未解決事件

2012-02-10 15:30:16 | 日記

マイケル・カプーゾ著  柏書房刊

警察が捜査打ち切りにしたり、証拠不充分で裁判所の判決に納得できない被害者の家族、こういったいわゆる未解決事件(コールド・ケース)というのは、どこの国にもあるのではないか。時には権力者(宗教関係者も含めて)が、捜査を阻止する場合もあるに違いない。
本書の主人公「ヴィドック・ソサエティ」は、そうした家族や時には捜査打ち切りに納得しない現場の捜査官の「駆け込み寺」の話だと言っていい。
この会のメンバーが凄い。フィラデルフィア市警、FBI特別捜査官を経て、米国税関局特別捜査部長補佐、そしてポリグラフ検査と尋問の世界的権威。刑務所の精神分析官を経て、連続殺人犯を分析するプロファイリングの手法を開発した犯罪心理学者。法医学アーチティスト、犯人の十数年後の顔を予想して胸像を創る。この三人が創設者。その他にもベテランの殺人事件に携わったリタイアした人、現役のメンバーが百人近くいる。
断っておくが、これはノンフィクションである。著者をみて早合点しないでほしい。それにしても、全て殺人事件の話である。とても半端な数じゃない。アメリカという国の別な側面をみた。
これ以上書くと、読む人の権利を侵害し兼ねないので、ここで止める。とにかく面白い。そして、これが事実であることに怖さを感じる。シャーロック・ホームズより数倍おもしろい。週末に読むことをお勧めする。念のため。