風になれたら

SUZUKI Bandit1250Sに乗って風になり
中島みゆきや渡辺美里を聴いて風になり
山を歩いて風になる

大雪山・十勝岳連峰縦走 2019 5日目

2020-01-26 | 徒歩の旅
7/4 (木) 曇り
今日は最後の宿泊地である上ホロ避難小屋を目指す。もうすぐ旅も終わりだなと思う。
明るくなったのでテントの外へ出ると東の空が明るくなっていた。あとで確認してみればカメラのレンズが曇って朝焼けの写真はボケボケであった。
 
何はともあれご飯を食べて身体を温める。そしてまた濡れて冷たい行動着に袖を通し、歩くとズブズブ言う靴を履いた。今回の旅は本当にびしょ濡れの旅でもあった。
ご飯を食べると便意をもよおす。自然の摂理である。前日は雨だったのでテントの中で携帯トイレに用をたしたが、今日はキリリとした外気に包まれて携帯トイレに用をたした。誰もいない山の中だからできる解放の時間。
持って行った乾燥食料に水を加えて食べるのだけれど、それが外に出ると食料よりも重くなってしまう。携帯トイレの袋に納められたそれを担いで山を歩くときトイレの有り難さを感じるのだ。
 
昨日霧の中だったピークをオプタテシケ山だと思ったのだが、今日ピークに立って確認してみればオプタテシケの頂はその先にあった。
これがオプタテシケ山頂、自撮りの顔を見ると山に入って5日目となり髭が伸びてきた。
オプタテシケ山の頂を後にすると反対から登ってくる人が。おおっ、2日ぶりに人とすれ違う。話をすると美瑛富士の登山口から登ってきたとのこと。
そこから少し降って振り返るとオプタテシケ山はピラミダルな山容でかっこいい。
この辺りに花は少なく、お馴染みのヨツバシオガマがチラホラするぐらいであった。
美瑛富士キャンプ地への分岐で休憩してズブズブの靴を脱いて靴下を絞った。ふやけた足の爪に細菌が入り化膿していたが、消毒してテーピングして歩けば問題はなさそうだ。行動食を口に入れて霧の中を再び歩き出す。
 
美瑛岳方面に少し行くと雪渓が現れた。数歩歩いてみたらシャーベット状になっており足が取られる、かなり危険な香りがする。バックパックを下ろしてチェーンスパイクを着けて歩いてみても足を出すたびにスリップしてしまう。とてもバックパックを背負って歩けるような状態ではない。下を覗くと滑ったら200メートルは滑落しそうだ。少しの間どうしようか考える、ここを通らない場合は一度近くの登山口まで降りて20kmぐらい迂回する必要があるのだ。霧と地形の関係でで先が見えないが美瑛富士分岐までまだ数百メートル、その間ずっと雪渓かもしれない。ここは一旦山を降りると言う選択が最善だろう。そうと決まれば下山だ、直近の国設白金野営場を目指すことにする。
登山口に向かう途中の美瑛富士避難小屋は霧の中だった、そこから人が出てきたら朝オプタテシケ山で会った方であった。
ここからが悪路の連続で登山道が時々川になったり、藪となったり、ヌルヌルした道を滑らないよう気をつけて進んだが厳しい道だった。
かなり疲労したが無事登山口に到着した。そこから久しぶりにアスファルトの道を歩いて白金温泉に向かった。
登山口から2時間ほど歩いて白金野営場に着いた。ここは5年前の秋のツーリングで富良野岳に登った時に宿泊した場所だ。その時の日記はコチラ。その時キャンプ場で転んで顎を打ち、持っていたヘルメットのスタビライザーが割れてしまったことを思い出した。
気持ちの良い芝生の上にテントを張ったら温泉へ向かう。久し振りのお風呂は気持ちよかった。町営の温泉施設で200円ととても安いのだが、失敗したのはシャンプーもソープもないことだった(泣)。バイク旅だとシャンプーもソープも持っているのでいいのだけれど、今回はそれらを持っていなかったのだ。お風呂でさっぱりしたらビールだろう、少し歩いたところにある林間食堂でビールと大盛りの親子丼をオーダーした、久しぶりだとビールも親子丼もとにかく美味い。
ほろ酔い加減でキャンプ場に戻って天気予報を確認すると明日は雨のち雷雨の予報だった。最後は晴れた山で過ごしたいので明日は休養日にしようと決めた。そして平らな土地で眠れる幸せを噛み締めながら意識を失っていった。
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大雪山・十勝岳連峰縦走 2019 4日目

2020-01-15 | 徒歩の旅
7/3 (水) 曇り時々晴れ
昨夜の豪雨が嘘のように未明の空が明るくなった。テントを出てみると南沼のキャンプ指定地から見えるトムラウシの頂は手が届きそうなところにあった。
今日は三川台、ツリガネ山、コスマヌプリを経て双子池まで行く予定だ。聞いた話ではここからが藪漕ぎの核心部らしい。
テン場を後にして少し行くと霧が晴れて緑の山稜が見えた。気持ちいいね〜。この後再び霧に包まれたと思ったらブロッケン現象に遭遇、と思ったらすぐに消えてしまった。ブロッケンの妖怪と言うより如来君臨と言う感じがする、日本に住んでいるので知らず知らずのうちに仏像を見る環境があったのだろう。
霧に覆われた笹原を進んで行く。聞こえる音は小さな鳥の鳴き声と自分の歩く音だけ、静寂の世界だ。
岩鏡 (イワカガミ)
三川台を過ぎると藪となる。これは笹薮で少し窪んだ所に道がある。さて行きますか。下が見えないのでつまずかないように歩く。

途中で崩落地に遭遇した。あちゃー、迂回路はないかと少し戻ってハイマツの中に見つけた踏み跡を辿る。ハイマツの中を行くのは結構厳しい。

ちょっと休もう。荷物を降ろしての休憩は2時間に1回ぐらいだ。
今日はとにかく藪との闘いだ。この先にえいやっと突っ込んで行く。ハイマツの中を進むと松ヤニが結構体に着いた。

ここはちょっと濁っているが飲み水は基本的に雪解け水を浄化して使った。
南沼のキャンプ指定地は雪渓の真下にあり沼地となっていてテントを張れる良い場所がなかった。時間に余裕があったので雪渓の上まで行ってそこにテントを張ろうと思い、雪渓を登っていった。
ルートは不明瞭なので地図とGPSを頼りにジグザグと登って行く。雪はしゃりしゃりとして如何にも滑りそう、と思い滑落したときのことを考え雪渓の端を登っていたらやっぱり滑落、10メートルぐらい滑って下に見えた岩にガシッと着地できた。危ない、危ない。そこからチェーンアイゼンを着けて登山ルートをを目指して雪渓をトラバースした。
雪渓を登り切ったがテントを張れるような場所はなく、そのまま歩き続けた。ピーク20メートル直下にギリギリテントを張れるような場所があったが、ピークまで行けばもっと平らな場所があるだろう登り続けた。やっとピークに着くと虚しくも場所はなく、霧も出てきてしまった。この疲労度で先に進むのは危険だ。先ほどの少し斜めになった狭い場所まで戻ってテントを設営した。結局双子池のキャンプ指定地を出て2時間以上経過していた。
今日は藪漕ぎでビショビショ、登山道はドロドロ、雪渓はヘロヘロ、歩いたなぁと言う1日であった。そして誰にも会わない1日であった。今日はやり切ったなぁと暖かい寝袋に潜り込んだらすぐに深い眠りに落ちてしまった。
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大雪山・十勝岳連峰縦走 2019 3日目

