乾燥標本収蔵1号室

2011-05-02 14:38:01 | 日記
リチャード・フォーティ著   NHK出版

サブタイトルは「大英自然博物館迷宮への招待」。本当は、ゴールデンウィーク前に読了したかった。しかし、ゴールデンウィークの前半をたっぷり楽しんでしまった。
本書は、著者が1970年から2006年まで所属していた大英自然博物館の舞台裏の話である。博物館には、内部(見学者が決して見ることが出来ない場所)に多くの研究者、キュレーター、助手達がいて様々な資料の整理、分類、研究をしている。これはどこの国でも同じらしい。
大英自然博物館には、子供の好きな恐竜や昆虫、化石、植物、鉱物(実際にはもっと細かいジャンルで構成されている)などが展示されているのだが、それはそれぞれの専門の研究者によって系統付けされ、研究されている。
この人達がなかなか面白いのだ。
つまり、一筋縄でない奇人、変人、天才、超が付く真面目人間といった人達が博物館の中を蠢いているのだ。これらの人達のエピソードがとても笑えるのだ。
博物館に興味のある人は、どこかのジャンルで足を止めるだろう(私の場合は昆虫とトカゲ)。読了に時間がかかつたのもこの理由による。
著者は『生命40億年全史』『地球46億年全史』(ともに草思社刊)の著者でもある。どちらも平易な文章とウイットに溢れた好著である。
今から本屋に走っても、ゴールデンウィーク中には読了できないと思う。それほど1ページ、1ページが楽しめる本。



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