馬の自然史

2015-01-06 14:56:53 | 日記

J・E・チェンバレン著   築地書館刊

昨年の干支に因んで最後に読もうと思って買っておいた本。少々時間がかかった。
内容は馬の博物誌、馬の歴史といってよい本だが、なにより、馬と人間の歴史、という点に主題があるのが本書の特長。私にとっては、大雑把に言えば、ロマン溢れる一編の小説のように読んでしまった。多分、馬の好きな人にはわかってもらえるかもしれない。
しかし、人類とは勝手な生き物だと思う。自分達の都合に合わせて、時には食料に、ある時は使役動物として、そして娯楽としか言えない競馬に、そしてセラピーの介添えに、その時々の理屈で扱ってきた。こんなことをするのは全生物の中で人類だけである。いや、共生という形でならば他の生物もいる。でも、その場合はギブエンドテイクという在り方だ。
それをも、人類の賢い証拠だと言い張る人達もいるかも知れない。「勝手なことを言う」と馬は言うに違いない。
本書とはかけ離れた読後感だが、私はそう思った。


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