2020-01-07 | 徒歩の旅

7/2 (火) 晴れのち曇りのち雷雨

テントから顔を出すと晴れ間が見えた。ここだけぽっかりと雲がないようだ。キャンプ指定地から昨日歩いた忠別岳の頭が見えた。気持ちのいい朝となった。

隣人に挨拶をしてテン場を後にする。今日彼女は行けたら南沼、天気が悪かったらヒサゴ沼まで行き次の日にトムラウシにアタックするとのことだった。僕は南沼まで行く予定だ。

忠別岳避難小屋前の雪渓を横断して尾根を目指す。尾根からこれから向かう化雲岳方面が見えた。山はやっぱり晴れがいい。

五色岳を経て低いハイマツの登山道を抜けると木道が現われた。途中エサを求めて動物が掘ったと思われる穴があった。熊ではないかもしれないが、一度熊を見てみたいなと思う、近くではなく遠くからだ。

先に見えたのが化雲岳だと思ってこの写真の先の雪渓を登ったら違っていた。雪渓ではよくあることだ。雪渓を降って登山道に戻り先に進むと化雲岳への分岐に出た。

化雲岳はパスして分岐点から少し行くと大きな雪渓の左から人が歩いてきた。その若い男性とすれ違った時に挨拶したが、この先の状況を聞かなかった。そしてその雪渓に突っ込んで行った。大きな雪渓は稜線をトラバースする近道に見えたのだ。眼下に彼が歩いて来たヒサゴ沼が見えてきた。ヒサゴ沼には向かわずそのまま標高を保って歩いて行くと雪が途絶えてハイマツの海になってしまった。うーむ、登山道まで300メートルほどだと思うがハイマツ帯を抜けるのは現実的ではない。そこで進路を反対に取って雪渓の切れ間にヒサゴ沼から化雲岳へ向かう登山道を探した。登山道が見つかって元々予定していた稜線のルートに戻った。結局1時間ほど余分にかかってしまった。これもまたよくあることだ。

ようやく稜線の登山道に戻ると化雲岳のあたりに小さく人影が見えた。もしかすると忠別岳避難小屋のテン場で一緒だった人かもしれない。

その後天沼がある日本庭園と呼ばれる場所を行く。天気が良ければ素晴らしい景色だろう。

雲は垂れ込み小雨が降っている。日本庭園の先のロックガーデンあたりは残雪も多く道がよくわからない。地図やGPSを頼りにトムラウシを目指した。少し雲が切れて北沼が見えてきた。
北沼に着いた。天気も相待ってとても寂しい雰囲気が漂っていた。この辺りは10年前に大きな遭難が発生した場所で8名の方が亡くなっている。少しの間冥福を祈った。

トムラウシ山の頂まではもう少しだがガスっていて距離感が掴めない。

トムラウシの頂上に着いてホッとしたが周りは全く見えない。写真をLINEで家族に送って足早に下山する。

標高を200メートルほど降れば南沼のキャンプ指定地だ。半分ほど歩くと本降りとなってしまった。

キャンプ指定地は川の横にありどこも濡れていた。雨の降るなか少しだけ高い場所にテントを張った。浄水器を使って横の川で水をたっぷり汲んだ。その後濡れた服を着替えてご飯を食べて身体を温めた。何かを食べることは精神を落ち着かせてくれる。
その間にも雨は強まり雷雨となった。すぐ近くで雷が轟き、結露がボタボタ落ちるくらいの雨がテントを叩き続ける。風がないのがせめてもの救いだ。
しばらくするとテントの下を水がジャカジャカ流れてテントの中もビショビショになってしまった。ここは水の通り道だったようだ。なんてこった。結局明け方までスポンジで水を抜く作業を続けることになったのだった。

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大雪山・十勝岳連峰縦走 2019 2日目

2020-01-06 | 徒歩の旅

7/1 (月) 霧

朝起きると周りは霧に包まれていた。出発の準備をしているとテン泊していた一人の女性が近づいて来てどちらまで行かれますかと尋ねた。今日は忠別岳避難小屋であることを伝えると、同じ予定で今夜の宿泊が一人にならなくてなくてよかった、とのこと。
一人きりの野営はとても心細い。僕の場合、誰もいない場所での野営の緊張感が好きなのだけれど、全ての人がそうではないのだ。もちろんウェルカムなので、お先に行っていますと言って白雲岳避難小屋を後にした。

霧のため良くても視界は数百メートル、晴れていれば素晴らしい景色だろう。それはまた来たときのお楽しみだなと思い、足下の花を見つけながら歩いて行く。

蝦夷御山の豌豆 (エゾオヤマノエンドウ)

岩梅 (イワウメ)

猩々袴 (ショウジョウバカマ)

蝦夷鹿の足跡。羆 (ヒグマ) のいる気配はない。

細葉得撫草 (ホソバウルップソウ)

ホソバウルップソウは今回楽しみにしていた花である。丈の短いホソバウルップソウも咲いている。

綿菅 (ワタスゲ)

黄花塩竈 (キバナシオガマ)、日本ではこのあたりでしか見られないらしい。

稚児車 (チングルマ)

風雪に晒された道標は高原温泉を指していた。高原温泉は沼巡りのために訪れたことがある。その時の日記はこちら

ただ霧の中を進んで行く。本当にただ進んで行く。

進行方向左側は急峻な崖になっているが下の様子は見えない。この下には綺麗な沼がいくつもあるのだ。

蝦夷の白山一華 (エゾノハクサンイチゲ)

駒草 (コマクサ)、コマクサは他の植物が生えていない砂礫地に生えている。砂礫の開拓者だなぁ。

黄花石楠花 (キバナシャクナゲ)、ホッとするの好きな花。

忠別岳山頂に着いたが何も見えず。向こう側は崖のはず。

忠別岳を下っていると茶色の塊が足元から前に跳ねた。かわいい蝦夷兎 (エゾウサギ) の子供だった。雨に濡れて寒そうだった、独り立ちしたばかりだろうか。

下りきって振り返れば霧が少し取れて忠別岳が現れた。

忠別岳避難小屋は稜線の分岐点から下った場所にあり、小屋まではハイマツとササの中のえぐれた道を行くので胸から下が再び濡れてしまった。小屋前の雪渓はかなり融けていてクレバスが多くジグザグに歩いて三角屋根の小屋に到着した。

小屋の前のトイレの前にテントを張るスペースはほとんどなかった。そこがテン場だと思ったので、今日は小屋に泊まるか、と小屋の扉を開けると若いメンバーのパーティーがトランプに興じていた。泊まる予定であることを告げると場所を空けてくれようとした。2階が空いているか聞いたところ空いているとのことだったので入り口横の梯子を使って2階に上がった。レインウェアを脱いでどこに寝ようかと考えていたのだけれど、小屋の中は暗い運動部の部室のようだったのでうーむと思った。解放的な場所で寝たいので、テント場はどこか彼らに聞くと下の方にあるとのことなのでそちらに移ることにした。

そこは雪渓前の小ぢんまりとしてとても静かな場所だった。これだよ、これ。とっても良い感じ。

テントを張る前に雪渓で冷やしておいたビールをいただく。フッフッフ、とはこのことだ。

それにしても今日はとても静かな山行だった。白雲岳の避難小屋を出てここに着くまで誰にも会わなかった。動くものは小鳥、シマリス、エゾウサギだけ。

それからしばらくして白雲岳で朝話した女性が到着した。やはりトイレ前のスペースをテン場だと思い、小屋の中の宿泊者にこの場所を聞いたとのことだった。

それから今回の山行を含めてひとしきり山の話で盛り上がり、やっぱり大雪はいいねと意見は一致した。

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大雪山・十勝岳連峰縦走 2019 1日目

2020-01-05 | 徒歩の旅

2019年はほとんど更新がなかったな、と少し反省をしました。そこで昨年2日分だけ書いて放っておいた大雪山・十勝岳連峰縦走のことを見直して完成させようと思います。
と言いつつつも今日はもう1月5日、明日から仕事となりました。まぁ、いいか、今年の冬休みは大晦日の夜から熱が出て体調を崩し、三が日を寝て過ごしたのだからと自分を納得させます。では行ってみましょう。

