悪名の棺 笹川良一伝

2011-01-28 14:39:44 | 日記
工藤美代子著 幻冬社刊
かなり迷って買った本。著者は『われ巣鴨に出頭せず』(中公文庫)で近衛文麿と天皇の関係を見事に書ききった人であるが、主人公が主人公だけにどうかな、と懸念したのが当たってしまった。
確かに並外れた商才というか、金儲けの嗅覚の素晴らしさ、そして女性にもてたこと(仏壇には、関係した女の名が記された短冊が70以上並んでいた)、にもかかわらず自身は質素な食生活(目刺がおかずで、他は吸い物だけ)。徹底して贅沢を嫌った。
にもかかわらず、あれだけの活躍を見せたのだから、まさしく「昭和の怪物」と言っていい。
しかし、誰もが知りたかった、笹川良一に纏わる金の話がすっぽり抜けている。無理もないと思う。書くには早すぎたのだ。

 


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