翁 OKINA ―秘帖・源氏物語ー

2011-12-08 16:40:51 | 日記
夢枕獏著  角川文庫

夢枕獏と『源氏物語』はちょっと違和感がある。その直感は当たった。登場するのは光源氏・葵の上・六条御息所の三人(夕顔の君がちょこっと登場するが)。そして狂言廻しは外法の陰陽師・蘆屋道満。
道満が登場する以上、源氏物語の展開とはことなり、夢枕獏ワールドになる、筈なのだが。一応「秘帖」と断っているが、とてもこれだけでは「秘帖」とは言えない。いつものとおり、彼はあとがきで「すみませんが傑作です」と書いているが、今度ばかりはオーバーラン。彼の精緻な物語構成も、奥の深さもない。次回作を期待しよう。

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