6/30(日) 晴れ

旭岳裏の黄花石楠花(キバナシャクナゲ)

何度か訪れたことのある北海道の大雪山と十勝岳連峰の山々、いつか北の旭岳から南の富良野岳まで歩いてみたいとぼんやりと考えていた。歩くなら今だな、今年の夏、大雪山・十勝岳連峰縦走に挑戦してみようと思いたった。

咲き誇る高山植物の花を見るためには7月中旬がベストかもしれないが、そこは予定が入っていたので6月末から訪れることになった。この時期は残雪と藪漕ぎが想定されるので余裕を持って5泊6日の行程を組んだ。

山旅が成功するかどうかは準備で決まると聞いたことがある。一度出発してしまえば後は現地でやりくりするしかないからだ。長旅なので出発の1週間前に準備を整えた。コース上に営業小屋はなく途中で食料を補充することはできない。テント泊装備と6日分の食糧に予備食、缶ビールとワインなどを入れて20kgを超える荷物となった。食料はギリギリの量だ。それほど多くの雪は残っていないようだったのでクランポンとアイスアックスは持たず、チェーンスパイクのみ持った。

前日、飛行機で旭川に入って登山口のある旭岳温泉までバスで移動した。その頃毎日雨が降っていて出発は当初の予定から2日ずらしたのだった。晴れていたら登山口でもテント泊にしようと思っていたのだけれど天気予報は雨なので宿にお世話になることにした。

朝起きて窓の外を見ると降っていた雨は朝には上がったようだ。晴れなくても雨にならなければいい。

前泊した大雪山山荘を出発する。登山者向けの宿で暖かく明るい女将がもてなしてくれ、お見送りまでしてもらった。

宿から数分のロープウェイ山麓駅からロープウェイに乗って姿見駅まで10分ほど、久しぶりに期待に胸が高鳴る感情を覚えた。空は雲に覆われていたが旭岳はしっかり見えた。

さぁ、行こうか。これから数日山に入るかと思うと顔がにやけてしまう。旭岳を目指す登山者は結構いたが大きな荷物の登山者はいないようだった。まだ縦走は盛期でないからだろう。

天気予報は何だったのか、頂上が近くなるに連れ空が晴れて行った。これから歩くトムラウシ山、十勝岳連峰の山々が見えた。これを全て歩くのだと思うとテンションマックスである。

有名な金庫岩、本物の金庫なら相当でかい。旭岳の頂上はもうすぐだ。

旭岳の頂上までは人も多いが、そこから先へ行く人の数はかなり減る。長い雪渓が残っている旭岳裏をガシガシと下って行く。スキーやソリがあったら楽ちんだろうな。

千島金梅(チシマキンバイ)?の花にバッタが止まっていた。花の中は暖かいのだろうか。なんとかのキンバイって見分けが難しい。

峰蘇芳(ミネズオウ)、漢字で書いたら読めないな。

赤味を帯びたキバナシャクナゲ、厳しい環境なのでシャクナゲも大きくなることはない。

あー来てよかったと思える一瞬、それが何度も何度も訪れる。

お鉢平の縞々模様が美しい、左から北鎮、凌雲、桂月、黒岳。あちら側から見たお鉢平も美しい。

キバナシャクナゲの他、岩梅(イワウメ)も盛りであった。

蝦夷御山の豌豆(エゾオヤマノエンドウ)だと思う。

北海岳までの稜線は少し風が吹いていた。白雲岳の分岐に着く頃はすっかり曇ってしまったので白雲岳はパスした。

そこから少し行くと雪渓の向こうに白雲岳避難小屋が見えた。その左の雪渓を緑岳に向かうパーティーもいた。

白雲岳をパスしたので白雲岳避難小屋に12時45分に着いてしまった。ガラガラのテント場にテントを張る。この日のテン泊は全部で4張りだけだった。

テントを張ったらダラダラ、いやゆったりと過ごす。雪解け水で缶ビールを冷やして飲んだ。北海道でサッポロビール、ってどこでもサッポロだけど。

夕食はパスタ、ソースはコストコで買ったイベリコ豚のミートソース、これが毎日続くのだけれど飽きない味なのだ。

その後テン場には山岳部の団体とふた組ほどのテントが立てられた。山岳部の方々は大鍋でアルコール類を冷やしていて、その真ん中にスパークリングワインが鎮座していた。羨ましい限りだ。

盛り上がる隣人を他所に横になってラジオを聴いた。ここは驚くほどラジオが入るのだ。AIR-G' (FM北海道)を聴いていたらサカナクションの山口一郎さんが11日前にリリースされたニューアルバム「834.194」の全曲を紹介すると言うもの凄い番組をやっていた。山口さんの話を北海道で聴くことができて本当によかった。その後中島みゆきさんのアルバムを聴きながら眠りについたのだった。

スタートは申し分のない日となった。素晴らしい!

 

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文化的活動記録2019

2019-12-30 | 日々のこと

2019年に観た音楽(ライヴ)、舞台、映画、好きな順に並べてみます。その日の体調や気分、座席などによって感じ方は大きく変わることがあるので、順番はひじょーに大まかなものになっています。

今回追加したのは舞台「入江雅人 グレート一人芝居「パンクスタイル8」」全てをひとりで、これこそパンクスタイル、映画「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」これで家族の物語も終わりか、最後まで観られる日がくるとは
前回追加したのは舞台「荒れ野」近くにいるのに遠くに感じるのはとても切ない「神の子」人は小さな切っ掛けで変わることができる、どちらにも共通するのは生き方は自分で決めること
前々回追加したのは音楽「Hiromi Japan Toure 2019 SPECTRUM」いつものようにパワフル、そして心優しい、映画「アナと雪の女王2」ディズニーの底力、IMAXレーザーは驚愕の美しさ、映画「ドクター・スリープ」少しづつ近く恐怖、スティーブンキングの世界
前々々回追加したのは舞台「NODA・MAP『Q』」2度目は何倍も楽しい、広瀬すず輝く!「月影番外地『あれよとサニーは死んだのさ』」妄想のような展開が見事に実を結んで幕となる、役者の魂を感じた

