ロープーウェイとリフトに乗って、お気楽、楽チン登山だったはずなのに、一体どうしてこんなことになっちゃったの?
草むらの緩やかな斜面が、一転して急勾配の岩だらけの道になってしまった。
「ちょっ、ちょっ、ちょっと待って。えっ、ここ下りるの?ホントに?」
とうとう谷川岳の本性が現れた。
しかしここで躊躇している暇はない。頂上から道半ばまで来てしまったので、今更下山をやめるわけにはいかない。
前を行く隊長が器用に下りているのを見て、「よし、行ける」と確信して、岩場に手を付き、お尻をついて、足から滑るようにして下りた。
ひぇー、冷や汗が出た。 こんな下山、アラスカの山よりも危険。
100メーターぐらい向こうにはリフトが観光客を乗せて、のどかに運行を続けている。
一見すると何の問題もなさそうな、穏やかな山の山腹で、私たち3人は遭難しかかっているのであった。
「こんなところで遭難するなんてあり得ない」
「でも、ここで遭難しても、すぐに助けに来てくれるから、大丈夫だよね」
大丈夫といわれても、何が大丈夫なんだか、全く安心できない。とにかくここから早く脱出したい。
軽装備で山に入って遭難した人の例が頭をよぎった。山で遭難するってこういうことなんですね。私たちが遭難したら新聞は何と書くんだろう?こんなところじゃ、お粗末過ぎて話題にもしてもらえないかも。
とにかく転ばないように、無事に下山下山、と思っていたら、足が滑ってひざを打った。泣きそう…。(この時の青あざはその後3週間私の足に残った)
どれぐらいの間、岩場と格闘したのか覚えていない。長かったような短かったような…。
そして気がついてみれば、無事に下山に成功したのであった。(下山成功のポーズ)
そして気付いてみれば、何と予定していた40分よりも10分も早く下山できたのであった。
結果オーライ!
『なーんだ、結局問題なかったじゃん!』 と、いつもの私だったら、『やれやれ、ふー』で終わるところが、今回は反省も含めて深く考えました。
何事もなかったから結果オーライだったのですが、このリスクマネジメントに対する甘い考えは、大怪我に繋がる可能性が大であり、今私がやろうとしている事に警笛を鳴らしてくれたような気がしました。
要するに、「何だか良さそうな気がする。行っちゃえー」で行動すると、もしかしたらうまくいって、期待以上の成果を上げることができるかもしれないけど、でもその間には、転んだり、怪我したり、いろいろ大変ですよ、という警告を谷川岳から教えられました。
考えられるリスクは全部計算した上で行動する、ということも時には必要ですよね。
でも無事に帰れて良かった!
3日間のアクティビティの中で、本気の登山をしたのは、結局最後のこの30分だったのです。
疲れたけど、森林浴と達成感で清清しい疲れ。仕事の疲れとは違う、こういう疲れは気持ちいいですね。
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