猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

異国をさまよう女

2006年02月14日 11時30分43秒 | ハ~プニング!
昨日の「さまよってます」ログから一夜明け、その疲れを少し癒すことの出来た私。
今日はことの顛末をお話しよう。
美しい月を横目で見ながら、私が必死に歩いた理由を。
そう。
あれは.....

バレンタインを翌日に控えて、私は焦っていた。
先日行った買い物ではゴンザが同行していて、彼のぶんのチョコを買っていなかったからだ。
しかし、かと言って昼間は出かけられない。
なぜなら、幼児が母親の不在を敏感に感じ取るかのごとく、ゴンザが寝ている間に私が買い物に出ると、彼はなぜかたちまち目を覚まし、
電話で
「どこにいるの~?」
と騒ぎ始めるからだ。
(適当に「買い物」とか言えばいいのだろうが、私は嘘が苦手)

そこで、私はゴンザが出勤した後を狙った。
彼が出かけるときに
「駅まで送りがてら、近所におやつを買いに行く」
と言えば、疑われないと思ったからだ。
で、案の定。
ゴンザは何の疑いもなく、出勤していった。
何らかの気配を感じ取ったらすぐにそれを口に出すゴンザの事だから(チョコならいらないからね、とか)、まったく私の企ては気付かれていない。

しかし。
これこそが、昨夜の遥かなる放浪の始まりに違いなかった。
ゴンザを改札で見送った私はこの後、1時間半以上にわたって、放浪の旅を繰り広げるのである。

実は私。
今回のバレンタインには、ゴンザの好物であるガトーショコラを焼こうと考えていた。
我が家の定番であるこのガトーショコラは私の自信作で、わりに材料も手軽に揃うからだ。
市販のチョコレートもいいけれど、おうちならではのバレンタインこそ、ゴンザも喜ぶだろう。
それに、おしゃれな気の利いたチョコだと、電車に乗らないと買いにいけないし。
私はゴンザを見送った改札から、ガトーショコラの材料を買うため、さびれた駅前の商店街にとって返した。

まず、食品が色々置いてある、商店街で一番新しい店へ。
しかし、私が必要としているものはひとつも置いていない。
バター、生クリーム、ビターチョコ、ピュアココアパウダー。
この中の何ひとつ、この店にはなかったのだ。
うう、残念。

次に私はコンビニへ。
ここでは私が欲しかった銘柄のビターチョコが買えた。
よし、この向かいのコンビニへも行ってみよう。

おっ、バターがあった。
しかし、ココアは砂糖の入ったミルクココアしかないし、生クリームも置いてない。
え~!?どうするよ~。
ここからだと、一旦家を通り過ぎて、反対側のコンビニか、そこよりさらに先の大型雑貨しかないけど~!?
しかし背に腹は変えられない。
私は見つけたバターと、本来の目的のものではない、レジ横で美味しそうな匂いをさせてる、フライドチキンを買うと店を出た。

歩く事15分。
自宅をとうに通り過ぎ、私は反対側にあるコンビニをのぞいて、またもやそこに目的のものが何もないのを確認しつつ、大型雑貨店に向かった。
もしかして、隣駅まで電車に乗って買い物に行ったほうが早かった?
しかし、次の目的地である大型雑貨店が、生クリームを扱っていることを私は知っている。

ああ、着いた.....。
ここで私の旅もついに終わりを告げる。
ここならココアパウダーも置いてあるだろうし.....。
「???......!!!!!!!」
ない~っ!?
そんなことってアリ?
明日はバレンタインよっ!
世の中の女が手作りチョコをこぞって作りたがる、バレンタインデーなのよっ!?
なんで黒豆ココアしか置かないんだよ。
なんで今日に限って生クリームのなの字もないんだよ。
ハァ~.....
諦めて帰ろうかな。
いや、それじゃゴンザがかわいそうだし。
私は肩をがっくり落としつつ、その店の裏にあるコンビニへ向かった。

あっ、ここには植物性のホイップクリームがあるー。
でも、やっぱりココアパウダーはない。
私はやけくそになりながら、クリームを念のため買い、店を出た。

さて。
そこからはもう、何がなんだか。
結局は隣駅を目指しながら、ラブホテル街を抜け、大汗をかきながら歩き続け、見かけるコンビニに片っ端から立ち寄り、がっかりして出てくる、の繰り返し。
その一部始終を目撃し、並走してくれる美しいお月様が私を笑っているようにも見える。
そして、ついに隣駅の構内へ突入した私は、日頃よく使っている輸入食材店へ足を向けた。
今度こそ、いよいよ旅の終わりねっ♪