== 音楽 ==
中島みゆき「夜会」VOL.20 リトル・トーキョー @赤坂ACTシアター (2回目)
渡辺美里 Live Love Life Sweet Emotion Tour 2019-2020 @調布市グリーンホール
MISIA 平成武道館 LIFE IS GOING ON AND ON @武道館 (2日目)
渡辺美里 Live Love Life Sweet Emotion Tour 2019-2020 @トークネットホール仙台
渡辺美里 Live Love Life Sweet Emotion Tour 2019-2020 @青葉の森公園芸術文化ホール
渡辺美里 Live Love Life Goes On! 美里祭り in 日比谷野音 2019 @日比谷野外大音楽堂
渡辺美里 Premium meets Premium 2019 うたの木 Grace @浜離宮朝日ホール
MISIA Candle Night Reiwa @いわき三崎公園野外音楽堂
MISIA 星空のライヴX LIFE IS GOING ON AND ON @NHKホール
LOVE PSYCHEDELICO Premium Acoustic Live "TWO OF US" Tour 2019 @EX THEATER ROPPONGI
渡辺美里 Live Love Life Sweet Emotion Tour 2019-2020 @栃木県教育会館
MISIA 平成武道館 LIFE IS GOING ON AND ON @武道館 (3日目)
中村 中 LIVE2019 箱庭 -NEW GAME- @日本橋三井ホール
MISIA TICAD7 LIVE HEART FOR AFRICA @横浜みなとみらいホール
U2 The Joshua Tree Tour 2019 @さいたまスーパーアリーナ
上原ひろみ Hiromi Japan Toure 2019 SPECTRUM @横浜みなとみらいホール
MISIA SOUL JAZZ SWEET & TENDER @EX THEATER ROPPONGI
渡辺美里 Live Love Life Sweet Emotion Tour 2019-2020 @関内ホール
中島みゆき「夜会」VOL.20 リトル・トーキョー @赤坂ACTシアター
LIVE PRIDE @東京国際フォーラム ホールA
MISIA 平成武道館 LIFE IS GOING ON AND ON @武道館 (1日目)
LOVEx中村 中「友達以上恋人未満 」TOUR @晴れたら空に豆まいて
SAKANAQUARIUM 2019 (834.194) 6.1ch Sound Around Arena Session @幕張メッセ
辻仁成、弾き語りの宴、2019 @南青山MANDALA 
中村 中 アコースティックツアー 阿漕な旅2018〜2019 ひとりかるたとり@神奈川県民ホール 小ホール
Little Black Dress TOKYO MUSIC SHOW〜歌謡ヒットパレード〜 

== 舞台 ==
王様と私 @東急シアターオーブ
奇跡の人 @東京芸術劇場 プレイハウス
KAKUTA「らぶゆ」@本多劇場
無名塾「野鴨」@仲代劇堂 (2回目)
無名塾「野鴨」@仲代劇堂 
虚構の劇団「ピルグリム2019」@シアターサンモール
good morning N°5「どうしようもなくて、衝動。」@浅草九劇
good morning N°5「どうしようもなくて、衝動。」@浅草九劇 (2回目)
good morning N°5「どうしようもなくて、衝動。」@浅草九劇 (3回目)
青蛾館「毛皮のマリー」@東京芸術劇場 シアターウエスト
ドクター・ホフマンのサナトリウム〜カフカ第4の長編〜 @KAAT神奈川芸術劇場
地球防衛軍 苦情処理係 @紀伊国屋サザンシアター TAKASHIMAYA (2回目)
地球防衛軍 苦情処理係 @紀伊国屋サザンシアター TAKASHIMAYA
NODA・MAP第23回公演『Q』@東京芸術劇場 プレイハウス (2回目)
NODA・MAP第23回公演『Q』@東京芸術劇場 プレイハウス
タクフェス第7弾「流れ星」@サンシャイン劇場
タクフェス第7弾「流れ星」@サンシャイン劇場 (2回目)
コムレイドプロデュース「神の子」@本多劇場 (2回目)
コムレイドプロデュース「神の子」@本多劇場
キレイ -神様と待ち合わせした女- @シアターコクーン
PIPPIN @東急シアターオーブ
月影番外地 その6『あれよとサニーは死んだのさ』 @下北沢 ザ・スズナリ
シス・カンパニー「死と乙女」@シアタートラム
PLATプロデュース「荒れ野」@下北沢 ザ・スズナリ
ブラッケン・ムーア〜荒地の亡霊〜 @シアタークリエ
青蛾館「毛皮のマリー ラ・ママ・バージョン」@東京芸術劇場 シアターウエスト
海辺のカフカ @赤坂ACTシアター
無名塾 「ぺてん師 タルチュフ」 @能登演劇堂
人形の家 Part2 @紀伊国屋サザンシアター TAKASHIMAYA
プラトーノフ @東京芸術劇場 プレイハウス
十二番目の天使 @シアタークリエ
ハムレット @シアターコクーン
お気に召すまま @東京芸術劇場 プレイハウス
入江雅人グレート一人芝居「パンクスタイル 7」@APOCシアター
入江雅人グレート一人芝居「パンクスタイル 8」@APOCシアター
毛皮のマリー @新国立劇場 中劇場
世界は一人 @東京芸術劇場 プレイハウス
フローズン・ビーチ @シアタークリエ
二度目の夏 @本多劇場
渦が森団地の眠れない子たち @新国立劇場 中劇場
50Shade! 〜クリスチャン・グレイの歪んだ性癖〜 @新宿FACE
ミュージカル ロミオとジュリエット @東京国際フォーラム ホールC
悪魔と天使 @KAAT 神奈川芸術劇場
プルガトリオ -あなたと私のいる部屋- @東京芸術劇場シアターウエスト 

== 映画 ==
おとなの恋は、回り道 (Destination Wedding) 
グリーン・ブック (Green Book) 
真実 (La vérité、特別編集版、2回目は舞台挨拶とティーチインあり)
真実 (La vérité、ジャパンプレミア)
真実 (La vérité、吹き替え版、舞台挨拶あり)
帰郷 (東京国際映画祭 特別上映、舞台挨拶あり)
夕陽のあと (舞台挨拶あり)
ひとよ
スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け (Star Wars: The Rise of Skywalker、2回目も泣けた)
ターミネーター:ニュー・フェイト (Terminator: Dark Fate)
マイ・サンシャイン (Kings) 
最高の人生の見つけ方 (舞台挨拶あり)
マレフィセント2 (Maleficent: Mistress of Evil)
ジョーカー (Joker)
運び屋 (The Mule)
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド (Once Upon a Time in Hollywood)
アナと雪の女王2 (吹替版、Frozen II)
ガーンジー島の読書会の秘密 (The Guernsey Literary and Potato Peel Pie Society)
さらば愛しきアウトロー (The Old Man And The Gun)
ふたりの女王 メアリーとエリザベス (Mary Queen of Scots)
長いお別れ (舞台挨拶あり)
アリー/スター誕生 (A Star is Born)
アリータ:バトル・エンジェル (Alita: Battle Angel)
ゴーストランドの惨劇 (Incident in a Ghostland)
こどもしょくどう (舞台挨拶あり)
イエスタデイ (Yesterday)
ジョン・ウィック:パラベラム (John Wick: Chapter 3 - Parabellum)
天気の子 (Wethering with you)
多十郎殉愛記 (舞台挨拶あり)
ダンボ (Dumbo)
シンプル・フェイバー (A Simple Favor)
女王陛下のお気に入り (The Favorite)
旅のおわり世界の始まり (ロカルノ国際映画祭招待記念 凱旋上映&トークイベントあり)
ドクター・スリープ (Doctor Sleep)
IT THE END (IT Chapter Two)
ベル・カント とらわれのアリア (Bel Canto、ジャパンプレミア)
ロケットマン (Rocketman)
見えない目撃者 (舞台挨拶あり)
世界の涯ての鼓動 (Submergence)
十二人の死にたい子どもたち
蜘蛛の巣を払う女 (The Girl in the Spider's Web)
メリー・ポピンズ リターンズ (Mary Poppins Returns)
中島みゆき 夜会工場 VOL.2 劇場版
ゾンビランド (Zombieland: Double Tap)
フロントランナー (The Front Runner)
命みじかし、恋せよ乙女 (Cherry Blossoms and Demons)
アド・アストラ (Ad Astra)
ミスター・ガラス (Glass) 

== その他 ==
祝!35th ニューアルバム「iD」完成記念スペシャル試聴会 ~美里と奥野と本間のはなし!~ @マウントレーニアホール
谷川俊太郎 X 覚和歌子 対詩ライブその9 @晴れたら空に豆まいて 

