自動車講座3級整備士通信教育もいよいよエンジン本体の内容に入りました。
今回はシリンダー・ブロック、シリンダー・ヘッドが中心です。
それぞれの構造を理解していきます。
シリンダー・ヘッドを外され点検中のシリンダー・ブロック Dr過去ブログより
なんでも実走行4,000kmのSZ(ES30)エンジンだとか
シリンダー・ブロックとはエンジンの基盤となる部分
内部にシリンダーをもち、下部はクランクケースの上半部を形作っている。
シリンダー・ブロックは、ピストンの往復運動部やクランクシャフトの
回転運動部を支える骨格であると同時に、ウォーターポンプやオイル・フィルター
などの補機類取り付けの土台になっている。
147GTAのシリンダ・ヘッド Dr過去ブログより
上部はシリンダーヘッドで密閉され、下部にはオイル・パンが取り付けられる。
また冷却水と潤滑油の通路が設けられている。
シリンダー
シリンダーは、エンジン本体の中で最も重要な部分
その内部では絶えず爆発が行われ、ピストンが高速で往復運動をする。
シリンダーの内面はピストンとの摩擦を少なくし、また圧縮された混合気や
燃焼ガスがもれないように、鏡のようになめらかなに研磨仕上げが施されている。
シリンダーは、エンジン作動中に2,000℃以上の燃焼ガスにさらされるので、
適度な冷却が必要で、そのため水冷式エンジンでは冷却水を通すための
ウォーター・ジャケットが設けられている。(一番上の写真のシリンダー外側の空間部分ですね、たぶん 汗;)
シリンダー・ライナー
シリンダー壁の摩耗を防ぎ、摩耗した場合にシリンダー壁だけを取り替え可能にした円筒状の部品
クランク・ケース
内部にクランク・シャフトやカム・シャフトなどが取り付けられ、外部には
フューエル・ポンプやディストリビュータや、ジェネレータなどが取り付けられていて、
それらの部品を支持している。
車のクランクケースとは何ですか? ←長文注意:詳しすぎ?
シリンダー・ブロックの材料
エンジン全体の荷重や振動を受けるので十分な強度と剛性が必要
また高熱に耐え、耐摩耗性にすぐれていることが求められるので
現在最も多く用いられているのはニッケル・クローム鋳鉄などの特殊鋳鉄
最近では軽量化と放熱性の観点からアルミニウム合金を利用するものもあるが。
この場合は、シリンダーに前述のシリンダー・ライナーが必要となる。
シリンダーの数と配列
シリンダー数の少ないエンジン、たとえば4サイクルの単シリンダーや2シリンダー・エンジンでは、
クランクシャフトが2回転、つまり720°回転するうちに爆発が起こるのは、単シリンダーなら1回、
2シリンダーなら2回だけで、クランクシャフトの回転は円滑に行われない。特に
動力を取り出そうとするときは大きな振動が起こるため、回転が円滑にいくように大きな
フライホイールが必要になる。
4シリンダーや6シリンダーなら、爆発が連続的になり、各シリンダー動力をクランク・シャフトの
全回転角度(720°)に平均して配分することができ、回転もスムーズになる。振動も少なくなり
フライホイールも小さくでき、発生出力に比べてエンジンの重量を軽くすることができる。
エンジンの気筒数が増えると何が違う?排気量と気筒数の関係性とは
長くなりそうなので、続きは次回に・・
あとがき
記事とは全然関係ないのですが、よくお客様からお土産をいただきます。
「皆で食べてください」「いつもお世話になっているので・・」とおっしゃいます。
お世話になっているのはこちらのほうであり、最初の写真のハンカチなどは、
スタッフひとりひとりに手渡しでいただきまして、本当に頭が下がる思いです。
この場をお借りして改めて御礼申し上げます。
(写真の他にもいただいていると思います。紹介できなくてスミマセ~ン。)