Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

LOCTITE 強度検証

2009-04-05 01:46:32 | 自転車整備 その他 
昨日の日記の続き 嫌気性接着剤 ねじの緩め止め LOCTITE 222と290の比較です
これの強度のデータは公表されていますが 破裂/脱出トルクなんて数値で表されています
しかしトルク(N/m)と言う単位で表示されても実感が湧かないですよね だったら
自分の感覚ではどんな物なんだろうと 私の 『手応え 』で確かめてみましょう






私がロックタイトを使うのはここ
ホイールのニップルの緩み止め剤は DT Swiss のスポークフリーズや Wheel Smith から
スポークプレップが出ており またMAVIC はLOCTITE 243を緩み止め剤として指定しています
しかしこの商品はいずれも ホイールを組む際、先行作業としスポークのネジ部に塗布する物
しかし私はホイール組の最後の作業として 触れ取り完了後ニップルに1滴差し浸透させます




そんな使い方の為に私が選んだのは液状で低粘度のこの2種
222は本来先行塗布タイプの低強度 290は後浸透タイプの中強度
この強度の違いが公表されている トルクと言う単位ではピンとこないので
私の 『手応え 』と言う感覚で強度検証をしてみます




手応えを確かめる為に前日に用意したスポーク達
左の2本はそれぞれスポークのネジ部にロックタイトを塗布しニップルをねじ込んだ物
右は290本来の使い方 ねじ込んだニップルに後から浸透させています




ニップルがどれ位の手応えで緩むか バイスにスポークを固定しニップル回しで緩めてみます
この手応えを皆さんにお伝えする為 何も塗っていないニップルが回るスコスコの状態を 【 0 】
スポークを捩じ切ってしまう状態を 【 10 】として表現する事にします



ではでは行きましょう

LOCTITE 222 先行塗布 手応えは【 3~4 】  
緩み始めるまでは 4の手応えで 一旦緩むとその後は 3の手応えが最後まで続きます

緩み難いホイールを作るにはこの感覚で充分良いでしょう その他の用途として
ハンガー小物のネジ部に使っても金属の腐食防止として使えそうです




LOCTITE 290 先行塗布 手応えは【 7~8 】
緩み始めるまでは 8の手応え 緩み始めると 7の手応えが最後まで続きます

どうだろうホイールに使って良いものかどうか悩みます これでスポークテンションが
掛かればもっと硬くなるかも分かりません 今回はブラスニップルを使いましたが
アルミニップルでは初期振れや後の振れ取に支障が有りそうです






LOCTITE 290 後浸透 手応え【 10 】

まさかとは思いましたが 捩じ切ってしまいました スポークのネジに塗布しニップルを入れる
先行塗布より 後から浸透させる方が双方のネジに回る量が多いと言う事なんでしょうか
これはたまたまなのか・・ もう一度同じ条件で再度試してみよう






LOCTITE 290 後浸透再試行 手応え【 10 】
同じ条件で再度試してみましたが やはり捩じ切りました これはホイールには使えません


今回この検証をしたのは 今まで222を使っていたのですが 後にホイールのメンテナンスを
する時に もう少し緩み止めの強度が有っても良いと思い 290を手当てしたのですがこれは
失敗でしたね この強度は自転車で使える所は無さそうです

ロックタイトの後浸透タイプには もう一つ 221と言うのが有ります これは 222と比べ
公表データではやや強度が有る低強度 こちらの方が良いかな仕方が無いそれをもう一度
新たに注文しましょう これで終わるのはちょっぴり悔しい(笑)
しかしこの 290はどうすれば良いんだ・・


こんな事も少しでも良いホイールを作りたいからする事なんですが
そんな自転車にとって大切なホイール 私の知り合いの一流メカニックが
オリジナルの素晴らしいホイールを提供しています 当然スポークプレップを使った
丁寧な作業 NRS 決戦用ホイール SUPER ZIPP 【 N.R.S HASHIMOTO 】

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10 コメント

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ロックタイト (honday)
2009-04-08 21:24:26
正直どのロックタイトを使っていいのか決めかねるところ
これは有難いタメになる実験ですね。

ロックタイトは後でも緩める事ができるものばかりじゃないんですね。
ボクもチェーンリングBNがすぐに緩むので263?を使ってみましたが調子いいです。これは後で外せるのかな?(笑)

263? (Kino)
2009-04-08 22:58:03
hondayさん

263と言う品番が引っ掛かってきません・・
262なら強強度で有りますが これはデータを見ると緩めるのは困難かも

その使い方なら今回試してみた222くらいで充分使えそうですね

水道に使うシールテープや ビニール袋を巻くだけでも効果が有るかも分からないですね
243でした (honday)
2009-04-09 22:12:10
あ、すいません、243でした。
http://www.monotaro.com/p/0233/5977/

どれ選んでいいのかわからなかったので
目をつぶって買いました。

262は高力ボルトもって書いてあるので
とても緩めれませんね(笑)。

243なら (Kino)
2009-04-09 22:32:14
hondayさん
243はマビックが スポークプレップとして推奨、指定していますので大丈夫じゃないでしょうか
丁度良いのを選ばれたかも分かりませんね