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残雪の聖岳 最終日

2019-06-16 | 徒歩の旅

5/4 (土)

朝起きると足の痛みが少しだけ治ったような感じがした。足の付け根の痛みは足をあげる時に感じるのでほとんど下りの今日は大丈夫だろう。

アルファ米とポタージュスープで体を温めて3:45に友人より少し早く聖平小屋を出た。夜明け前の静かなひととき、雪を踏む音だけが聞こえる。

薊畑まで少し登ったらあとは下るだけだ。早朝で雪が締まっているのでトレースを外れてジグザグに進んで行く。調子に乗っていたらルートを外れてズボズボ埋まりだした。

雪に隠れていた折れた立ち木に小指をぶつけて少し血が出てしまった。トレースに戻ろう。

少し行くとルートは合っているもののトレースがなくなって腰まで埋まってしまった。ルートを間違えたか、尾根に向かってみたがトレースはない。地図やGPSで確認下がやっぱり合っている。さてどうしようと考えていたら友人が追いついた。

友人もこのルートでいいと言った。ちょっと先を見てくると友人が進むと僕が埋まった場所の先にトレースがあった。友人は雪に埋まらなかった。友人より体重と荷物で10kgぐらい重いのでその差で踏み抜きが多いのだな、と納得した。体重落とそう。。。

標高2000mまで下ると雪も少なくなってそこからは急な坂となる。友人は彼のペースで僕は僕のペースで歩き出す。渡渉箇所のある沢に降りるまで多分2組のパーティーとすれ違った。彼らも聖平小屋を目指すのだろう。

沢に着くと先に行った友人が休んでいた。ここで靴下を脱いで火照った足を風に晒して冷ました。余っていた行動食を口に放り込み十分休んだら出発だ。

ここまでくればあと少し登山道は林道へと変わる。林道と言っても狭く整備されているわけではないので車は通る事ができない。トンネルもある、トンネルでチャンピオンポーズをする友人を撮った。

山吹が先ごろを迎えていた。緑に映える鮮やかな黄色、山吹色だ。

沢沿いの林道を歩く、何か気の利いた山菜を見つけられればいいのだけれど知識が乏しいので何も見つけられない。時折見かけたタラの木はどれも丸坊主でタラの芽は残っていない。タラの木は全ての芽を摘むと枯れてしまうと言う。

聖平小屋から6時間15分、下山口の柴沢ゲートに着いた。温泉まではちょっと遠いので下栗の里でお昼ご飯を食べることにする。下栗の里まで先導するがついアクセルを開けてしまう。伴ちゃん(Bandit 1250S)の力を借りれば速く進めるのだ。

下栗の里の村営施設にはバイクがウジャウジャ止まっていた。ここからしらびそ高原は通行止なのでここが最終地点となるからだろう。下栗の里で蕎麦定食を食べた。なんと言うことのない定食だが山から降りた食事はいつも美味しい。ビールを飲みたいところだがバイクなのでビールもどきで喉を潤した。友人とはここで別れた。気をつけてな、言葉は少ないがこれでいいのだ。里を降りきる前に聖岳が見える場所にバイクを停めた。いいな、南アルプス。

中央道に入って南アルプス方面を眺めると積乱雲に覆われていた。天気は大荒れになるだろう。

駒ケ岳SA に寄ってお土産を物色した。鹿肉のお焼きと野沢菜漬けを買った。それと外で売っていた山菜、タラの芽もあったがコシアブラを買った。コシアブラは次の日天ぷらにして食べた。コシアブラを初めて食べた妻が喜んでいたので良いお土産となった。

中央道を山梨に入ると前方に黒い雲が見えた。まずいかも、と思って少し走っていたら急に風が強くなり大雨となった。その後バチバチと指や肩に当たる粒が痛いなと思ったら雹だった。マジか、もう全身ずぶ濡れなのでレインウェアを着る意味はないかと思い走り続けた。そのうちに寒くなって身体が少し震えるほどだった。山ではなく高速道路で低体温症に突入しそうだった。東京に入っても雨は続き高速を出る頃にやっと雨が上がった。寒い、すぐに風呂に湯をためて肩まで浸かった。やばいところだった、身体を温めながらそう思う。十分温まれば気は楽になりゆっくりビールを飲んだのであった。

 

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残雪の聖岳 2日目

2019-06-09 | 徒歩の旅

5/3 (金)

昨夜は3シーズンのシュラフだったので寒さで起きてしまう事があった。小屋の中の温度は5℃ぐらいだったようだ。

今日は足が痛かったら聖岳には登らず小屋で過ごそうと思っていた。目覚めると左足の付け根の痛みはそのままであった。今日は休養日としよう。

友人に今日は小屋にいる事を伝えた。その後ノロノロと朝ごはんを食べながら今日は何しようかなと考えていた。

そんな時に一日ここで過ごすよりも行けるとこまで行ってみようかという思いが突然湧いて出た。そうと決まれば行こうという事で素早く準備して友人と同じく5:30に小屋を出た。

小屋前のテント場にはテントがひとつ、素晴らしい快晴だ。やっぱり行くことにしてよかった。

小屋を出て上りになる場所から友人に先に行ってもらった。友人はあっという間に見えなくなった。小屋から薊畑まで歩いてみたが小股で歩けば痛みは少ない。

薊畑からの樹林帯には先日降った雪が残っていた。斜面のトラバースが楽しく好きなルートをズボズボと歩いて行く。

樹林帯を抜けると富士山が見えた。西から見る富士山の整ったシルエットに感動を覚える。

稜線はほとんど雪がない。小聖岳の山頂から聖岳を望む、いい感じの佇まいだ。

少しだけ怖い尾根を通過して振り返る。左手に見えるのは上河内岳か。

その後尾根道をショートカットして斜面を歩いたり頂上直下の雪渓を小気味よく登ったり今シーズン最後と思われる雪道を楽しんだ。

頂上直下の雪渓で登頂した友人が下りてきた。風が強かったので奥聖には行かなかったそうだ。その後すれ違った方も凄い風だと言った。

頂上に着くとどうですか言わんばかりの大きな赤石岳が眼前に現れた。風はそれほど強く感じなかったので奥聖まで行こうかと言う考えが過ぎったが欲は捨てようと天使の声が聞こえた。

帰り道、小聖をすぎて樹林帯に入った。登山道から最後の鞍部とピークを見て登りたくないなと思った。左手を見ると聖平小屋が見えた。地形図でも難所はなさそうなので下りてしまおう。

そうと決まれば好きなルートを時折り踏み抜くのを楽しみながらズボズボと歩いて行く。谷筋なので沢のだけは歩かないようにした。沢は雪融けが進んで雪の下に大きな空洞ができているに違いない。

上り3時間半、下り2時間半、小屋にはお昼前に着く事ができた。小屋に着くと友人がシュラフを干してくれていた。そこにアイゼン、ピッケル、ゲイターなども干した。ゲイター以外はドイツ語、山道具はドイツ語由来が多いな、他にもザック、ザイル、ストック、コッヘル、英語で言った方が今っぽいと思うのは思い過ごしだろうか。スリーピングバック、クランポン、アイスアックス、バックパック、ロープ、トレッキングポール、クッカーなどなど。

聖平小屋には立派なトイレがあるので利用しよう。昨日沢の水を汲みに行ったらこっちに来ないでと声がした。数メートル先に人が腰を降ろしていた、しばらく待ってそこを通ると大便と紙があったのでびっくりぽん!するなら小屋から離れた場所、人の通り道から離れた場所、水場から離れた場所でしなければいけない。もちろん紙は持ち帰りだ。

