いつもそばに本が

2011-12-16 15:08:14 | 日記
ワイズ出版刊

本書は、朝日新聞読書一面に掲載された「いつもそばに本が」(1999ー2004)を書籍化したもの。どうして朝日新聞が書籍化しなかったのか、分からないが。執筆者は75名中73名分を収録している。
いずれの方々も書き物を職業としている人々。まず負けたのは、凡そ四分の三が私より年上であり、一人ひとりが読んでいる本の量とジャンルの広さだった。しかも、戦中・戦後の活字枯渇の時代を挟んで、である。勿論、というか辛うじてというか、この方々の読んだ本の七割方は私も読んでいる。但し、一部は仕事絡みで仕様ことなしに読んだものもあるが……。
しかし、本を読むという行為と理由は人様々であると尽々思った。そして、読書が身の糧になるということも。読書の功罪については、人それぞれに見識があると思う。しかし、その見識も読書によって培われたものであることを忘れてはいけない。人は人生の何処かで読書に耽溺するものらしい。それをパスするのは勿体ない。
印象に残ったことをふたつ。ひとつは何人かの方が、辞典・事典・字典・辞書・図鑑・年表を座右の書としていること。二つ目は、翻訳物に関して多くの方が原書を読んでいること(かなりの苦労と年単位の時間をかけて)。
古い俚諺に「聞くは一時の恥。聞かぬは一生の恥」というのがあるが、これに倣えば「調べぬは一生の恥。調べるは一生の得」ということになろうか。