事件はシアトル空港で唐突に勃発した。
シアトル市内への短いショートトリップが終わり、空港に戻ってきて、チェックインも済ませ、出国検査も終え、後は搭乗準備が整うのを待つだけだった彼らを襲った事件。旅行上級者であるが故の油断!?
その事件とは、搭乗時間に間に合わず、ゲートに着いたときには、飛行機が目の前で離れていくという、信じがたいことが起こったのであった。信じられます?
飛行機が離れていくその同時刻に、一人だけ機内に乗り込んでいた私は、可哀想に、一人茫然自失状態。
「友達のMihoがまだ乗っていないから、彼女を探して」
と、訴えていた私は、強面のフライトアテンダンスから、無情な最後通告を受けていたのであった。
「私達はMiho を探したけれど、彼女は残念ながら空港内には居なかったのよ。私達はもう行かなければいけないから、残念だけど諦めて頂戴」
「ちょちょちょ、ちょっと待って。彼女は空港に居るから、絶対に居るから、ちょっとちょっと… ちょっと、お願い」
と、しどろもどろな英語で必死に訴える私を彼女はじっと見つめて、搾り出すような声で一言、
「SORRY!」
と言って、行ってしまった。
「えーーーーー、まじ 」
と蒼白で言葉を失っていたら、回りの客が、前からも後ろからも横からも、
「どうしたんだ」、「どうしたんだ」
と声を掛けてきた。
「えっ、あの、友達がまだ乗っていなくて……、どうしよう 」
泣きそうになっていたら、前の客が、
「僕も昔同じ経験をしたよ。同僚がバーで飲んでいて乗り遅れたことがあったんだ。怖いよね」
慰めているのだろうが、上の空の私は返事をすることもできない。呼吸が荒くなって、喉がカラカラになってきた。
事態が把握できない私の動揺をよそに、とうとう搭乗口の扉が閉まってしまった。
ジ・エンド……。
ミポリーン…… 。
1分、2分、3分……
突然、搭乗口が開いた。
「えっ、もしかしたら」
と思って前を見たら、ミポリンの姿が見えた!
「あー、良かった 」
ホッと安堵のため息をついたのと同時に、私の目に入ってきたのは、巴投げ5段のボーイズ3人の姿。
「えー、まじ! 4人とも乗っていなかったの?ミポリンだけだと思っていたら、4人とも?」
そうなのです。
彼らは、「まだ時間あるから大丈夫」なんて言って、4人でのんびりビールなんか飲んでいて、慌てふためいて搭乗ゲートに行ったら、目の前で飛行機が離れていくシーンを見ることになったのです。
こっちは機内で心臓が止まるかという思いをしていたというのに。。。
人騒がせ!!!
でも間一髪、間に合って良かったよ。ホントに!
ここで教訓です。
旅行上級者の皆様。油断は禁物です。
飛行機は遅れた人を待ってくれません。
搭乗ゲートには、搭乗開始時間前には行くようにしましょうね。
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