お昼ご飯はボロネーゼのパスタを食べた。その前にはサッポロ黒ラベル、ビールを持ってきて本当によかった。

その後「黒部の山賊」を読みながら過ごした。友人はラジオを聴きながら横になっている。

パスタが消化されたのを見計らい、セブンイレブンで買ったサラダチキンでミネストローネを作る、それにサラダビーンズを投入した。持ってきたワインも飲み切った。

あとは暗くなるまで本を読んで眠りについた。友人には明日1時間早く出ると伝えた。

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残雪の聖岳 1日目

2019-05-08 | 徒歩の旅

久しぶりの日記である。記憶がある近い過去から書いてみようかな、気が向いたら少しずつ(弱気)

5/2 (木) 晴れ

旧友と1年ぶりに山旅をした。前回は南アルプスの農鳥岳、今回は同じく南アルプスの聖岳だ。残雪期でテン泊なので荷物は多い。缶ビールとワインも持ったら重量は19kgになってしまった。ヘルメットとゴーグルは置いていこう。

日が変わる前の23:30に家を出た。睡眠時間は2時間だけだったが頭はスッキリしているので問題はない。家から登山口までは6時間、気合いを入れて雨の中バイクを走らせる。深夜なので都内も中央道も渋滞とは無縁で走りやすい。山梨に入ると雨が止んだ。気温は10℃以下で少し寒い。身体を温めるべく双葉SAで夕飯のキツネうどんを食べた。お揚げが甘くジューシーであった。深夜のSAは閑散としていた。

松川ICで降りて登山口の芝沢ゲートを目指す。しばらくするとクネクネとした山道となる。夜明け前の暗く細い山道を気持ちよく走っていく。明るくなる頃下栗の里の麓に着くと目指す聖岳が遠くに見えた。おおっ、遠い。。。頂き付近は十分雪が残っている。スマホを見ると友人から連絡が入っていた。コンビニでタバコを買ってきて欲しいとのことだったが、時すでに遅し。下栗の里はバイク旅で何度か訪れた場所で日本のチロルと呼ばれている。なお下栗の里からしらびそ高原方面は現在通行止めである。通行止めのゲートから裏道を登山口に向かうが落石だらけであった。北又渡の橋を渡ると1.5kmの荒れた未舗装路、ガタガタ揺れてせっかく冷えているビールが心配である。

5:30に芝沢ゲートに到着すると友人が待っていた。世間話をしながら仕度を整える。さて出発。便ゲ島まで2時間の林道歩きだ。

このように崩落した箇所を巻く登山道が作られている。新緑と道路脇に咲く山吹の鮮やかさに喜びを感じながら歩いていたら左足の付け根に痛みが出た。先日の唐松岳のキックステップで痛めてしまったところだ。一人だったら引き返すかもしれないぐらいの痛みだ。痛みをこらえて歩く。

1時間半で便ゲ島に到着した。便ゲ島には今は休業となっている小屋とキャンプ場があって残っている東屋で休憩をとった。

騙し騙し歩いていたがこのペースでは歩くのは無理なので友人に先に行ってもらうことにする。彼からもらった湿布を貼って出発した。便ゲ島から少し山道となりその後荒れた林道となる。林道にはいくつもの崩落箇所があった。荷物が重いので慎重に崩落箇所を超えて行く。

途中廃屋を左に曲がって登山道があるのだけれど、前から人が歩いてきたのでそちらの方に足を向けてしまった。すると道がなくなり崖になってしまった。崖をトラバースしようとしたがかなり危険なので引き返した。どうやら彼らも道を間違えたようだ。道を間違えたなら教えてくれればいいのになぁと思うのだが。。。

そして渡渉箇所までやってきた。橋が流された時のために手動のロープウェイがある。これは古いもので使われていないよいうだ、下流に新しいものがある。

橋は健在だったのでこちらを渡る。ロープウェイは時間と体力を要するのだ。

ここから急登が始まる。ここまで400mぐらい標高を上げてきたが、薊畑まで一気に1300mを登る。イタイ、アツイ、キツイ、ほとんど修行である。

標高2000mまでくれば苔平、あと400mである。ここまで6時間、コースタイム+30分ぐらいであった。

この後が苦しかった。陽気に溶かされた残雪を踏み抜いてなかなか前に進めず薊畑の分岐まで2時間45分もかかってしまった。

薊畑に着いてホッとした。聖小屋まで30分弱の道程だ。薊畑からは上河内岳の山塊が目の前だ。

薊畑から聖平小屋まで下りなので足への負担はほとんどない。足の付け根は足を上げるときに痛むのだ。ところが時々緩んだ雪を踏み抜いてはイタタタと何度も思ったのだった。

小屋では友人が待っていてテントはやめて避難小屋に泊まろうと言った。テントより小屋の方が暖かいからそうしようと即答した。小屋は数組のグループには十分な広さであった。

友人は持ってきた梅酒、僕はビールで乾杯した。その後は避けるチーズとハンバーグでワインを飲んで、ペンネを茹でてボロネーゼを食べた。レトルトは重いがつい持ってきてしまう。

その後ココアを飲んで歯磨きシートで歯をゴシゴシして7時にはシュラフに潜り込んだ。明日は聖岳に登れるだろうか。足が痛かったらダメかもしれないがここまで来たからよしとしよう。

 

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平成最後の初日の出

2019-01-12 | 日々のこと

田子の浦港から

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文化的活動記録 2018

2018-12-29 | 日々のこと

毎年書いている映画ランキングに今年は音楽と舞台のランキングも加えてみました。
基準は映画はもう一回観たい、音楽と舞台はナマモノなので心に染みたランクにしてみました。

今回追加したのは映画「マダムのおかしな晩餐会」じわりといい、舞台「メタルマクベス disc3」面白く楽しめた、でも疲れてて途中寝てしまった、2018年はこれでおしまい、来年も沢山観に行けるといいね。
前回追加したのは音楽「中村 中 るつぼ リリース記念イベント ミニライブ」寒空の下、心を温めてくれる歌を聴けた
前々回追加したのは音楽「宇多田ヒカル Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018」素晴らしい歌の見本市、あとからジワジワと思い出す
前々々回追加したのは音楽「渡辺美里 ribbon power returns」彼女はどこまでも真っ直ぐで清らかでいい歌を聴かせてくれる

= 音楽編 =
渡辺美里  M・Evolition Tour 2018 @人見記念講堂
MISIA  THE SUPER TOUR OF MISIA @横浜アリーナ
渡辺美里  M・Evolition Tour 2018 @かつしかシンフォニーヒルズ
辻仁成  辻音楽師の三日間 2日目 @Zher the ZOO YOYOGI
辻仁成  辻音楽師の三日間 3日目 @Zher the ZOO YOYOGI
辻仁成  辻音楽師の三日間 1日目 @Zher the ZOO YOYOGI
MISIA  星空のライヴX @河口湖ステラシアター
渡辺美里  ribbon power neo @マイナビBLITZ赤坂
辻仁成  食べて歌って愛せよ vol1 @GRAPES KITASANDO
MISIA  星空のライヴX @東京国際フォーラム
Taylor Swift  Reputation Stadium Tour @東京ドーム
宇多田ヒカル  Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018 @さいたまスーパーアリーナ
渡辺美里  ribbon power returns @豊洲PIT
辻仁成  吟遊詩人の会 vol.2 @晴れたら空に豆まいて
辻仁成  吟遊詩人の宴 @Zher the ZOO YOYOGI
中村 中  LIVE2018 三面鏡の女 @新宿FACE
中村 中 るつぼ リリース記念イベント ミニライブ @ラゾーナ川崎プラザ ルーファ広場
中島みゆき  夜会工場 Vol.2 @Bunkamura オーチャードホール
MISIA  星空のライヴX ANNスペシャル」@東京国際フォーラム
谷山浩子  猫森集会2018 <Bプログラム> ゲスト:中村 中 @スペースゼロ
椎名林檎  (生)林檎博'18 -不惑の余裕- @エコパアリーナ
渡辺美里  Premium meets Premium 2018 @浜離宮朝日ホール
Katy Perry  Witness The Tour @さいたまスーパーアリーナ 

