見ながらです




モンキーでフリーを緩めるのは 最初の切っ掛けだけです
クイックで押えているので多くは回りません




クイックのコニカルナットを外します






フリーが外れるまでネジを緩めます




これでフリーが外れました






クイックシャフトを抜きます




この作業は多段フリーも今回とする事は同じです






フリーホイールの表と裏側






反対側のフリーも同じ手順で外しました






私達競技指向の自転車愛好家にはあまり縁の無い
シングルフリーですが 自転車整備の一つとして
覚えておくと良いですね





淡い藤色の花が可愛いです

今回フリーを外したハブは Sunshin professional サンシン プロフェッショナル
競輪選手が練習用に使っていた物ですが オイルチューンがしてある手応えで
鋼球がカチカチと鳴りながらシャラシャラととても良く回ります これが好きな
方もいらっしゃり好みは色々ですね

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入れ換えてもらった 自転車

2015-04-12 20:52:10 | よもやま話
先日新しく買った自転車に不具合が有り 違う物と入れ換えてもらいました
こちらはさすがにピカピカに綺麗な物でした






先日新車を購入した物が 色々な所に錆や傷が有り
自転車の入れ換えの対応をして貰ったと言う記事に 
とても多くのアクセスが有り驚きました

その時は夕暮れと雨が降っていたので新しい方の
自転車の写真が撮れませんでした 天気も回復したので
見て頂きましょう







錆が出ていた前カゴ用のブラケットとヘッド小物 どちらも綺麗になりました







少し見るのが辛くなる様な錆び方をしていたリアスプロケット 新しい物と言えば
やはりこれですよね ここが綺麗なのは気持ちが良いです 自転車整備、美装の
要(かなめ)はここです







シートピン周りとフロントブレーキ付近 実は同じシリーズですが
以前の物とフォーククラウンが違います ヘッド小物の形も違います
面白いですね







マッドガードの先端保護カバー 前輪のアルミリムに傷は有りません





自転車全体の艶も全く違います 見て直ぐに綺麗、と思いましたよ(笑)

全く関係の無い話しですが 兵庫県で加入が義務付けられた自転車保険
自転車屋さんへの問い合せが凄く多いらしいです でも自転車屋さんへは
まだ案内や内容が全く知らされていないらしい ちょっと対応に困っている様です





綺麗な黄色です 街の中が少しづつ明くなって行きますね

私のブログには人気記事と言うのが幾つか有ります それらは年月が経っても
アクセスが絶えません でも前回のこれに関連した記事は何か別の凄さが有りました
今回の件で大手販売店と街の自転車屋さんとの経営方針や取り組み方の違いが改めて
良く解った気がします

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2015年 公認審判員登録証

2015-04-07 20:05:54 | 自転車競技
毎年継続申請が必要になった JCF 審判員の登録証が届きました




一昨年まで 2年に一度の継続申請だったのが
現在は毎年の更新になっています 今年の登録証は
ピンク・・




裏書の無い表だけに印刷された登録証です
これに関しては年々簡素化されています
2013年までは裏面に参加、執務をした大会の
ゴム印を押す欄が設けて有りました 

選手時代の選手登録証から 47年間切らした事が
有りませんが 関わった大会のゴム印は結構
良いものなんですけどね






審判登録には登録の取り消しと言う規則が有ります
その中には 年齢が満70歳になった時 これには
特例が無く 幾ら身体に故障が無くても審判を
する事が出来なくなります





とても綺麗だと感じる写真が撮れました 道端に咲いている花ですが良いですね

自転車選手として大会に参加されている方達が多くいらっしゃいます
その陰では大会運営に沢山の方が関わっています 皆が出来る事では
有りませんが 選手を辞めた時、大会のお手伝いに回ってあげると良い
だろうなと思います その様にして大会は続いて行きます

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