むし学

2013-02-21 15:12:58 | 日記

青木淳一著   東海大学出版会刊

「むし学」とは「虫学」のこと。敢えてカナにしたのには、著者なりの見解があってのこと。図書館で借りた本なので帯封もなく、挿絵も表紙にはないので、一瞬なんの本かと戸惑ったくらい。
それにしても、なりたかったなぁ、昆虫学者に! 高校二年までの夢だった。諦めたのは60年安保の学園闘争だった。どこの大学もまともに授業をやっていなかつたのだ。
ところで、本書。これから「むし学」やろうとしている人には当然だが、田舎暮らしや里山暮らし、自然農法をやろうとしている人にも十分役に立つ本。初めて聞く話も沢山あり、読んでいて楽しい。ふと、高尾山周辺を駆けずり回っていた昔を思い出した(高尾山あたりが日本の植物の南限と北限の境目であり、それらを餌にする昆虫や鳥類が多いと教えられたからだ)。
著者はダニや土壌動物の専門家で、新種発見で学名に登録されたのが約450種もあるそうだ。きっと、こういうことがこれまで続けてこられた原動力になっていたのだろうな。リタイアした今はまた虫取りに戻って、ホソカタムシの研究をしているそうだ。とても、羨ましい。