= 舞台編 =
肝っ玉おっ母と子供たち @世田谷パブリックシアター
99才まで生きたあかんぼう @よみうり大手町ホール
ミュージカル エビータ @シアターオーブ
ショーガール Vol.2 @EXシアター六本木
かもめ @シアタートラム
現代能楽集 IX「竹取」@シアタートラム
祝杯ハイウェイ @下北沢駅前劇場
看護婦の部屋〜白い魔女〜 @下北沢駅前劇場
新感線⭐︎RS メタルマクベス disc3 @IHIステージアラウンド東京

セレブ気取り @築地ブディストホール
黒蜥蜴 @日生劇場
2018美輪明宏版 「愛の賛歌」 エデイット・ピアフ物語 @新国立劇場 中劇場
「銀河鉄道999」〜GALAXY OPERA〜 @明治座
コインロッカーベイビーズ @TBS赤坂ACTシアター
魁!gmn5スタンダップコメディライブ! @下北沢駅前劇場
近松心中物語 @新国立劇場 中劇場
ハダカ座公演vol.1 ストリップ学園 @新宿FACE
ビートたけし ほぼ単独ライブ 第五弾 @中野サンプラザ 

= 映画編 =
シェイプ・オブ・ウォーター (The Shape of Water) 
北の桜守 (初日舞台挨拶)
焼肉ドラゴン
女と男の観覧車 (Wonder Wheel)
キングスマン ゴールデン・サークル (Kingsman:The Golden Circle)
万引き家族 (舞台挨拶)
日日是好日
ボヘミアン・ラプソディ (Bohemian Rhapsody)
ミッション・インポッシブル/フォールアウト (Mission: Impossible / Fallout)
オーシャンズ8 (Ocean's Eight)
バトル・オブ・ザ・セクシーズ (Battle of the Sexes)
レディ・バード (Lady Bird)
グレイテスト・ショーマン (The Greatest Showman)
おかえり、ブルゴーニュへ (Back to Burgundy)
鈴木家の嘘 (舞台挨拶)
レッド・スパロー (Red Sparrow)
祈りの幕が下りる時
狐狼の血 (初日舞台挨拶)
人魚の眠る家 (舞台挨拶)
ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー (Solo: A Star Wars Story)
マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー (Mamma Mia! Here We Go Again)
マダムのおかしな晩餐会 (Madame)
イコライザー2 (The Eqaulizer 2)
妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII (初日舞台挨拶)
コーヒーが冷めないうちに
クワイエット・プレイス (A Quiet Place)
チューリップ・フィーバー (Tulip Fever)
アンダー・ザ・シルバーレイク(Under the Silver Lake)
かごの中の瞳 (All I see is you)
ゲティ家の身代金 (All the Money in the World)
ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書 (The Post)
ヴァレリアン 千の惑星の救世主 (Valerian and the City of a Thousand Planets)
レディ・プレイヤー1 (Ready Player One)
ダウンサイズ (Downsizing)
50回目のファーストキス (舞台挨拶)
トゥームレイダー ファーストミッション (Tomb Raider)
カメラを止めるな
ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ (Sicario: Day of the Soldado)
くるみ割り人形と秘密の王国 (The Nutcracker and the Four Realms)
華氏119 (Fahrenheight 11/9)
音量を上げろタコ! (舞台挨拶)

フューチャー・ワールド (Future World)
Vision
15時17分、パリ行き (The 15:17 to Paris)
ビガイルド 欲望のめざめ (The Beguiled)

 

 

 

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北アルプス 吊尾根から涸沢へ 最終日

2018-12-01 | 徒歩の旅

10/9 晴れ

夜明け前に目を覚ましてテントの外を覗くと満天の星だった。せっかくなのでシュラフに潜ったままテントの入り口を開けて空を眺めた。標高2300メートルを超える秋の山の空気は冷たい。丁度見える吊り尾根の上をオリオン座が横切って行く。

周囲が明るくなる頃シュラフから這い出てスープ、アルファ米、コーヒーの朝食をとる。6時近くになって朝陽が穂高を照らし出した。今日も快晴だ。これは涸沢岳。

北穂高岳方面はこんな感じで山の斜面の紅葉と朝陽が溶け合っていた。

今日は下るのみ、サクサクと下って行く。登山道は整備されているが濡れた石でツルッと滑って危うく転倒するかと思うことがあった。気が抜けて安全と思われるところが一番危ないのだ。

後ろ髪はないが、何度も何度も少しずつ見えなくなる穂高の稜線を振り返った。登山道は平坦になってシラビソの森を歩く。こんな道も好きだ。

ダーン!と屏風岩、あの裏にあるパノラマコースをいつか歩いてみよう。

徳沢でソフトクリームを食べようと思って徳沢園に寄ると黒板にNEW コーヒーソフトの文字が、コーヒーもソフトクリームも好きなので迷わず注文した。振りかけられたシナモンがいいアクセントになっている。徳沢園には明るい芝生のキャンプ場もあって山行の前泊にもいい感じだ。

上高地に向かう梓川沿いの林道で団体のガイドの方がこんなに明神岳が見えることは滅多にありません、と言っていたのが聞こえた。確かに雲ひとつない青空だ。昨年沢山いたニホンザルが今回はいなかった。どこに行ってしまったのだろう。

登山口の上高地に戻って河童橋から今回歩いた吊り尾根を眺めると思わず顔がにやけそうになった。この2週間後稜線は雪に覆われた。山の季節は本当に一瞬だ。

五千尺ホテルの喫茶室5HORNに寄る。ここは川と山を眺めながら美味しいケーキを食べられるのだ。定番のレアチーズケーキにしようかな、と思ったら栗の渋皮煮タルトなるものがあった。栗には目がないのだ、昔里のくりと言うアイスが好きであった。タルトもコーヒーもとても味わい深かった。また訪れたい場所だ。

上高地バスターミナルで次の便の最後の座席を運良く確保できた。上高地から新島々までバスで行き、そこから松本まで長閑な田園の中をゆっくり行く列車に揺られた。

松本でお土産と地ビールを買って特急に乗り込んだ。座席は八ヶ岳を眺められる左側、ビールを飲みながら今回の山行を回想した。今年は裏銀座と前穂奥穂の縦走をすることができた。北アルプスを訪れる旅はまだ始まったばかりだ。

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北アルプス 吊尾根から涸沢へ 2日目

2018-11-18 | 徒歩の旅

10/8 晴れ

凛とした空気の中で目を覚ます。上高地に朝靄が立ち籠め、乗鞍と焼岳に朝陽が中る。

足元はまだ薄暗いのでヘッドランプを着けて歩き出した。

標高が上がると共に空気が薄くなり一歩一歩が結構きつい。森林限界を抜ければ空に登って行く感じだ。あの向こうに山頂が待っている。

紀美子平から正面の西穂高方面を眺める。紀美子平は重太郎新道を作った重太郎が幼い娘の紀美子を寝かせるテントを張っていた場所で、23歳で急逝した紀美子の名前でいつしか呼ばれるようになった場所だ。我が子を失う悲しみ以上の悲しみはないだろう。ここにザックを置いて少し休み前穂の頂を目指した。

