工学部ヒラノ教授の事件ファイル

2012-07-11 08:15:39 | 日記

今野 浩著  新潮社刊

ちょっと、唖然としてしまいましたね。
さて、ヒラノ教授が心配し、憂える諸問題、即ち教授に代表される教育者の質の低下・大学に巣食う非常識とモラルの低下・行政機関の過干渉、そして学生の質の低下といったものの最大の根本原因は、雨後の筍の如く大学や大学院を乱立した行政機関にあるのではないか?
どう考えても、これで大学? 大学院?  というのが多すぎる。大卒の粗製濫造である。就職難は当然だろう。採用する企業もいけない。大学の二年の終わり頃から就職活動を始め、採用されれば後はろくすっぽ勉強もしない。一方、大学側もせっかく採用が決まったのだから落第させるのは忍びないと卒業させる。彼等の頭の中は大学二年の段階で止まっているのだ。企業はこうした事情は百も承知の筈で、これで「最近の学生は早期退職が多い」と嘆くのはお門違いと言うものだろう。
これの解決策は面接の際に、四年間の成績証明書と卒業証書を持参させることだろう。そうなれば学生は必死に勉強するだろうし、教授陣も懸命に指導するだろう。あの大学の卒業生はレベルが低い、という評判は絶対避けたいだろうし、勢い教授陣の選別にもプレッシャーがかかる筈だ。
乱暴な話だが、中身のない大学は潰れるに任せればいい。そもそも中身がなかったからなのだ。競争原理から言ったって当たり前なのだ。そうすれば、大学への研究助成金も増えるのではないか? 要するにパイに対して大学が多すぎるのだ。
が、これは過激な話ではないかも知れない。普通の企業社会では当たり前に日常的に起きていることなのだ。大学や大学院に過保護なのだ。行政がここに踏み込むとは到底思えない。出来るのは学生を雇用する企業だ。なにしろ、この問題は企業にとっては死活問題だから……。