蟋蟀庵便り

山野草、旅、昆虫、日常のつれづれなどに関するミニエッセイ。

龍宮城からの招待状

2007年12月25日 | 全体

Dear お父さん、お母さん
 元気ですか?日本の生活には慣れましたか?アメリカ生活が長かった分、時間がかかったのでは……?本当にお世話になりました。ありがとうございました。
 今年は色々あり、大変な1年でした。来年は良い年でありますように、来年も頑張ります。 

PS.
 ライセンスが届きました。カードの裏にサインして下さい。本当におめでとうございます。
                                  マサ
Dear お父さん、お母さん
 元気ですか?今頃は雪も降ってたりするのかな。雪は恋しいけど、寒いのはな~…。
 さて、お待ちかねのカードが来ました!!
おめでとう!これを持って、次は沖縄だね!Masaくんもその気になってるので、今度こそ4人そろっての旅行が実現するといいよね。
                                  知子

 クリスマス・イブの夕べ、待望のスキューバ・ダイバーのライセンス・カードが届いた。サポートしてくれた娘夫婦が、自分のことのように喜んでくれているのが嬉しい。アメリカで、家族中心の暖かく静かなクリスマスを体験して以来、クリスチャンでもないのに商業主義に踊らされる騒がしい日本のクリスマスにうんざりして、「我が家は浄土宗だ!」などと粋がって無視していたクリスマス・イブ。
 思いがけずに町内の子供達から届いた手作りのクリスマス・カードと、サンタさん列車の器に盛られたプリン・ケーキのプレゼントに続いて、二人からの郵便が届いた。メキシコの海の底で演出されたギンガメアジの大群との遭遇に続く、巧まざる偶然のサプライズである。
 過日、70歳以上の高齢者を公民館に招き、子供達と早めのクリスマス会を開いた。その席にサンタさんに扮した私が、予告無しに登場…ささやかなアメリカ土産を子供達に、そして町内のボランティア・グループのひまわりサンたちが作った来年の十二支のねずみをお客様に配った。「メリー・クリスマス!遠いサンタの国からやって来ました。」と挨拶したけれども、あっけなく正体がばれてしまった。その楽しい演出のお返しが、可愛いカードになって届いたのだった。
 
 ロス・カボスの朝のビーチで、産卵に訪れた海亀が激しい波に煽られて仰向けになって足掻いているのを、娘がずぶ濡れになるのも厭わず、海にはいって助けた。
 「龍宮城から、お礼のお迎えが来るよ!」と笑っていたけれども、どうやら龍宮城へのお招きは父親の方に来たようだ。乙姫様や魚たちに歓待を受けて時を忘れ、帰って玉手箱を開けても私は既に白髪の老人。40年間、剛毛の七三分けに苦労していたのを、退職後、沖縄・座間味のシュノーケリングにハマって以来、バッサリと短くした。一見GI刈り(ジイサン刈り?)の白髪には、もう玉手箱なんか怖くない。
 無為有閑の日々にもかかわらず、何故か気ぜわしく師走が過ぎていく。
        (2007年12月:写真:ライセンス・カード)