世界に一つだけの姥花日記

貴方は貴方らしく私は私らしく、世界にただ一つだけのきれいな花を一生懸命咲かせましょう。
シニア主婦の平凡な日記です。

久々に涙した本

2015年10月16日 | 読書&映画

最近めっきり読書から遠のいている私にもようやく読書の秋。(苦笑)

あの作家新田次郎の妻であり、「国家の品格」の著者藤原正彦の母である「藤原てい」さんの書かれた、

「流れる星は生きている」!

ブログ友達の間でも何度か話題となって登場した本でもある。

終戦間近、敗戦濃厚な日本国満州に突然ソ連軍が攻め入ってくる。

当時ソ連と日本の間では不可侵条約が結ばれており、ソ連軍の侵攻は、約束違反。卑怯としか言いようが無い。

私は以前、このソ連軍侵攻による悲劇を「浅田次郎」の「終わらざる夏」で深く知ることにもなった。

「流れる星は生きている」の物語は、1945年8月9日の満州新京(長春)から始まる。

当時新京で観象台勤務だった夫(新田次郎)と3人の子供たちと幸せに平凡に暮らしていた藤原ていさん。

突然のソ連参戦で夫と引き裂かれ、幼い三人の子供を連れ、1年間にも及ぶ凄惨で過酷な逃避行。

満州引揚者の話は聞いたことはあったが、正直ここまで凄まじいものであったとは知らなかった。

最初は団結し、助け合っていた同胞日本人同士も次第に分裂、いがみ合い、騙しあい、人間の醜さが表に出てくる。

子供の命を護るために、また自分自身も生き延びるために、母親、いえ人間は何だってできるのだ。

母親、強し!もし私が同じ境遇にあったら、藤原ていさんのように強くいられるだろうかと思った。

今、折りしも「山崎豊子」さんの「大地の子」が再放送されている(10月10日より毎週土曜日全11話)。

あれからもう20年たったのかしら。涙なしには見られないドラマだったが、私はその前に原作を読んでいた。

「大地の子」は人生で最も涙を流した小説だったと思う。読みながら我ながら呆れるほど嗚咽した覚えがある。

そして今回の「流れ星は生きている」。

感受性が乏しくなったのか、読書やドラマで滅多に涙腺の緩むことの無くなった私だか、この本には泣かされた。

特に最後ふるさと諏訪で親弟妹と再会、命の消え入りそうな幼い子供達が暖かく抱かれ、救われる場面ではティッシュが何枚も。

そしてこの本を読みながら、満州引揚者と今まさに進行形であるシリア難民の苦境がだぶった。

日本は平和であるが、まだまだ世界には70年前一部の日本人が体験したと同じ過酷な逃避行が続いている。

きっとそこにはこの本にも描かれているような人間の愚かさ、エゴ、また優しさ尊さ、それらが交錯し、

複雑な人間模様が繰り広げられているであろうことは、容易に想像できる。

戦争とはなんと悲しく残酷なことか。

私はこの本を平和な日本に生きる中学生、高校生に是非読んでほしいと思う。 

 

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コメント (12)
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