破壊/脱出トルク(N.m): 20/7  この脱出トルクが 7と言うのはネジを戻す事が出来る程度の強度かと思います
破壊の方は何を意味するのか 良く知らないです

私が使っている222より粘度が高く ネジを締め込む前に塗布をするタイプですね
セーフです(笑)
破壊トルク/脱出トルクについて (ZIN)
2011-02-05 21:41:41
通りすがりに失礼します。
自分もスポークに付ける緩み止め剤を調べていたところ、こちらのページにたどり着きました。
実物での強度検証までされていて、大変参考になります。

loctiteの破壊トルク/脱出トルクですが、公式ページのFAQで下記の通り定義されていました。
(詳細はURLのQ13を参照ください。)

>”破壊トルク”は接着したネジを緩めようとして、ネジを戻した時に「ネジが回り始める力」で本来の「接着力」と言えるものです。
>最初にネジが回っても、そこには、ネジロック剤の硬化物は、ネジ隙間間に残存しているため、さらにネジを緩めようとした時に、抵抗となって現れます。
>これが、”脱出トルク”と称し、弊社では、ネジが1/4、1/2、3/4、1回転するときのトルクを平均して、”脱出トルク”として表示しています。
>この”脱出トルク”の数値は、ネジロック剤の「接着力」ではなく、硬化した樹脂が”硬いかどうか”で決まります。
>ネジロック剤は、この特性を有しているため、万が一、ネジの緩みが生じたとしても、直ぐには脱落までいかない利点があります。
ZINさん (Kino)
2011-02-05 23:13:11
コメントを有り難うござます

私も色々と調べましたが 結局は何処も数字で表しています まあこれは当然の事なんですが

でもその数字で何が解るの? でした
やはり手応えと言うのが自分には分かり易くて良いですね

ロックタイトには色々な使用目的の物が有りますが仕事では
強度を押える為に ネジにシールテープを巻いてから
ロックタイトを塗布する様な使い方もします
カンパニョーロ指定 (だい)
2011-06-30 06:10:37
はじめまして、興味深い記事をありがとうございます。
私はカンパのEURUS(アルミニップル+アルミスポーク)を使っているのですが、カンパの方に尋ねたところ、振れ取り後、Loctite 290を使うように教えてもらいました。
EURUSを振れ取りしたときに、確かに緑の物質が付いていましたが、スポークの抑え方が悪かったせいか、1本スポークをねじ切ってしまいました。

そして、このページを拝見したわけですが、本当に290を使って良いのか不安になります。
だいさん (Kino)
2011-06-30 07:07:34
コメントを有り難うございます

貴文中
>カンパの方に尋ねたところ
これはどう言う事でしょう 国内のカンパニョーロ ジャパンの誰か と言う事なんでしょうか

カンパの正規輸入元、代理店は 一般ユーザーが触れ取りをするのを よしとしないと思っていましたが 何か不思議な対応ですね
だいさんは 自転車屋さんをされているのでしょうか

この290の手応えは今でもはっきりと覚えていますが
後浸透させると ニップルを戻そうとした瞬間からスポークが捩じれ始めます
この手応えの緩み止め剤を指定するのが 少し信じられないですね

先日知人はシャマルの触れ取りをしていましたが
ここまでニップルが回らない雰囲気では無かったですね

私のこの290は全く使う事なく 倉庫の片隅に置きっ放しになっています
カンパの方 (だい)
2011-06-30 21:38:58
私は普通の素人ですが、自転車イベントの時に、カンパのブースがありまして、そこで聞いた話です。
カタログが欲しければ、切手同封で送ればよいとのことで、
カタログ請求した際に、ロックタイトの型番も教えてくださいと
送ったら、290というメモがついてました。
ですので、型番は記憶違いということはないです。

前の通り、EURUSの振れ取りの時は、緑色のロックタイトのように見えました。カンパのスポーク押さえツールの1番細いもので、スポークの細い部分を抑えたのが失敗だったようで、バテッド部分をねじって、伸ばしてしまいました。
その後は、スポーク抑えツールの2番目の部分で、バテッド部分を押さえるようにしたら、スポークがねじれずに回るようになりました。

#14に比べて太いので、より強力に固着しているはずです。
6面保持といっても、アルミニップルですし。

243か222で迷っていますが、振れても直せる222にしようと思ってます。
だいさん (Kino)
2011-07-01 10:05:58
どのタイプのロックタイトを使うかは
ホイールビルドのどの時点で 緩み止め剤を使うかで 選択肢が決まってきます

私は222を後浸透で使いますが これは本来の使い方では有りません
ほとんどの人は本来の使い方先行塗布で使用しているのじゃないかな?

何回も施工と確認を行い ネジの奥まで回っているのを確認し 
自分自身では私の施工方法で問題が無いと認識しています

知人などは 昔から243を使っている人が良いホイールを組んでいますね

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