チンパンジーはなぜヒトにならなかったのか

2012-10-02 09:24:40 | 日記

ジョン・コーエン著  講談社刊

サブタイトルは「99パーセント遺伝子が一致するのに似ても似つかぬ兄弟」である。しかし、このサブタイトルを見て「待てよ」と思った。ヒトゲノムは確か32憶対だから、その1パーセントということは3200万対になる。これだけ違えば「似てなくて」当然だろう、と素人は考えたのだ。であるとすると、チンパンジーをチンパンジーたらしめているのはその1パーセントの中味にあるのだろう、と見当を付けて読み始めた。
本書は原題が「ALMOSТ CHIMPANZEE」で分かるように、チンパンジーを多方面からアプローチすることで、ヒトとの違いを明らかにしようとしているので、著者の論点はたいへんわかり易い。
ただ、遺伝学を少しでも知っている人には、結論は少々拍子抜けするかもしれない。ただ、チンパンジーを取り巻く現状の深刻さには考えさせられる問題が多いことは、本書で詳しく分かった。


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