江戸の卵は1個400円!

2012-02-24 08:44:41 | 日記

 丸田 勲著  光文社新書

サブタイトルは「モノの値段で知る江戸の暮らし」。本書では文化・文政年間(1804ー1828、将軍は十一代・家斉)を基準にしている。
本書を通読して感じたのは、最近の時代小説に登場している人々が豊か過ぎるのではないか? ということだった。下級武士を含めて当時の人は古着が当たり前、庶民の住いは九尺二軒の長屋が当たり前、武士階級は借金漬けという背景からはほど遠い生活なのだ。
一方、江戸の人々が贅沢だったのも事実。祭りに芝居見物、酒に食い物。しかし、その裏には最低必要なものしか手にせず、モノは徹底してリサイクルし、その日暮らしでも生活が成り立っていたことがある。仕事は好き嫌いしなければ沢山あったし、工夫次第で起業することだつて可能だった。
どうも、最近の時代小説に違和感を憶えるのはこの辺にありそうだ。現代の物価と比較しているので、思わずニヤリとしてしまったり、今と変わらないじゃんと思ったり、なかなか楽しめます。