「..........へっ!?」

なんだとお~っ!?
改装中だと~!!!!!!!!!!!!
そこには。
口をあんぐり開け、とっくに冷めたフライドチキンの袋をぶら下げ、ひたすら佇む私がいた。

結局。
その後私は、そのすぐ先にあるデパ地下で、買い物を済ませたのだが.....。
こんなことなら最初からここへ来ればよかった。
最初から電車に乗れば、こんなに放浪しなくても良かったのに。
何種類もある生クリームから好みのものを選び、缶入りのココアパウダーを手にしながら、私は心の中でぼやきまくった。
そして.....
放浪の最中に私が考えていたこと。
「ここは何でも欲しいものが手に入る、モノに溢れた国日本なのにまるでこれじゃ、異国に迷いこんだみたいじゃないの!?」
が、我が家の近所限定なのだということに気づいた。
いくらいつも使ってるスーパーが閉店したといってもよ。
うち、駅まで徒歩3分弱っていう立地なんですけど。

しかし、目的のものを手に入れて、電車に一駅乗って、改札を出て私が考えたことといえば、
「いつかこの放浪の旅は、忘れえぬバレンタインの良い思い出になる。きっと私は毎年、この美しい月を思い出すんだろうな~」
だった。

ガトーショコラ、美味しく焼きあがりましたよ!
(せっかくあったレースペーパー敷くの忘れたけど)
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「アレンジ」の名を借りた手抜き

2006年02月14日 10時23分19秒 | 今日のお弁当
例えば餃子なら、100人が作れば100様の味がある。人にはぞれぞれの自慢料理があって、それらはたいがい、たゆまぬ研究や、試行錯誤の上に成り立っているから、他人の味を知るのはとても大切な事だ。また、市販品の箱書きを見て、材料を研究するのもひとつの手である。おまけに「研究」と称してそれらを買えば、それはその日、堂々と手抜きをする大きな言い訳にもなる(笑)

で、今日のお弁当。

<揚げ餃子の甘酢あんかけ><新玉ねぎと野菜の丸ごとグリル><ピーマンとにんじんの胡桃和え> です。

<揚げ餃子の甘酢あんかけ>
*小房に分けたブロッコリーを素揚げし、市販の餃子(もちろん手作りでもOK)を油でこんがりキツネ色に揚げる。フライパンにゴマ油をひき、揚げた餃子、ブロッコリーをサッと炒める。鶏がらスープ、塩、醤油、砂糖、酢を合わせたものを流しいれ、水溶き片栗粉を加える。あんにとろみがついたら全体を混ぜ合わせ、材料にまとわせるようにして仕上げる。
<新玉ねぎと野菜の丸ごとグリル>
*新玉ねぎはよく洗い、根の部分のぞいておく。しいたけは軸をとり、大きなものは半分に切っておく。トマトは洗ってヘタをとる(その他野菜は何でも良い)。オーブンを200度に温めておき、天板にアルミホイル、もしくはクッキングシートを敷いて、丸ごと玉ねぎ、野菜を置く。15-20分ほど焼き、オーブンから取り出したら、岩塩を細かく砕いたものをふりかける。
<ピーマンとにんじんの胡桃和え>
*ピーマンとにんじんはそれぞれ細く切り、さっと茹でて冷水にあげて水気を絞っておく。すり鉢に細かく砕いた胡桃を入れ、する(粗い部分、なめらかな部分、両方あると良い)。ボールにだし汁少々、塩、醤油、先ほどすった胡桃を入れて味を調える。ピーマンとにんじんを投入し、全体を和える。

今回使用の餃子は餃子専門店のもの。前日の鍋にも入れて楽しんだが、お弁当には「焼くだけじゃつまらないな」と、揚げて甘酢あんをからめてみた。素揚げした野菜のうま味が引き立つ一品。
丸ごとグリルに使った新玉ねぎは、スーパーの見切り品コーナーでゴンザが見つけたものを使用。これを見つけたときのゴンザがあまりにいい顔をしていたので(笑)彼の好きな、そのまま野菜のうま味を存分に味わえるような、シンプルな調理法にしてみた。これは冷めてももちろん美味しいが、新玉ねぎの甘さがじゅわ~っと口に広がる、熱々のうちに食べるのがもっとも美味しい。トマトやしいたけなど、野菜によって仕上がり時間が違うので、時々オーブンをのぞいて、焼きあがったものから取り出して。
胡桃和えは、作り方は知らなかったものの、「確か、胡桃和えって料理、あったよな」と、適当に作ってみたもの(笑)結構美味しく出来たので、今度は水菜なんかで作ってみたい。
しかし.....「アレンジ」とか「素材そのままの味をシンプルに」とか、私の手抜きの言い訳ってスゴイ(笑)
ま、でも。美味しくて体に悪くなかったら何でもいいよねー。
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