友よ 弔辞という詩(うた)

2011-07-14 09:10:35 | 日記
サイラス・M・コープランド編  河出書房新社刊

よいタイトルだと思う。原題は「FARWELL、GODSPEED」だから、これは翻訳者の井上一馬氏の冴えだろう。
本書はタイトルにもあるように、故人を悼む弔辞を集めたアンソロジーである。弔辞の読み手は故人の家族、親友、同僚達である。ハンフリー・ボガードにジョン・ヒューストンが、ジャンニ・ヴェルサーチにマドンナが、チェ・ゲバラにフィデル・カストロが、カール・マルクスにフリードリヒ・エンゲルスが、ヴァージニア・ウルフにクリストファー・イシャーウッドが、ジャクリーン・ケネディ・オナシスにエドワード・M・ケネディが捧げた弔辞が集められている。これらの人々を含めて29人。
どれも含蓄があって素晴らしい。まさか、弔辞を評する訳にはいかないから読んでみて欲しい。ただ、読み終わった時、ふと思ったのは私の弔辞は誰が読んでくれるのかなぁということだった。気の効いた友人が思い当たらないのだ。これからでも遅くはない。それに相応しい友達をつくるよう心掛けよう。