前穂高岳の頂には絶景が待っていた。南東の雲海のずっと向こうに富士山がちょこんとあった。

北を見ると槍ヶ岳とそこに続く東鎌尾根の全容が見えた。北穂高岳への登山道もよく見える。

手前の岩場でバリエーションルートの北尾根を登って来た人が手を降ってくれた。

山頂で30分ぐらい景色を楽しんで前穂高岳を後にする。少し行って振り返る、雲上を行く気分はカモシカだ。

少しずつ奥穂高岳が近づいてくる。この道を歩ける幸せを噛み締めて進む。

そして奥穂高岳の頂が見えた。人の姿が見えるところが山頂だろう。

山頂付近は多くの人が楽しそうにしていた。せっかくなのでソロの人にお願いして写真を撮りあった。

ヤッホ!山の神に手を合わせて万歳!ん、お腹出てるな。お腹に貯めた脂肪を燃やしてどこまでも行ける、と誰かが言ったかもしれない。

奥穂から眺めるジャンダルム、小さなハーフドームみたい。頂に人が立っている。ハーフドームはカリフォルニアのヨセミテ公園にある岩山だ。

天空の道と呼ぶに相応しい道を行く。穂高岳山荘の真上から涸沢岳と北穂岳を望む。

急峻な道を下って穂高岳山荘に到着し、今日の幕営地がある涸沢を覗き込む。カールの向こうに屏風岩、そのまた向こうに端正な常念岳。

ここから国設涸沢野営場までザイテングラートと呼ばれる尾根道をゆっくりと降る。久し振りの山歩きで脚が少し痛い。事故は疲労の溜まった下山時に起きるのだ。

振り返れば涸沢岳と涸沢槍、秋の山に七竈(ナナカマド)は外せない。

テントを張ったら涸沢ヒュッテのパノラマ食堂でおでんをいただく。今回のお楽しみはビールとこのおでんなのだ。あ、終わりそうな紅葉も。

涸沢岳から北穂高岳に連なる岩の白さが美しい。カラフルなテントもいい感じ。ヤッホ!ヤッホ!と心の中で呟いておく。

テントに戻っていつものようにパスタを食べてワインを飲んでフワフワした気分で山を眺め続けた。

 

 

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北アルプス 吊尾根から涸沢へ 1日目

2018-11-10 | 徒歩の旅

10/7 晴れ

7月に北アルプスの裏銀座を歩き、8月の頭に富士山に登ったあと天気が悪かったり予定が入っていたりしてなかなか山に行く機会がなかった。

そしてもう10月、山は秋から冬に向かっている。目指すは穂高、前穂から奥穂を歩いて涸沢に下る計画だ。天気予報と睨めっこして台風が過ぎ去るのを確認してエイヤ!と高速バスのチケットを買った。早朝に登山口に着く夜便は買えず、買えたのは朝便で上高地に着くのはお昼なのだ。5時半に家を出て新宿に向かう。新宿からバスに乗るのだ。高速に入るとすぐに渋滞、昨日は2時間半遅れたそうだ。うーむ。

上高地に着いたのは13時半、食堂で食べようと思っていたお昼ご飯は抜いて行動食を口に放り込んで出発だ。小雨がパラついていたが本降りにはならないだろう。河童橋から岳沢方面を眺めた。稜線は雲の中だ。

梓川沿いのとろりとした水の流れに上高地に来たなと実感する。正面に六百山、登山道はないとのことだ。

湿原を抜けるとすぐに急登となる。久し振りの山歩きなのでゆっくりと登って行く。それにしても暑い。結構汗をかいてしまった。天然クーラの風穴に期待したが風は吹いていない感じだった。

開けた場所に出て振り返れば上高地が箱庭のようになっていた。

このガレ場を超えれば岳沢小屋だ。山に張り付いた岳樺(ダケカンバ)が色づいている。

岳沢に着いたのは15:45、受付をするとテントはあと5張りぐらいだと言う。おー、ぎりぎりだ。

小屋に近いテントを横目に一番奥まで登るとあったあった、素早くテントを張って夕飯だ。水とビールを求めて小屋まで往復した。小屋まで遠い何かと面倒だがテン場を見下ろせるのは気持ちい。

ビールとレトルトのボロネーゼで寛いでいると一瞬の晴れ間に夕陽を浴びた稜線が現れた。ヤッホ!

下がって行く気温の中で寝袋に包まって明日の山歩きを思うと幸せな気持ちになった。

夜中に目を覚ましてテントの隙間から外を除くと満天の星が見えた。明日は良い天気になりそうだ。

 

 

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北アルプス 花咲く裏銀座を行く 最終日

2018-09-01 | 徒歩の旅

7/27 晴れ

早いもので今回の山旅も下山の日を迎えた。いつものスープとコーヒーで身体を温め、水分を補給した。

今日も良い天気になりそうだ。雲はほとんどなく、空気が冷たい。日の出を一目見ようと多くの人が外に出て待っていた。

こちらが今回テントを張った区画Cだ。広さは2人用テントだと本当にいっぱいいっぱいであった。

4:50、テント場を後にする。テント場は小高い頂きを挟んで槍ヶ岳が見えない場所に多くの区画がある。そこまで出ると朝日に照らされた大喰岳が見えた。斜面に残された雪渓の割合が程よい。

数分歩くと飛騨乗越に着く、そこから標高差にして2000mの長い下りが続く。小気味好くザレ場を下っていく。

暫くすると登山道脇にハクサンイチゲが咲いていた。そして鳥兜(トリカブト)、猛毒を持っているので近づかないようにしておこう。

笠ヶ岳の真下に影槍と呼ばれる槍ヶ岳の影が映し出されていた。

救急箱が設置された千丈乗越への分岐点で昨晩一緒にお酒を楽しんだ隣のテントのグループに追いついた。またどこかで会ったらよろしくお願いしますと言って別れた。

樹林帯に入りさらに下っていく。槍平小屋で冷たい水を飲んで残りのアルファ米の赤飯を食べてリフレッシュした。

滝合出合、渓谷の先に神々しい穂高の山並みが見えた。

玉川杜鵑草(タマガワホトトギス)、だいぶ下に降りてきたことを感じさせてくれる。

下野草(シモツケソウ)、線香花火のようだ。

最後の方は広い林道となり、退屈度もアップ、黙々と歩き続ける。そして下界の暑さが身体を包む。

下山口である新穂高ロープウェイ駅に着いたのは10時過ぎ、今日の宿を探そうかと思ったがその前に家に電話して下山を告げた。

すると、台風12号が近付いており明日は大雨のとのこと、交通機関への影響も考えられるとのことだった。温泉宿で1泊する案は取り下げて今日家に帰ることにする。

バスの時刻は11:30、1時間以上あるので温泉で汗を流して生ビールを飲んだ。しかししっかりした食事をする時間はなかったのでバスに乗る直前に肉まんをひとつ食べた。

バスに揺られること2時間、松本駅に着いた。お腹はペコペコ、松本からあげセンターに突撃し、ここぞとばかりに山賊焼カレーと鶏ラーメンのセットと生ビールを注文した。食べ切れるかな、と一瞬ひるんだもののお腹をパンパンにして食べ切った。

新宿行きのあずさに乗り込み今回の山旅を思い出した。天気に恵まれ大きなトラブルもなかった。今回のコースの総距離55kmをテントを担いで歩いた達成感、ブナ林の急登に始まり天空の稜線、お花畑、岩陵と変化に富んだ景色、この先も忘れることのない山旅となった。

 

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